今回のオチ、というか後日談。
休日、いつもなら様々な手を使って僕を起こしてくる妹達が、
今日は何故か「お兄ちゃん、朝だよー」と優しくというか普通に起こしてくれた。
と、次の瞬間脇腹に痛みが走って、そのまた次の瞬間一瞬の浮遊感と落下を感じた。
ぶっちゃけ蹴られた、夢だった。
「何寝てんだ、死ね」
威力があったので火憐ちゃんかと思ったが(だとしたら死んでる)月火ちゃんの方だったらしい。
なんか前より酷くなってる・・・二度寝じゃなくても死ぬのか・・・。
「可愛い妹が起きてるのに寝てるお兄ちゃんなんて死んじゃって良いと思う」
理屈がおかしかった。
なのでおかしな反論!
「残念だったな!僕もお前も不死の体なのだー!」
キメ顔で言う僕だった。
「な、なんだってー!!!」
僕の妹はノリの良い妹だ。千石あたりにこれをやってみるとどうなるだろうか。
「うん、まぁ私は優しいからノってあげるけどお兄ちゃん、普通ノってくれないと思うよ。」
あと不死とかつまんない、と付け加える月火ちゃん。
案外厳しい妹だった。夏休みあたりはこんなじゃなかっただろう?お兄ちゃん寂しいゾ!
「死ね、間違えた殺す」
今のは完璧に僕が悪い。のでスルー。
スルーするから!バール下ろして!つーかどっから出したそんなん!お前の着物は四次元か!
飽きたようにバールをスッ、と片付け、バフンと僕のべッドに横たわる月火ちゃん
「あ、一つ言い忘れてた」
そう言って月火ちゃんは体制を直した。ベッドの上で正座とは些かシュールである。
咳払いをしている間に僕も正座に直してやった。
「じゃ、言うよ?」
「よし、いつでも来い」
「お帰り不良兄貴」
「ただいま馬鹿妹」
「無理だったかもしれない。無茶だったかもしれない。でも――無駄じゃなかった、って
超絶格好いい。さすがは私のダーリンだと思うわ。
まあ、そんなダーリンに誰よりも早く告白したのは、あら――やっぱり私なのだけれど」
「んー、でも、素敵な阿良々木くんに誰よりも早くプロポーズをしたのは、私だったりするのよね。えへへ」
「ちょっと待って頂こう。
プロポーズ、と言うのなら他ならぬ阿良々木先輩本人から光栄にもプロポーズされたのは私が最初の筈だ。
そう考えると、正妻はやはり私なのではないだろうか」
「あのー、誠に僭越だとは思いますが、
“僕は戦場ヶ原と付き合ってるし、羽川のことが大好きだけれど、結婚するならお前だと思ってるぜ”――と。
お綺麗な皆さん方と比べながら将来の展望を熱く語って下さった阿良々木さんの気持ちに応えるべきかなと、
考える次第の私だったりします」
「ちなみにお兄ちゃんにおっぱいを揉まれた回数なら私達が一番多いかも」
「そうそう、キスされた回数もな! 兄ちゃんのせいですっかりキスのベテランになっちゃったぜ」
「接吻とはまた可愛い主張じゃの。
儂は我があるじ様と一緒にお風呂に入っておるぞ。
それも最近はほぼ毎日じゃ」
「ふーん、それなら、撫子は誰よりも早く暦お兄ちゃんの赤ちゃんを産んじゃおうかな」