撫子は、暦お兄ちゃんを殺すのを待ってあげる事にしました。  
 暦お兄ちゃんの恋人さん、ええと、名前はなんて言ったかな? ……まあいいや。とにかくその人にお願いされて、待ってあげると約束しました。  
 けれど、神様になったんだから時間なんてすぐ過ぎると思っていたのに、そんなことはありませんでした。  
 待つのは大変です。暦お兄ちゃんを殺したくてうずうずします。  
 だというのに、暦お兄ちゃんは毎日のように撫子に会いに来て、わけの分からないことを喋るのです。  
 うっかりすると、撫子は無意識に暦お兄ちゃんを殺してしまいそうになります。我慢するのが大変です。  
 でも、撫子は神様だから、ちゃんと我慢して殺さないようにしてあげます。約束は守ります。  
 
 今日も、夜になったら暦お兄ちゃんが来ました。  
 その暦お兄ちゃんは、今は撫子の下で寝ています。となりで幼女奴隷の人も寝ています。  
「暦お兄ちゃん。ちゃんと卒業式が終わったら殺してあげるんだから待っててねって言ったでしょ?」  
 いつも言っているのに、なんで聞いてくれないのでしょう。  
「……千……石……話を」  
 えい。えい。えい。  
 あ、静かになりました。ついでなので幼女奴隷の人にも。えい。えい。  
 うん。動かなくなりました。これでよし。  
 心置きなく暦お兄ちゃんの上で遊べます。殺すのを我慢してあげるのだからこれくらいはいいはずです。いやなら来なければいいのです。  
 ときどき牙を振り下ろしながら、大の字で寝ている暦お兄ちゃんの上で、ごろごろしたり、すりすりしたり、跨ってみたりします。  
 殺しちゃったら出来なくなるので今のうちです。この点だけは、毎日会いにきてくれる事に感謝です。  
 我慢が大変だけど。  
「……ん?」  
 そうこうしているうちに、お尻の下に硬い物があるのに気が付きました。  
 暦お兄ちゃんのポケットに何か入っているのでしょうか。頭から生えた蛇を伸ばして確認してみます。  
「…………ええ!?」  
 あわわ。ええと、これはたしか、あれです。  
 男の人が、えっちな気分になったときになるという、あれです。  
 暦お兄ちゃんは、撫子を見てもえっちな気分にならないって言ってたのに。嘘つきです。  
 嘘はいけないです。撫子は神様なので、バチを当てないといけないかも知れません。  
 ……ちょん切っちゃうのがいいでしょうか。  
 
 暦お兄ちゃんのズボンを脱がせます。  
 こういう時、頭の蛇は便利です。たくさんいるので、暦お兄ちゃんを持ち上げるのもズボンを下ろすのも簡単です。  
 ……見ると、股のところが山になっていました。  
 間違いありません。大きくなっています。ゆうざいです。ちょん切らなければいけません。  
「……千石、やめ――」  
 えい。えい。  
 脱がすのに夢中で牙を刺すのを忘れていました。でも、これでまたしばらくは大丈夫です。  
 今度は、暦お兄ちゃんのパンツを脱がせます。どきどきです。  
 ぴょこんと何かが飛び出しました。びよんびよんと跳ねています。  
 これが……初めて見ました。蛇みたいな形です。お揃いです。  
 勇気を出して、ちょんとつついてみます。  
 暦お兄ちゃんの足が、ぴくりと反応します。  
 もう一回。ぴくり。  
 結構面白いです。なので、もう少しいじってみます。  
 ちょん切るのは後回しです。  
 先っぽを撫でたり上下に擦ったりしてみると、さらに大きく、硬くなりました。いやらしいです。  
 蛇も使って色んなところをいじってみると、暦お兄ちゃんの蛇の先っぽから、よだれみたいな物が出てきました。  
 触ってみると、ぬるぬるしています。  
 男の人もこんな風になるんだと、びっくりしました。そういえば、撫子のあそこも、さっきからぬるぬるしています。  
 と、ここで、名案が浮かびました。  
 暦お兄ちゃんの子供を作るのです。  
 暦お兄ちゃんが死んだ後に暦お兄ちゃんの子供が産まれるなんて、すごく『ろまんちっく』だと思います。  
 それに、大きくなったら撫子の話し相手になってくれそうです。  
 これは本当に名案です。すごいです。悪いところがありません。  
 さっそく、もう一度暦お兄ちゃんの上に跨ります。  
 暦お兄ちゃんのあれに、撫子のあそこを擦りつけて全体をぬるぬるにします。  
 あ、これ気持ちいい。もっとすりすりしたいです。  
 でも我慢。我慢。撫子は子供を作るのですから、暦お兄ちゃんのせいえきを撫子の中にびゅーって出して貰わないといけません。  
 つまり、せっくすです。  
 
 蛇を使って暦お兄ちゃんのあれを真っ直ぐに立たせて、パンツをずらした撫子のあそこにあてがいます。  
 やっぱり、ぬるぬるして気持ちいいです。  
 でも我慢。これを、撫子の中に入れないといけないので、そのまま暦お兄ちゃんの上にぺたんと座り込みます。  
「いったーーい!」  
 思わず叫んでしまいました。  
 すごく痛いです。ものすごく痛いです。なぜでしょう。となりでびくびく動いている幼女奴隷の人のせいでしょうか。  
「……貴、様――」  
 顔だけこちらに向けて、撫子を睨んでいます。  
 こんなに痛いのは、やっぱりこの人のせいかもしれません。  
 お仕置きが必要です。でも、撫子は今忙しいのです。どうしましょう。  
 ここで、また名案が浮かびました。今日、撫子はさえています。かしこくなった気分です。  
 蛇を伸ばして、まずはうるさい口をふさぎます。何匹も何匹も、口がいっぱいになるまで詰め込みます。  
 次は、あそこです。  
 蛇でぐるぐる巻きにして、足を開かせて、その中心に蛇を詰め込みます。  
 撫子と同じ目に合わせれば、きっと痛いはずです。  
 これ以上入らないところまで、いっぱい詰め込みます。何か叫んでいるようですが、口がいっぱいなので聞こえません。  
 うん、これでよし。  
 ようやく、暦お兄ちゃんとせっくすができます。  
 ゆっくりと腰を上下に動かしてみます。  
 さっきよりは痛くありません。やっぱり幼女奴隷の人が悪かったみたいです。でも、お仕置きしたのでもう安心です。  
 腰を下ろすと、ぱちゅんと音を立てて撫子のお尻が暦お兄ちゃんにぶつかります。  
 腰を上げると、撫子の中がぐーっとひっぱられて、暦お兄ちゃんが出ていこうとします。  
 どちらも嫌な感じはしません。むしろちょっと気持ちいいです。  
 動かす速度を上げてみます。  
 撫子のあそこから、ぐちゅぐちゅと音がします。  
 そして、となりで寝ている幼女奴隷の人からも、ぐちゅぐちゅと音がします。  
 撫子が動くと蛇も動くので、当然かもしれません。  
 慣れてきたので、さらに腰を速く動かします。運動神経の鈍い撫子にしては上出来です。  
 けれど、撫子のあそこから聞こえる音が少し下品な感じになってしまいました。  
 ぶちゅん、とか、ぶびゅ、とか聞こえます。恥ずかしいです。  
 恥ずかしいのを我慢して動いていると、暦お兄ちゃんのあそこがびくびくと震えはじめました。  
 せいえきが出るのかもしれません。  
「せん、ごく、まて――」  
 もう少しだと思っていると、暦お兄ちゃんが何か言いながら撫子に手を伸ばしてきました。相変わらずしぶといです。  
「暦お兄ちゃん。赤ちゃん、もう少しでできるよね」  
 えい。えい。と牙を振り下ろしながら、暦お兄ちゃんに確認します。  
 でも、答えてくれません。いじわるです。  
 
 仕方なく撫子は、いっしょうけんめい腰を動かします。  
 すると、突然暦お兄ちゃんの腰が、跳ね上がりました。  
 そして、これはなんでしょうか。お風呂に入ったときのようにほわほわってします。あったかいです。気持ちいいです。  
 なんだか久しぶりの感覚です。  
 もう一回。そう思ってまた腰を動かします。  
 しばらくすると、なんだか撫子の中からほわほわするあたたかいものが、こぼれてしまう感じがしました。  
 下を見ると、暦お兄ちゃんのあそこに、白くてどろどろの水が垂れています。  
 これが、せいえきでしょうか。  
 困りました。せっかく中に入れたのに、出てきてしまったようです。  
 もう一度、暦お兄ちゃんに出して貰わなければなりません。  
 さっきので慣れたので、さすがの撫子も今度はうまくできます。  
 できるだけ速く腰を振って、暦お兄ちゃんをせかします  
 あ、暦お兄ちゃんがまたびくんとしました。  
 今度は大丈夫かなと、撫子は立ち上がって自分のあそこをしらべてみます。  
 ……おかしいです。また白いのが垂れてきました。  
 どうすれば中に入ったままでいてくれるのでしょうか。  
 撫子はもう一度暦お兄ちゃんに跨って腰を動かします。  
 すると、暦お兄ちゃんが、また撫子に手を伸ばしてきました。  
 もう、牙を刺すのもめんどうなので、動けないように蛇でぐるぐるにしてしまいました。ついでに口にも蛇を詰め込みます。  
 幼女奴隷の人とお揃いです。ずるいです。  
 なので、幼女奴隷の人には牙を投げつけておきます。これでよし。  
 あ、また暦お兄ちゃんがびくびくしました。三回目です。  
 
 子供ができているかはまだわかりません。  
 ですから、もっと暦お兄ちゃんにせいえきを出して貰わないといけません。  
 でも、もう撫子は疲れてしまいました。  
 仕方がないので、幼女奴隷の人をぐるぐるにしていた蛇をはずします。  
 しゅるしゅると蛇が離れると、幼女奴隷の人はころんと地面にころがりました。うごけないようです。  
 そういえば、空が白っぽくなってきました。そのせいで力が落ちているのかもしれません。  
 大変です。朝になったら、ちょっとしたことで暦お兄ちゃんを殺してしまうかもしれません。朝の暦お兄ちゃんはいつもよりもっと弱いのです。急がないといけません。  
 そのために、幼女奴隷の人をぐるぐるにしていた蛇を使って、暦お兄ちゃんの腰を動かします。  
 人形のように、暦お兄ちゃんがぐねぐねと動きます。  
 すると、なぜかさっきとは感触が違います。  
 撫子が動いていたときは、ずるずる、ぞりぞりという感じでしたが、今は、とんとん、こつこつという感じです。  
 同じ動きのはずなのに不思議です。さっきよりも気持ちいいかもしれません。  
 暦お兄ちゃんは、うーうー唸っています。  
 撫子はなんだか体が熱くなってきました。ほかほかです。暦お兄ちゃんとずっとくっついているからでしょうか。  
 それになんだか、どんどん気持ちよくなってきました。  
 暦お兄ちゃんの腰の動きを少し速くします。  
「ふぁぁ」  
 思わず声が出ました。すごく気持ちいいです。  
 うん。今度から暦お兄ちゃんが来たら、せっくすをすることにしよう。  
 もう決めました。約束です。  
 神様なので約束は守ります。  
 これで、暦お兄ちゃんをぶっ殺す以外にも楽しみができました。  
 嬉しくなって、暦お兄ちゃんの腰の動きを、また少し速くします。  
 下から突き上げられて、暦お兄ちゃんの腰で撫子がお手玉されます。首が、がくがくします。  
 そして、またあれが来ました。ほわほわです。あったかいです。  
 暦お兄ちゃんの体温が、撫子にじわっと染み込む感じです。  
 しかも、暦お兄ちゃんはそのまま撫子の奥にほわほわを押し込んでくれます。何度も、何度も、ぐちゅぐちゅべちゃべちゃ。  
 そのうちに、撫子はなにがなんだかわからなくなって、後ろに倒れてしまいました。  
 
 すっかり忘れていましたが、暦お兄ちゃんの腰を動かしていたのは撫子なのでした。  
 失敗です。お日様が出る前に終わりにするつもりだったのに、もうすっかり明るいです。  
 さっき気が付いて暦お兄ちゃんを離してあげましたが、ぐったりして動きません。  
 まあ、牙はあまり使わなかったので大丈夫でしょう。  
 撫子が立ち上がると、股からまた白いのがどばどばこぼれてきました。もったいないです。ちゃんと子供ができるのか心配です。  
 でも、仕方ありません。  
 とりあえず、これ以上こぼれないようにパンツをはいて押さえます。  
「じゃあね、暦お兄ちゃん!」  
 今日は楽しかったので、元気にあいさつをして神社の中に戻ります。  
 いつもこうなら、きっと、暦お兄ちゃんを殺すのを三月まで我慢できると思います。  
 今度は、どうしたらせいえきが中から出てこないかを考えないといけませんが。  
 
 そうそう、忘れていたといえば。  
 撫子は、神様としてなのか、蛇としてなのか。  
 いったい、どっちで赤ちゃんを産めばいいのでしょうか。  
 

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