ぽすっと、頭上に何かが触れた。
風呂上り、パンツ一枚でベッドにもたれて座っていた、まだ濡れた僕の頭の上に。
見なくても解る。
忍が、僕の頭をぺちぺちと叩いたり、跳ねた髪を撫でつけたりしているのだった。
忍は時々、こうして夜になると『儂に構え』と言うかのようにじゃれついてくる。
いつも決まって無言で、何の要求も口にはせず。
けれど、執拗に。
そんな時、僕は忍に血を与える事にしている。
最近少し頻度が多いような気もするのだけれど、他にどうすればいいのか解らないのだ。
とはいえ、忍もそれで大人しくなるのであながち間違ってはいないのだろう。
「忍、ちょっとこっち来い」
「む?」
「血、吸っとけよ」
「うむ」
ぴょんとベッドを飛び下りて、小さな体が滑り込んでくる。
あぐらを掻いた膝の上に跨り、忍が僕に身を預ける。
「……まだ濡れておるぞ」
僕の首に掛かったタオルを退かしながら、忍は顎の下を舐め取り、胸のあたりを指先でなぞる。
そうして目についた水滴を一つ一つ取り除いて、ようやく僕の首に顔を埋めた。
しっかりと抱き着くように僕に密着して、耳元で息を吐く。
忍が口を開けたのがなんとなく解る。
力が抜けていく感覚。
忍の喉が鳴る。僕が忍に流れ込む。
手持無沙汰の僕は、忍の背中を撫でる事にする。
すると、忍はさらに僕にしがみ付いて、乳児のようにひたむきに吸い続ける。
ふわりと宙に浮く心地がして、ふと気が付くと――
――僕の膝の上には、明らかに大きくなった忍がいたのだった。
目の前には、艶やかな口元。視線を下にやれば、鎖骨が浮いた首元。
夏休みに暴力陰陽師とやりあった(忍がやりあったのは、式神の少女の方だけれど)時と同じくらいの外見年齢だ。
「おい忍、吸いすぎだろ」
一応、咎めてみる。
とはいえ、吸血は忍にとって食事なのだ。
たくさん食べたら怒られるというのは、ちょっとどうかとは思うのだけれど。
思わず食べ過ぎてしまうなんて事は誰にでもあるだろう。
「いや、予定通りじゃが」
言いながら、忍が僕の首筋から口を離す。
ただでさえこの状態だと忍の方が大きいと言うのに、あげく膝の上だ。
完全に僕を見下して、気持ちいつもよりも偉そうに。
くいっと僕の顎を持ち上げたりして視線を合わされる。
ていうか、予定通りってどういう事だよ。せっかく地の文でフォローしたのに台無しじゃねえか。
「……近くに怪異の気配でもあるのか?」
「いや」
「じゃあ、そういうのの専門家がいるとか」
「全く」
しれっと答える忍。
「それじゃあ、何のためにだよ」
普段と違う、白く長い指を顎に添えられたまま、見上げる。
すると忍は、その美しい顔で、いつものように尊大に――
「何、他愛もない事じゃ」
――そう言って、笑った。
目の前には閉じられた瞼。
長い睫毛が震え、さらりと流れた豪奢な金髪から形のいい耳が覗く。
「――――」
口を塞がれているから、というのとは違う理由で、息が止まる。
何故、忍が、こんな事を?
混乱しながらも身を捩る。
けれど忍は僕をベッドの縁に押し付けて、さらに体重を掛けてくる。
抵抗する間もなく、唇を割り開いて、ぬめる何かが僕の内部に侵入する。
それ自身、意志があるかのように、口の中を這い回る。
唇の、歯の、頬の裏側をくまなく撫で回し、舌を絡め取り、唾液を運び込む。
僕はといえば、されるがままに嬲られ、流し込まれるままに飲み込むことしかできない。
心臓が僕の制御を離れて勝手に早鐘を打ち、全身に血液を供給する。
それこそ、末端にまで。
不意に、忍がぱちりと瞳を開き、それをゆっくりと細める。
そしてそのまま、音を立てて舌を引き抜き、口元を歪ませた。
「若いのう」
「……仕方ないだろ」
僕は顔を背ける。
もはや、忍に理由を問いただす事もままならない。
「まあ、話が早くて助かるがの」
どういう意味だとと聞き返す間もなく、僕は、忍に抱きかかえられ、一瞬でベッドの上に押し倒されていた。
両手を頭の横で押さえつけられ、膝から下をベッドからはみ出させた状態で、再び忍の体重を受け止める。
首の下に濡れたバスタオルが広がり、布団が湿ってしまわないかと妙な心配が浮かぶ。
いや、今はそんなことはどうでも良くて――
「――だから、何のつもりだよ」
再び重ねられようとする忍の唇を避けて、問う。
「何、お前様が今日あたり事に及ぶであろうと思うてな」
「事に及ぶってなんだよ」
「ほれ、時折夜にしておるじゃろう」
「……だから、何をだよ」
再度聞き直すと、忍は口元を歪めてから僕の左腕を解放して、僅かに体を傾けると――
「これじゃ」
――僕を見下ろしたまま、先程僕が若いと揶揄された部分を、その長い指で撫で上げた。
ぞくりと、何かが背中駆け上がる。
じゃなくて、ちょっと待て。
「な、なんの事だ?」
「……お前様は阿呆か。儂と繋がっておる状態で、しかも夜に、あのような行為に及んで、ごまかせるとでも思うたか?」
強調するように告げられる。
「そこは黙ってて欲しかった!」
生理現象だし! たまにはしておかないと朝がヤバイんだって!
妹に起こされている身としては失敗は許されないのだ。
いやまあ、もしかしたら忍にバレてるんじゃないかとは思ってはいたのだけれど。
「今まで黙っておったじゃろうが」
「そうだけどさ……」
そこは墓まで持って行けよ。
忍がいつ墓に入るのかも、その予定があるのかも知らないけどさ。
「……我があるじ様よ。よもや、忘れてはおるまいな」
「何を」
「動揺や焦りと同様に、痛みも儂に通じると言ったじゃろ」
……言われてみれば、そんな事を聞いた気がする。
ええと、あれは確か、『蜂』の時だっただろうか。
「ああ、覚えはある」
だけど、それがどうしたっていうんだ?
首を傾げる僕を見下ろした忍が、憮然として告げる。
「痛みが伝わるのに、快感が伝わらない訳がないじゃろうが」
ええと、つまり。
僕が一人でしている時に、それは全部筒抜けで――
「……ごめん」
押し倒されている為に、頭を下げる事も出来ないのがもどかしい。
というか、さすがにこれは申し訳無さすぎる。
春休み、僕が忍にした事は、やっぱり酷いことだったのだと今更ながらに思い知らされた。
しかも、それに気付きもせず、忍自身に真相を言わせてしまうなんて。
「解ればよい」
忍は、鷹揚に頷いた。
とはいえ、それは恐らく、仕方のない事だと割り切っているだけだろう。
そんな事まで僕と同期してしまって、気分の良かろう筈もない。
と。
忍が再び、僕自身を撫でた。
「――ちょ!?」
「何じゃ、萎んでしまったのう。世話のかかるあるじ様じゃ」
言いながら、今度は忍の手が腹の上に置かれ、そのまま下へ――
「え、まっ――」
――そして止める間もなく、その長い指が、直接僕自身に絡みついた。
驚愕する僕に、隙ありとばかりに忍が顔を寄せ、再び口を塞がれる。
またも唾液を流し込まれ、それを反射的に飲み下す。
僕の右側に寄り添うように覆い被さった忍が、やわやわと手を動かしながら、両脚も絡めてくる。
触れた唇が、柔らかい。
ぬめる舌が、柔らかい。
押し付けられる膨らみが、柔らかい。
僕自身を撫で回す手が、柔らかい。
擦りつけられる太股が、柔らかい。
柔らかくない所など、無い。
止めようと伸ばした左手は、忍の腕を掴んだ所で動きを止めて、それ以上何もできない。
忍の動きに翻弄され、自分が何を考えていたのかすらも忘れ、没頭する。
受け入れ、動きを合わせ、息を荒げる。
忍の命を繋ぐ為にある僕の血を、一点に送り込む。
そして、気が付いた時には、忍が、僕に跨っていた。
いつ下着を脱がされたのかも解らない。
忍がワンピースの裾を持ち上げながら、前後に腰を揺らす。
お互いが擦り合わされ、水音を立てる。
溢れ出した粘液を、忍が塗り広げる。腹に、胸に。
忍は、一通り僕の胸板を撫で回した後、舌なめずりをして僕の目を覗き込む。
そしてそのまま腰を浮かせ、手を添えた僕自身を忍に宛がった。
けれど、降りてこない。
焦らすように、僕を中心に宛がったまま、腰を僅かに蠢かせる。
くちくちと音を立てて、僕を弄ぶ。
「……なん……で?」
「……罰じゃ」
「……」
「とはいえ……儂も、そろそろ……じゃな」
僅かに忍の腰が落ち、先端が肉に埋まる。
けれど、僕は待ちきれず、腰を跳ね上げる。
お互いの動きで、一息に、一足飛びに。
目的地に、到達した。
「くぁぅっ!」
忍が短く叫んで、天を仰ぐ。
表情はうかがえないけれど、蠢き、纏わりつく忍自身が、雄弁に物語る。
身じろぎすらなくとも、ただ繋がっているだけで絶頂まで導かれそうなうねり。
僕は忍を両手で支え、突き上げた腰をそろそろと下ろしていく。
別に、そうしなければ抜けてしまうという訳じゃない。
ただ、強い刺激を与えると、我慢できなくなりそうだったのだ。
少なくとも、制御は危うくなるだろう。
忍の腰を引き付けたまま着地して、ようやく一息つく。
同じようにゆっくりと息を吐き出した忍が、ようやく僕に視線を落とした。
「……忍、平気か?」
何も言ってこない忍に、大丈夫だとは思いつつ声を掛ける。
すると、何と言うのか、途轍もなく妖艶な表情で睨まれた。
怒られているような、褒められているような、よく解らない心もちになる。
「……なんとかの。とはいえ、なかなかに難儀じゃな」
言いながら、体を安定させるためか、僕の胸板に再び手をつきながら答える忍。
両腕に挟まれて、胸元が歪んで盛り上がる。
「そうなのか」
「うむ。二人分じゃからの」
え。
快感も伝わるって、そういう事?
てっきり、『僕が快感を得ている事を察知できる』んだと思ってたんだけど、もろにそのまま伝わるのか?
「……マジで?」
「当然じゃろう」
手のひらで僕に『の』の字を書きながら、忍が鼻を鳴らす。
それを聞いて、僕は申し訳ないとは、もう思わなかった。
通常時なら、土下座して詫びたい気分になったのかも知れないけれど、なにせ現在進行形で繋がっている最中である。
僕の頭の中にはもはや、『どうやって忍を気持ち良くするか』しか無い。
となれば、やる事は決まっている。
未だに忍の腰を掴んでいた両手を、忍の体に沿って這い上らせる。
へそをくすぐり、脇腹を撫で上げ、目的地へと進む。
手に触れた球体におののきながら、それを持ち上げ、柔らかさと弾力を確かめるように指をめりこませる。
そして、山頂へ。
ぴんと張りつめた先端を、指で転がし、押し潰し、攻め立てる。
同時に、少しずつ、少しずつ、下半身にも動きをつける。
突き上げるのではなく、くっ付いている腰をさらに押し付ける程度の、ほんの僅かな動き。
既に突き当たっているものを、さらに奥にねじ込むように、普段より重くなった忍の体を利用する。
普通ならば、きっと忍はこの程度ではどうにもならない。
けれど今は、僕の分が上乗せされている。
何しろ、忍の中はとても気持ちがいい。
それを加味すれば、この地味な動きでも忍にダメージを与える事は十分可能だろう。
ゆっくりと単調な動きを繰り返しながら、忍の胸を弄繰り回す。
両手が蠢くのをワンピース越しに眺める。
これはこれでいいけれど、やはり、脱いでくれた方が尚いい。
思い立って、腹筋だけで起き上がる。
角度が変わって、さらに少しだけ奥まで侵入したような感触があった。
「っん……何を」
短く声を上げた後、忍が抗議する。
「いや、ちょっとな……」
押し戻そうとする忍を抱き締めるように背中に腕を回して、内側からワンピースを脱がせてしまう。
瞬間、言葉を失う。
もちろん、解ってはいた。この年齢の忍を見るのは初めてではないのだから、当たり前だ。
それでも。
美しい。
いや、美『しい』なんてひらがなが邪魔に思える。
これは、『美』そのものだ。
あまりにも完璧。
後光が差しているかのような輝き。
しかも、極北の美を持ちながら、何処か淫靡。
それはきっと、忍の眉間に寄った皺だとか、半開きの唇だとか、荒い呼吸音だとかが原因なのだろう。
そうでなければ、これだけ美しいモノを穢すのには、勇気が必要だったに違いない。
それに何だか、部屋に甘い匂いが充満しているような錯覚を覚える。
それが忍自身の匂いなのか、それとも、溢れ出る液体の匂いなのか、それともその両方なのか、判然としない。
ぽすんと、耳元で音がした。
ベッドに再び背中を預けたのだと、それで気付く。
その動きに連動して、忍がびくりと身を震わせる。
「……では、ゆくぞ」
一言告げて、忍が動いた。
ゆっくりと、前後に、上下に、円を描くように、様々な動きを試していく。
動く度に白い塊が形を変え、先端の薄桃色が揺れ動く。
忍の顔が歪み、詰まった声が耳に届く。
「ふっ、くぅ」
忍が耐えられぬとばかりに目を瞑る。
わななく口元から、白い牙が覗く。
僕の胸板についた手が、震える。
流れ出した液体が、音を立てる。
そんな諸々の情報を脳が受け取って、僕の理性も焼き切れていく。
もっと、もっと。
忍に、つらい顔をさせたい。蕩けた顔をさせたい。崩れ落ちる様を見たい。腰が立たぬと言わせたい。
ベッドの縁に足を置いて、膝を立てる。
胸に伸ばしていた両手を、再び腰へ。
引き付けるようにしっかりと保持してから、唐突に律動を開始した。
半吸血鬼化した肉体性能を駆使して、忍を跳ね上げる。
忍が浮き上がり、すぐさま僕の両手で引き戻される。
そして、それをまた腰をぶつけて跳ね返す。
「くっ、うっ、ま、待てっ」
忍が揺れながら静止の声を上げる。
けれど、そんな言葉は聞けない。
何故なら、忍はさっきよりも、気持ちよさそうなのだ。
瞳は潤み、何かを求めるように両手は僕の胸板を這い回り、遂にはその唇の端からとろりとした液体が垂れ落ちる。
そして、その豊かな胸の谷間を流れ落ちてへその辺りを滑り降り、結合部を濡らす液体と合流した。
それを見て、僕はまた一段と動きを速める。
とはいえ、そろそろ僕も限界が近い。
弓を全力で引き絞り、矢を放つ直前で止めているようなものだ。
けれど、奥歯を噛んで耐える。耐えながら、忍を突き上げる。
僕が我慢しただけ、忍が気持ちよくなれるのだから。
もはや呼吸すら忘れ、僕は忍の中を蹂躙する。
目の前に白い稲妻が奔る。放出直前で堰き止められた何かが、下腹部で渦を巻く。
それでも、動きは止めない。
もう少し。もう少しだけいけるはず。
「おっ、おま、え、さまっ、もう、むっ、り――」
途切れ途切れに何かを訴えた忍が目をきつく閉じる。
何を言いたいのか理解できるような機能は、今の僕には無い。
ただ執拗に腰を送り込み、忍の奥を叩く。
と、不意に忍の全身が硬直し、中が今までと違う動きを見せた。
波のように順番に、入口から奥の方へ締め付けが移動する。
何かを誘うように、それを繰り返し始める。
それで、限界が訪れた。
「――――――!!」
僕は、忍の音の無い叫びを聞きながら、一番奥に押し付けて、熱情を吐き出した。
大きく背中を仰け反らせ、それから忍は崩れ落ちた。
何とかうまく受け止めて、今は規則正しい呼吸音を、僕の耳元に届けている。
僕はと言えば、そんな忍を抱きしめたまま、天井を見上げていた。
忍はこの状態だと僕よりも背が高い訳だけれど、多分足が長いせいだろう、顔の位置はそう違いが無い。
なんか悔しい。
この場合、僕の胸あたりに顔が来てほしいよな、やっぱり。
でもって、その頭を撫でてやりたい。
「……んむぅ………………っ!!」
小さく呻いて、気が付いたのか、忍ががばりと起き上がった。
そして何故だか、僕を睨みつける。
「……待てと言うたじゃろうが」
「あの状態で言われて、止まれる男はいないと思う」
それに、忍自身も本当に止まって欲しかったとは思えない。
「……全く、無茶をしおって」
「……悪かったよ」
けれどまあ、一応謝っておく。
「ふん。口では何とでも言えるわ」
謝ったというのに、忍が妙に憤っている。
ああ、これはあれか。ミスタードーナツフラグか。
「解った、行動で示すよ。どうしたらいい?」
「胸を撫でろ」
違った。
いやでも。
「さっき散々撫でなかったか?」
「あれは揉んだだけじゃろうが」
まあ、別にいいけどさ。
「どういう意味があるんだ? 胸を撫でる儀式って」
「……説明したと思うたが」
されたけどさ。それにしては。
「でも、固執しすぎじゃないか?」
頭を撫でるの上位版ってだけなのに。
「うるさい。儂だけでは不公平じゃろうが」
「?」
よく解らないが、断る理由もない。
僕は、忍を抱えたまま体を起こし、左手を腰に回したまま、右手でゆっくりと忍の胸の下側を撫で回した。
「これでいいのか?」
「まあ、よかろう。……これからは、事あるごとに撫でるのじゃぞ」
「いや、無理だろ。ていうか、人前だったら逮捕されるって」
「余人に見せるようなものではない!」
「そりゃ、そうだけれど」
そんなに焦って否定することか?
顔まで赤くして。
「……では、そろそろ戻るか。ほれ」
忍は、取り繕うように僕の目の前に首筋を差し出す。
普段の年齢に戻せという事だろう。
ていうか、そもそも、何で忍は18歳バージョンになったんだろうか。
「そういえばさ、なんで今日はその姿になったんだ?」
「わがあるじ様が一人寂しく自慰なぞしようとしておったからの。せっかくじゃから付き合ってやろうかと思ってな」
……いやまあ、その通りだったけどさ。
どうせ忍も僕に引きずられてそういう気分になるから、ってことか。
でもなあ。こんなんでいいのかよ。
とか考え込んでいると、忍がまたとんでもない事を言い出した。
「儂を元に戻さずとも良いのか? このままではややこが出来てしまうぞ?」
「え?」
「お前様が望むのであれば、儂は構わぬが……」
いや、困るから。
あと、頬染めてそっぽ向いたりすんな。
少しばかり惜しい気持ちも無いでは無かったけれど、僕は急いで忍をいつもの姿に戻したのだった。
その際、挿入したままだったので、最終的に幼い忍の中から僕自身を引き抜く事になってしまったのだけれど、それは多分、どうでもいい事だろう。