「そういえばこうして阿良々木先輩の家に来るのは久しぶりだな」  
「ん? ああ確かにそうだな。  
 僕の方は神原亭に何度も行ってるけど、お前がこっちに来るのは久しぶりになるのか。  
 まあ、上がれよ。久しぶりだからっつって緊張する事もないだろ」  
 
 そんな事は無い。  
 彼氏の家に行って緊張しない女子が何処にいようか。  
 今日はパンツルックではあるものの、それなりにお洒落にも気合いを入れて来たというのに。  
 全く、阿良々木先輩は私をなんだと思っているのだろう。  
 まあ責任の一端は私にもある事を自覚しているので、あまり非難するする事も出来ない訳だが。  
 
「おじゃましまーす」  
 
 若干強ばった声で挨拶をする。  
 てっきり中から火憐ちゃんと月火ちゃんが出迎えてくれるものだと思っていたが、  
 中から聞こえてきたのは、阿良々木先輩のお母さんの物と思われる声だけだった。  
 
「あれ、あいつらいねえのか?  
 まあいいや、ちょっと飲み物とか適当に持ってくから、先に部屋に行っててくれよ。  
 場所、覚えてるだろ?」  
 
 解ったと私は頷き、阿良々木先輩の部屋に向かう。  
 途中で火憐ちゃんと月火ちゃんの部屋の前を通ったが、やはり人の気配はしなかった。  
 阿良々木先輩の部屋の扉を開けると、中は以前おじゃました時同様、きちんと整理整頓がなされている。  
 私の部屋が世間一般に汚いという事に関しては自覚しているが、阿良々木先輩の部屋はそれを抜きにしても相当綺麗だと思う。  
 それは普段からこんな部屋で生活していれば、私の部屋はさぞかし我慢ならないものだろう。  
 それでも律儀に何度も家に来ては、掃除をしていってくれる阿良々木先輩には本当に頭が上がらない。  
 彼氏なんだから、別にこれくらい普通だろ? なんて以前言ってくれたが、阿良々木先輩は仮に私がただの後輩であっても、同じようにしてくれていたのではないのかと思う。  
 ……あれ?  
 何だろうあれは。  
 勉強机の上に、積まれたノート類の下から、何かの箱が微妙にはみ出している。  
 他の物が綺麗に整理整頓されているのに、あの物体だけが、なんだか秩序を乱しているようで、酷く気になった。  
 少し悪いなと思いつつ上に乗ったノートをどけて箱を手に取る。  
 何のことはないAVだった。  
 正確にはDVDなので、ADVDと略すべきなのだろうか。  
 いや、そんな事はどうでもいい。  
 あの人はなんて物を机に置きながら勉強しているのだろう、  
 というか一体何の勉強をしているのだろうか。  
 
「神原ー、おまたせ……ん? 何か気になる物でもあったか?」  
 
 そうこうしているうちに阿良々木先輩が部屋に入ってきた。  
 
「いやまあ確かに気になる物があったわけだが……先ずは勝手に見てしまった事を謝ろうと思う」  
 
 阿良々木先輩に背を向け、手に持った物を隠すようにしながら返事をする。  
 
「ん? 別にいいさ。先に部屋に行っててくれって言ったのは僕だし、机の上に置いてあったんだろ?  
 そんな所に見られて困るような物なんて置いてない」  
「見られて困る物では無いって……いや、確かに私は自他共に認めるエロキャラだが、しかし彼氏にそんな事を言われるといささかショックだぞ」  
「は? 何を言ってるんだお前……!」  
 
 どうやら私の持っている物が何だか解ったようで、すごい勢いでこちらに来てAVのパッケージを私の手からひったくる。  
 
「え! え!? あれ? なんでそんな所に置いてあんのこれ!?」  
「しかも素人企画物って、人の趣味に口出しするのもなんだが、それをメインローテーションに入れているのか阿良々木先輩……」  
「ちょっと! ちょっと待ってくれ神原。誤解だ。僕じゃない。それとメインローテーションとか言うな! 変に生々しいだろ!」  
「僕じゃないって、では聞くが、  
 阿良々木先輩以外に、この家の一体誰がこんな物を持っているというのだ。  
 私には火憐ちゃんや月火ちゃんが、女性が野球拳で服を脱がされ、恥じらっている様をみながら興奮するタイプの女の子には思えないのだが」  
「大きな声で具体的な描写をするな! いや確かに僕のだけど、いや違う、違わないけど違うんだ……あ、そうかあいつ等!」  
 
 それまでしどろもどろだった阿良々木先輩が、急に何かに気がついたらしく、憤怒の形相で背後を振り返った。  
 つられて私もその視線の先を追うと、開けっ放しになっていたドアの向こうに、ファイヤーシスターズの部屋の扉が覗いている。  
 ……成る程、あの2人の悪戯だった訳か。  
 すると今彼女等が家を空けているのも、怒った阿良々木先輩から逃れる為といったところだろう。  
 
「まあまあそう怒るものでもないだろう阿良々木先輩。可愛い悪戯じゃないか」  
 
 先輩は机の中にそのDVDをしまい、私は開けっ放しになっていたドアを閉める。  
 
「いや神原、お前がいいならそれでもいいけどさ」  
「別にアダルトビデオなんて、そこまで目くじらを立てるようなものでもあるまい。  
 それくらい私だって日常的に見ている」  
「日常的に見てるのか……自分を棚に上げるようで悪いけど、それはどうかと」  
「まあ阿良々木先輩の見ている物と違って、異性同士の絡みは無いのだがな」  
「その注釈はいらない」  
「しかしこれは楽しみになってきたな。これから阿良々木先輩の、一体どれ程マニアックなブツが出てくるのやら」  
「出てこねえよ、ていうかあったとしてもお前に見せる訳ねえだろ!」  
「あれそうなのか? てっきり私はこの機に乗じてAV鑑賞会でも始めるのかと」  
「よーし、今日は久々に家に彼女を呼んだから、前々から2人で見ようと思ってたマニアックなAVでも見よう、  
 ってなるかそんな事! それは馬鹿ップルじゃなくて、只の馬鹿2人だ!  
 そういうイベントは男友達同士で起こるんだっての!」  
「男2人でそんないかがわしいビデオを見て、興奮してきてしまったらどうするというのだ。  
 阿良々木先輩、浮気は駄目だぞ」  
「僕の周りでは画面の中でも外でも男同士は絡まねえよ!」  
「言ってみただけだ、そもそも阿良々木先輩におかずを共有するほどに親しい男友達がいるとは、考えづらいからな」  
「お前が安心してくれたようで嬉しいよ畜生」  
 
 と、いつも通りの雰囲気になった所で、いつも通りの軽口をたたきあってから、  
 2人寄り添って大きなクッションの上に座った。  
 
 喋って少し喉が渇いていたので、阿良々木先輩の持ってきてくれた林檎ジュースを一口口に含む。  
 
「けど改めて本当に久しぶりになるのか、こうやってお前と2人でゆっくりするのは。  
 何だかごめんな、折角付き合ってるのに彼氏らしいことしてやれなくて」  
「仕方あるまい、阿良々木先輩は受験生なのだから。  
 それに私の部屋を頻繁に掃除してくれているではないか。  
 それだけで十分過ぎて、むしろ私の方が負担になっているのではないかと心配なのだぞ」  
 
 これは割と本気で心配である。  
 以前阿良々木先輩も忙しい訳だし、私の部屋の掃除などしている場合ではないのではないか? と訪ねたのだが、  
 お前の部屋がどれだけ散らかっているのかが気になって、逆に勉強が手につかないと言われてしまった。  
 
「頻繁につっても週1も無いくらいだし、本当に殆ど掃除してるだけだしなあ」  
「お恥ずかしながら、私は掃除の出来ない女なのでな」  
「全然恥ずかしそうじゃないよな、お前……別にいいけどさ、お前と一緒に部屋掃除するのは結構楽しいし」  
 
 阿良々木先輩がそんな事を言ってくれるから、私は何時まで経っても掃除の出来ない女なのではないかと一瞬思ったが、勿論口には出さない。  
 
「私も阿良々木先輩との共同作業はとても楽しいぞ。だから彼氏らしい事が出来ていない等と気に病む必要は無い」  
「いや神原、お前がいいならそれでもいいけどさ」  
「いいのだ、そんなことを阿良々木先輩が気負う必要は無いぞ。  
 それに私の方こそ阿良々木先輩に何もしていない。  
 私も阿良々木先輩に頼りっきりなのだから、  
 阿良々木先輩も、もう少し私の事を頼ってくれてもいいのではないか?  
 まあ私など頼りないのかもしれないが」  
「頼りにっつってもなあ、お前が頼りない訳じゃあ全然ないけど、  
 さしあたって今僕が困ってる問題といったら、それこそ勉強関連の事だし」  
 
 確かに勉強関連で私が阿良々木先輩にしてやれる事はあまりないだろう。  
 そもそも学年が一つ違うし、私は文系で阿良々木先輩は理系だから、やっている教科も全然違う。  
 むしろ私が数学を教わってしまうくらいだ。  
 
「頼りに、という言葉だとニュアンスが違うのかもしれないな。  
 そうではなくてだ、阿良々木先輩。何か私にして欲しい事はないか?」  
「して欲しい事って……」  
「なんでもいいのだ、これも私の我が儘であることは重々承知している。  
 しかし、阿良々木先輩から一方的に何かをしてもらってばかりでは、何だか不安なのだ。  
 もしかしたら私は阿良々木先輩から必要とされていないのではないか。  
 もし他に阿良々木先輩の好みの女性が現れたら、私など一瞬で捨てられてしまうのでは無いか、と」  
「そんなことする訳無いだろ」  
「阿良々木先輩がそう本心から言ってくれている事も解っている、でもどうしても不安なんだ。  
 なあ阿良々木先輩」  
 
 自分で自分のことを、面倒くさい女だと思ったがもうどうにも止められない。  
 隣に座る阿良々木先輩の腕に抱きつき、数センチ高い位置にある顔を見上げる。  
 
「こういう事を自分で言うのはどうかとは思うのだが、阿良々木先輩にははっきり言わないと伝わらないだろうから言ってしまうぞ。  
 ぶっちゃけた話、今先輩の目の前にあるのは据え膳だ」  
「据え膳ってお前……」  
「さらに言えば、この据え膳は2ヶ月くらい前からずっと阿良々木先輩目の前に置いてあるのだぞ?」  
「2ヶ月前って、つきあい始めたばかりじゃないか」  
「私としてはつきあい始めたその日に処女を奪われる位の覚悟はしていたのだ」  
「それはいくら何でも行き過ぎた覚悟だと思うけど……」  
 
 煮え切らない態度の阿良々木先輩に、苛立ちとも空しさともとれない気持を覚える。  
 
「なあ、ここまで言っても駄目か? 阿良々木先輩。  
 私にはもしかして女としての魅力が無いのだろうか?」  
 
 さらに強く、阿良々木先輩の腕を胸で挟むように抱きしめる。  
 
「違う神原、そんな事はない。今だってお前にドキドキしっぱなしだ。  
 だけど今この流れでお前としちゃったら、何だか僕、身体が目当てで付き合ってるみたいじゃん。  
 そういうのは嫌だ。神原、お前だって嫌だろ?」  
「私は、私の身体目当てでも構わない」  
「それは、お前……」  
「身体だけが目当てじゃないのなら、それでいい。  
 これは私がはしたないエロキャラだからなのかもしれないが、  
 むしろ私の身体に惹かれてくれているのなら、それはとても嬉しいと思う。  
 別に愛を確かめ合うだけがセックスという訳ではないだろう?」  
 
 ゴクリと阿良々木先輩の喉が鳴ったのが解った。  
 
「私自身がここまで言っているのだから、ここは阿良々木先輩も一つ男らしく、  
 目の前の肉を欲望のままに食べてはくれないか?」  
「……神原お前、言うことは格好良いのに言葉のチョイスが最悪だな」  
 
 そして、普段優しすぎる阿良々木先輩にしてはかなり強引に、私は唇を奪われた。  
 こうしてキスをする回数も、実はまだ10回くらいである。  
 20秒弱くらいしてから、どちらともなく離れた。  
 
「そういえば、私の方から焚きつけておいてなんだが、下には阿良々木先輩のお母さんが居るんだったか?」  
「まあ居るけど……随分今更だな。  
 正直さっき大声で僕のAVの内容を暴露されたから、もうどうにでもなれって感じだけど」  
「なら私も思いきり喘ぎ声を出す事にしよう、そっちの方が阿良々木先輩も興奮するだろう……んむっ」  
 
 もう一度、今度は台詞を遮るように強引に唇を奪われた。  
 さっきまでのように、お互いに上半身をねじってたような体勢ではきつくなったのか、  
 阿良々木先輩は一度腰を上げて、私を正面から抱きしめる。  
 私もそれに応えるように口を開け、キスをしたまま阿良々木先輩の唇を舐めて、もっとエロいキスを促した。  
 
「あむ……んっ。くちゅ……」  
「んっ、んんんうっ、ちゅっ」  
 
 なんだかんだ言いつつ、阿良々木先輩も私の予想通り本性はエロエロだったようで、  
 いざベロチューを始めると、積極的に舌を絡めてきてくれた。  
 途中で休憩を挟みながら、何度もキスを繰り返す。  
 これだけでも驚くほどに気持ちが良い。  
 良いのだけれど、直ぐにもどかしくなり、もっともっとと身体が次を求めて、  
 無意識に阿良々木先輩の胸板やふくらはぎに、色々な部分を擦りつけた。  
 阿良々木先輩もそれに応じて、私の背中やお尻をなで回してくる。  
 
「んんっ、かなり積極的だな、阿良々木先輩。  
 あんなAVを普段から見ておいて、大分たまっているのではないか?」  
「普段からなんて見てねえって……それにさっきまでの僕はかなり情けなかったからな、  
 ちょっとでもリードしようと思って」  
「ほんに阿良々木先輩は私の事に関して心配性だな、そんなに気を遣ってくれなくてもいいのに。  
 私は阿良々木先輩のそういうヘタレな所も嫌いじゃないぞ?」  
「僕が気にする。ていうかお前は自分の彼氏がヘタレでもいいのかよ」  
 
 こういう風に本格的にエロいことをするのは初めてだというのに、  
 お互いに軽口がやむ事はなかった。  
 先輩後輩というか、友達同士だった時間が長かったから、  
 今後もこういうスタンスは変わらないんだろうなあと思う。  
 早く次のステップに進んで欲しかったので、一度阿良々木先輩の身体を抱きしめていた腕を解いて、  
 自分の服に手をかける。  
 
「いや待て、僕が脱がせる。そこは譲れない」  
「譲れないのか……」  
 
 そんな今日一番の男らしい顔で言われたら断れない。  
 仕切り直しと言うことで、クッションから立ち上がり阿良々木先輩のベッドに向かう。  
 お互い正座に近い感じで向かい合って座り、阿良々木先輩が私の服を脱がせ始めた。  
 ジャケットを脱がされずにTシャツを首もとまでまくし上げられ、ブラをさらけ出される。  
 
「なんだろう、もしかして阿良々木先輩は着エロをたしなんでおられるのだろうか」  
「いや別にそういう訳じゃないけど、何かこっちの方がエロい気がするんだよな。  
 もし辛いようならちゃんと脱がせるぞ?」  
「私には解らない感覚だが、他ならぬ阿良々木先輩がそれが良いと言うのなら、彼女としてその欲望を受け止めよう」  
 
 有り難う、と阿良々木先輩は苦笑した。  
 そして再びキスを、唇、あご、首筋と落とされる。  
 そのままぺちゃぺちゃと首の横の部分を舐められた。  
 
「あはんっ」  
 
 ビックリしたのとくすぐったかったので、思わず声が漏れた。  
 ……何だかさっきから阿良々木先輩の行動が、やたらとフェティッシュな感じな気がする。  
 阿良々木先輩の変態性が、私にまさるとも劣らないものだと言うことは前々から解ってはいた。  
 しかしそれでも汗を舐められたり、臭いを嗅がれているような気がしてとにかく恥ずかしい。  
 私自身裸体にはかなりの自信を持ってはいるのだが、こういうエロ行為に対して全く恥じらいが無いという訳ではないのだ。  
 まあ阿良々木先輩にこういう事をされても、全く嫌悪感は無いのだけれど。  
 
「ブラも外すな? ……あれ、これどうやって外すんだ」  
「解らないのならハサミで切ってしまっても構わないぞ」  
「何でそんな発想が出てくるんだよ」  
「何だかそっちの方が無理矢理されているようで興奮するのだ。  
 もっと荒々しく乱暴な感じで私を責めてくれてもいいのだぞ? むしろ望む所だ」  
「望むところとか言われてもな……」  
 
 等と返事をしつつ、阿良々木先輩はかなり乱暴にブラを上にめくり上げた。  
 その時に少し痛みを感じるほど。  
 
「……うおお」  
「うおおって、阿良々木先輩、その反応はポジティブなものなのだろうか?」  
「あ、ああ勿論。今更だけどめちゃくちゃ綺麗だなお前」  
「有り難う、阿良々木先輩にそう言って貰えると本当に嬉しい」  
 
 これまで頑張って身体を磨いてきた甲斐ががあると言う物だ。  
 間もなく口と手が両方同時に伸びてきて、かなり無遠慮に揉まれながら先端を吸われる。  
 
「ふううんっ、ふああっ」  
「何か、すげえ敏感だなお前」  
「ああすまない、声が大き過ぎたか?」  
「っておい。ワザと声を出してたのかよ」  
 
 あからさまにがっかりした様子の阿良々木先輩。  
 
「いや、ワザとと言う訳ではなくて、声が出てしまうのを我慢しないようにしているだけだ。  
 我慢しろと言われれば我慢するが?」  
「ええと……そのままで……いや、恥じらいながらも声が出てしまうというのがベストなんだけど」  
「阿良々木先輩はAV等からも察するに、恥ずかしがっている女の子に興奮するのだな」  
「いやそういう訳じゃ――」  
「恥じらいが無い訳ではないがしかし私は、そういう方面の期待に応えるのは難しいな。  
 それでも出来る限り努力はしよう」  
「そんな変に理解のありすぎる彼女にならないでくれ……」  
 
 なんだかムード出ねえなあ、と独りごちる阿良々木先輩。  
 それに関しては本当に申し訳ない。  
 どうしても阿良々木先輩と一緒にいると、面白可笑しい会話をせずにはいられなくなってしまう。  
 けれども身体の方は先を急かすように確実に熱くなってきていたので、  
 阿良々木先輩の頭を抱えて胸に押しつけた。  
 
「はん……んっ、ああっ」  
 
 直ぐに胸の先端を吸われて舐められる。  
 私が殆ど抵抗らしい抵抗をしない上に、さっきのリクエストが効いたのか、  
 かなり荒々しく阿良々木先輩は私を求めてくれた。  
 それが素直に嬉しい。  
 私もそれに応えるように阿良々木先輩のシャツに手をかける。  
 
「はあっん。あ、あ――痛っ」  
「あ、悪い。強すぎたか?」  
「ああいや、確かに痛かったけれども、全然悪くなかった」  
 
 阿良々木先輩が私のおっぱいの先を少し強く噛んだのだが、  
 痛かったけれど、むしろそれが良かった。  
 
「あんま無理な我慢はするなよ?」  
 
 そう言って再び私の乳首を軽く前歯で挟むと、顎を左右に動かし、  
 上下の歯でコリコリと転がすように刺激される。  
 
「あああああっ、うあああああっ、んん!」  
「これ、気持ちいいか?」  
 
 応える間もなく逆の胸も同じようにされる。  
 
「はああああっ、ん!」  
 
 私はただみっともなく喘ぎながら、阿良々木先輩の頭を抱える事しか出来ない。  
 そんな風に色々な方法で胸を責めながら、阿良々木先輩は私のパンツを脱がし始めた。  
 
「あ、今日はスパッツじゃないんだな」  
「ん、まあ、スカートでは無かったしな。蒸れてしまうのも嫌だし」  
「結局お前がスパッツの下に、パンツを履いているのかいないのかは解らずじまいか」  
「まあそれはおいおいということで。  
 とは言え、これからは阿良々木先輩の求めるままの格好をしようとは思うが」  
 
 
 
 

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