「ふんふふんふふーん♪」  
やけに機嫌よく鼻歌なんかを鳴らす神原を前にして、僕は少々混乱していた。  
今何が起こっているのかまるでわからないのだ。  
まあ例え混乱していなくて冷静だったとしてもこの状況は理解できないかもしれない。  
わからないことがあったらお父さんお母さん、もしくはその原因を作り出した張本人に聞いてみよう。  
「なあ神原」  
「ん、なんだ阿良々木先輩?」  
「僕は何故後ろ手に縛られて拘束されて座らされてるんだ? そしてお前は何故自分で部屋を片付けつつ布団を用意しようとしてるんだ?」  
「愚問だな阿良々木先輩」  
ちっちっと指を振りながら答える神原。  
そんな仕草もいちいちサマになっていて格好いい。  
「今日は何の日だと思う? 私は一年間この日を待っていたのだぞ」  
「今日……? 何かあったっけ?」  
この時の僕はまだ少なからず余裕があった。  
例えどんなことをされても本当にいざとなれば忍が助けてくれるだろうと思っていたからだ。  
僕のピンチはあいつのピンチだし、僕の痛みはあいつの痛みになってしまうからな。  
幼女に他力本願というのは情けないが、もはやそんなのは今更である。  
…………ん、忍?  
一年間。神原。  
「…………あ」  
「思い出したか阿良々木先輩? そう、このSSの作者の誕生日だ!」  
「だから作品外のメタな発言をするな! そういうのを許されてるヒロインは八九寺だけだ!」  
デジャヴを感じる発言。  
いや、デジャヴじゃないんだけど。  
「というわけで今年も阿良々木先輩を好きなようにしていい権利をもらった。私は阿良々木先輩のようなチキン……紳士ではないからな、この権利をありがたく使わせてもらう」  
「おい、今僕のことをチキンと言ったか?」  
羽川か? 羽川が何か言いふらしたのか!?  
「神原、いい加減に……んっ!」  
言葉を発する僕の口が塞がれた。  
比喩的な意味でなく、文字通り神原の唇によって。  
両手を縛られている上に顔を押さえつけられているので抵抗のしようがなかった。  
「ん……ふ……っ」  
な、なんだこいつ?  
めちゃくちゃ上手いぞ!  
最初は遠慮がちに舌が唇をなぞり、やがて歯茎に這わせ始め、大胆に侵入してくる。  
頬の内肉を舌先でつつき、僕の舌を絡め取ってしゃぶり、唾液を啜る。  
「ん……はぁ……っ」  
さんざん口内を陵辱されつくし、唇が離れた頃には頭がじんじんと痺れるような感覚が全身を駆け巡っていた。  
神原はぞくぞくと身体を打ち震わす。  
 
「ああ……なんていい表情をするんだ阿良々木先輩」  
朦朧とした意識下でも自分がだらしない顔をしているのがわかる。  
なんていうか顔の筋肉が緩んで上手く動いてくれないのだ。  
唇の端から漏れ出た唾液を神原はぺろりと舐め取る、それだけの行為でも僕は敏感に反応してしまう。  
「ふふ、阿良々木先輩の、服の上からでも大きくなってるのがわかるぞ、すごい苦しそうだ」  
神原の言うとおり、ズボンとトランクスの中の僕のモノははちきれんばかりに大きくなっており、テントを作り出していた。  
つん、と指先でつつかれるだけで過剰に身体が跳ねる。  
「うっ……」  
「ふふ、阿良々木先輩が望むなら私が今のその苦しさから解放して差し上げることができるのだが」  
僕の頬を撫でながらものすごい笑顔で神原は言う。  
こ、こいつMだけでなくこんなS属性もあったのか?  
快感と欲望に負けて僕の口から敗北宣言が出そうになる。  
「そうそう、言っておくがな阿良々木先輩。忍ちゃんは助けてくれないぞ、先ほど買収しておいたからな」  
ズボン越しに手で屹立したものを撫でつつ耳元で囁いてくる。  
買収!?  
いつの間にそんなことを。  
が、深く考える間もなく神原はそのままれろりと僕の耳に舌を這わし、唇で挟み込む。  
手の動きが変わり、僕を高みへ導こうと激しくなる。  
ズボン越しでも与えられる快感は圧倒的なものであり、達するのも時間の問題と思われた。  
「なあ、阿良々木先輩」  
「な……なんだ……っ?」  
「×××××××××」  
「!! う、うあっ! あっ!」  
耳から脳を直撃した神原の言葉に僕は堪えられなかった。  
びくっびくっと全身を痙攣させ、自分の下着の中でびゅくびゅくと精を放ってしてしまう。  
「おお、イってるんだな阿良々木先輩! もっと、もっとその顔を見せてくれ!」  
情けなさと恥ずかしさと気持ちよさが入り混じった今の表情はさぞかし滑稽だろう。  
しかし神原の手の動きに射精は止まらず、僕にできるのはせいぜい声を抑えるくらいだ。  
やがて全てを出し切り、僕は脱力してぱったりと足を投げ出す。  
「はあ……っ……はあ……っ……」  
「ふふふ、イってる時の阿良々木先輩の表情、可愛かったぞ」  
後輩女子に可愛いと言われてしまったが、何かを言い返す気力もない。  
ズボンに手をかけられても黙ったままになる。  
「阿良々木先輩、汚れたこれは洗濯しておくから脱がすぞ」  
確かに下着の中はぐちゃぐちゃで気持ち悪い。  
僕は素直に腰を浮かす。  
 
ズボンとトランクスを一気にずり下ろされると、むわっと精液の臭いがあたりに充満する。  
見ると自分でもびっくりするくらいの量が出ており、僕の下半身は粘液だらけになっていた。  
神原は僕から脱がしたものを傍らに置くと、座ってる僕の足の間に顔を伏せ、そのままペロペロと下半身を舐め始める。  
「かかか神原!?」  
「ん、動くな阿良々木先輩、やりにくい」  
竿や陰嚢、内腿や下腹、さらには陰毛にまで飛び散った白濁液を舌と唇で丁寧に掬い取っていく。  
少しくすぐったい快感がぞくぞくと僕の全身を襲う。  
「ん……ちゅる……私が汚したのだから……れろ……責任持って綺麗にしないとな」  
そう言って神原は口に含んだものを次々と飲み込んでいく。  
僕が下半身に走る快感に集中し始めると、それを確認した神原は手を伸ばして僕の拘束を解いた。  
僕ももう抵抗はせず、解放された手で神原の頭を撫でる。  
神原ははにかみながらも口による掃除を続けていった。  
最後にまだ固さを保っている肉棒の先端に唇を付け、ちゅうっと尿道に残っていたものを吸い出される。  
「んう……ううっ」  
快感の電流が全身を駆け巡り、声が抑えきれなかった。  
それらの行為により、出す前と何ら変わらない状態に戻った肉棒を見つめ、神原は口内に溜めた精液をこくんと飲み込む。  
「ふふ、ごちそうさま、と言うべきなのだろうか?」  
「…………」  
返答に困り、僕はただ神原の頭を撫で続ける。  
神原もしばらくの間それを受け入れ、すっくと立ち上がった。  
「阿良々木先輩、三秒ほど目を閉じていただけないだろうか?」  
「?」  
僕は訝しげになりながらも目を閉じる。  
すぐに、もういいぞ、と言われて目を開けると、そこには一瞬で服を脱ぎさった神原がいた。  
どんな構造の服を着ていたんだよ!  
「これぞ瞬着ならぬ瞬脱!」  
実に使い道のない特技である。  
しかし相変わらず神原のプロポーションは見事なものだった。  
その均整のとれた身体は芸術品と言ってもいいくらいだ。  
芸術品とは言っても僕の下半身はしっかり反応してしまっているんだけどな…………ん?  
僕は神原の内腿に雫が伝わっているのを見つけた。  
「神原、それは……?」  
「ああ、阿良々木先輩のを舐めていたらいつの間にかこんなになっていた。まったく、媚薬入りの精液とは吸血鬼もやるな。さぞかし戦場ヶ原先輩も狂い惑っているのだろう」  
「吸血鬼にそんな能力はないし僕の精液にもそんなものは入ってない!」  
まあ。  
 
戦場ヶ原が時々狂い乱れるのは否定しない。  
「なのでもう前戯は必要ない、入れさせてもらうぞ阿良々木先輩」  
いや、入れるのは僕の方ではないだろうか?  
が、僕が何かを言う前に神原は僕を抱えて布団へと放り投げ、横たわった僕の上にのしかかり、腰の位置を調整して入る角度にあてがう。  
「いくぞ、阿良々木せんぱ……ああっ!」  
神原が腰を落とす前に僕が神原の腰を掴み、自分の腰を突き上げたのだ。  
一気に最奥部まで埋まり、子宮口を突かれた神原は悲鳴を上げて仰け反った。  
「そ、そんな……いきなり……ああっ!」  
僕は神原に構わず、ぐいぐいと掴んだ神原の身体を揺すらせる。  
それと同時に自分の腰を小刻みに振って、神原の中を蹂躙していく。  
「うあ、あ、あっ! お、奥……そんなに……だめ……っ」  
それを聞いた僕は腰をさらに突き上げ、子宮口をぐりぐりと亀頭で刺激する。  
神原は少し伸びた髪を振り乱し、声を荒げて身体を暴れさす。  
それでも蜜壷は二度と離すまいというようにぎゅうぎゅうと僕の肉棒を締め付けてきた。  
僕が動きを止めても神原は自分から腰を振り続け、より強い快感を要求してくる。  
「か、神原……少し抑えろ……っ」  
「す、すまないっ! でも! 阿良々木先輩の、気持ち良くて! 止まらないっ!」  
神原はそこまで叫ぶとがばっと僕の上に覆い被さり、唇を合わせてくる。  
腰を振るとともに身体を揺すって全身をこすりつけてき、腕を僕の首に巻いてしがみついてきた。  
少し目が潤んで涙目になっているところを見ると、すでに余裕はないらしい。  
僕は堪えるのを諦め、神原とともに上りつめることにした。  
背中に腕を回して強く抱き、神原に動きを合わせる。  
「うっ! んっ! ふっ! んぐぅっ!」  
二倍どころか二乗の快感が僕たちを襲い、二人で一気に高みへと駆け上がった。  
「あ、阿良々木先輩! もう、もう!」  
「ああ! 神原! いくぞ! 一緒にいこう!」  
動きにスパートをかけ、快感を貪る。  
やがて一瞬だけ声が止み。  
『う、うああああああぁぁぁっ!』  
揃って獣のような悲鳴を上げて僕たちは同時に達した。  
僕はありったけの精液を神原の中に注ぎ込み、それをより深いところで受け入れようと神原は腰を振る。  
「あっ……あっ……あ……あー……」  
僕の全てを受け止め、いき終わった神原は脱力して僕の上にのしかかる。  
僕は特に重いとか考えず、背中と頭に手をあてがって、ぽんぽんと軽く撫でるように叩く。  
 
神原はしばらくの間それを心地良さそうにしていたが、やがて膨れっ面になる。  
「……何だよ?」  
「ひどいぞ阿良々木先輩、本来は私の好きにするはずだったのに」  
好きにされてたまるか。  
いや、ちょっと魅力的ではあるのだが。  
「でもまあ気持ちよかったし、よしとしよう」  
すりすりと僕の胸に頬ずりをしてきた。  
このへんは戦場ヶ原と似通っているな、さすがにコンビなだけはある。  
ん、そういえば。  
「神原、忍の買収って具体的には何をしたんだ?」  
「うん? ああ、ドーナツ五個だ」  
「安っ!!」  
いくらなんでも安すぎるだろそれ!  
僕は三桁の金額で売られたのか!?  
「ああ、いや、もうひとつ条件があってな」  
「?」  
「二回戦からは自分も参加させてほしいと」  
「……!!」  
戦慄が走ったあと視線を感じ、そちらを向くと生まれたままの姿の忍が仁王立ちでこちらを見下ろしていた。  
唇の端をつり上げたその笑顔は残虐さとも淫靡さとも取れる。  
見た目通りの年齢の少女には絶対に出せない表情だ。  
今日という天国のような地獄のような一日はまだ終わってくれないらしい。  
 
 
 
 
 
 

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