僕こと阿良々木暦は人生最高の美味を堪能していた。
何だこの魂が震えるような感覚は!? 全身に力が漲っていくようだ!
「どうかしら、私の作ったチョコレートは」
「最高だよガハラさん! こんなに美味いものは食べたことがない! 正に至高の逸品――雄山も唸りを上げる美味さだよ!」
「そう…よかった。隠し味が効いたのかしら。やっぱり吸血鬼には処女の血よね」
「っっぶっふぅぼぉうぉ――!!」
「……彼女が作った物を吹き出すなんてどんな了見かしら。舐め取りなさい。足にかかったわ」
「何て物食べさせるんだ!?」
「正真正銘何処かの誰かがヘタレなせいで未だに純潔を捨てられない哀れな処女の血よ」
「それは主にそちらの都合…って、そうじゃない! 癖になったらどうする!? 戻って来れなくなるだろうが!」
「その時はきちんと飼ってあげるわ。私の血だけを餌にして、私に依存しなければ生きられない、私の事しか考えられない卑しい生き物にしてあげる。あら、思い付きで喋っていたけれど案外素敵な将来設計?
自宅では無理だけれど神原邸の座敷牢なら良いかしら」
「座敷牢!?」
「なに? 蔵の方が良いの? あっちは寒いわよ?
ああ、男の子ってどう飼えばいいのかしら……」
「その気になるな!!」