「春休みの時はお前とここでバトルしたんだったなぁ」
「ふむ、そんなこともあったの。もう遥か昔のことじゃから忘れておったわい」
「いやいや、数ヶ月前の話だからな?」
夏休み。
ちょっとした野暮用で学校を訪れたのだが、帰りに忍が出てきて校庭を一緒に歩いているのである。
この暑さでは運動部も練習する気にはならないだろう、周りには誰もいなかった。
「あー……思い出した思い出した、大変じゃったなーあのときは」
「明らかに棒読みだぞ、思い出してないだろ」
「いやいや、確か儂の美しさに目を奪われながら闘ったときじゃろ? 元委員長の応援を受けながら」
「否定はしないがピックアップする項目がおかしいぞ」
「そして直前はあの体育倉庫にこもって、女体耐性をつけたいからヤらせてくれとあの元委員長に頼んだんじゃろ?」
「え……?」
「もし死ぬとしてもせめて童貞だけは捨てさせてくれと土下座したんじゃろ?」
「いろいろ間違ってるぞ!」
土下座したのと耐性をつけようとしたのは事実だが。
ていうか想像で言うには具体的すぎる。
まさかあのとき千里眼かなんかで見ていたのか?
僕のあらぬ疑いをどう晴らそうか悩んでいる間に忍はスタスタと体育倉庫に向かう。
「ふむ、何故か扉だけが綺麗じゃの。まるでこれだけ破壊されて新調したみたいに」
「お前だお前、お前の眼力だ……ん?」
鍵が空いている。
使っていた運動部が掛け忘れたのだろう。
「まあ別に盗られるようなものなんてないだろうけどな」
なんとはなしに扉を開けて中に入る。
多少薄暗いが僕達の視力には問題ない。
熱気がこもってはいたが、それも新陳代謝の少ない吸血鬼体質にとっては気にするほどではなかった。
あまり縁がない道具が揃っているせいか、忍はきょろきょろと物珍しそうに見回している。
というかこんなところを誰かに見られたら言い訳しづらい。
僕は扉を閉めて内側から鍵を掛ける。
「おいお前様よ、こんなのはどうじゃ?」
「っ…………!」
声をかけられて振り向くと、広げた運動用マットの上に忍が体育座りしていた。
体操服にブルマ姿で。
「お、お前、その格好……」
「隠してあった本に載っておったぞ。こんなポーズもあったかな?」
そう言って忍は様々な体勢をとる。
僕は少女の織り成す妖艶なそのショーから目が離せないでいた。
「ふふ、随分と興奮してくれているようじゃの」
そう言う忍の指先はガチガチに固くなってテントを張った股間を指していた。
ちなみに体勢も少し前屈みになっている。
「そのままでは帰りも歩きづらかろう。ここで出して行かぬか?」
手元のバレーボールを弄びながら忍が誘う。
是非もない。
無言で忍に歩み寄り、マットに押し倒した。
「んっ……やや乱暴じゃの。まあ嫌いではないが」
僕は両手で忍の身体中を弄り、首筋や顔を舐める。
もにもにと膨らみはなくとも柔らかい胸を体操服の上から揉みしだき、きめ細やかな肌の太ももを撫で回すと、ほう、と忍は甘い吐息を漏らして身体を震わせながら悶えた。
そのままブルマの中心部に手を持っていき、その上から秘口部に指を押し当てると湿った感触が指先に伝わる。
あれ?
「忍、下着履いてないのか?」
「ん、ひょっとして……このぶるまーとやらは……下着では……ないのか?」
女子だけ下着姿で体育の授業なんてどんな天国だよそれは。
まあこの状況では大した違いもない。僕は愛撫を続ける。
ブルマの隙間から指を差し込み、濡れそぼった秘所をいじくり回す。
体操服を捲り上げて胸を晒させ、尖った乳首を口に含んで思い切り吸い上げる。
「ふぁっ、ああんっ、んあっ!」
忍は外見不相応な艶めかしい声を上げて身体を仰け反らせた。
いやいやするように首を振るが、僕は容赦なく忍を攻め立てていく。
蜜壷を掻き回して陰核を刺激し、左右の乳首を舐め回して痛くない程度に歯を立てる。
「んんっ、んあ、あっ、あっ、あ……あはあああああっ!」
びくんっ、とひときわ大きく身体を痙攣させて忍は絶頂に達した。
そのままイき終わるまで激しく、だけど優しく僕は刺激を与え続ける。
「あっ……あっ……あ……ん」
やがて忍は四肢を投げ出して、ぐったりと放心状態になった。
満足げにわずかに微笑む色っぽい表情に僕はもう我慢ができそうにない。
ファスナーを下ろしてズボンからいきり立った肉棒を取り出し、忍の手を取って握らせる。
「ん……」
力が入らないままも忍はゆっくりと手を上下に動かしてしごきだす。
興奮状態だった僕はそのまま一気に射精まで導かれたい衝動に駆られたが、それを抑えて立ち上がった。
忍の身体を起こして膝立ちにさせ、肉棒をその唇に押し当てる。
すぐさま忍は口を目一杯開き、肉棒の先っぽをくわえた。
唇の輪っかが少しずつ降りていき、忍の口内に肉棒が根元まで埋まる。
僕は忍の頭を掴み、ゆっくりと腰を引いてカリ首が唇の輪っかに引っ掛かるあたりまで引き抜き、そして再び喉奥まで差し込む。
それを繰り返し、暖かい口内粘膜の感触をじっくりとたっぷりと味わう。
体育倉庫で。
ブルマ姿の金髪少女の口を。
自分の肉棒で思うがままに犯す。
その非日常的なシチュエーションに僕の高ぶりは限界を迎えた。
「あー……忍っ、イくよ……イくよ……っ」
射精に導こうとしてか、忍の舌の動きが激しくなる。
唇をより一層強く締め付け、じゅるじゅると唾液ごと吸い上げてきた。
「あ、イくっ……出る……出るっ……う…………うあああああっ! あっ! あっ!」
腰から流れてきた快感の電気が脳を焼き、こらえていた堤防が決壊する。
出る。
出る。
まだ出る。
気持ちいい。
気持ちいい。
射精が止まらない。
僕は腰を振りたくり、忍の喉奥に精液を流し込む。
「あっ……あっ……あー…………は、あぁ」
やがて全部出し終えた僕はへたり込みそうになるのを堪え、忍の頭を髪を梳くように撫でる。
忍は目を閉じながら口を蠢かし、お掃除モードに入った。
肉棒にまとわりついた精液を舐めとり、尿道に残ったものをすべて吸い出して喉を鳴らして飲み込んでいく。
それらを終えて唇を離し、ペロリと舌なめずりをするその様は実にその外見に似つかわしくないものだった。
んー、と身体をひと延びさせた忍はふっと自分の服装をいつものワンピース姿に戻す。
「どうじゃったお前様よ、あのときの心残りを少しは解消できたか?」
「…………」
僕は無言でくしゃくしゃと忍の頭を撫でる。
しかし。
こいつやっぱりあのとき覗いていたんじゃないだろうか?