「ねぇ、兄貴」
「どうした、理澄?」
「あのさ、双子はよくシンクロするって言うよねっ?」
「あー、よく聞くな」
「片方が怪我すると、もう片方も怪我したりさ」
「あぁ」
「感覚もシンクロするってこと、あるのかなっ?」
「そりゃ、まぁ、そういうのもあるんじゃねーの?」
「……ところでさ、あたし最近変なんだよね」
「うん? 何だよ急に」
「夜中に寝てるとき、急にお腹の辺りが熱持ったりとか」
「……」
「何だかすごく胸が切なくなったりとか」
「……」
「……濡れちゃってたりとか」
「……」
「……その……すごく……して欲しかったりとか……」
「……気のせいじゃねーの?」
「それが決まって兄貴が遊びに行ってる日なんだよねっ?」
「……」
「ちょっと怖いんだねっ」
「……」
「心配だから、今度報告した方がいいのかなっ?」
「いやしなくていい」
「……兄貴、何か顔ひきつってるよ? 大丈夫?」
「大丈夫だきっとそれは夢だから今日はぐっすり眠れるだろーさ」
「何か棒読み?」
「気のせいだろほらもう夜も更けてきたし寝よーぜ」
「ふうん……変な兄貴」
「おやすみなー」
「おやすみなさいっ」