――そう、あれは確か・・ガノンドロフに捕まった直後だった。
私は一時的に牢の中に入れられた。怪物と一緒に。
背後には壁。怪物に対して必死の抵抗を試みるも万策尽きた。
逃げることも最早ままならない。
怪物――ライクライクだったかな――は私の方へとにじり寄って来ている。
力無く崩れ落ちる。
そんな私を得体の知れない感触が包む。
爪先から、少しずつ咀嚼していく。
潤った、粘性のある体。
這いずる不快感と背筋に走る戦慄。
服を剥がしながら徐々に私を取り込んでいく。
抵抗を許さない強い力。
――リンクなら振り払えるだろうけど・・
怪物の内側にある触手が蠢いている。
感じる。寒気と・・ ――僅かな火照り。
舐めまわすように、怪物はついに私の身体を覆い尽くした。
怪物の中は、言うなれば息のできる水の中。
蠢く触手と薄らと粘性のある体の事を除けば。
私の胸の輪郭に沿って触手が這ってくる。
乳房を押し、変形させながら絡み付いてくる。
乳首を弄びつつ、擽るような微妙な動き。
触手は下半身にも及んだ。
後ろの穴と前の穴を、感触を確かめるかのように愛撫。
その間にも胸の方は動きを止めず、蠢きつづける。
不快感や寒気といったものが薄らいでいる事に気付く。
今やその不快だった感触に体が疼く。
身体が酷く火照っている。
私はそのまま、一度目の絶頂へと至った。
そう、一度目の。
そんな私を見透かしたかのように、触手は小刻みに恥部を撫で上げる。
恥部から何かが溢れ出ているのを感じる。
とめどなく流れる液体は触手をさらに潤し、水音も一際大きくなる。
知らぬ間に涙や涎を流している。
そんな私の前に、男根を模したような形の触手。
私の口を押し広げ侵入してくる男根。
男根からは私の恥部と同じ様に液体が溢れ出ている。
根元から舐め上げる。
舌先で男根の熱を感じる。
液体の味を確かめるように、丹念に。
頬張り、唇で圧迫しながらも舌は男根の先を舐めまわす。
触手の方も負けじと私の恥部を擦る。
唇の端が裂けそうな程大きくなったかと思うと、私の口に熱い何かが発射された。
喉の奥に強い圧力、思わず飲んでしまい、咽る。
甘苦い味が口の中に残る。
その直後が、二度目の絶頂。
前後の穴に、触手とは違う弾力のある感触。
それは何の慈悲も無く、私を貫いた。
壮絶な痛み。その二つの何かが私の中で擦れる。
下を見ると、男根。前の結合部付近には血が広がっている。
奪われた、こんな怪物に。
哀しみが押し寄せる。
そんな折、無慈悲な男根が運動を始める。
掻き乱されている。哀しみも何処かへと掻き消えて痛みが去来。
痛い、痛い、痛い。
好き勝手に出し入れされているのに、身体は反応する。
快い、快い、快い。
膣から広がる快感もまた壮絶なものとなり、ついには痛みを跳ね除けてしまう。
腰を動かし快感を貪ろうとする。
それに応じるかのように出し入れする運動が少し激しくなる。
怪物に貫かれている。でも、気持ち良い。
後ろの穴が早くも快感を感じるように。
――もっと、激しく、動いて。
・・・三度目の絶頂。
そして。
私の中には怪物。
触手などと生易しいものではなく、穴という穴から私の中を汚していく。
異物感に襲われつつも恍惚を味わう。
「もっと・・・」
現実味が薄れはじめる。
身の毛もよだつ浮揚感。
「もっと、私を・・・」
――ククククク・・ 俺を謀った事に対する報いのはずだったが・・
まさかハイラルの姫様がここまで淫乱だったとはな。
「報い」は後に別で受けてもらおうか。ククク・・ ハハハハハハハ!
ライクライクの責めは唐突に終わりを告げた。
その粘性のある身体は糸の切れた人形の如く地面へと還っていく。
ほぼ時を同じくして、重みのある嘲るような声。
「ククククク・・ 俺を謀った事に対する報いのはずだったが・・」
比喩ではなく紛れも無く嘲る声。
「まさかハイラルの姫様がここまで淫乱だったとはな。」
怒るような素振りは無く、むしろ楽しんでいるようにも見える。
「最早お前に肉体的な責めは意味を成さないだろうなぁ・・?」
にたり、と嫌な笑みを浮かべてにじり寄るガノンドロフ。
「精神的な責めを用意したぞ・・!」
指を鳴らしたガノンドロフの背後からリーデッド。
その魔力の篭った眼窩は相手を縛るかのような力を持つ。
疲弊したゼルダは抵抗する間もなく身体の支配を失った。
「さぁ、俺の相手をしてもらおうか」
ゼルダはガノンドロフを受け入れた。
拒むものは意思という脆弱なものだけ。
魔力に囚われ動けず、慣らされた身体には拒む事ができなかった。
その巨大な陰茎を陰唇へと付き立て、一息に差し入れた。
ゼルダが甲高い悲鳴を上げる。
それを下目に見遣りつつ嘲笑の表情を張り付けたガノンドロフ。
ゼルダの豊かな胸を思うが侭に弄び、感触を楽しむ。
ガノンドロフの腰の動きは激しく、自分勝手。
「いや、いやぁ・・」
ゼルダの濡れた声が牢に響く。
同様に響く、愛液の掻き乱される音。
忌むべき相手に貫かれ、玩具となる。
心は涙を流し、拒絶する。
身体は涎を垂らし、渇望する。
厭な相手なのに。配慮も何も無い行為なのに。
それでも悦ぶこの身体は、何?
自分の心って、何なの?
誰か、教えて?
ゼルダの目に宿っていた光が消える。
双眸からはただ涙のみが流れる。
それでもゼルダは意思を失ったように壁にもたれている。
あるいは、意思を失ったのか。
「呵責、か・・」
ガノンドロフの高笑いが薄暗い牢に木霊する・・