ガハラさん誕生日と聞いて全力で阿良々木の野郎に祝わせようとしたら
結局エロくならなかった。わけがわからないよ。
重ね重ね言う。エロくならなかった。
誕生日プレゼントは阿良々木さんのカ・ラ・ダ(はぁと
とかやらせようと思ったのに。…神原に。
「さて、とりあえずガハラさんの誕生日を祝う訳だが」
「もうすぐじゃないか。プレゼントは決めたのか、阿良々木先輩?」
「いや、プレゼントは決めたんだがな…色々と問題があるんだ」
「ん?なんだ、特に問題があるものには見えないが…?」
「いやな、僕たちは今何月何日何処の時系列にいるんだ?」
「メタの極みだ!」
「月火ちゃんが怪異であることはもう発覚したのか?ルートXの忍と仲直りは出来たのか?
学習塾跡はどうなってんの?伊豆湖さんってもう現れてたっけ?火虎はもう撃退済み?
火憐ちゃんと月火ちゃんとの関係のやばさはどの程度だったっけ?
それとも実は、今回はまだ僕とガハラさんが付き合いだして最初の誕生日?
逆に既に千石は蛇になってて、誕生日どころじゃなかったりするのか?
そもそも忍野扇っていつからいたっけ?あいつ何者?大人八九寺はここにいるの?いないの?」
「落ち着け阿良々木先輩!既に私達は成人を迎えていて、戦場ヶ原先輩も
とっくに名字が阿良々木に変わっていて、結婚記念日でもあるこの誕生日をどうするか、
という議題で呼び出されたのだと私は記憶しているが!?」
「おー、そうだったそうだった。うん」
「でも私は生き残ってたりするんだけどねー」
「蛇千石うううううぅぅぅぅぅ!」
「私も外国から帰ってきてたりするんだよねー。あ、はいこれお土産ね」
「かつての片思いの相手に精力剤渡すとはこれいかに!?」
「嫌だなあ阿良々木くん。いくら私でももう5年も前の片思いを引き摺ってたりしないよ。
ただ結婚して2年目にしてそういう話を聞かないもんだから、ちょっとお節介を焼いてあげただけ」
「うわあああああああああああああん!羽川さんに見捨てられたあ!ごめんちょっと僕三回ほど自殺してくる」
「阿良々木先輩、年を経るごとに羽川先輩への依存度が高まっていないか!?」
「私を無視するとかいい度胸だね暦お兄ちゃん」
「毒は!毒だけは御勘弁を!ごめんなさい蛇千石様!」
「ああ阿良々木くん。そういえば私、彼氏が出来たんだ。凄く優しくて、それでいて――」
「うわあああああああああああああん!僕の羽川がー!もうこうなったら死ぬしかない!」
「羽川先輩、今の壊れた阿良々木先輩に追い討ちをかけないでくれ!」
「今度結婚することになったんだけど、阿良々木くんには新婦の友人としてのスピーチを頼みたいんだ」
「うわあああああああああああああん!こうなったら、皆死ぬしかないじゃない!」
「うわっ、暦お兄ちゃん、心渡をやたらめったら振り回さないでよ。撫子死んじゃうよ」
「お前はもう死なない身体どころか死なない概念じゃねえか!」
「ああもう戦場ヶ原先輩ここにきて場をまとめてくれえ!」
「あら、呼んだかしら神原」
『!』
「あ、あなた。探してたのよ、はい、少し早いけれど結婚記念日のプレゼントよ」
「……え?」
「確かに結婚記念日は私の誕生日でもあるけれど、それ以前に結婚記念日なんだから、
私があなたにプレゼントを渡したって何の問題もないわ。それともあなたは私のプレゼントを――」
「分かってる分かってる、驚いただけだって。ありがとな、大切にするよ。
じゃあ、僕からもこれは結婚記念日のプレゼントだ。誕生日プレゼントは別に考えてやるよ」
「期待せずに待っておくわ」
「……はぁ。結局、あの人との間には撫子も入り込めないなぁ」
「うむ、私も結局あのふたりにとっては都合のいい女でしかないのだ」
「こら、人聞きの悪いこと言わない。でも、私も同感かなあ」
「……うぬら、さっきから騒がしいぞ。眠い」
『凄くズルいポジションの娘がいた!』