かれんバス  
 
濁った水音が阿良々木家の風呂場に響き渡り、たまにこもった音も混じっている。  
それは小さいほうの妹が伸びてきた髪を苦労して洗っている音でもなく、金髪幼女の下僕を男子高校生の主が洗ってあげている音でもなく、兄妹が仲良く一緒にお風呂へ漬かっているだけなのだった。  
正確に言えば兄のほうは浴槽のへりに座って太ももまでがお湯に入っており、妹のほうは胸まで漬かって兄のほうを向いていて音は妹の唇から響いている。  
それは阿良々木暦の硬く主張する男の象徴を、阿良々木火憐が舌で舐めるさいに発する音だった。  
「ん、れろ……気持ちいいか兄ちゃん?」  
「ああ、気持ちいいぞ火憐ちゃん」  
そう言って暦は火憐の頭を撫でた。  
火憐は少し目尻を下げ、懇願、というかおねだりをし始める。  
「じゃ、じゃあさ……その、さ」  
「ああ、口を開けな」  
もじもじとしていた火憐の表情がぱああと輝き、とん、と背中を浴槽につけて口を開ける。  
犬のようにはっはっと息を荒げながら舌を突き出し、暦の顔を見上げながら期待の目線を向けた。  
暦はその舌に亀頭を擦らせ、たっぷりとじらしてからゆっくりと火憐の口内に肉棒を差し込んでいく。  
早く喉奥までくわえたい火憐が頭を突き出そうとするが、暦はその頭を両手で掴んで押し止める。  
「そんなに僕のをくわえたい?」  
先っぽを唇でしっかりと締め付けたまま火憐はこくこくと頷いた。  
「口の中をいっぱいにしてほしい?」  
火憐は頷く。  
「口の中を乱暴に犯されたい?」  
火憐は頷く。  
「口の中をドロドロの精液で汚してほしい?」  
火憐は頷く。  
暦は火憐のうなじを浴槽のへりに押し当て、少し上を向かせた。  
表情がよく見えるように。互いが見つめ合えるように。  
「よっ、と」  
そのまま腰を突き込み、限界まで火憐の口内に侵入させる。  
火憐の目が一瞬大きく見開かれたが、すぐにとろんとしたものに変わった。  
そして暦を見上げながら次の指示を待つ。  
この状態になるともはや自分で思考せず、ただ暦の言うがままになってしまうのだ。それはあたかも忠犬のように。  
「舌、絡めて。唾液をまぶしながらしゃぶるんだ」  
火憐はそれに従う。  
「唇、ぎゅっぎゅって締めて」  
火憐はそれに従う。  
「手で袋のほうを揉んで。少し強めで」  
火憐はそれに従う。  
 
その忠実な動きに暦はふうっと快感の溜め息を漏らす。  
随分と上達したものだ、これはご褒美をあげないとならないかな。  
「火憐ちゃん、おっぱい揉んでやろうか?」  
暦の言葉に火憐は嬉しそうに頷いた。  
頭を押さえていた両手を離し、かがんで胸の膨らみへと伸ばす。  
そのまま少し乱暴気味に揉みしだき、胸の形を変化させながら乳首を指の間でつまむ。  
火憐の息遣いや反応が大きくなる。  
「火憐ちゃん、オナニーしていいよ」  
暦は火憐の空いた片手を確認して言う。  
火憐はふるふると僅かに首を振るが、暦は追い打つ。  
「火憐ちゃん、オナニーするんだ。自分の手で自分を慰めるんだ」  
火憐は催眠術をかけられてでもいるかのようにその言葉に従い始めた。  
暦には湯でよく見えないが、自分の股間に指を押し当てて蠢かしている。  
湯の中でなければさぞかし淫靡な水音が響いていたことだろう。  
その状態がしばらく続き、やがて。  
「ん、ん……く……んふうっ!」  
びくんと身体を震わし、火憐は絶頂に達した。  
男の、実の兄の肉棒をくわえながらの自慰で。  
隠すこともできずにその表情をじっくりと見られながら。  
「火憐ちゃん、イった?」  
ようやく少し落ち着いたころ、暦が尋ねる。  
それに頷くと、暦はゆっくりと抽送を開始した。  
「今度は僕がイかせてもらうよ」  
しっかりと火憐の頭を押さえつけ、じゅぷっじゅぷっと口内を犯す。  
ゆっくりとした動きが少しずつ早くなり、高みを目指していく。  
「火憐ちゃん、舌で尿道をいじって」  
火憐は舌先で尿道をぐりぐりとほじくる。  
「火憐ちゃん、根元のほうを指でしごいて」  
火憐は先ほどまで自分を慰めていた指で輪っかを作り、ごしごしと肉棒の根元をしごく。  
「あー気持ちいい……いくよ、いくよ」  
火憐は指と舌の動きを大きくする。  
たくさん精液が出るように。  
思う存分口内に出してもらうために。  
「出すぞ! こぼすなよ! 全部飲むんだ!」  
暦は叫びながら腰を激しく振り、そのまま火憐の口内に射精する。  
幾度も肉棒を震わしながら白濁液を放ち、火憐はその咽せそうになるほどの量を喉を鳴らしながら飲み込んでいく。  
すべてを出し終えてようやく人心地のついた暦にすぐに新たな快感が襲いかかった。  
火憐がそのままお掃除フェラを開始したからだ。  
暦はそれに抵抗せず、むしろ指示を出してすべて舐め取らせ、吸い出させる。  
すっかり綺麗になったのを確認して頭を撫でるその姿はまさに中の良い兄妹であった。  
 
 

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