「おい。どうしてくれんだよ神原。お前の不用意な発言のせいで、僕の
家族にまで根拠の無い変態の嫌疑がかかっちまったじゃねえか!」
「阿良々木先輩に関しては根拠ある変態の嫌疑だろう。まあ、とは言え
私の発言が原因となったことは申し訳なく思う。ぜひ、ご家族にお詫
びをしたいのだが」
「ああ、いや。まあそこまでする必要はないけどさ」
「とりあえずは、反省の意味をこめて股間の毛を丸めてみた」
「なにが『とりあえず』なのかわかんねえよ! 丸めるなら頭だろ!!」
「なっ!! 阿良々木先輩。女子高生のスキンヘッドに興奮するという性癖
には、さすがの私でもちょっと引くぞ」
「僕にそんなニッチな性癖は無い!」
「本当だな? 通りすがりの女子の頭をバリカンで刈って捕まったりする
ことはないのだな?」
「そんなことは未来永劫ありえない」
「なんだ。マスコミ向けのコメントも用意しておいたのに」
「うるせえよ!」
「まあ、それはともかくとして、お詫びにわかめ酒ならぬわれめ酒を堪能
してくれ」
「そんなもん家族の前に出せるか! 変態一家の疑いが確固たるものに
なるだけじゃん!!」
「それとも、この場合は海産物繋がりで、ヒレ酒かアワビ酒と呼称すべき
だろうか?」
「心底どうでもいい!! とりあえずはスパッツにかけたその指を今すぐ離せ」
「これがブラック羽川先輩なら、さしずめトサカノリ酒というところかな?」
「兄ひゃんー。われめ酒できたぞ〜」
「これ、結構いけるね」