「そうね。切れても生えてくるのなら、二分割して私と羽川さんで一人ずつ分けましょう」  
「ええっ!? ちょ、ちょっと待って戦場ヶ原さん。さすがにそれは無理じゃないかな」  
「やってみればわかるわよ。で、羽川さんは上半身と下半身のどちらから生えた阿良々木  
 君にする?」  
「あはは……左右で分割じゃないんだ」  
「ちょっと待たぬか。儂にも一人分寄こせ」  
「あら。……そうね、あなたにも一人分けるのが筋合いというものね。ついでだから神原  
 にも一人あてがっておきましょうか」  
「戦場ヶ原先輩の心遣いは有り難いのだが、私のように卑小な存在が、かの名高き阿良々  
 木先輩を所有するなど、あまりにも畏れ多い」  
「気にしなくてもいいのよ。私の心は海のように広いから。具体的には死海ぐらい」  
「あはは。微妙な広さだね」  
「では、お言葉に甘えて。私は阿良々木先輩のピーから生えた阿良々木先輩を頂戴しよう」  
「ちょっと待ったー! 相手が神原先生といえども、そこだけは譲れないぜ!」  
「そうだよ。そこは身内として私と火憐ちゃんが責任を持って預かるよ」  
「待たぬか。そこは儂がもらう」  
「いえ、阿良々木君のピーは私のモノよ」  
「んー。なら、阿良々木君の……それ、を五分割してみればどうかな?」  
「委員長……」  
「羽川先輩……」  
「翼さん……」  
「羽川さん今、さらっと酷いことを言ったわよ。おまけに、さりげなく自分の分も勘定に  
 いれてるし。でも、そうね。それなら事も丸く治まるわね」  
「八九寺ちゃんはいらないの?」  
「私はいいですよ。そもそも、阿良々木さんが五人も町をうろついている時点で、貞操を  
 守り切る自身が私にはありません。さようなら、少女だった私。ところで、千石さんに  
 も一人あてがっておいた方がよろしいのではないでしょうか?」  
「それは癪だけど、一理あるわね。いいわ、彼女にはアホ毛から生えた阿良々木君を渡し  
 ておきましょう」  
 
「あの……僕の存在意義ってピーとアホ毛だけ?」  
 
 
 
「ところで戦場ヶ原先輩。五分割では一人分足りないのではないか?」  
「なにを言っているの神原。阿良々木姉妹には二人で一人よ」  
「なるほど、その方が萌えて燃えるのだな」  
 

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