「妹か……」
感慨深く、しみじみとその言葉を呟く女。
「なんだよ神原お前まで」
どうしたのだろう。いつも元気なこの女が。
「まあ私は戦場ヶ原先輩の妹みたいなものだからな」
なんとなく、ちょっとだけいいシーンだな。なんて思った僕が馬鹿だった。
またおかしな病気が始まったみたいだ。
「そして戦場ヶ原先輩は阿良々木先輩の恋人だ」
「な、なんか面と向かって言われると照れるな……」
「ならば私は阿良々木先輩の義理の妹みたいなものではないだろうか」
うーん、よくわからない。なぜ僕が照れなきゃならない場面で
そんなに照れたような顔をする?
ていうか神原は、なぜこんなに僕の腕に抱き付く必要があるのだろう。
なぜこんなに僕の腕に胸を押し付ける必要があるのだろう。
その犯罪的な感触は僕を困惑させる。
「……お、お兄ちゃん」
「ん?」
「い、いや、何でもないぞ。はっはっはっ」
全く、そんなに顔を真っ赤にするくらい暑いなら離れればいいと思うのだけど、
余計なことを言って戦場ヶ原にあることないこと言われても後が怖いからなあ。