あっという間に全裸にされた私は唇を繋げたままベッドに押し倒された。
なんだかこの男、服を脱がす手際がだんだんすごくなってる気がする。
春休みにプレゼントしてしまったブラで片手で外す練習したとかこの前聞いたし。
部屋でひとり黙々と女性の下着をいじってる姿を想像すると微妙に変態チックな気がしないでもないが、私との情事のためなんだと思うと悪くない……かな?
阿良々木くんの身体が私の上に覆い被さり、両の手が胸に触れる。
むにゅむにゅと揉みしだかれ、頭がぼぉっとしてきた。
阿良々木くんは胸が好きみたいでいつも長いこと愛撫してくれる。
私はこの大きいのがあまり好きではなかったが、今は阿良々木くんが喜んでくれるからいいかと思ってしまう。
充分にマッサージされて血行がよくなったところで、先端の突起をきゅっと摘まれた。
「んあっ…………あふ……んっ」
思わず声を上げてしまい、開いた口に阿良々木くんの舌が侵入してくる。
私の舌をつついてくるので、こちらからもそれに応えた。
触れるだけのキスからだんだん大胆なものへと変化していく。
お互いに舌を突き出し、ごしごしと擦り合わせる。
唇の周りが唾液でベトベトになってしまったが、今私のアソコはそれ以上に濡れてしまっているだろう。
内腿を動かすとぬるぬるとした感触がした。
ヤバい。いつも以上に早く大量に濡れちゃってる。初のゴム無しエッチに私の身体も期待しちゃってるのかな?
なんとかバレないように時間を稼がないと……。
唇が離れたのを見計らって阿良々木くんに呼びかける。
「ね、阿良々木くん。おっぱいで……する?」
胸で男性器を挟み、擦り上げる行為。いわゆるパイズリというやつだ。
ある程度胸が大きくないとできなくて、男の憧れだと聞いたことがある。
初めてしてあげたときに阿良々木くんは感動したのか泣きそうにまでなっていた。
それほどのものかと思ったけど、そこまで喜んでくれたのならと自分の胸の大きさに感謝したものだ。
それ以来身体を重ねるときにはだいたいこの行為がはさまれるのだが(そのまま射精されて髪の毛にかかった時は大変だった)。
だけど今回の反応は。
「いや、今日はいいよ」
え?
私が渋ることはあっても阿良々木くんが遠慮するとは珍しい。
「今日は全部羽川の中に出したいから。それに」
その時私は迂闊にも阿良々木くんの手の動きに気付けなかった。
「ひゃんっ!」
「羽川も早く入れて欲しいんだろ? こんなにしちゃって」
いつの間にか下半身側に伸ばされていた阿良々木くんの指が私の股間を弄る。
ぐちゅぐちゅといやらしい音が響いた。
一番敏感なとこ、クリトリスをきゅっとつままれて。
「あっ! あひい、ひ……っ、ひんっ!」
びくびくっと私の身体が仰け反って大きく震える。
なんで!?
なんでなんで!?
なんでもうイっちゃったの私!
絶頂に達して喘いでる私をじっと見つめる阿良々木くんの視線が恥ずかしくて顔から火が出る思いだ。
思わず顔を両手で隠そうとしたけど、その前に阿良々木くんが私の頬にちゅっと口付ける。
「羽川、可愛いな」
ああ。
あああ。
胸がきゅんきゅんする。
阿良々木くんへの想いがあとからあとから溢れてきちゃう。
「髪を下ろした羽川も、眼鏡を外した羽川も、生まれたままの姿の羽川も、イってる羽川も」
みんなみんな可愛い。
全部僕だけのものだからな。
そう言って軽く触れ合うだけのキスをしてくる。
「うん……私はもう全部阿良々木くんのだよ。だから」
内側からも阿良々木くん色に染めて欲しいな。
阿良々木くんは身体を起こしてばさりと自分の服を脱ぐ。
雄々しく屹立するそのペニスは気のせいかいつもよりひとまわり大きく見えた。
横になってる私の脚を開かせ、その間に身体を入れてそっと性器同士をあてがう。
いよいよだ。
いよいよ異物のない、阿良々木くんの生のペニスが私の中に入ってくるのだ。
期待と緊張で胸が高鳴る。
「いくよ、羽川。生で入れちゃうよ」
私は黙って頷く。
阿良々木くんはゆっくりと腰を進めてきた。
ず、ずず、と膣が押し広げられていく。
きてる、きてる、私の中に入ってきてる!
ある程度埋まったところで、阿良々木くんはズンッと一気に腰を沈めてきた。
ペニスが根元まで膣内に収まり、とん、と亀頭が子宮口に当たる。
「…………っ!」
「全部入ったぞ、羽川」
わかってる。
「奥まで届いてるよ」
わかってる、わかってるからぁ! 耳元で囁かないで!
声、出そうになるの我慢してるのよ!
変なこと口走っちゃわないよう必死に堪えてるの!
「あー……すげえ気持ちいい、生でするの全然違うな。羽川の中、めちゃくちゃ気持ちいいよ」
それは私も同感だった。こっちの方が圧倒的に気持ちいい。
体温を直に感じることができるし、ペニスの形がいつも以上にはっきりとわかる。
ていうか。誰よ、膣って意外と鈍感だなんて言ってたのは。
イった直後で敏感になっているせいか、出っ張りの形だとかそれどころではない、浮き出た血管までわかる気がする。
そしてそれらのことがなぜか幸せだった。
ただ挿入されているだけで凄まじい幸福感と快感が全身を駆け巡る。
「羽川、動くよ」
阿良々木くんの言葉に黙って頷く。
というより声が出せないのだ。
ひとたび発すればタガがはずれて何を言うかわかったもんじゃない。
過去に一回だけ欲望に身を任せて思うがままに言葉を出したことがあるが、あとから思い出して死にたくなったし。
だから。
ズプズプと出し入れされるペニスから与えられる快感にも必死に堪える。
だけど阿良々木くんの動きは実に巧みだった。
浅く優しく出し入れしていたかと思うと、いきなり深く強く突き入れられて子宮口が亀頭にキスされる。
心を読まれているのではないかと思うほどに的確に感じるところを責めてくる。
腰を振るたびに揺れる双丘をギューッと掴まれ、私は自分の口を両手で塞いだ。
もちろん声が出ないようにするためだ。
なのに阿良々木くんは。
「ああ、気持ちいい、すげー気持ちいいよ羽川。羽川はどう? 気持ちよくなってくれてるか?」
なんて聞いてくる。
意地悪してるのか天然なのか。多分後者なんだろうなぁ。
一言。
一言だけならきっと大丈夫。
阿良々木くんを不安にさせないためにも気持ちいいって言わなきゃ。
「き、気持ち、いい……よぉっ!」
あ、駄目だ。
堕ちた。
タガがはずれちゃった。
「いいっ! いいよっ! 阿良々木くんのおちんちん! 私の中で暴れてて! もっともっと激しくしてぇ!」
「あ、ああ」
突然の変貌に少し驚きながらも阿良々木くんは動きを速める。
私の茹だったいやらしい雌穴は別の生き物のように阿良々木くんのペニスに食らいつき、凄まじい膣圧をくわえた。
出し入れのたびにドロドロの濁った愛液が結合部から溢れ、互いの下半身をさらに濡らしていく。
「もっと! もっとたくさん突いて! 子宮壊れちゃうくらい激しく奥まで! いっぱいゴリゴリしてぇ!」
「ははっ、羽川はエロいなあ。そんなに身体くねらせながらおねだりして。中もきつく締め付けてきて」
「阿良々木くんに! 阿良々木くんに喜んで欲しくて! 気持ちよくなって欲しいためにエロくなったの! だから! だから早くぅ!」
ちょっと似たようなセリフを春休みに言わされたことがあったけど、この言葉は本心。
ていうかお世辞や縁起のセリフが出るような余裕が今の私にはない。
「イきたい! もうイきたいよぉ!」
「僕ももうすぐイくよ、一緒にイこう羽川!」
阿良々木くんの動きに捻りが加わり、膣内が掻き回される。
奥底で暴れまわる悦楽の瀑布が体外に放出されるのを今か今かと待ち望んでいるのがわかった。
「もう……もう無理っ! イかせて! 阿良々木くんのおちんちんでイかせてぇ!」
「わかったっ、僕ももうイくからっ、羽川も我慢しないでイっていいぞ!」
「うんっ、うんっ! 私、イくから、阿良々木くんもイってっ! 阿良々木くんの精子、私の中に出して!」
「ああ! 中出しするよ! 僕のドロドロ精液、羽川の中で出すよ! 一番奥に出しちゃうよ!」
「来て! 来て! いっぱい出して!」
イく許可を得た私は両脚を阿良々木くんの腰に回し、万が一にも抜けないようがっちりとホールドする。
溜めに溜めた欲求を洗いざらい開放した瞬間、圧倒的なまでの爽快感が私を襲い、昇天しそうなほどの絶頂の高みへと押し上げられる。
「ああああぁぁぁ! イくイくイっちゃううぅぅ!」
「僕も! 出すよ! 羽川の中に全部出すよっ! うあああっ!!」
どくどくどくどくっ!っと震えるペニスから大量の白濁液が膣内で射精された。
蠕動する膣襞がポンプの役割を果たし、新鮮な子種汁が子宮内に注ぎ込まれるのを感じながら私は全身を痙攣させる。
「あっ、あっ、出てる……お腹の中に、熱いのがいっぱい出てるぅ……」
私は必死になってその初体験の膣内射精を受け止めた。
それは本能を呼び起こすような絶対的な快感。こんな気絶してしまいそうな感覚など初めての経験だ。
まるで欠けていたパズルのピースがはまったようなこの感じ。
今まで生きてきたのはこれを求めていたんだという錯覚さえ覚えるくらいに私は膣内射精の素晴らしさを認識する。
「ああ……中に出すの気持ちいい…………はぁ……はぁ…………大丈夫か、羽川?」
大丈夫かって聞かれたら。
全然大丈夫じゃない。もう頭の中真っ白で何も考えられない。
中出しがこんなに気持ちいいものだったなんて。もっと早くにしてもらうんだったかな?
「羽川、まだ終わりじゃないぜ」
阿良々木くんは私の両脚を抱えて自分の肩に乗せる。
そのまままだ硬いままのペニスをゆっくりと出し入れし始めた。
その刺激にびくんびくんと私の身体は打ち震える。
いつもならその強過ぎる刺激に耐えられず、止めさせていただろう。
でも今の私は。
「うんっ、してして! もっと阿良々木くんの出して! いっぱいいっぱい私の中にちょうだい!」
性欲のみに捕らわれてしまった淫乱な一匹の雌だった。
「ははっ、任せな。お前がぶっ壊れるくらい責めまくってやるぜ」
阿良々木くんは私の足を抱えたまま腰をつかみ、身体を動かす速度を上げる。
ビリビリと下腹部から全身へ快感の電流が走った。
また精液を受け入れることが出来るんだと子宮がキュンキュン悦んでいるのがわかる。
でも。
私の口が物足りない。
だから両手を広げて阿良々木くんを誘う。
「阿良々木くんっ、キス! キスして! 阿良々木くんの唾液飲ませて!」
がばっと阿良々木くんが覆い被さり、ぐうっと私の身体が二つ折りにされる。
それでも苦しくはなく、どころかぐちゅぐちゅと絡まる舌からの快感に意識が飛びそうになる。
「ん、ちゅ、んーっ、ちゅっ、んむーっ!」
上下両方の口で繋がり、一気に高みへ昇っていく。
「ん、ぷはっ……羽川、僕もうイきたい時にイくから! 羽川も好きなときに好きなだけイけ!」
「うんっ、うんっ! イくから! いっぱいイくから!」
二人の嬌声が阿良々木くんの部屋に響き渡り。
私達はうっすらと空が明るくなるまで延々と交わり続けたのだった。