※キャラが崩壊してるかも。あと微エロ注意願います!
『ひたぎスターフェスティバル』
「野暮な事を言う前に言っておくけどな戦場ヶ原、僕はあまりセンスというのがない」
「あら、そうかしら?」
おや? 珍しい。
いつもなら『その通りね』とか『ようやく自覚したのね』とか『むしろ逆ベクトルに持っているわよね』とか罵詈雑言が飛んでくるはずなのだが。
これはひょっとしてツンが抜けてきてようやくデレ期に入ったのか?
「『あまり』なんて言うとほんの少しは持っているみたいじゃない。私には見栄を張らなくていいわよ。私にだけは本当の阿良々木くんを見せてちょうだい」
「デレがなくもない気がするがやっぱり罵詈雑言だった!」
まあいい。
自分のセンスなんてこれっぽっちも信用していないのは確かなんだからな。自分で言ってて悲しいけど。
「で、センスのない阿良々木くんは何が言いたいのかしら?」
いちセリフごとに僕を貶さないと気が済まないのかお前は。
コホンと咳払いをする。
「明日お前の誕生日だろ」
「……そうだったかしら」
無表情で戦場ヶ原は答えたが、僕にはわかる。
覚えていてくれたことが嬉しくて顔がにやけそうになるのを堪えているのが。
まあそれを突っ込むのもそれこそ野暮なので気付かないふりをしておいた。
「で、それがどうしたのかしら?」
「ああ、プレゼントなんだけど、僕のセンスじゃ何も思い浮かばなくてさ。だったらいっそ何が欲しいか聞こうと思って」
「その思考こそセンスがないわね。相手のために考えた時間や努力もプレゼントをもらう嬉しさのひとつなのに」
つまり僕に戦場ヶ原のことをもっと考えて欲しかったわけか。
それでも。
「僕は戦場ヶ原が喜ぶ顔が見たい。どうすれば嬉しいのか知りたい。だから野暮なこととわかってても聞いたんだ」
「…………そう」
「ああ」
「だったら物はいらないわ。明日一日私に尽くしなさい」
「え?」
「とりあえずそうね……朝学校行く前に私を迎えに来なさい」
「……わかった」
「五時半くらいでいいわ」
「早っ!」
* * *
そんな会話があったのが昨日のことである。
なので現在五時二十五分。僕は自転車で民倉荘前に到着した。
何故こんな早朝に呼び出されるのかわからないが、どんな無茶振りがきても構わないように忍に充分血を吸ってもらってきた。
体力も活力もバッチリだ。
戦場ヶ原家のインターホンを押す。ていうかお父さんはいないのだろうか? こんな早朝に起こされたら迷惑だと思うのだが。
「おはよう阿良々木くん、ちゃんと時間通りに来るなんて偉いわね」
まだ寝間着姿の戦場ヶ原が出迎えてくれた。
寝起きというわけではないようだが。
「そりゃ時間は守るさ。僕は今日戦場ヶ原に尽くすんだから」
「いい心掛けね。なら早速おはようのキスでもしてもらえる?」
「……………………え?」
え?
今、なんて言った?
「早くしなさい。お父さんならいないから大丈夫よ」
ああ、さっきの心配は杞憂だったか。なんて場違いな事を考えた。
とりあえず目を瞑っている戦場ヶ原に顔を寄せていく。
微動だにしない。なにか引っ掛けようとかはしていないらしい。
「んっ……」
唇が触れ合い、数秒ほどで離れる。
上がりなさい、という言葉に僕は素直に従った。
居間に入るなり戦場ヶ原は寝間着を脱ぎ出す。
「おい、何がしたいんだ?」
「シャワーを浴びたいのよ」
さいで。
欲情するにはするが、あとが怖いので手を出したりはしない。
それでもその艶めかしい身体に僕は目が離せないでいた。
「ところで阿良々木くん」
「な、なんだ?」
突然声をかけられてびくっとしてしまった。
なにか怒られたり詰られたりするのかと思ったが、そうではないらしい。
「私昨晩阿良々木くんの夢を見たのよ」
「へえ、そいつは光栄だな。どんな夢だったんだ?」
「セックスをしようとして入れる前に暴発していたわ。夢の中でも駄目な男なのね」
「名誉毀損で訴えるぞ!」
「あら、夢って基本的に記憶の投影なのよ。全く覚えがないのかしら?」
「忘れてくださいマジすいませんお願いします」
一瞬で土下座の姿勢になる。
くそう。一生言われ続けるんだろうかこれ。続けるんだろうなあ。
「そんなわけで私は欲求不満なのよ」
「いや、それは夢の中の僕に言ってくれ……」
「わからないかしら? 今。ここにいる。私が。欲求不満だと。言っているのよ」
一語一語を強調して言う戦場ヶ原。
それは、つまり。
「わかった。僕が責任取って満足させてやるよ」
「ええ、しっかりと私に尽くしなさい」
ひょっとして最初からこのつもりでこんな早朝に?
まあその真偽はさておき、今の僕は戦場ヶ原に尽くさないとな。
敷きっぱなしだった布団に戦場ヶ原を横たわらせ、全身を愛撫し始める。
髪の毛からつま先まであますとこなくじっくりと。
前戯に時間をかけすぎたせいか、戦場ヶ原のしとどに濡れた秘所に肉棒を突っ込み、中で果てた時にはもう登校時間が迫っていた。
ざっとシャワーを二人で浴び、自転車二人乗りで学校に向かう。
初めての時とは違い、戦場ヶ原はしっかりと僕の身体にしがみついていた。
しかし学生の身としては早朝から不健全なことをしたわけだが、まあ誰かに怒られるわけでもなし。戦場ヶ原も満足してくれたようだし言うこともない。
帰りはどこかでケーキでも食べて帰ろうか、などと。
僕はまだこの時は呑気に考えていた。
戦場ヶ原の要望はこんなものではなかったとはまだ知らずに。
* * *
二時限目の体育の授業をサボって保健室に来るよう言われた僕は。
「せ、戦場ヶ原っ……こんな、とこで……っ」
「あら、大丈夫よ。この時間は保健の先生はいつもいないから」
「でも……っ、誰か来たらっ……」
「いいからもっと腰を動かしなさい。私に尽くしてくれるんでしょう?」
ベッドで横になり、戦場ヶ原にのしかかられて腰振りを強制させられていた。
* * *
三時限目と四時限目の間の休み時間。人が殆ど来ない校舎のはずれの女子トイレの個室。
「さっきは私だけイってしまって悪かったわ。阿良々木くんもちゃんと出しておかないと身体に悪いわよね」
「だ、だからって……こんなのっ、うああ……っ」
壁に手をつき、尻を戦場ヶ原に突き出す格好で僕は情けない声をあげる。
後ろの穴を舐められながらしなやかな指でしごかれて、恥ずかしながら肉棒はギンギンに硬くなり脚ががくがくと震えた。
「も……駄目だ、出る……出る……」
「いいわよ、出しなさい。この中に詰まってるもの、全部出しちゃいなさい」
空いた手でやわやわと僕の陰嚢を揉んでくる。
肉棒を掴む指の輪っかの動きが速くなり、射精へと導かれていく。
「う……うあ……あっ! ああっ! あっ! あっ!」
肉棒が大きく跳ね、白濁液をそこら中に撒き散らした。
尿道に残ったものや竿にこびりついたものを戦場ヶ原が口で綺麗にしてくれている間に、僕はトイレットペーパーで飛び散ったものを拭く。
早く教室に戻らないと授業が始まってしまう。
* * *
昼休み。
手早く弁当を食べ終えた僕達は校舎裏の人気のない茂みの中にいた。
端から見たらカップルが仲良く並んで座っているように見えないこともない。
が、実態は。
「ん……はぁ、いいわ、そこ……もう少し強くしてちょうだい」
「う……戦場ヶ原、少しゆっくり……あまり激しいと、すぐに……」
互いの股間に手を伸ばし、性器をいじりあっていた。
上着で隠しているのでぱっと見にはわからないようにしている。が、よくよく観察すれば僕達の表情が普通でないのがわかるだろう。
だから一応周りに気を配ってはいるのだが。
「ふふ、阿良々木くんたら気持ちよさそうな顔をして。そんなに私のパンツが気持ちいいのかしら?」
戦場ヶ原から与えられる刺激にどうしても疎かになりがちで気が気でない。
ちなみに手でしごかれている僕の肉棒を包んでいるのは先ほどまで戦場ヶ原が穿いていた下着だ。
まだぬくもりの残る布地の感触に興奮がどんどん高まっていく。
「う……く……っ」
「いいわよこのまま出して。替えの下着はあるからたっぷり汚しなさい」
耳元で囁かれて僕はあっという間に射精まで達してしまった。
その際に全身が震えて戦場ヶ原の秘所をいじっていた指が敏感なところを強く擦ったらしい。すぐに戦場ヶ原も達する。
「うっ……うっ……う……っ」
「んっ……んん……ん……っ」
僕はびゅくびゅくと戦場ヶ原の下着に精液を放ち、戦場ヶ原は僕の腕にしがみつきながら身体を痙攣させた。
さすがにここでは口で後始末、というわけにはいかない。僕はポケットティッシュを取り出す。
戦場ヶ原は精液まみれになった下着をまじまじと見つめた。
「今日だけで結構出してるのにまだ随分出るのね」
「まあ……気持ち良かったしな。戦場ヶ原がしてくれているんだし」
「あら、嬉しいことを言ってくれるじゃない。私が満足して、阿良々木くんが喜ぶなら良いことだらけね」
忍に血を吸わせて精力まで上がっているせいもあるが、それはいちいち言わなくていいだろう。
しかしそれを言うなら戦場ヶ原だってたいしたものだ。女は出すものはないとはいえ、体力は使うだろうに。
その戦場ヶ原はというと。
「本当はこれ、穿いて午後の授業に出てあげたいところなのだけど。臭いで気付かれそうだからやめておくわ」
そう言って下着を取り出した真空パックにしまう。
…………真空パック?
いくらなんでも準備が良すぎだろ。どこまで考えているんだこの女は。
「なによ……精液まみれのパンツを穿かせたいのなら今度の休日にでも穿いてあげるから、学校では我慢しなさい」
じっと見ていたのを何か勘違いしたのかとんでもないことを言い出す戦場ヶ原。まるで僕が特殊な性癖を持っているみたいじゃないか!
ここはひとこと言っておかないとな。
「頼むよ」
ひゃっほう! 言質取ったぜ! いや、これは戦場ヶ原から言ったんだ。つまり戦場ヶ原の方がそれを望んでいるということ!
今度の休日にはしっかり溜めておかないとな。
おっと、予鈴が鳴った。
手早く後始末をして僕達は教室に戻る。
* * *
放課後。
予定通りどっかでケーキでも、と戦場ヶ原を誘うが。
「そんなありきたりなものはいらないわ。それより私を家まで送り届けなさい」
帰りも運転手を務めることになった。
ケーキ、ちょっと楽しみだったんだけどな。ケーキそのものでなく、それを食べて喜ぶ戦場ヶ原が。
まあ致し方ない。この我が儘彼女に尽くさせていただきましょう。
民倉荘に着くと予想通り上がれと言われた。
また身体を重ねるのか、はたまた無茶な命令が出されるのか。
予想に反して、出されたのは小さなひとつのケーキだった。
「戦場ヶ原、これは……」
「ケーキよ、見ればわかるでしょう」
そりゃわかる。さらにこのケーキは手作りだろうということも。
問題はなぜひとつだけ、僕の前に出されたのか?
「食べて、いいのか?」
「ひと口だけなら構わないわ」
ああ、そういうことか。
僕は備えてあったフォークで小さな欠片を自分の口に放り込む。
「美味いよ戦場ヶ原」
「そう、それは良かったわ」
続けてフォークでケーキをひとかけら取り、そのまま戦場ヶ原に向けた。
戦場ヶ原は無言で口を開け、ぱくりとケーキを頬張る。
「な、美味いだろ?」
「私が作ったのだから当然よ」
少し。ほんの少しだけ顔を赤くしながら戦場ヶ原は答える。
なんとなく微笑ましくなり、そんな戦場ヶ原を眺めながらケーキがなくなるまで戦場ヶ原に『あーん』をし続けた。
「阿良々木くん、今日は早起きだったでしょうけど今は眠いかしら?」
「え? いや、別に」
「そう。だったら私の三大欲求の足りないものを満たしてくれるかしら?」
言うなりいきなり戦場ヶ原は僕を押し倒してきた。
三大欲求って。
要するに性欲のことだろう。
戦場ヶ原ってこんなに性に対して貪欲だっただろうか?
しかし思い当たる節はないこともない。身体を重ねるたびに性感帯が増えるようだと言っていたし、どんどんイきやすい身体になっているみたいだし。
むしろ思い当たる節ばかりだ。
そう考えている間にも僕は戦場ヶ原に全裸にされ、ちょっとの刺激であっという間にそそり立った肉棒を掴まれる。
「いい、阿良々木くん。私が許可するまで出したら駄目よ」
「……善処する」
戦場ヶ原の肉体を持ってしての責めにどこまで耐えられることやら。
戦場ヶ原は僕を跨ぎ、ゆっくりと腰を沈めて肉棒を蜜壷に飲み込んでいく。
騎乗位は気の強い女が好むと聞いたことがあるけど戦場ヶ原もその類いだろうか?
やがて根元まで全て受け入れると、僕の腹についていた手を膝の方に持っていき、身体を後ろに反らしながら腰を揺すり始める。
この角度が戦場ヶ原の気持ちいいところを刺激するらしい。顔が上を、というか後ろを向いているので表情は窺えないが、聞こえてくる声と腰の動きが実にいやらしい。
ふるふると揺れ動く両胸を掴んで揉むとその声がより激しいものになる。
戦場ヶ原の右手が僕達の結合部付近へと伸び、陰核をいじりだした。
これは一気に登りつめる前触れだ。
「いいわ阿良々木くん、出して! 一番深いところで、阿良々木くんのたくさん出して!」
ようやく許可が出た。実はさっきからもう限界だったのだ。
僕は両胸から手を離して戦場ヶ原の腰を掴み、思う存分に下半身を動かす。
「戦場ヶ原っ、出されながらがいいんだな!? 僕の精液、中出しされながらイきたいんだな!?」
「ええ! ええ! そうよ! 阿良々木くんの、出してもらいながらイくのが、好きなの! 気持ちいいのよ! だから、出してえ!」
「わかったっ、いくぞ、出すぞっ、戦場ヶ原っ、受け取れ!」
「あっ! ああっ! きたっ! 熱いのきたわっ! 溶けるっ、下半身が溶けるっ、蕩けるっ、阿良々木くんっ、阿良々木くうぅぅんっ!」
僕が戦場ヶ原の一番深いところで射精し、それを子宮で受け止めた戦場ヶ原が激しく乱れながら絶頂に達した。
二人共にしばらく身体を痙攣させながら長い快感の余韻に浸る。
やがて戦場ヶ原の身体が少しふらついたかと思うと、とさりと僕の身体の上に倒れ込む。
それを受け止めて窺うと、戦場ヶ原は軽く寝息を立てていた。
そういえば戦場ヶ原も今日は早起きだったはずだものな。
僕は戦場ヶ原の寝やすい体勢を取り、そっと頭を撫でてやると、戦場ヶ原の表情が嬉しそうなものへと変わっていった。
* * *
民倉荘。夜も更けて間もなく戦場ヶ原の誕生日も終わる頃。
ようやく戦場ヶ原は目を覚ました。
「おはよう戦場ヶ原」
「……結構寝ていたのね、もったいないことをしたわ」
傍らの時計を確認し、戦場ヶ原は残念そうに言う。
「まだまだコレを味わいたかったのだけど……あら、大きくなったわ」
揺する腰の動きに刺激され、半勃ちだったアレがたちまち硬くなった。
「ずっと入れっぱなしだったのね。私が寝てる間にも出したのかしら?」
「……さて、ね」
出した。二回ほど。
本人は寝ていても別の生き物のようにひくひくと蠢く蜜壷の動きに堪えきれなかったのだ。
起こさない程度に小刻みに身体を揺すり、出した瞬間に戦場ヶ原は気持ちよさそうな表情で呻いた。
その声にあてられ、抜かずの二連射。我ながらあきれてしまう。
「今日は一日世話になったわね阿良々木くん。またこんなふうに尽くしてくれると嬉しいわ」
身体を重ねたまま戦場ヶ原が僕の頬に唇をつける。
そして。十二時の鐘がなった。
僕は戦場ヶ原の背中と腰に腕を回し、柔らかな尻肉をぎゅっと掴むように揉む。
「……阿良々木くん?」
「もう、尽くす時間は終わりだよな」
「え? ええ」
「だったら」
少し腰を引き、勢い良く突き上げる。
「ひんっ!?」
「今度は僕の意思で戦場ヶ原を抱く。ご褒美としてそれくらいはいいよな?」
幾度も腰を突き上げながら戦場ヶ原に言うが、まともな返事は来ない。ただ悲鳴のような嬌声をあげるばかりだ。
しかし嫌がったり逃げたりする素振りは見せないので、それを了承と受け取る。
身体の位置を入れ替えて正常位にし、脚を肩に抱えて突きまくった。
戦場ヶ原が何度イっても、僕が何度イっても、二人とも動きを止めない。
結局。
外が明るくなってくるまで僕達は延々と交わり続け、最後は気を失うように眠りについてしまった。
今度は夢の中でも戦場ヶ原を満足させてやれますように。
そんな不健全な願いを、眠りにつく瞬間僕は織り姫と彦星に一日遅れで願ったのだった。
『ひたぎスターフェスティバル』完