「よし、とりあえずなぜこの状況になったか説明してもらおうか」
「にゃっはは、そう警戒するにゃよ人間」
今日の受験勉強ノルマを終えてベッドでゴロゴロしていた僕の上にブラック羽川がのしかかっている。
いや、のしかかってはいないか。ブラック羽川は僕の身体に触れてはいないのだから。
そうは言ってもほぼ馬乗り状態でいつエナジードレインされてもおかしくない体勢は少々おっかない。
「で、結局何しに来たんだよ。もう羽川はお前と折り合いをつけてるんじゃなかったのか?」
「そのはずだったんだがにゃー、思った以上にストレスがマッハで溜まっていって無意識に俺が出てきてしまったにゃん」
「で、僕のところに来たってことは忍になんとかしてもらおうってわけだな」
「違うにゃん、今回はそのストレスの大元を解消しようとお前のとこに来たにゃん」
「僕に?」
「ご主人も年頃の女の子、当然溜まるものも溜まるにゃん。もちろん一人でもしてるが、それでも物足りないものがあるにゃん」
羽川が。一人でしている。
僕は思わず生唾を飲み込んだ。
「で、お前はそんな格好でここにいるってわけか」
「その通りにゃ。ストレスがマッハでマッパというわけにゃん」
ちょっと萎えた。
僕の羽川はそんなこと言わない。
「さて、全裸の俺に欲情したにゃらさっさと抱くがいいにゃん。初めてでもにゃいだろうに」
「いや、確かに欲情はしてるけどさ……お前に触ったらエナジードレインされるだろうが」
「俺はそんにゃこと気にしにゃいにゃん」
「僕は気にするんだよ!」
「三擦り半で出せばそこまで吸われにゃいぞ」
「今の僕はそんなに早漏じゃねえよ!」
『今』をつけてしまう情けない僕であった。
若いってことで勘弁してほしい。
「ふはははは、話は聞かせてもらったぞ!」
「何ぃっ!?」
「いったいどこにゃ!?」
二人してきょろきょろ辺りを見回す。この猫、意外とノリがいい。
僕達の反応に満足したか忍が天井から下りてくる。
「つまり儂がいれば万事解決というわけじゃな」
「ああ、早くこいつを……」
「お前様の血を吸って無尽蔵の体力に底上げすれば良いのじゃな」
「えっ」
「ふふふ」
「にゃはは」