膣物語 なでこサキュバス  
 
001  
 おい!  
 さすがにねーよこのタイトルは!  
 酷すぎるにもほどがあるぜ。膣物語とか。  
せめてサキュバスなら艶物語とかさあ、もうちょっと  
それっぽいのがあるだろう。なんだよ、膣物語って。  
作者の品性を疑うね。  
 まったく。  
 僕はエロパロSSなどと言うものはだいっ嫌いなのだ。  
これって、アレだろ? 要するに僕が千石にエロいことを  
する話なんだろ?  
 駄目だね。  
 まるで駄目。  
 ガハラさん超ラブであるところのこの阿良々木暦を  
舐めちゃあいけない。  
 ペロペロである。  
 まさかこの天下の阿良々木暦さんが、ガハラさんを  
悲しませてまで千石と肉体関係に及ぶなど、いかなる  
IFにおいてもありえない話だ。  
 大体今朝の何時だよ。7時半? 普通に起きるのが  
つらい時間帯じゃないか。  
「お兄ちゃんおっはよ……う?」  
「兄ちゃんおき……ろ?」  
「さ、出かけるかな」  
 さっきからどたどたと足音が聞こえると思ったら、  
まったく幾つになってもうるさい妹たちだよ。  
 僕はこれから可及的速やかに出かけないと  
いけないんだから、火憐ちゃんと月火ちゃんに  
かまってる暇なんてないんだからねっ。  
「うそ!? お兄ちゃんが起こす前に起きてるなんて!」  
「ど、どういうことだ……? 宇宙が一巡する前兆か?」  
 人が早起きしたくらいで新手のスタンド攻撃扱いである。  
「お前らな、僕だってたまには早起きくらいするんだぜ?」  
「それはそうなのかもしれないけど。でも、一体全体、  
 何がどうしてお兄ちゃんが早起きした挙句に既に着替えまで  
 終えてるわけ?」  
「そ、そうだよ。にいちゃんは大学に入った後寝坊癖に磨きが  
 かかったはずなのに!」  
「はっはっは、そんな設定は語られて無いから知らねーな!」  
「最低の切り返しだよ!」  
 
 ふふん。今日の僕は一味違う。何が違うって、  
これエロSSだからな。18禁行為をし放題である。  
 ……ん? と言うことは妹たちと本格的に  
いんぐりもんぐり出来るってことか?  
 いんぐり。  
 もんぐり。  
 自分で言っておいてなんだが、なんと泥臭くも  
卑猥な響きだろうか。  
 火憐ちゃんといんぐり。  
 月火ちゃんともんぐり。  
 どちらかといえばもんぐりのほうがエロっぽいかな。  
そう思うと、見慣れた妹たちの体……いや、肢体と表現  
しよう。健康的な女子中学生と女子高生の肢体が、じつに  
おいしそうに見えてきた。  
「そうだ、出掛けに火憐ちゃん月火ちゃんといんぐり  
 もんぐりしていっても良いか?」  
「脈絡がない上にこれ異常なく気持ち悪いよ!?」  
「そ、そうだぞ兄ちゃん! 朝っぱらからなんて、  
 なに言ってんだ! 夜まで待てよ!」  
 さすが、火憐ちゃんは話がわかるッ!  
「ちょっと火憐ちゃん! この変態兄の発言に乗らないで!」  
「え? な、なに言ってるんだよ月火ちゃん。あたしは  
 断固として兄ちゃんの行為をさえぎったじゃないか」  
「火憐ちゃんとお兄ちゃんがナチュラルに気持ち悪い……!」  
 今日も妹二人は仲がよくて何よりだ。  
「やれやれ。冗談言ってないで、とっとと下に下りようぜ。  
 朝飯が出来てるんだろ?」  
 
 そして僕は階下に下り、朝食をとって、早々に車で出かけたのだった。  
 
002  
 どこにって?  
 そりゃもちろん。  
 千石の家に、である。  
 だってあれだろ、ヒロイン回だからな。今回の  
阿良々木ガールである。  
 ヒロイン回である以上は、千石は何か困ったことに  
直面しているに違いない。  
 妹の友人でもあり、最近……いや、もう数年前と言った方がいいのか。  
とにかくある一件以来はっきりと僕の友人にもなったところの  
千石撫子は、まあ一言で言えば、「かわいらしい女の子」だ。  
いかにも大和撫子というか(千石撫子は『なでこ』と読むが)、  
言うなら大和撫子のたまごというか。  
 つぼみである。  
 花の女子中学生だ。  
 そのくせ妙な色気があって、最近ふと顔をあわせたときには  
「暦おにいちゃん、久しぶり! 撫子寂しかったよ〜」などと  
鼓膜を心地よくバイブレートさせる花澤ボイスで、録音して  
携帯の着信音として売れば数千ダウンロードは堅い可愛らしい  
挨拶をもらったのだった。  
 そんな千石であるが、彼女のことをもっと正確に形容するのなら、  
まだ足りない。今までの要素などガワに過ぎない。  
 すなわち、千石は。  
 駄目人間である。  
 
 以前に夏休みの宿題をサボったのをいい事言ったみたいにして  
正当化した、と言う話をしたことがあるが、最近なんだか芸風が  
少しだけ変化しつつある。前述の「寂しかったよ〜」という  
台詞の続きは、こうだ。  
「暦お兄ちゃん。撫子ね、最近パソコンできるようになったの。  
 暦お兄ちゃんもパソコン……あ、最近買ったんだ? えへへ、  
 タイミングぴったりでなんだか嬉しいな。ね、スカイプ……  
 って、パソコン同士でテレビ電話みたいなこと出来るやつ、  
 まだ使ったこと無いから、撫子試してみたいの。暦お兄ちゃん、  
 今晩……お話、しよ?」  
 こんなことを上目遣いで手で口元を隠しつつのぶりっ子ポーズで  
言ってくるのである。まあここまでならまだ普通の範疇として。  
 その夜のことだ。  
『こんばんわ。……えへへ、暦お兄ちゃんと二人っきりでお話出来る  
 なんて、撫子嬉しいな。パソコンってとってもいいものだね』  
 なんていじらしいトークでつかみを作りつつ、  
『あ、ごめんね、暦お兄ちゃん。撫子ちょっとおなかが  
 すいてきちゃった。暦お兄ちゃんの見ている前で  
 はしたないけど、おやつ……食べて良いかな?』  
 古今東西の漫画アニメネタで盛り上がって来たそのとき、  
千石が牙をむいたのだ。  
 さっきまでのトークの盛り上がりの名残か、嬉しそうに  
頬を上気させつつ千石が取り出した「おやつ」は、  
 バナナだった。  
 大き目のバナナだった。  
『ん……おっき……』  
 「バナナさま」とでも呼びそうなほどに丁寧に、慈しむような  
手つきで、指先をヘタの逆のほうからつう、と滑らせてからヘタに  
手をかける。やさしく、しかしすばやく皮をむいて、先端にそっと  
顔を近づけていく。カメラの正面に向き合った千石は、熱にうかされた  
ように顔が真っ赤だ。ほんの少しだけ開いた口から、目が覚めるほどに  
鮮やかな赤ピンク色の舌が覗く。うっとりと、上目遣いにカメラ目線を  
送りながら……するすると伸びてくる舌が、先端を捉えた。  
 舐めると言うよりは引っ掛けるといった感じに、舌をつけた所を  
そのままにして口の中からさらに舌が伸びてくる。あっという間に  
バナナを半周できるだけの余裕が出来、ようやく千石は舌を動かし……  
 否、蠢かし始めた。  
 るぅ、ぇろん。  
 ちゅ、っぱ、れろ、ぢゅ、れろん。  
 れ、ろぉ……ん、ちゅ、れろ、ぇろん。  
 
 そのまま、先端部を舌でくるくると弄びながら、たまに唇を  
にゅっと突き出して、可愛らしいキスの雨を降らせる。  
 すでにバナナは半ばまで千石の唾液でてらてらと光っており、  
千石もそれを承知したかのように、先端から舌を這わせ、  
バナナの向きは固定したままで横からフルートを吹くかのような  
姿勢で、より強く舌を押し付け、もう言い訳の効かないほどに  
カメラの向こうのこちら側を意識した、妖しげな瞳で見つめてくる。  
『ん……ふ。おいし。ねえ、暦お兄ちゃん』  
 一瞬、惚けていて話しかけられたのに気づかなかった。  
「お、おう、何だ千石」  
『撫子ね……ちゅ……最近、バナナ、……れろぉ……よく食べるの』  
「そ、そうか。バナナは腹持ちが良いし、美味しいよな」  
『うん……じゅぽっ……それでね、暦お兄ちゃん』  
 
 
 暦お兄ちゃんも、バナナ持ってない?  
 
 
「…………持ってるよ」  
『ふふ……ほんと? だったら、ねえ、暦お兄ちゃん。  
 今度、撫子に暦お兄ちゃんのおっきいバナナ、食べさせて  
 くれないかな……?』  
 
 と言うのが昨晩のことだ。  
 まあ、何が言いたいのかと言うと。  
 千石撫子と言う女は、買ったばかりのパソコンでエロイプをして  
楽しむ女なのである。  
 けしからん。  
 まったくけしからん。  
 たまらん。  
「だが、千石よ……お前の芸風を見てるとさ、不安になるんだよな。  
 なんつーか、3年後くらいにけばけばしくなってたり、タトゥーを  
 入れてたり、AVに出演してたりしそうな危うさを感じるんだ」  
 僕は十分もしないうちに到着してしまった千石邸の前で車を降り、  
誰にとも無くつぶやいたのだった。  
 
 
003  
 
「えへへ。まさか昨日の今日で暦お兄ちゃんと二人でお出かけ  
 できるなんて、撫子とっても嬉しいな!」  
 えらいはしゃぎようである。  
 朝早く押しかけた時にはものすごい寝ぼけようだったのだが。  
――――くふぁああああああぁぁぁああ……はれ?  
    暦お兄ちゃんだー……え、暦お兄ちゃん!?  
 
 字面だけ見れば可愛いものだが、あのあくびはむしろ肉食動物の  
それだったとは言っておこう。  
 しかし女子中学生を朝っぱらからドライブに誘う大学生を  
よく信用したな千石のご両親は。  
「もーっ。暦お兄ちゃん、さっきの事思い出してるでしょ。  
 撫子の……あんな姿を……頭の中で……」  
「まったく関係ないけどさ、千石、お前髪伸ばしてるのな」  
 こいつのエロトークは蟻地獄のごとくどこまでも続くからな。  
花澤ボイスを堪能するだけでとどめておくべきだろう。  
「ん、うん。……どうかな?」  
 最近、僕の周りでは短髪が大流行だ。彼女であるところの  
ガハラさんを筆頭に、妹の火憐ちゃんも元委員長の羽川も、  
後輩の神原も髪を切っている。  
 月火ちゃんは髪を伸ばしているが……  
 むしろ髪がニョキニョキと伸びているが。  
 もう長髪というレベルではなくなってきているのでノーカンだ。  
 その中にあって、肩を少し過ぎるくらいの真っ当な長髪である  
千石の、漫画か何かのヒロインのテンプレのようなその髪型は、  
逆に実に新鮮に映った。  
「いいと思うぜ。千石に似合ってるよ」  
「……! ありがとう、暦お兄ちゃん!」  
 そういう千石は頬を上気させ、目を潤ませている。  
 まあ僕は運転中だから千石の顔を見たりしないけどな。  
 
 ドライブといっても、別に遠出したいわけでもないので、  
適当に人の来ないところに車を停車させ、エンジンを切った。  
 千石が早速ベルトを外し、  
「暦お兄ちゃん……昨日言ったこと、覚えてる?」  
「……ああ、覚えてるよ」  
 さすがに緊張するのか、耳まで赤くしてうつむいている。  
 さて、どうしたもんかな……  
 僕は千石の頭に、ぽん、と手を置いた。  
「何か悩みでもあるのか?」  
 千石が顔を上げる。さっきよりさらに熱を帯びたその視線は、  
僕の心の奥深くを覗き込もうとしているかのようだった。  
「暦お兄ちゃん……」  
 する、としなやかに僕の正面、ハンドルの下に体を移動させる。  
 猫のように。  
 あるいは、蛇のように。  
 短めのスカートがまくれあがって、太ももがまぶしかった。  
 
「暦お兄ちゃんは、言ったよね。前に、  
 撫子の裸を見てちょっといやらしい気持ちになったって」  
「ああ。言ったぞ」  
 裸にブルマの女子中学生を視姦すると言う貴重な経験だった。  
「だったら……撫子におしゃぶりされたら、  
 暦お兄ちゃんのおっきなバナナ、硬くしてくれる?」  
「……いやいや、待て千石。僕はだな、お前が  
 何か人に言えない悩みを抱えてあふぅ」  
 既に千石は、勃起前のふにゃふにゃした僕をすべて口に含み、  
口の中で舌を使ってもみくちゃにしているところだった。  
「ふぉよふぃふぉふぃいふゃん、ふぃもふぃい?」  
 超気持ちいい。  
 あの千石が、前髪をかきあげて僕にばっちり顔を見せながら、  
媚び媚びの上目遣いで愛情たっぷりに舐ってくれているのだ。  
 2秒でフルチャージである。  
「ん、むぅ……! っぷは、暦お兄ちゃんのバナナ、本当に  
 おっきいね……とってもおいしそう……」  
 うっとりと僕のそれを見つめながら、袋を優しくなで上げる。  
「くぅっ……」  
 その甘美な感触に、思わず声が漏れた。  
「あ、こういうの好きなんだ。後でもっとしてあげるからね。  
 じゃあ……いただきます」  
 これほどにエロい「いただきます」コールを僕は聞いたことがない。  
優しげな花澤ウィスパーボイスがまるで耳元で聞こえたかのように  
ゾクゾクと快感を伴って僕の脳裏に染み入った。  
 ぱくり、と大胆に亀頭をくわえ込み、かわいらしい顔で鼻の下を  
伸ばして頬をすぼめるひょっとこフェラ顔でちゅううぅう、と  
精気とか魂まで吸い上げそうな吸い付きと同時に舌先でちろちろと  
鈴口をこねられると、一瞬で暴発しそうになる。  
「うぁあああっ! ちょ、千石、やばいって……!」  
 あまりの快感に僕がのけぞったのを好機と見たか、口をすぼめたままに  
顔を前後に振って、僕の棒をしごきたて始めた。  
 あくまでも口の力は一定で、根元に来るほどにきつく、カリ首のところで  
最も引っかかり、亀頭には吸い付くようにまとわりつく。  
 さらに舌がぐねぐねと動き回り、誇張でなく絡みつく。根元まで  
飲み込まれたときには冗談じゃなく螺旋を描きながら一周していたはずだ。  
 もはや千石の口唇は性器そのものだった。  
 はっきり言ってガハラさんのマンコよりも気持ちがいい。  
 結局1分もったかもたなかったかという所で限界が訪れた。  
「んぐっ、じゅっ! じゅぽっ! んぉふょみふぉふぃいふぁ、  
 なふぇふぉのふぉふふぃに、ふょうらひ!」  
 射精ぎりぎりのところに、声の振動を加えたとどめが来て、僕は  
無意識のうちに千石の頭を抱えて自分の股間に押し付けていた。  
 千石は苦しがるどころか、僕の腰の後ろに手を回し、自分から  
さらに深くぴったりと亀頭が喉にくっつくくらいにくわえ込んだ。  
「あああああっ!」  
 年長者として最低なことではあるが、千石から与えられる快感の  
すさまじさに我を忘れて、思い切り喉奥に射精する。  
 腰も膝も震える。  
 まだガチガチのそこ以外を脱力させて、どくんどくんと  
まるで衰えることを知らない射精の始末をすべて千石に任せていた。  
 
 ――ん゛、っく、ごくっ、ごくっ、ぢゅるっ、ごくん。  
 
 さすがに眉根を寄せて、苦しそうに飲み下していく。  
 ……しかし薄く開いた瞳は、見間違えようもないほど陶酔の色を  
顕していた。  
 度を越した量の射精に、次第に口が膨らんでいき……  
 ついには、耐えかねたか口を離して、スッと下にまわって  
頬の辺りに鈴口を乗せるようにして、まだまだたっぷりとした射精を  
受けきる。頬にのってはどろどろと零れていく精液を、  
左手で受け止めていた。  
 
 見た目だけは清楚そうな女子中学生に、口の中に精液を溜めさせて  
さらに頬も額も手も白濁液まみれにさせた大学生がそこに居た。  
 ていうか、僕だった。  
 それにしてもよく出したもんだ。ガハラさんどころか、  
火憐ちゃんを相手にしているとき以上に射精してしまった。  
 
 パシャリ  
 
 僕の肉棒を顔に載せながら後始末とばかりにこびりついた精液を  
舌で拭い取りながら、精液を受けていないほうの手で千石は  
器用にも自らを携帯電話のカメラで撮影したようだ。  
 そう、自分の顔を。  
「千石……? お前、何を」  
 激しすぎる射精でふわふわしたまま思考がまとまらない。  
 さらに千石はスッと立ち上がり、僕の胸に背中を預けるようにして  
寄り添った。いわゆる2ショットの体勢だ。  
「あー」  
 パシャリ。  
「ごく……ん」  
 パシャリ。  
 
 遅ればせながら。  
 遅きに失して。  
 僕の思考能力も戻ってきた。  
「ちょ、おい千石! いいいいいいまの写真、」  
「大丈夫だよ、暦お兄ちゃん。ちゃんと撫子のPCに転送しておいたから」  
 どうやらエロイプといい、千石は機械には強いようだった。  
 
 
004  
 
 僕は、心のどこかで、自分は死なないと思っていたのかもしれない。  
 なりそこないの吸血鬼もどきが。  
 ただの大学生が。  
 確かに、僕は肉体的には刀を手品なしに飲み込んで体を貫通させたって  
生きていられる。  
 だが、どうしようもなく死ぬことだって、もちろんあるのだ。  
 そのひとつが。  
 社会的に死亡する、というパターンである。  
「あ、あの……千石撫子さん?」  
「ん、ちゅ……なあに? 暦お兄ちゃん」  
 しおしおと萎えきった僕自身を片手であやして復活を促しながら、  
千石は先ほど顔に大量にかかった精液を指でこそぎ落とし、  
実にエロい顔をして、実にエロく僕に見せ付けるような角度で  
舌を指に這わせて精液をなめとり、わざわざ喉を鳴らして  
飲み込んだ上で、口の中に何も残っていないことを証明する。  
 この動作を繰り返していた。  
 なんかそれはちょっと違うんじゃないかと心の片隅では  
思うけれど。色々な意味で突っ込みを入れられるような状態ではなかった。  
「ふう……とってもいっぱい白いの出してくれたね。  
 撫子でそんなに気持ちよくなってくれるなんて……  
 とってもうれしいよ、暦お兄ちゃん」  
 そんな殊勝なことを言ったその表情は、もはやこれまでの無邪気な、  
いかにも優等生の微笑みではなかった。  
 桜色のかわいらしい唇から毒々しいまでに鮮烈な紅い舌を出し、  
精液の残滓を舌なめずりする、世にもエロい女子中学生の笑みだ。  
「な、なあ、千石。さっきお前が撮ってた写真なんだけどさ」  
「暦お兄ちゃん」  
 珍しいことに、千石が僕の台詞をさえぎる。  
 ぎくり、と体をこわばらせ、聞く体勢になってしまった。  
「な、なんだ」  
「今日ね、撫子……暦お兄ちゃんに、どうしても大事なことを  
 言おうと思って。それで昨日あんなことをしちゃったの」  
「そ、そうなのか。……何を言おうと思ったんだ?」  
 僕の股間にうずくまっていた千石は、今度は顔と顔がくっつくほどに  
近く、僕にしなだれかかってくる。  
 まあ……千石が困ってるなら、助けてやりたい。  
 僕は千石の頭をなでてやった。  
「…………っ!」  
 目の前の千石の、綺麗な瞳が揺れる。  
「ねえ、暦お兄ちゃん」  
「ん?」  
「撫子、暦お兄ちゃんのことが大好きだよ」  
 千石は言った。  
 
「妊娠出産を前提に、撫子を愛人にしてくれないかな」  
 
 
 
 ……?  
 
 
「そっか」  
 
 いや……何が?  
 なにが「そっか」なの?  
 なにに対して「そっか」って言ったの僕は?  
「すげーぅ……うれしいとか言えるかアァァァァ!」  
 思わず銀魂式の突っ込みになってしまった。  
「ちょっと待て千石、ごめん。僕、今、好きな子、いるんだ」  
「だよね。知ってる」  
 こいつはまだパロディを続けるの!?  
「その人のこと、撫子より好き?」  
 ああ、続行のようだ。  
「うん」  
 もはや後に引き返す道はない。  
 この次の台詞であきらめてくれるはずなのだ。  
 策士策におぼれる、だぜ千石!  
「でも撫子のおしゃぶりで気持ちよくなって、おくちも  
 顔も白いのでどろどろにしてくれたよね?」  
 馬鹿な! 孔明の罠だ!  
「撫子のお口まんこ、暦お兄ちゃんの好きな人のより  
 ずっと気持ちよかったんだよね……?」  
 何より恐ろしいのは、こんなことを言いながらも千石が  
「好きな人に告白したがつれない返事を貰いそうで不安  
いっぱい」みたいな表情を浮かべていることである。  
 
 こいつ、やべーよ。  
 羽川より、ずっとやばい!  
 
「お、落ち着いて話し合おう」  
「撫子は落ち着いてるよ。落ち着いてないのは暦お兄ちゃんだよ」  
 まったくそのとおりで、千石はちょっとありえないくらいに  
落ち着き払っている。ていうかもう顔が赤くなってすらない!  
 え? さっきまでのは演技だったの? そうなの?  
 人付き合いなんかすると人間強度が下がるという自説をもう一度  
引っ張り出したくなってきた。  
「もう……しょうがないなあ暦お兄ちゃんは。もう一度言うからね。  
 
 妊娠出産を前提に、撫子を愛人にしてくれないかな」  
「すみませんマジ勘弁してください!」  
 もう平謝りである。  
 謝罪だ。  
 謝罪しかない!  
「そっか。……残念」  
 おお! 通じた!  
「じゃあ次善策として、さっきの画像を全世界にばら撒いて  
 多くの人の心の中でだけ暦お兄ちゃんの恋人で居てもいいかな?」  
 通じてなかった!  
「ホントすみませんそういうの止めてください死んでしまいます」  
「でも撫子は暦お兄ちゃん以外にこんなことしたくないもん。  
 暦お兄ちゃんの子供が欲しいんだもん」  
 またも僕の股間に陣取って、素早く棒をくわえる。  
「おまっ、またそんなことを……」  
 ちゅうう、と尿道に残っていた精液を吸い取られ、やわらかくなった  
亀頭を舌で甘やかすようにねっとりと撫でられ、情けなくも  
一瞬にして千石の舌技にスタンディングオベーションしてしまう。  
「えへへ。暦お兄ちゃんも、撫子のお口まんこ  
 気にいってくれたんだね」  
 昨晩バナナにしていたように、かわいらしいキスの雨を亀頭に降らす。  
きゅ、と片手で萎えないようにゆるくしごきたてながら、  
また千石の顔が僕の眼前に迫ってきた。  
「暦お兄ちゃん、どうしても駄目?」  
「駄目だよ。さすがにこれはハッキリと駄目だ」  
 女子中学生に妊娠出産とか、新たな生命の誕生と共に  
僕がガハラさんに殺される。  
「むー。暦お兄ちゃんわがままだよ。  
 じゃあ、じゃあね……  
 
 二週に一度性交渉することを前提に、  
 撫子をセックスフレンドにしてくれないかな」  
 さらに俗っぽくなった!  
 
「あ、ちなみに今コンドームももってるから、暦お兄ちゃんが  
 撫子のおまんこに精液を注いで妊娠させたくないって言うなら  
 使っても良いよ?」  
 途中の表現まったく必要なかっただろ。  
「もちろん、撫子は暦お兄ちゃんの子供が欲しいんだからね……?」  
 くちゅ。  
 という、決定的な音がした。  
 ついに、千石の大事なところと僕の肉槍がご対面してしまったのだ。  
「ねーえー。……しよ?」  
 ついに耳元で花澤ボイスの囁きを食らってしまった僕は、  
誘われるがままに千石の太ももをつかみ、一気に下に下ろした。  
 ぷちん。  
 ガハラさんよりも薄い膜の感触と、強い締め付けを伴って、  
ずぶずぶと千石に埋没していく。  
 のめりこんでいく。  
「あっ! っく……うれ、しい。こよみ、おに、ちゃ……  
 生で、してくれるんだね」  
 つう、と涙があふれ、一筋零れ落ちる。  
 それでも、千石は笑顔だった。  
 とても綺麗な笑顔だった。  
「ああもう! こうなったら千石! お前をセフレにして  
 二十歳になったら孕ませてやる! しかも僕は認知なんか  
 しねーぞ! どうだ、後悔したか! 今なら引き返せるんだぞ!」  
「ありがとう、暦お兄ちゃん……撫子、嬉しいよ」  
 くそっ。やっぱこいつは、羽川なんて目じゃなかったな。  
 蛇や虎どころじゃない。  
 こいつ自身が、もう淫魔そのものじゃねえか。  
「こうなりゃやけだ……! 思い切り突きまくって痛くしてやるからな、  
 愛想つかせよ!」  
「やーだ! 暦お兄ちゃん、大好……あぎぃっ!!」  
 別に火炎呪文を放ったわけではない。  
 僕が千石の腰をがっしりとつかんで、秒間3回のペースで  
めちゃくちゃに千石の膣をえぐり倒し始めたからだ。  
「ぎっ、あがっ! あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ  
あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ  
あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ」  
 もはや絶叫すら出来ず、衝撃にあわせて声が途切れ途切れになっていく。  
 千石は完全にのけぞって天を仰ぐような姿勢になりながらも、  
僕を抱きしめる腕を放そうとはしなかった。  
 
 じゅっ、じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ。  
 
 元から濡れそぼっていた(今気づいたが千石はスカートの下ノーパンだった)  
膣だから、いくら無茶なスピードで突き入れようと、裂けたりはしなかった。  
どころか、やわらかくも弾力のある肉は、これほどの衝撃を吸収し、  
むっちりとした処女膣をえぐる快感を僕に返してくる。  
「初体験の癖にこれとは……千石は本当にいやらしい体してるぜ」  
 あるいは。僕はずっと前から、こうなることをどこかで願っていたのかもしれない。  
裸にブルマの千石を見て、蛇の呪いを受けていると知りながらも  
浅ましくもその肢体に発情していたときから。  
 
「暦お兄ちゃんにだけ、撫子の体……全部、使わせてあげるから。  
 どこでも、なんでも、していいからね?」  
 さすがに無理しているのか、先ほどとは別種の涙を浮かべつつも、  
既に息を整えて受け答えできるとは驚きだった。  
「そうかよ。じゃあ……これはどうだ?」  
「ひゃあんっ!」  
 唐突に180回/分の突きをやめ、一番深く突き刺して前後左右にグライング  
する責めに移行しつつ、千石の尻の穴の皺に指を這わせる。  
「ふふふ……どうだ? 千石。僕はアナルも責めちゃう男だぜ?」  
「はぁ……はぁ……うん、もっと好きになったよ、  
 暦お兄ちゃんのこと」  
 くっ、さすがにこの程度では引き下がらないな。  
 引き続きアナルを撫でる。それがスイッチだったかのように、  
千石の顔が蕩けはじめる。  
 千石撫子蕩れー。  
 とか言ってみたりして。  
 体の負担が少ないように、反応のいいところを探りながら突いてやると、  
面白いように体を震わせて、さっきとはまるで違う行為を  
しているかのように千石の顔にだらしない笑みが浮かんだ。  
「こ、こよみおにいちゃあんっ、わ、わたし、もうっ」  
 よしよし、すぐに楽にしてやるから……なっ!  
 ごりり、と手ごたえを感じるほど強く突き刺すと、  
かはっ、と空気の漏れるような声ともいえない喉のうなりと共に、  
千石が目を見開いてのけぞり……膣がうねるように  
締め付けを増した。  
「あっ、が……、お……」  
 脚をがくがくと痙攣させて、初の性交での絶頂に浸る千石を肴に  
思い切り、女子中学生の膣の一番奥深くに射精する男が居た。  
 僕以外にありえなかった。  
 
 
「えへへ……」  
 実に無邪気な笑顔を浮かべながら、千石が下腹部をさすっている。  
「やっちまった……」  
 高校時代にあれだけの苦い経験をしておきながら、まるで  
生かせていなかった。  
 しかも今度は肉体的でなく社会的に死亡の危機だ。  
「大丈夫だよ、暦お兄ちゃん。ママは小学四年生、  
 なんてこともあるんだよ?」  
 それ漫画だから! しかも実の娘じゃねえよ。  
「さすが暦お兄ちゃんは話が分かるっ。  
 ただ……今日は撫子、赤ちゃん出来ない日だから、せっかく  
 暦お兄ちゃんが出してくれた精液がもったいないなあ」  
 ……この内容が前の台詞の大丈夫だよ、にかかっていないのが  
一番大丈夫じゃねーよ。  
「ほーらぁ、暦お兄ちゃん、しょげてないで……  
 撫子のおなか、いっぱいになるまで、白いの飲ませてね?」  
 僕は、死なばもろともとばかりに……  
 千石撫子に、口付けをするのだった。  
 
 
 

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