迷いの森。  
この森の静けさは7年経っても変わっていない。  
そして7年経ってもちっとも変わらないミドがそこにいた。  
「こんな時にアイツは…何やってんだよ!」  
なるほど7年経って成長した自分に気付いていないのか。  
ミドは続けて言う  
「サリアは…アイツのこと……なのに…」  
「なのにどうしだんだい?」  
「なのにアイツ、帰って来なかった。」  
言葉が出なかった。  
仕方がなかった、ガノンドロフを倒すために7年もの間眠り続けていたのだから。  
「…俺、見たんだ。」  
「サリアを見たのか?」  
「リンクが森を出た日、サリアが森の神殿に行ったんだ。」  
それは初耳だ。  
「そしたら…その……サリアが…リンクってつぶやきながらエッチなことしてた。」  
驚いた。7年経って色々な物を見てきた今なら、サリアが何をしていたのか想像できた。  
「きっ…キミはどうしたの?」  
「……………………」  
黙ったままだ。よほど衝撃的だったのだろう。  
その時、自分がものすごく悪いことをしていた事に気付いた。  
 
 
ミドはサリアが好きだった。  
サリアはリンクが好きだった。  
リンクはどこかへ行ってしまった。  
サリアは悲しんだ。  
ミドは……どんな気持ちだったのだろう。  
それなのにミドはリンクに会ったらこう伝えてくれと言った。  
 
『今までいじめて悪かった』  
 
できることなら償いたい。  
あの日に……  
「戻れるじゃないか!」  
 
リンクは急いで時の神殿に向かった。  
「ここに剣をさせば元の時代へ帰ることができる!」  
しかしリンクの手が止まる。  
(戻っても、どうやって罪を償うんだ?)  
ナビィが話しかけてきた。  
「リンク。 サリアに…何かしてあげられないのかな?」  
「……分からない、けどきっとあるはずだ。 その方法が。」  
そうだ、きっとある。だから臆せずに戻ろう。  
 
マスターソードが再び台座に置かれた。  
 
 
「戻った。さてどうしよう。」  
「どうしようじゃないよ!サリアを慰めにいくんでしょ!」  
……そうか、それしかないか。  
「ナビィ、ちょっとキミは僕のうちで待ってて。」  
「え?」  
「これからサリアの所に行ってくる。」  
「励ましにいくのに私がいちゃ困るの?」  
「慰めにいくんだよ。」  
「慰めも励ましも大して違わないじゃない!  
 まあ、そんなに一人で行きたいなら好きにすれば?」  
「ありがとう。」  
 
僕だって…サリアのことが……だからきっとうまくやれるさ!  
 
 
 続く 
 

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