唐突だが、僕こと阿良々木暦は、羽川翼と付き合っている。  
彼女と出会ったのは高校三年生に上がる春休み。  
その春休みに彼女に救われ、ゴールデンウィークには逆に僕が救い、  
お互いに醜態を晒しお互いに知られたくないことも知りたくないことも知りあって、  
これはもう一回醜態をさらしたところで関係ないんじゃないかと開き直って  
ゴールデンウィーク明けの学校、まだ誰もいない早朝の教室で思いの丈をぶつけたところ、  
奇跡的にOKの返事を頂き、その後現在に至るまで、彼女と仲睦まじくやらせていただいている。  
いや、この場合はむしろ、ヤらせていただいているというのが適切なのかもしれない。  
 
「ん…んちゅ、んむ…」  
 
「んぅ、んんっ……」  
 
高校時代は様々な怪奇現象に出会い、  
それに伴う事件にかかわりあって(正確に言うなら殺されかけて)きた僕だけれど、  
大学に上がってからはそんなこともなく羽川と同棲を始め、毎日のようにいちゃついている。  
 
「ぷはっ……」  
 
「ぷぁ……阿良々木くん、長い……」  
 
「肺活量も吸血鬼仕様なもので。嫌だった?」  
 
「ばか…そんなわけ、ないでしょ」  
 
今日は休日。  
かといっていち大学生に休日のたびに外出して遊びまわる金がある訳でもなし、  
そもそも片田舎のここで外出先がある訳でもなく、ならばエロい事くらいしかやることもなく、  
そんな訳で今日も僕は羽川と、まあ、ヤっているわけだ。  
誰に向けたかもわからない状況説明終わり。  
 
「相変わらず、阿良々木くんはやり始めたら止まらないよね」  
 
「反論しようがないな」  
 
「私がやめてって言っても半泣きでちょっと待ってって言っても構わず自分はピストン運動だもんね」  
 
「ごめんなさい具体的に先日の僕の所業を挙げるのはやめていただけないでしょうか」  
 
羽川と口論になると勝てないので、そういう時は早めに手を出して黙らせるに限る。  
……決して殴るとかそういうのじゃないぞ? まあ、殴るより酷いことしてるとか言われても反論はできないわけだが。  
こんなだから鬼いちゃんとか言われるんだろうか。  
 
「ん、ぁん…! ちょ、あらら、ぎくんっ…」  
 
「羽川、好きだぜ」  
 
「んんっ…ごまかさないで……あぁんっ!」  
 
羽川さん、実は相当に弱いのだ。  
僕のへなちょこ攻めにも耐えきれないほど敏感なのだ。  
普段の超然として落ち着いた彼女からは全く想像も出来ないほど、とんでもない乱れ方をする。  
だから僕が少々やりすぎても、それは僕のせいではない。羽川さんが僕を刺激するからいけないのだ。  
 
「や、ぁ…あん、ふあぁんっ…」  
 
羽川の性感帯など僕は既に熟知している。  
なんなら九九の七の段よりも楽に思い出せるくらいだ。……さすがにこれは、誇張した表現だけれど。  
まあそれでも、相加・相乗平均の関係とか部分積分法とかよりは簡単に思い出せると思う。  
 
「あ、んぁあっ…・あ、ああっ……!」  
 
既に愛液が溢れだしている蜜壺に指を突っ込んで掻き回しつつ、その豊かな乳房を貪る。  
最高の贅沢です。たまらない。まあ後々羽川からすんげー目で睨まれるんだけどね。  
だがしかし、それすらもご褒美である僕に死角はなかった。  
……こんなことばっか言ってるから、最近羽川が冷てーのかなー。  
なんだか他の世界線と混線でも起こしてるんじゃないかというほど、冷え切った眼で見られることが多々あるのです。  
完全に自業自得なので反論の術を持たない僕は、その度に彼女のご機嫌を取るべくごく短時間だけ真面目になるのだ。  
 
「や、ぁあっ…んっ…!」  
 
にしても本当、これはやる度に思う事なのだけれど、  
羽川の身体やべーな。ボンキュッボンどころの話じゃないよなこれ。  
決して恵まれた家庭環境で育ってきたとは言えない彼女が、  
理想的な食生活と生活スタイルと適度な運動なんてものを実践できていたとは思えないのだが、  
どういうわけだか彼女の身体はもう非の打ち所がないのだ。  
眩しいうなじもたわわに実った胸も痩せ気味のお腹も安産型のお尻もすらっとした足も、  
何もかもが僕を虜にして止まない。  
……こんな事ばっか言ってると誤解を受けるかもしれないが、別に僕は羽川を身体で見てる訳じゃないんだぜ?  
説得力がないとか言われても、事実なんだから仕方ない。それは僕の責任の及ぶところではないのだ。  
強いて言うなら、好きになった恩人がナイスバディだっただけなのだ。  
 
「んんっ……、ふぁ、あんっ……あ、ああっ!」  
 
乳をこねくり回し、蜜壺を掻き回し、時折首やお腹を撫でてやる。  
僕が起こす全てのアクションに対し羽川が返す敏感なリアクションが、僕を熱に浮かれさせる。  
羽川が軽く達したことを確認し、ズボンを下ろして我が愚息を戦闘態勢に。  
 
「挿れるぞ、羽川」  
 
「……うん」  
 
我が愚息を既にとろとろになってしまっている羽川の蜜壺へとあてがい、一気に貫く。  
ちなみにちゃんと、避妊具は装着済み。  
羽川はもちろん、僕だって馬鹿ではないのだ。  
 
「んあぁぁっ…!」  
 
 

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