んふふー、と僕の足に頭を乗せた忍が気持ちよさそうに微笑む。
僕は手を止めることなく忍の耳に突っ込んでいる耳かきを動かし続ける。
老廃物の出ない忍には耳掃除なんて無意味なのだが、シャンプーと同様に時々ねだられるのだ。
「ほら、終わったぞ」
「いやいや、早過ぎるぞお前様よ。それでは意味がなかろうて」
僕の言葉に忍が反論する。
ていうか意味がないと言うのなら耳掃除そのものが意味ないだろうが。
「儂は断固延長を要求するぞ」
「だいたい昨日もしたばかりだろ。やりすぎはよくないぜ」
むー、とうなって起き上がり、頬を膨らます。
と、突然少しうつむいて上目遣いになる忍。
「のう、お前様よ……何度も求めてしまう儂のはしたない穴に固い棒を突っ込んでかき回してはくれまいか……? ぬぉっ!」
わざわざエロチックに言い回す忍の頭を無言ではたく。
神原かお前は!
「女に求められたら黙って応えるのが男じゃろうに……まるで鶏じゃの」
叩かれた頭をおさえながら忍が呟く。
「何だと!? 僕のどこがチキンだと言うんだ!」
「ああ、鶏ではなく鳥頭じゃったかな?」
「戦場ヶ原かお前は!?」
ちょっとトサカに……じゃない、頭にきた。
僕は腕を伸ばして忍を抱き寄せる。
「!?」
「そんなに耳掃除をしてほしいなら望み通り綺麗にしてやるよ」
「え…………ふぁっ!」
忍の耳をくわえるとびくっと身体が跳ねた。
動かないように背中と後頭部に手を回して押さえ、時々軽く歯を立てながら耳をはむはむと唇でいじくる。
「ふあ……ああ、あああ…………ん」
敏感な耳を責められて忍は切なそうな声を漏らし、両手両足を僕の身体に巻き付けてしがみつく。
もちろん僕は容赦せず、れろりと舌を這わせ始めた。
「んうっ! ん……ああ」
さすがは忍の身体のうちでもダントツの性感帯だ。感じ方が半端じゃない。
本人は内緒にしているつもりらしいが、耳だけで絶頂に達したこともある。
僕は舌に唾液を絡ませながらぐちゅぐちゅと穴のほうを責めだした。
「んふっ! ふっ、ふっ!」
僕の肩に顔を埋めてなおくぐもった声を上げる忍。
このまま最後まで責め立ててもいいんだけど。
「ほら、忍。もう片方も綺麗にするぞ」
舌を離して囁くと忍はのろのろと顔を上げ、反対側の肩にまた顔を伏せる。
今度は最初から手加減なしで激しく舌を動かした。
忍はもはや声も出ずにびくっびくっと身体を震わし続けるのみだ。
今の忍の耳は感度が大幅に跳ね上がっていることだろう。
だけど僕はそこで舌を離す。
「ほら、綺麗になったぞ」
「え…………」
「終わったんだって。ほら」
「や、やあ……いやぁ……」
上手く言葉が出ないのか、泣きそうな表情でふるふると忍は首を振る。
それは五百年生きてきた怪異ではなく、外見相応の子どものような仕草だった。
まあ、していることは全然子どもらしくないんだけども。
僕は苦笑しながらひょいと忍を抱え上げ、ぽすんとベッドに横たわらせる。
チャックを下げて大きくなった肉棒をさらけ出し、忍の頭の方に寄せていく。
それを含もうと口を開けた忍の頭を左手で押さえ、亀頭を忍の右耳穴に押し当てた。
「あ、え? …………ん、はっ」
驚きと戸惑いが見てとれたが、ぐりぐりとそのままこすりつけるように刺激すると、すぐに甘い声が出始める。
忍の右手を取って肉棒を握らせると、心得たかのようにゆっくりとしごき出した。
僕は空いた右手の指二本を忍の口内に突っ込むと、すぐさまその指に生暖かい舌が絡みついてくる。
頭を押さえていた左手の指をそろそろと伸ばして左耳の穴を刺激すると、ガッと右手の指に歯が立てられた。
が、それも一瞬のことで、すぐに舌の動きが再開される。
いや、舌だけでなく吸ったり唇で挟んだりと口全体で僕の指を愛撫してきた。
それだけにとどまらず、さらに忍の鼻息が荒くなる。
原因は自分の股間に伸びた忍の左手だ。
あろうことか忍はワンピースの裾を捲り上げて下着の中に手を入れ、自分で自分を慰め始めてしまったのだった。
「……………………」
なんだか冷静に見てみると今僕はとんでもなく異常なプレイをしているのではなかろうか?
オナニーしている少女に肉棒を握らせながら耳穴にこすりつけ、反対側の耳穴や口内を指でかき回している。
こんなのどんなAVやエロ本でも見たことないぞ。
まあ今更やめられるものでもないんだけど。
先ほど舐めた時に付着した自分の唾液が肉棒に絡まり、いい具合に高ぶってきた。
だけど忍の方が先に絶頂を迎えそうだ。
わずかに腰が浮き、身体が反る。
僕は忍の口内から指を抜き、小さいながらもぴんと尖っている乳首をつねるように摘む。
「あっ、あっ、あっ、あ…………あああああ!」
つま先がぴーんと伸び、愛液で下着をぐっしょりに濡らしながら忍は達した。
それにともなってぎゅうっと強く肉棒が握られる。
僕ももう限界だ。
が、さすがにこのまま耳の穴に出すわけにもいかない。
位置をずらして忍の柔らかいほっぺに亀頭を押し付け、忍の手を掴んで激しくしごかせる。
「ん、く、う…………うっ! うあっ! あ、あっ!」
びくんっと肉棒が震え、大量の精液が鈴口から噴射された。
びしゃびしゃと白濁液が忍の顔に降り注がれ、白く染め上げていく。
そこからさらに腰を進めて開かれていた忍の口に肉棒を押し込み、唇でしごかせて最後の一滴まで吸い出させる。
そのまますべて飲み込ませ、綺麗になるまでぺろぺろと忍の舌で舐めてもらい、そこでようやく僕は口内から抜いた。
忍は虚ろな目をしたまま自分の顔に放たれた精液を指で掬い、それらを口に含んでいく。
…………なんだろう、ちょっと懲らしめるつもりが随分変なことをしてしまった。
まあ気持ちよかったけどさ。
さらさらとした髪を梳くように忍の頭を撫でると、くふふと嬉しそうに笑う。
そしてもっとしてほしいというように頭をこちらに傾ける。
仕方ない、今日の風呂は特別にシャンプーをしてやるとしよう。