「ねえ神原」  
「なんだ、戦場ヶ原先輩?」  
「さくらんぼの茎を舌で結べるとキスが上手いらしいわね、できる?」  
「当然だ、ん……ん……ほら」  
「さすがね」  
「戦場ヶ原先輩はどうなのだ?」  
「一応できるわよ」  
「なるほど、そのテクニックで阿良々木先輩をメロメロにしているのだな」  
「…………」  
「ど、どうしたのだ戦場ヶ原先輩?」  
「いえね、あの童貞野郎にもやらせてみたのよ」  
「童貞とさくらんぼをチェリーでかけているのだろうけどまったく上手くないからな戦場ヶ原先輩……それでどうだったのだ?」  
「こともなげにあわじ結びをしてきたのよ阿良々木くんは」  
「ご祝儀袋とかのアレ!?」  
 
 
 
 
「できねえなぁ……月火ちゃんはどうだ?」  
「うーん、できないね……あ、お兄ちゃん、さくらんぼの茎を舌で結べる?」  
「ああ、できるよ、貸してみな」ヒョイパク  
「…………」  
「…………」  
「(ピリリリ)ん……メール……羽川か」モゴモゴ  
「…………」  
「…………」  
「(ピッピッ)これで……返信……っと。ああ、僕ちょっと出かけてくるから。ほら、出来たぞ。じゃ」  
「!?」  
「!?」  
「これって……」  
「何だっけ、あわじ結び……?」  
「に、兄ちゃんってひょっとしてものすごいテクニシャン?」  
「メ、メールの片手間にやってたよね?」  
「…………」  
「…………」  
「こ、今夜やり方教えてもらおっか」  
「う、うん、実践形式でね」  
「そ、そのほうが覚えやすいもんな」  
「……知ってる火憐ちゃん、舌って人間の身体で一番敏感な部分なんだって」  
「じゃ、じゃあ舌で触れながら教えてもらえればもっと早く覚えられるのかな」  
「き、きっとね」  
「…………」(ドキドキ)  
「…………」(ドキドキ)  
 
 

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