アンジュは宿の扉に鍵をかけた。  
今日も一日が終わる・・・。  
時計のカタッカタッという静かな音しかなかった。  
あとは静寂・・・・  
宿の中の点検をしてまわることにして、階段をのぼる。  
奥のほうから愉快な笑い声が聞こえる。  
 
― あの月が落ちると噂されてからは、客はあの人たちぐらいだ。  
 
自分でもわからないぐらい小さなため息をついてからアンジュは階段を下りる。  
中には寝てる人もいる。気遣いの良いアンジュはなるべく音をたてぬように進む。  
世界には時計の音と自分のスリッパの音しかない。  
そんな気持ちにさせる静寂だった。  
全て点検しおわったと息をついて、自室に向かおうとする。  
階段の最初の段に足をかけたところでふと止まる。  
「トイレの点検はまだだったかしら・・・」  
キュッとスリッパの音をさせてトイレへ向かう。  
いつもどおり、なんのへんてつもないトイレ  
 
では無かった。  
便座から・・・手がでている。  
ばらばら殺人かと思い、悲鳴をあげそうになり、声を無理やり飲み込む。  
寝ている人もいる・・・  
気遣いの良すぎる彼女はそんなことまで気にしていた。  
少し天然がはいっているせいもあり、状況と考えがかみ合わない。  
 
音を最小にしようとスリッパを脱ぎ、恐る恐るトイレへ近づく。  
すると、それは・・・喋った。  
「・・・・・こっちきな。」  
トイレの中から・・・・ッ  
目を見開いてから彼女は命令に従う。  
反抗や不満は自分の中に詰め込むよう教えられてきたからだ。  
「またがれ」  
「・・・ッ!やっ・・・」  
思わず反論の声がでる。するといきなり手がアンジュの足をつかんだ。  
「・・・ひぃやっ・・!」  
手はアンジュの足を引っ張り、アンジュは便座の上にまたがる格好となった。  
逃げようとしたアンジュは止まってしまう。その格好のまま動けなくなった。  
「な・・・んでぇ・・・・ッ」  
非的な声をアンジュがあげるが、答えるものはいない。  
おそらく精神的なもので、勇気をだせば動けるはずだった。  
しかし、アンジュは手が魔法をだしたととっさに仮説をたてそれを信じてしまったのだ。  
動こうともしなかった。  
それをいいことに手はパンツの上からアンジュの大事な部分を撫で回す。  
「ひ・・・ぁん・・・やぁ・・ぁん・・・」  
アンジュが抵抗の声をだそうとすると、それは喘ぎ声へと変わってしまう。  
パンツが湿った。  
知らないなにかに触られている・・・ぞっとするが、なんでか・・・・快感が身を襲った。  
快感から目を閉じてしまおうとした。  
しかし、瞬間アンジュの脳裏になにかが走る・・・・  
   カーフェイ・・・・  
「・・・いや・・・カー・・・フェイ・・・たすけ・・・・て・・・」  
 
必死に抵抗する。しかしその声もしばらくすると喘ぎ声に変わる。  
パンツがおろされた。  
ぐちゃぐちゃにヌレていた。  
手は器用に指をつかってアンジュのポイントをおさえる。  
「・・・はぁん・・・やん・・・ひぃ・・ん・・・ん・・・」  
息が荒くなっていく。  
指が自分にはいってくる。  
「ああっ・・・・っと・・・指を・・・ふかく・・・・もっと・・・もっとぉ・・・」  
液がまわりに飛び散った。  
と、唐突に指は激しく動いた。まるで、アンジュに声をださせるように。  
「ああぁん はっあ やんやッ ん あッあんはぁん」  
その行為になにか不自然さを感じ、少しからだをひねって後ろを見る。  
とたんにアンジュの目は驚愕にひらかれる。  
そこに立っていたのは、口を半開きにさせたままの・・・・リンクだった。  
 

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