「それにしてもこの前のミスド半額セールは大盛況じゃったのう」  
「ん? ああ、そうだな」  
 机に向かっていると、ベッドでごろごろしていた忍が話しかけてきた。  
 またドーナツを要求されるのかと思ったが、ただの雑談らしい。  
「まさかミスドであんなに並ぶことになるとは思わなかったぜ」  
「うむ、周りの荒野が人で埋め尽くされたからの」  
「そこまでじゃねえよ」  
 そもそも荒野なのはアニメの演出だ。実際は普通に街中にある。  
 それでも娯楽に乏しいこの町では一大イベントと数えてもよかったかもしれない。  
「しかし並ぶ時間はいつもの比ではなかったじゃろ?」  
「まあ持ってた単語帳が並んでる間に随分進んだくらいな」  
「普段食べたりせんくせにこういう時だけ買いにくるようなニワカどもは出入り禁止にすべきじゃ! ポイントカードも持っておらんやつが来るなと言いたい!」  
「誰の怒りを代弁してるんだお前は」  
 どうせ僕が並んでる間は影の中で寝ていただけだろうに。  
 まあそれなりの数を買えて忍も僕も充分満足したのだが。  
「…………」  
 僕は財布を取り出して中身を確認する。  
 小遣い前なので心許ないものだった。  
「どうしたのじゃお前様よ?」  
「いや、なんか話してたらドーナツ食いたくなってさ。ちょっと買ってこようかなと」  
 忍ががばっと身体を起こしてキラキラした目でこちらを見る。  
「でも持ち合わせが少ないから止めとこうかな」  
 忍がまるでこの世の終わりが来たような悲しみを含んだ目でこちらを見る。  
「でも小腹が空いたし甘い物が食べたい気分だしなあ」  
 忍がニパーッと笑顔でこちらを見る。  
 やばい。面白い。  
 まああまりからかってると拗ねられてしまいかねない。  
 小腹が空いたのも事実だし買ってきてやるとしよう。  
「さっきも言ったけど持ち合わせがあまりないからそんなにはあげられないぞ」  
「構わぬよ。予想外のドーナツじゃ、一つでも食わせてくれるのなら贅沢は言わぬ」  
「んじゃ出掛けてくるから影の中で寝てな。帰ったら起こしてやるから」  
「了解じゃ。……ああ、交換条件と言っては何じゃが」  
「ん?」  
「最近お前様シてないじゃろ? くれたドーナツの数だけ儂が今夜ヌいてやろう」  
 …………は?  
 だが、僕が何か聞き返す前に忍は影の中に消えてしまった。  
 うーん。最近戦場ヶ原と会ってないし確かに溜まってはいるけどさ。  
 ……2、3個買ってきてやろうかな?  
 
  * * *   
 
「で、じゃ」  
「はい」  
「これは何じゃ?」  
「ドーナツです、はい」  
「持ち合わせが心許ないとか言っておらんかったか?」  
「出がけに遊びに行こうとしていた妹達をとっつかまえてお金借りました、はい」  
「はいじゃないが。ていうか儂の分で十個とか……何を考えておるのじゃ」  
「それは僕もそう思う」  
 身体と口が勝手に行動したのだ。  
 僕が悪いわけじゃない。  
「いやいや、勝手に行動した身体と口は間違いなくお前様のものじゃろ……まあいただくとするかの」  
 忍がドーナツに手を伸ばす。  
 僕も食べるとしよう。脳を使うと糖分が欲しくなる。  
 赤本の解説を読みながらドーナツを頬張った。  
 ちら、と忍を窺うと実に幸せそうにもぐもぐと口を動かしている。  
 うん、嬉しそうで何よりだ。僕は再び赤本に集中した。  
 そして。  
「ふう」  
 ひと段落して本を閉じる。  
 忍はすでにドーナツを食べ終え、またベッドでごろごろしていた。  
「ん、終わったかお前様よ。ではこっちに来るがよい」  
「?」  
 何かくれるのだろうか?  
 忍に近付く。  
 と、突然腕を掴まれ、ベッドに組み伏せられた。  
 そのまま忍は僕の身体に馬乗りになり、動きを封じてくる。  
「し、忍、何を……?」  
「言ったじゃろうが。儂がしてやると」  
 ペロリと舌なめずりをするその表情はドーナツで喜ぶ幼女のものでなく、熟練された女のようだった。  
 何か反論する前に唇を塞がれ、生暖かい舌が口内に侵入してくる。  
 舌を絡められ、吸われるたびに理性が剥がれていく。  
 唾液の糸を引きながら唇が離れると、僕は呼吸を荒くしながらも忍の頭を撫でる。  
 忍は嬉しそうに少し微笑むと、僕の頬に舌を這わせて耳へと向かう。  
「ん……ふ」  
 耳朶を甘噛みされて思わず声が漏れた。  
 僕の下半身の今の状態に気付いたか、忍は手を伸ばしてズボン越しにたぎった肉棒を撫で回す。  
 そのまま器用にベルトを外してズボンとトランクスを脱がし、びんと露わにされたモノをきゅっと握った。  
「あ、う……っ」  
 小さくて暖かい指と手のひらの感触に呻いてしまう。  
 だけど忍の責めは止まらない。  
 強弱をつけながらしごかれ、もう片方の手で頭をがっちりと押さえながら耳の穴を舌でほじられる。  
 ぐちゅぐちゅと唾液の絡む音が脳内に響き、下半身から快感の波が全身に広がっていく。  
「あ、う……忍っ、もう……」  
 限界が近いのを忍に伝える。  
 
 早いが、やはり溜まっていたようだ。  
 忍は肉棒を握っていた手を離して亀頭、というか尿道口に手のひらを押し当ててこするように撫で回した。  
 僕は右手で自らを掴んでしごき、左腕で忍を思い切り抱き締める。  
「出るっ……出るっ……忍の手に出すぞっ……いく、いく、あ、あ……うああああああっ!」  
 びくんっ!と腰が震え、僕は射精した。  
 びゅくっ、びゅくっ、と幾度も忍の手のひらに精を放ち、忍の手や僕の腹周りを白く汚していく。  
 ゆっくりしごいて最後まで出し切り、僕は余韻に浸りながら大きく息を吐いた。  
 忍は僕の耳の穴から舌を抜き、身体を起こす。  
「ふふ、随分溜めておったようじゃの。射精の勢いに手が押し負けるかと思ったわい」  
 そう言って精液まみれになった手をまじまじと見つめた。  
 そしてふと何かに気付いたように顔を上げる。  
「ああ、すまぬ。少しだけ消えるぞ」  
「え?」  
 言うなり忍は僕の影に消えた。  
 直後。  
「お兄ちゃん、さっき貸したお金なんだ……け…ど……」  
 月火ちゃんがドアを開けて入ってきた。  
 はい、状況説明。  
 ベッドで横になっている僕。  
 下半身丸出しで自分の肉棒を掴んでいる僕。  
 白濁液を腹に撒き散らしている僕。  
 月火ちゃんは 無表情でドアを閉めた。  
 沈黙の時間が流れる。  
「いや、危ないとこじゃったの。儂の姿を見られたら最悪の一大事じゃった」  
 確かにそれは最悪の一大事だ。  
 しかし、しかしだ。  
 現在のこの状況は一大事を回避できたのだろうか?  
 最悪ではないが一大事には違いない。  
「妹御が帰ってきてたのはわかっておったが、まさかこの部屋に来るとはの」  
「言えよ!」  
 誰もいないと思っていたからこそ声まで出したのに!  
「んー、お前様達は仲が悪いはずじゃから部屋に来ることなんぞないと思っての。まあまた出掛けたようじゃが」  
 影から出てきた忍はニヤニヤしながら言った。  
 絶対わかってやってやがる!  
 もう許さない! 今度こそ誰もいなくなったのを確認し、忍をベッドに押し倒す。  
 前の穴も、後ろの穴も、上の口も。とことんまでブチ犯してやる!  
 泣いて懇願しても約束の回数を果たすまでやめてやらないと決めながら、僕は乱暴気味に忍の身体を弄り始めたのだった。  
 
 
 
 
 
終わり  
 
 
 
 
 
「あ……か、はっ……」  
 ベッドでうつ伏せになっている忍がびくんびくんと身体を痙攣させている。ちょっとやりすぎたかもしれない。  
 それでも悪いことをしたらしっかりお仕置きをしないといけないからな。僕は忍の身体を仰向けにした。  
「ふにゃ……」  
 精液まみれになったその顔はしまりがなく、目も虚ろになっている。  
 そりゃそうか。あれだけ散々指や舌でイかせまくったもんな。  
 でも僕のたぎった肉棒を突っ込んでないのは感謝してほしいとこだ。八歳の身体をした幼女に挿入するほど僕は鬼畜ではないのだから。  
 うん、紳士紳士。  
「ほら、忍。あと一回だぞ」  
「ん……あむ」  
 忍の顔を跨いで肉棒を寄せると、その小さな口をあけてくわえ込んだ。  
 もはや気力も残っていないのか忍は手も舌もほとんど動かさなかったが、僕は構わず腰を前後させて口内に出し入れする。  
 もともと小さな口なので充分に締め付けてき、暖かい粘膜の感触に快感が広がっていく。  
 ちゅうっと弱いながらも吸われる感覚に限界まで一気に追いやられた。  
 僕は我慢することなく欲求を忍の口内にぶちまける。  
「忍っ……出すよ……飲んでっ……」  
 おずおずと忍は腕を僕の腰に絡めた。  
 弱々しくもしっかりとした力を込め、受け入れる態勢を整える。  
「忍……忍っ……うっ! ううっ! うっ!」  
 本日十回目にして最後の射精をし、忍の喉奥に精を注ぎ込んだ。  
 忍は喉を鳴らしながら次々と放たれる精液を飲み込んでいく。  
「ん……く……ふうっ」  
 全て出し終え、僕は大きく息を吐いた。  
 忍は肉棒をくわえたまま舌を這わせ、こびりついた体液を綺麗に舐め取っていってくれる。  
 さて、シャワーでも浴びるかな。忍の身体も洗ってやらないと。  
 一度影の中に隠れるよう促し、部屋を出る。  
 そこで。  
「あ……お兄ちゃん」  
 月火ちゃんと出くわした。  
 ヤバい。気まずいってレベルじゃねーぞ!  
「え、えと、そのね」  
「あ、ああ」  
「お、お兄ちゃんが望むなら今度から私が手伝ってあげなくもないよ!」  
「……え?」  
「そ、それじゃ!」  
「あ、おい」  
 手伝うって、何のことだ?  
 ……ま、いいか。何か見なかった事にしてくれるみたいだし。  
 僕は改めて風呂場に向かうのだった。  
 
 
 

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