「というかわかめ酒もといわれめ酒があるなら、性別を逆にしたものもあっていいと思わない?」
「お前は何を言っているんだちっちゃいの」
「さしずめタマ子酒ってことだな!」
「酔ってるだろ? お前間違いなく酔ってるだろでっかいの」
「阿良々木先輩にも陰毛が生えていない可能性が微粒子レベルで――」
「存在しねえよ! そんな可能性はくらやみにでも吸い込まれて消えてしまえ!」
「そして最終的にはにごり酒になる」
「最低だァ――!?」ゴスッ
「逃げたねお兄ちゃん。折角妹が西瓜のサングリアを作ろうとしてたのに」
「その赤色は西瓜じゃなくて僕の血とか肉とか体液だ! だからそのバールのようなものを下ろせ!」
「あるじ様の血のサングリア……ゴクリ」
「釣られて出て来てんじゃねえよ忍! 大体いつもお前に飲ませてるのは純度100%だろうが!」
「兄ちゃん、サオ酒と竿竹って似てるよな」
「もう顔が真っ赤じゃねえか! まあ粘膜からアルコール吸収すりゃそうなるだろうけど!」
「大丈夫だ、仮に阿良々木先輩に生えていたとしても即座に剃る手筈はある。剃刀とクリームは常備しているからな」
「こんな変態共なんかと一緒に居られるか! 僕は部屋に戻――」ゴスッ
「華麗に死亡フラグを立てながらも、私の左手をお忘れとは迂闊だな阿良々木先輩。
安心してくれ、戦場ヶ原先輩にもちゃんと写メを送るつもりだ」
「もうヶ原さんは更生済だ! 助けて忍!」
「……ミスド増量とお前様のサングリアを約束するなら考えんでもない」
「サングリアから離れろ! せめて僕の赤ワインで勘弁してくれよ!」
「では私たちは阿良々木先輩のどぶろくを堪能するとしよう」
「かんばるせんせー、にほんしゅもってきたぜー」
「というかお兄ちゃん、前々から見かけていたような気がするあの金髪の子は誰なの」