今日は恒例の神原駿河の部屋の片付けの日だ。  
 何故僕が恋人でもない後輩の部屋を片付けるのかは原作を読んでほしい。《物語》シリーズ大好評発売中だ。図書館で読むな、買ってくれ。  
 そんなわけで自転車を転がして神原家に到着。呼び鈴を鳴らす。  
 『開いてるから入ってきていいぞ阿良々木先輩!』との返事があったので入口を通り、庭を抜けて家屋の玄関を開ける。  
「お待ちしておりました」  
「…………」  
 あ…ありのまま今起こった事を話す!  
 『僕は神原家の玄関を開けたと思ったらそこには裸エプロンの後輩が三つ指をついていた』  
 な…何を言ってるのかわからないと思うけど僕も何をされたのかわからなかった……。  
 頭がどうにかなりそうだった……。  
 制服だとか全裸だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。  
 もっとエロいものの片鱗を味わったぜ……。  
 以上、荒木先生との夢のコラボ終了。これより阿良々木暦突っ込み全開モードに移行する!  
「おい、かんば……る……」  
 移行できなかった。  
 顔を上げて僕を上目遣いで見るその表情。  
 エプロンを押し上げるその胸の膨らみ。  
 背中側から見えるくびれた腰に程良く肉のついた肢体。  
 何と言うか言葉が出ないほどエロくて魅力的な肉体だった。  
 童貞でもなくエロに免疫もそれなりにあるはずの僕が見惚れてしまうほどに。  
 そして、その一瞬の隙を突かれ、神原の次の行動を許してしまう。  
「神原家奥義、瞬間亀甲縛り!」  
 突然現れた幾本もの縄が蛇のように僕の身体に絡みついてきた。  
 バランスが取れず、その場に倒れながらも僕は叫ぶ。  
「この縄どっから出した!? それにこんな技が代々伝わるわけがない、間違いなく創始者はお前だろ! そしてこれは亀甲縛りじゃない、菱縄縛りだ!」  
 遅ればせながらの阿良々木暦突っ込み全開モードである。  
 最後についでのように問う。  
「で、僕を縛ってどうしようというんだ?」  
「私のこの格好を見ればわかるだろう? 阿良々木先輩に御奉仕しようというのだ」  
「……はい?」  
 メイド服ならギリギリわからないでもないが、裸エプロンで?  
 ということは普通にかしずくのではなく。というかどういった理屈でこうなるのだ?  
「ふふふ、この日を待ちわびたぞ。実に一年振りだ」  
 身動きの取れない僕の身体を担ぎ上げながら神原が嬉しそうに言う。  
 一年振り?  
 ……ああ、そうか。今日は僕が神原に好き勝手される日、か。  
 
 何が生まれた記念だよ僕の気持ちも考えろよ……いや、そんなに嫌じゃないんだけどさ。  
 でも僕には戦場ヶ原ひたぎっていう彼女がいるんだし。  
 そんな思考をしているうちに神原の部屋に辿り着く。  
 そこは意外にも神原の部屋にしては片付いていた。  
「阿良々木先輩に奉仕するのに散らかっていては申し訳ないからな。出来る限り片付けてみたのだ」  
「何だよやればできるじゃねえか。もう僕がやらなくてもいいんじゃないか?」  
「いや……片付けの最中は筋肉が軋み、骨が歪み、血反吐を吐くほどに苦痛だった。あんな苦行を平然とこなす阿良々木先輩には頭が下がるばかりだ」  
「なんだその拒否反応!? どんだけ掃除が嫌いなんだお前は!」  
「だからこれからもよろしく頼むぞ阿良々木先輩! にこっ!」  
「やべえ! 自分で擬音をつけてるくせにすげぇ可愛い笑顔だ! 思わず『任せろ、一生面倒みてやる』と言いそうだった!」  
「まあ今回だけは特別だったからな……よっ、と」  
 神原は敷いてあった布団の上に僕を下ろす。  
 いつの間にか縄は特殊な縛り方でなく、普通に両腕を拘束するだけの形になっていた。  
「では阿良々木先輩、精一杯御奉仕させていただきます」  
土下座、ではなく美しい礼をして神原はそう宣言した。  
 毎回このままなし崩し的にいたしてしまうわけだが、何とかならないものだろうか?  
 例えば神原のおばあちゃんが通りかかるとか……いや、駄目だ。それこそ取り返しのつかないことになる!  
 さすがに神原も家に誰かいる状況でこんなことはしないだろう。  
 そうこうしているうちに神原の両手が僕に迫ってきた。  
 ズボンに手がかかる、瞬間。  
「とうっ!」  
 突如僕の影から忍が飛び出した。  
 そのまま神原の腕を掴んで放り投げる。  
「突然何をするのだ忍ちゃん」  
 華麗に着地しながら神原は言うが、そのセリフをお前が言うな。  
 当の忍は黙ったまま神原を睨み付けている。  
 これはひょっとして僕を助けてくれるのか?  
「忍、もしかして……」  
「そうか忍ちゃん、忍ちゃんも裸エプロンをしてみたいのだな!」  
「うむ、儂に合うエプロンはあるかの? なければ自分で用意するが」  
 ですよねー。  
 僅かでも甘い希望を抱いた自分が馬鹿だった。  
「任せろ忍ちゃん! ここに可愛いのがある!」  
 そう言って部屋の隅から可愛いフリフリのエプロンを持ってきた。  
 何であるんだよ?  
 おまけにサイズも合ってそうだし。  
 
「むふふ、どうじゃお前様よ?」  
 エプロンを着けて服を消した忍は裾を翻しながらくるりとその場で一回転した。  
 前面の露出度は普段のワンピースとそんなに変わらないが、丸っこく可愛いお尻が惜しげもなく晒される。  
 エロさと可愛さが入り混じってとても魅力的だった。神原も何やらうっとりとしているし。  
「ふふ、聞くまでもないようじゃな。可愛すぎるというのも罪じゃのう」  
 そう言って前屈みになりながら僕の顔を覗き込む。  
 エプロンの胸元からピンクの突起が見えて思わず唾を飲み込んだ。  
「さて」  
「ああ」  
 忍はちら、と神原に目線をやると、神原は承知したように頷く。  
 原作ではほとんど絡みがないのにこういう時は息がぴったりだ。  
 二人が僕の左右に位置取り、頬にキスをした。  
「阿良々木先輩……」  
「お前様……」  
 耳元で艶めかしく囁いたかと思うと、そのまま耳に舌を這わせてくる。  
 最初は優しく繊細に、やがてだんだん激しく大胆なものになっていく。  
 左右の耳穴に舌を突っ込まれ、ぐちゅぐちゅとかき回される音が脳内に響く。  
「う、ああ……」  
 思わず声が出てしまい、それを聞いた二人は更なる刺激を与えてきた。  
 倒れ込んでぐいぐいと身体を密着させ、いろんなところを撫で回してくる。  
 ズボンの中身はすでにはちきれんばかりに大きくなっていた。  
 それを察したか神原はベルトに手をかける。  
 器用に片手で外してチャックを下ろし、トランクスごとずりさげる。  
 びぃんと反動で反り返った肉棒を目の当たりにし、二人が一瞬息を呑む。  
 二人の手が伸び、肉棒がきゅっと握られた。  
「っ……」  
 ふたつの手のひらの柔らかさに声が漏れそうになるのを必死に堪える。  
 すでに先走り液は大量に出ており、二人の手を濡らしてしまった。  
「かかっ、随分気持ち良さそうじゃの」  
「今度はお口で御奉仕させていただくぞ阿良々木先輩」  
 二人は耳から舌を抜き、僕の股間に顔を寄せる。  
 そのまま竿に幾度もキスをし、舌を這わせ始めた。  
 暖かく柔らかい濡れた舌の感触に僕の理性がぶっ飛びそうになる。  
 陰嚢を左右片方ずつしゃぶられながらしごかれた時は快感に翻弄されて身体をくねらせてしまう。  
 ふと見ると僕の痴態に興奮したのか、二人とももぞもぞと自分の股間に手をやって慰めていた。  
 その光景に僕の興奮も更に高まっていき、限界が近くなっている。  
 気が付くと縄がほどけて両腕が自由になっていた。  
 
「神原っ、こっちに来い!」  
「どうしたのだ阿良々木先輩?」  
「いいから! 早く!」  
「わ、わかった」  
 神原が身体を起こすと同時に僕は忍の頭を掴んで肉棒をくわえさせる。  
 唇の輪っかが根元まで下り、喉奥まで突っ込ませた。  
「んぐっ……ん……ふっ、んむ……っ」  
 忍はわずかに呻いたが、そのままほっぺたをへこませて吸い、舌を裏筋に這わせてくれる。  
 そんな口内に腰を振って肉棒を出し入れしつつ、今度は寄ってきた神原の後頭部に手を添えて唇を合わせ、思い切り貪った。  
 もう片方の手をエプロンの脇から差し入れ、柔らかな乳房を揉みしだく。  
「んっ……む……んん……」  
 神原は一瞬驚きはしたものの、すぐに舌を出して絡めて僕を受け入れた。  
 空いた手を再び僕の下半身へ伸ばし、袋をやわやわと揉んでくる。  
 忍にくわえられ。  
 神原に陰嚢を揉まれながら舌を絡め合う。  
 そんな状況では限界などあっという間に迎えてしまう。  
「ん……う……ん……んううううううっ! んっ! うっ!」  
 僕はびくんっと身体を震わし、忍の口内に射精した。  
 二度、三度と精を放ち、そのたびに身体が痙攣する。  
 神原も忍も僕がイき終わるまで適度な刺激を与えてき、最後の一滴まで搾り尽くそうとする。  
 尿道に残ったものまで吸い上げられ、ようやく忍は口を離した。  
 同時に神原も顔を上げ、唇が離れると唾液の糸が引く。  
 四肢を投げ出してはあはあと荒い息をしていると神原が頬にキスをしてきた。  
「可愛かったぞ阿良々木先輩」  
「あー……」  
 後輩女子に可愛いと言われるのは男として如何なものか。  
 もそもそと忍も僕の身体を這い上がってきて、神原がしたのとは反対側の頬にキスする。  
 二人の頭を撫でてやると心地良さそうな表情をした。  
 そのまま身体を入れ替えて忍を組み伏せようとしたが、神原に止められる。  
「駄目だぞ阿良々木先輩、今日は私たちが奉仕するのだ。阿良々木先輩からしては意味がないではないか」  
「そういうことじゃ。してほしいことがあったら遠慮なく言うがよい」  
「あー……じゃあ、えっと…………」  
 こうしてこの日は。  
 神原と忍にとことん奉仕されるという、奇妙で珍しい体験をしたのだった。  
 あとの反動が怖いが、まあこの二人の望むことなら出来る限り叶えてやるとしよう。  
 
 
 

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