「そもそもエロスには恥じらいが必要じゃと儂は思う」
「何だよ突然」
僕の部屋でごろごろしていた幼女吸血鬼がまた変なことを言い出した。
「最近儂がエロいという風潮があるじゃろ?」
ないと思います。
あっても完全体のお前であってフラットスリーのお前ではない。
「つまりじゃな……とうっ!」
「なっ! 寝たままの姿勢であんな跳躍を!?」
忍は寝そべった体勢からジャンプし、回転しながらベッドへと飛び移る。しかも後方に跳んでおきながら前回転だ。
驚きのあまり名台詞が混じってしまった。
ベッドに着地し、全裸で仁王立ちに……全裸?
「なんで脱いでるんだよ!?」
「言ったじゃろ、エロスには恥じらいが必要じゃと。このように堂々としていたら逆に感じるものもなかろう?」
まあ言いたいことはわからないでもない。
隠すことなく全裸になった戦場ヶ原と下着でも恥ずかしがる羽川とだと後者の方が圧倒的にエロいもんな!
が、忍の意見には少々見落としている部分がある。
「とまあ、斯様なことに……ってお前様よ」
ベッドから飛び降りた忍は呆れ顔で呆れた声を出した。
そのままつかつかと椅子に座っている僕に近寄り、股間を足蹴にする。
「儂の言うことを聞いておらんかったのか? 何をおっ立てておるのじゃ」
そう、僕のズボンは見事にテントを構築していた。
これが忍の見落としている部分、所謂誤算というやつだ。
この僕のような年代の男子は箸が転がってもエロいと感じるほど性欲の塊なのである。年齢に関係なく女性が目の前で裸になっていて起たないわけがない!
とは言っても昨今はインターネットなどで簡単に好みのオカズが見れてしまう時代、男子の妄想力が落ちていると聞く。まったく、嘆かわしいことだ。
「嘆かわしいのはお前様じゃろうが、情けないとは思わんのか」
忍はそう言ってげしげしと足の裏で僕の堅くなったモノを蹴り続ける。
もっとも、痛いと忍まで痛みを感じてしまうのでそこまで強くないのだが。
いや、むしろもう少し強くしてほしいくらいだ。
忍もそれを感じたか妖艶な笑みを浮かべる。
多分そういう表情がエロいとか言われる所以だろうな。
「かかっ、お前様は本当に節操がないの。ならば原因たる儂が処理してやらねばならんな」
そう言ってひとしきりぐりぐりと僕のモノを踏みつけたあと、ぺろりと舌なめずりをする。
だからそういった仕草をするからエロいとか言われるんだって。
忍はそのまま僕の足の間に割って入り、ズボンに手をかけた。
ファスナーを下ろして手を突っ込み、ビン、とそそり立った肉棒を取り出す。
「まったくこんなにしおってからに……ほんにしょうのないやつじゃ」
忍はそう言って先端、尿道口に軽く口付ける。
「ん……っ」
僕の脚がびくんと震えて、小さな声が漏れ出た。
それに気を良くしたか、忍はすぐさま激しい動きをおこなってくる。
その小さい口を目一杯開いて亀頭をくわえ、頭を小刻みに上下させながら少しずつ飲み込んでいく。
唇の輪っかが根元を目指してゆっくりと下りてき、暖かい口内に包まれていく感触に頭がぼうっとしてくる。
やがて亀頭が喉奥に届くくらいまで辿り着くと、今度は強く吸われながらずるるっと一気に輪っかがカリ首あたりまで引き抜かれた。
「うっ、うああっ!」
今のはヤバい。
一瞬で達してしまうところだった。
だけど忍は責めの手(いや、責めの口か?)を緩めない。
またゆっくりと唇の輪っかを下ろすが、今度は舌を裏筋に這わせながらだ。
あまりの快感に恐怖さえ覚え、慌てて忍の頭に両手を伸ばす。が、押し止める前に忍に腕を捕まれた。
そのまま両方とも手のひらを合わせて指を絡めてぎゅっと握られる。
もはや逃げ道も止める手立ても失い、忍から与えられる快感を甘受するのみだ。
前後する頭の動きが少しずつ速くなり、敏感な箇所を的確に舌が這い、唇の締め付けに強弱が加わる。
「うっ、うあっ! あっ、ああっ! もう、出る!」
限界を感じ、僕は忍の手をぎゅうっと握り締めた。
忍は僕を絶頂に導くためにじゅぷじゅぷと音を立てながら動きにスパートをかける。
そして。
僕は射精した。
「あっ、あっ、ああ……うああああああっ!」
忍の口内で肉棒が大きく震えてびゅくびゅくと精液を放ち、次から次へと喉奥に流し込んでいく。
それに合わせて動きながらもこくこくと喉を鳴らして白濁液を一滴もこぼさず飲み干した。
尿道に残ったものまで全て吸い出し、忍は口と手を離して僕を解放する。
……うん。
やっぱりお前はエロいわ。