「なあ、忍」
「なんじゃ?お前様よ。いやに改まっておるではないか」
「いや、なんかさあ…最近色々あったじゃん?」
「あったのう。儂が喋ったり、妹御に怪異が憑いたり」
「ガハラさんがデレたり羽川がデレたり…」
「まあ確かに色々あったと言えるじゃろう。で、それがどうかしたのか?」
「いやー…色ボケ猫には鈍感と評された僕だが。最近そうでもないと思うんだ。
この激動の夏を過ごして、僕の感覚もそこそこ鋭敏になったと思うんだよ」
「ふむ。まあ確かに先日の騒動の件では中々の知恵を見せておったの。で?」
「その鋭敏になった自分の感覚で自覚した訳だよ。
最近、僕ってネタ切れ感無い?」
「今更気付いたのか…」
「なんか初期の頃は、ニヒルな皮肉屋で、ウィットに富んだ言い回しで煙に巻いちゃうぜ、
みたいな感じでさあ。熱血漢的要素も、まあ無くは無かったじゃん?
それがなんだよ、今はさあ。変態ネタばっかりじゃねえ?」
「だから結局何が言いたいのじゃ?」
「せっかく格好良く登場して格好良くキメた猫白でくらい、格好良いまま退場させてくれよ!」
「自業自得じゃの」