「いーちゃんいーちゃん、ハロウィンハロウィン」
「あぁ、なんだよ友、急に」
扉を開けるとそこにいたのは青い髪を生やしたカボチャお化けと、
「よう、俺の敵」
────巨大カボチャを被った上から狐面をかけた、人類最悪の遊び人だった。
絵本にも負けないファッションではあったが、それ以上にちゃんと前が見えているのか不安でならない。
「「Trick or Treat ?」」
二人の声がぼくの臓腑をえぐるように響く。
「いーちゃん、お菓子くれないと悪戯しちゃうぞ」
お菓子なんてものは持ってきてない、だからと言って玖渚の悪戯は洒落にならない。
「俺の敵、おかし(τ)くれないと悪戯するぞ」
お菓子なんてものは持ってきてな!い、……って
「何でアナタがここに居るんですか」
「ふん、『何でアナタがここに居るんですか』、そんなのはどうでもいいことだ」
《Trick or Treat?/犯しなお菓子》 is Starting Now.