蝉の死骸がそこら中に転がり始め『夏の終わり』が始まりだした頃。  
 僕の部屋に戦場ヶ原がやってきた。  
「なんだかイカくさいわね」  
「人の部屋にはいってきて最初に言うことがそれか!」  
「冗談よ」  
 僕だって彼女が部屋に来るというのだから、年末にでもしないような大掃除を敢行することにした。戦場ヶ原に見られたら確実に刺殺もののいかがわしい本も破棄したのだ。  
「それで、阿良々木君。今日はどんないやらしいことをしてくれるのかしら?」  
「まるで僕がお前に毎日いやらしいことをしているような口ぶりだな」  
「毎日私をおかずに自慰行為をしているのでしょう?」  
「してねえよ!」  
「しなさいよ!」  
 逆切れ!?  
「全く、こんなに可愛い彼女がいるのにそれをおかずに自慰もしないだなんて不能もいいとこだわ……」  
 失望したとでも言わんばかりにやれやれと両手をあげる戦場ヶ原。  
「何故しなかったことに対してそこまで言われなけりゃいけないんだ……。そもそも女が自慰自慰連呼するな」  
「オナニー?」  
「余計悪くなった!」  
「ちなみに、私は阿良々木君を思ってしたことがあるわ」  
「…………」  
 そんなことを堂々とカミングアウトされても困るのだが。  
 戦場ヶ原は赤面する僕を意にも介さずに、ベッドにトスンと腰掛ける。やたらと短いスカートだったので、下着がちらりと見えてしまった。  
 
「…………で、何かして遊ぶか? 特に面白いもんがあるわけでもないんだけど……」  
「阿良々木君に面白いことなんて期待してないから気にしないでいいのよ」  
 待て。僕の部屋に面白いものがないのは確かだが。僕自身が面白くないとは言い切れないだろう。  
「このベッド、阿良々木君のにおいがするわ」  
「……そりゃ、毎日寝てるベッドだしな」  
「死んだダニのにおい」  
「それは僕のにおいじゃない!」  
 戦場ヶ原はごろんっとベッドに転がる。……またパンツが見えた。今度は猫の柄までしっかり見えた。  
 猫か……。  
 似合わない……。  
「さて、問題です」  
「は?」  
 何故いきなりクイズが?  
「私の下着の柄はなんだったでしょう?」  
「わざと見せてたのかよ!」  
「我慢できずに襲ってくるかどうか試したのよ」  
「襲わねえよ!」  
「家族がいない家に誘われた時点で覚悟はしてたわ」  
「誘ってない! お前が来たんだ!」  
 ……疲れる……。  
「で、柄は?」  
「……猫」  
「不正解よ」  
 え? あれはどう見ても猫にしか……。  
「答えは……」  
「答えは?」  
「阿良々木君の顔、よ……」  
「いつのまにそんなものをオーダーメイドしたんだお前は!」  
「馬鹿にしないで、ホームメイドよ」  
「手作り!?」  
 そもそも答えからしてうそじゃねえか。  
「それにしても、穴が開くほど見てたのに、間違えるだなんてね」  
「そんな熱視線を送った覚えはねえぞ!?」  
 もっとも――と戦場ヶ原。  
「最初から、穴は開いてるけどね」  
「最低のジョークだよそれは!!」  
「見たい?」  
「――え?」  
 その一言で、今までの掛け合いで出来た雰囲気は一瞬で吹き飛ばされた。  
「この下……見てみたい?」  
 扇情的、というよりむしろ挑発的なくらい、足を広げて見せる戦場ヶ原。  
「…………」  
(省略されました。続きを読みたければ巫女子ちゃん風にうまいことを一つ言ってください)  
つーかエロシーンが書けないだけなんだ。  
 

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