『ひたぎデイリー』  
 
 
お父さんは曜日に関係なくお仕事。  
二年間続いた例の一件が解決し、阿良々木くんとの初デートの時以来、私たちの間にあったわだかまりは今はほぼない。  
だから朝の会話も普通にあり、日曜日なのに仕事に出かけるお父さんを少し寂しく思う。  
でも仕方ないのよね。昔に比べて慎ましやかとはいえ、こんなふうに人並みの生活ができるのもお父さんが身を粉にして働いているおかげなのだから。  
靴を履いたお父さんに鞄を渡して行ってらっしゃいと声をかける。普通の父娘のように。  
少し前まではなかった普通の会話。  
阿良々木くんのおかげで取り戻した、戻るとは思ってなかった日常。  
…………なんだか油断してるとすぐ阿良々木くんのことを考えちゃうわね。  
でも彼には感謝している。  
怪異を解決してくれたことだけではない、もっと大きな、色々な意味で。  
その阿良々木くんが勉強を教わりにここにくるまであと二時間ほど。  
朝食の後片付けをし、掃除や洗濯などを手早く済ませる。  
参考書を出し、今日の範囲をざっと確認したところでチャイムが鳴った。  
来た来た。  
って少し浮かれ気味になっている自分に気付き、頬を叩いて気を引き締める。  
ドアを開けるとそこに阿良々木くんが立っており、私は少し目を細めた。  
いえ、陽射しが思ったより強かっただけで、けして阿良々木くんの笑顔が眩しいとかじゃないのよ……誰に言い訳しているのかしら私。  
「おはよう戦場ヶ原」  
阿良々木くんが満面の笑みで挨拶してくる。  
私に会えたのが嬉しくてたまらないのかと思うのは自惚れかしらね?  
「おはよう阿良々木くん、入っていいわよ」  
私は素っ気なく返し、すぐにそっぽを向く。  
ええ、ええ、認めましょう。私も阿良々木くんの顔が見れて嬉しいわ。  
だけど素直に表すのはなんだか悔しい。  
にやけそうになるのを必死に押し止める。  
それでも目の端からは逃さす、靴を脱ぐ阿良々木くんの一挙一動を眺めた。  
その一瞬一瞬をすべて目に焼き付けるかのように。  
…………あらやだ、まるで私が阿良々木くんにメロメロになっているみたいじゃない。  
気を取り直してテーブルの前に座る。  
阿良々木くんも私の斜め前に座り、鞄から参考書とノートを取り出した。  
早速勉強に取りかかるとしましょう。私たち受験生は一秒たりとも無駄にはできないのだから。  
・  
・  
・  
 
「んー……」  
シャーペンのおしりを唇に当てながら阿良々木くんが呻く。どうやら長文読解で少し悩んでいるようだ。  
とはいっても昨日教えたやり方で解けるはずなので口出しはしない。  
それよりシャーペンをくわえるのはやめなさい、行儀が悪いわよ。  
じっと見ているのに気が付いたか、阿良々木くんは?マークを頭上に浮かべて首をひねる。  
ようやく私もずっと阿良々木くんの唇を見つめていたのに気が付いた。  
サカってるのかしら……なんかちょっとキスとかしたい気分かも。  
ポンッ  
白ひたぎ『ダメよ、今は勉強中。恋人とはいってもその辺のけじめはきちんとしなきゃ』  
ポンッ  
黒ひたぎ『いいじゃない、勉強は飴と鞭よ。厳しいばかりでなく、頑張ってるご褒美にキスくらいしてあげれば』  
白ひたぎ『それもそうね』  
ちょっとちょっと、もう少し頑張りなさいよ白い私!  
すっと立ち上がって顔を寄せ、阿良々木くんの頬にチュッと軽く唇をつける。  
「麦茶でいいかしら、阿良々木くん?」  
飲み物がないことに気付いて尋ねると、ぽかんとした表情でこくこくと頷く。  
その間抜け顔がちょっと可愛いとか思ってしまう私ってどうなのかしらね?  
台所に向かい、二人分の麦茶を用意する。  
時計を見ればもうだいぶ時間が立っていた。  
集中力が落ちる前にそろそろ休憩にしましょう。  
麦茶を渡しながらその旨を告げると、阿良々木くんは腕を上げて伸びをする。  
その身体を抱き締めるように私は背中から抱き付いて腕をおなか側に回した。  
顎を肩の上に乗せ、ぎゅっと密着する。  
「せ、せせせせ戦場ヶ原?」  
突然何を?みたいな口調で阿良々木くんは私を呼ぶ。  
私も何をしているんだろうと思う。気が付いたらこうなっていたのだ。  
無意識に阿良々木くんに抱き付くなんて。  
ポンッ  
黒ひたぎ『欲望の赴くままでいいじゃない、さっきの長文も解けたみたいだしご褒美ってことで』  
ポンッ  
黒ひたぎ2『ついでにスッキリすればこの後の勉強もはかどるわよ』  
あら?  
白い私はどこへ消えたのかしら?  
阿良々木くんが後ろ手に私の後頭部に腕を回し、首をひねる。  
されるがまま私は目を閉じ、そのまま唇を合わせた。  
最初は触れるだけ。そしてだんだん動きが大胆になっていく。  
舌が絡み合い、唾液をすすりあう。  
理性が溶かされ、全身から力が抜けてふにゃふにゃになる。  
身体が熱い。  
いつの間にか阿良々木くんに服を脱がされ、寝かされた私の身体中を指と唇が這う。  
 
はっきり言ってしまえば私は今でも男が怖い。  
クラスメートに話しかけられるだけでも緊張で震えないようにするのが精一杯だ。  
だけど。  
だけど阿良々木くんだけは別。  
触れて欲しい。  
もっと大胆に、色んなところに。  
それは羞恥心や恐怖にも勝る私の願望。いえ、欲望かしら?  
だから私は阿良々木くんの手を取り、導く。  
おそらくすでに濡れているであろう自分の股間に。  
「んうっ!」  
ぐちゅっと水音を立てて指が秘口に突っ込まれると、私ははしたない声を上げてしまった。  
でも気持ちいい。  
自分でするよりもずっとずっと。  
このまま達してしまいたいとも思ったが、それも何だか悔しいじゃない。  
私は手を伸ばして阿良々木くんの下半身に触れる。  
ソレはズボンの上からでもはっきりわかるほどガチガチに固く大きくなっていた。  
くいくいとズボンの裾を引っ張ると、心得たように阿良々木くんは頷き、ベルトに手をかける。  
上も下もすべて脱ぎさり、肢体がさらされた。  
意外と筋肉質でいい身体してるのよね、この男。  
そして下腹部でたくましく反り返る男性の象徴。  
昔はソレに対して嫌悪感しかなかった。そう、阿良々木くんに出会う前までは。  
今では……まあ阿良々木くんのなら嫌ではないわ。  
阿良々木くんを立たせてその前に跪く。  
これも本来なら屈辱なんだけれども、まあやっぱり阿良々木くんにならこんなときくらいはいいかしら?  
口を開いて亀頭を含み、ずるるっと唇を滑らせて一気に奥までくわえ込む。  
「んくっ!」  
頭上で阿良々木くんが呻いた。  
気持ちよくなってくれてるみたい。  
ちなみに私も気持ちいいのよね。口内にも性感帯ってあるのかしら?  
唾液を絡めて舌を這わせ、吸ってあげると、びくんびくんと腰が震える。  
このまま出されたらどうしよう?  
気持ちよくなってくれるのは嬉しいけれど口の中で出されるとむせちゃうのよね。  
でも今日は頑張って飲んであげようかしら。  
阿良々木くんも喜んでくれるだろうし。  
だけど頭を振るペースを速めると、それを押し止めて腰を引いてしまう。  
つうっと私の口と亀頭の間に糸が引かれる。  
「あ…………」  
あ、って何よ私。  
まるで阿良々木くんのをしゃぶれないのが残念みたいじゃないの。  
阿良々木くんが私の肩を掴み、ぐっと押し倒す。  
「出すならお前の中に出したい」  
じっと私の目を見てくる。  
「いいかな、ひたぎ?」  
ああ。  
あああ。  
卑怯よ阿良々木くん。  
こんなときばっかり名前で呼んで。  
 
断れるわけないじゃない。  
私は両手両足を広げ、阿良々木くんを誘う。  
身体の上に阿良々木くんが倒れ込み、互いに強く抱き締め合った。  
「いくよ、ひたぎ」  
私がそれに答える前に阿良々木くんはぐっと腰を進め、一気に私の奥まで侵入してきた。  
身体の中心を貫かれて私の身体がぴんっと仰け反る。  
普段の私なら自分でも想像もつかないようなはしたない喘ぎ声が出た。  
ごめんなさいお父さん。あなたの娘はこんないやらしい子に育ってしまいました。責任は全部目の前の男にあります。  
すぐに腰が動き始め、性器同士が擦れ合い、子宮口が突かれる。  
それだけであっという間にイキそうになってしまう。  
阿良々木くんの方はといえば。  
「ごめんひたぎ! 気持ちよくて我慢できない! もう出すよ!」  
おんなじみたいね。  
まるで駆け足のようなセックス。  
いいわ、中にいっぱいちょうだい。  
あなたの精子、私のおなかの中で受け止めてあげる。  
「んっ」  
私が返事をする前に阿良々木くんが唇を重ねてきた。  
ならば、と返事代わりに両足を阿良々木くんの腰に巻き付けて交差させる。  
出してくれるまで離さない。  
だからたくさん中に出して!  
好きなだけ膣内射精してちょうだい!  
「ん、ん……んんんーっ!」  
びくんっと阿良々木くんの身体が大きく震え、私の中に粘液が注ぎ込まれるのがわかる。  
その熱さに私の下半身が溶けそうになり、身体が浮くような感覚にとらわれた。  
もう何も考えられなくなり、声を上げながら私は絶頂に達する。  
・  
・  
・  
ふと気が付くと私は阿良々木くんの腕枕で横になっている状況だった。  
ああそうか、眠ってしまったのね。  
阿良々木くんの顔を向くと、愛おしそうな表情でこちらを見ている。  
はあ……勉強時間を無駄にしてしまったから今日は居残りさせなきゃ。  
いえ、もっと長く一緒にいれて嬉しいなんて思ってないわよ……ってだから誰に言い訳しているのよ私は。  
いつまでも見られているのも恥ずかしいので、私は阿良々木くんの目を閉じさせることにした。  
その方法はもちろん。  
触れるだけの優しくて軽い口付け。  
愛しているわ阿良々木くん。  
 
 
 
 

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