「――――で、タンショーな荒々木さん」
「荒い荒いってどんな呪いの木だ。それ以前にタンショーってなんだよタンショーって」
「失礼、噛みま……痛い…………」
「……まったく」
八九寺と話すのは楽で良いけど、たまに訳がわからなくなるしね。会話は続くけど。
「で、何と言おうとしたんだよ」
「単純な阿良々木さんと言おうとしましたが」
「悪かったな単純で」
「まあ、短小包茎童貞紳士な阿良々木さんですし、あながち間違いではありませんでしたが」
「…………コンクリに積めて海に叩き落とすぞ」
「幽霊を二度殺すなんてすごいサイコパスですね」
「サイコキネシスだと思うんだが」
「あれです。戯言シリーズとかいう本の一姫の真似です」
「誰だよ」
0.5秒で突っ込んだ。
「まあ、とりあえず短小包茎童貞紳士阿良々木暦推定四十七歳住所不定無職さん、気味が悪いですっ!近寄らないでくださいっ!」
「誰が包茎だ誰が!」
普通比べないから小さいかはわからないし、童貞なのも言い返せない僕だった。
「ねえ阿良々木くん」
「なに?」
「そういえばなんだけど、短小包茎童貞紳士だって噂を聞いたのだけど」
どっから流れたんだよそんな噂…………。