「今だったら特別に口でしてあげてもいいわよ」
「…………」
あー、と口を開ける戦場ヶ原に僕の心がぐらついた。
綺麗なピンク色の口内と白い歯に、戦場ヶ原が嫌だと言ったことはするまいと誓った僕の固い心は液状化現象を起こしている。
僕はすっくと立ち上がって戦場ヶ原に歩み寄ると、戦場ヶ原は口を開けたまま顔を少し上げて目を閉じた。
僅かに動く舌の艶めかしさに僕の下半身はすっかり大きくなってしまっている。
ごくりと唾を飲み込みながらベルトを外し、ごそごそと屹立したモノを取り出す。
戦場ヶ原の後頭部に手を回すが、一瞬身体を震わせただけで何も反応しない。
本当に。
本当にいいのだろうか?
口でするのは嫌だと言っていたのに。
だけどここまできたら僕からは止められない。
戦場ヶ原が断らない限り、僕は今から戦場ヶ原の綺麗な口内に汚らしい肉棒を突っ込んでしまう。いや、念のため来る前にシャワーくらいは浴びてきてるけどさ。
自分の肉棒を掴み、ゆっくりと戦場ヶ原の唇に近付けた。
戦場ヶ原は反応しない。
鼻息がかかる距離まできた。
戦場ヶ原は反応しない。
唇が僅かに亀頭に触れた。
戦場ヶ原は反応しない。
そして。
僕は腰を突き出して、ずるっと戦場ヶ原の口内に肉棒を突き入れた。
「んむ…………っ」
「うああ……っ!」
戦場ヶ原が僅かに呻き、僕は声を上げる。
なんだこれ!?
なんだこれ!?
すごく温かくて気持ちいい!!
快楽に飲まれて理性が吹き飛びそうになるのを必死に堪える。
腰を振りたい欲求を抑えて口から引き抜く。
「はあっ……はあっ……」
ヤバい。
気持ち良すぎてどうかなってしまいそうだった。
「どうしたのよ?」
戦場ヶ原が訝しげに尋ねる。
そのこちらを見る上目遣いがまたそそり、思わず目線を逸らしてしまった。
が、たったそれだけのやりとりで戦場ヶ原は察したようだ。
「気にしないでいいのよ。私の口、阿良々木くんの好きなようにして」
その言葉に僕のがさらに固くなった。
「初めて話した時は私が阿良々木くんの口に色々突っ込んだじゃない」
…………ちょっと萎えた。
トラウマが蘇る。
「大丈夫よ、約束するわ。今日は阿良々木くんに何をされても構わないし、阿良々木くんの望むことをしてあげる」
だから何をして欲しいかもきちんと言いながらしなさい。
戦場ヶ原はそう言うと改めて目を閉じて口を開けた。
僕はそっと両手で戦場ヶ原の頭を押さえ、肉棒の先っぽをくわえさせる。
「戦場ヶ原、目を開けて……僕の方を見てくれ」
立って見下ろす僕の視線と跪いて見上げる戦場ヶ原の視線がかちりと絡み合う。
いつも吊り上げている目をとろんとさせているその表情に言いようのない興奮を覚えながら、ぼくはゆっくりと肉棒をその口内に埋めていく。
「戦場ヶ原、舐めてっ……出っ張りのとこ……舌で、擦ってっ……うああっ!」
舌がカリに這うたびに理性の皮が剥がれていき、欲望が剥き出しになる。
鼻息が下腹に当たるくすぐったさも快楽に変換され、僕は少しずつ高みへ押し上げられていく。
「戦場ヶ原、唾絡めて吸って! ぐちゅぐちゅって、音が出るくらい激しく!」
唾液をまぶしながら頭を前後させ、戦場ヶ原はじゅるっ、じゅるっ、といやらしい音を立てながら吸ってきた。
先端を吸われ、肉茎を吸われ、根元を吸われ、理性が吸い尽くされていく。
もう限界だった。
「戦場ヶ原っ、もうすぐ出る!」
僕はそう宣言して戦場ヶ原の口から肉棒を引き抜こうとする。
が、その前に戦場ヶ原の両腕ががっしりと僕の腰に巻き付かれ、離れないように押さえつけられた。
え? それって……。
「いいの、戦場ヶ原? このまま出しちゃっていいの?」
戦場ヶ原は僕のをくわえたまま微かに頷く。
僕は戦場ヶ原の髪の毛を指に絡めながら後頭部に手を回し、腰を突き出して喉奥まで突っ込む。
そしてカリ首辺りまで引き抜き、再び突っ込む。
それを繰り返し、僕の溜まりに溜まった欲求はもはや爆発寸前だ。
「戦場ヶ原! ぎゅって唇締めて! ぐりぐりって舌で先っぽの穴ほじって! ほっぺたへこませてじゅるじゅる吸ってくれっ!」
僕の思い通りに戦場ヶ原は動き、僕の思い通りに快楽を与えてくる。
びゅるびゅるびゅるびゅるっ!
「うっ! うあっ、ああっ、あああああっ!」
堪える間もなく僕は一気に射精した。
腰を小刻みに激しく振り、ドプドプと戦場ヶ原の口内に白濁液を注ぎ込んでいく。
がくがくと膝が震え、ただ立っているのもつらいほどの快感が全身を襲う。
そんな快楽に歪む顔を一部始終戦場ヶ原に見られながら僕は全てを出し切った。
「はあっ……はあっ……」
肩で息をしている僕の手を取り、戦場ヶ原は自分の喉に当てる。
こくん、と喉が鳴った。
「!! の、飲んだのか!?」
戦場ヶ原の目が悪戯っぽく笑い、ちゅううっと尿道に残っていた精液が吸い出される。
さらに、そこかしこに付着していたのまでぺろぺろと舐め取られ、何度も喉を通る感触が当てた指から伝わってきた。
戦場ヶ原のお掃除フェラによって肉棒が綺麗になるころにはすっかり射精前と同じ大きさを取り戻してしまう。
ちゅぽん、と唇が離れると、びんと反り返る肉棒に軽くキスをした戦場ヶ原は立ち上がり、自分のスカートの中に手を突っ込む。
そしてするすると下着を脱ぎ捨ててしまった。
「せ、戦場ヶ原?」
「ねえ阿良々木くん」
戸惑う僕に戦場ヶ原は抱きついてくる。
そのまま耳元で内緒話をするように囁く。
「まだ出るのだったら、下の口にも飲ませてくれると嬉しいのだけど」
是非もない。
返事をするよりも早く、僕はその場で戦場ヶ原を押し倒す。
結局。
この日はこれ以上勉強が進まず。
僕達は二人揃って羽川にお説教を喰らったのだった。