俺は、久々にロンロン牧場へと足を運んだ。  
ガノンドロフを倒した時以来、となるだろうか。  
七年前にナビィに出会い、七年の時を越えガノンドロフを倒し……あれ?  
七年前の七年後って事は、たぶん倒したのは今頃ってことだよなぁ。  
でもこれから倒すという以前に、既にガノンドロフはいない。  
てことは、俺がいるのはある意味あの時とは別のハイラル、という事に……?  
……まぁ良いや。平和なのは良い事だ。  
「あ……もしかして妖精クン!?」  
その声には聞き覚えがあった。  
聞き覚え以前に、俺を妖精クンと呼ぶ人物は一人しかいないはずだ。  
「マロン! 久しぶり!」  
「やっぱり妖精クンだ!」  
屈託の無い笑みを浮かべて手を振っている。  
俺も手を振り返し、駆け寄る。  
「牛乳、貰えるかな?」  
実は、あの味が恋しくてここに来ていたのだった。  
「う〜ん……ちょっとだけ仕事が残ってるんだけど……」  
それは致し方ないことだ。  
俺は、終わるまで待ってるよ、と伝えようとした。  
 
「少し遅くなるけど、良ければあたしの部屋で待ってて?」  
……………………………………!?  
今、何か信じ難い事を言ったような。  
ってか、なぜか鮮烈なデジャヴを感じる。  
「……ハイ?」  
とりあえず、聞き返してみることにした。  
「もう……聞いてなかったの!? 遅くなるからあたしの部屋で待ってて?」  
聞き違いではなかった様子。  
え……それは……つまり、こういうことですか?  
「部屋で待ってろと。入っていいと」  
「うん。だからそう言ってるじゃない」  
激しく抵抗があるんだけど……  
ま、まぁ良いか。では厚意に甘えて。  
「じゃあ、部屋で待ってるよ」  
 
とうとう、入ってしまった。  
……デジャヴが。激しいデジャブが。  
なんでだろう……記憶を辿るんだ、俺……  
そう、あれは確か……七年前の七年後の七年前。  
……ガノンドロフがいた七年前。  
こんな風にマロンの部屋に入って……  
 
「!」  
思い出した。端的に言うなら、搾り出された。  
ということは、この後俺が空き瓶とルピーをマロンに渡す。  
それから、口移しとかあんなことを……?うわ、生々しい。  
でもあの時は子供だった。今は大人。何か別の展開があるかも?  
などと頭を抱えて色々考えていると、ノックの音が聞こえた。  
「お待たせー。えーと、ミルクだったよね?」  
「え? ああ、はい、ルピーと空きび……」  
言いながら顔を上げると、なんかとんでもない光景が待っていた。  
「えーと……マロンさん?」  
「何? 妖精クン」  
「なぜあなたは何も着ずにそこにいらっしゃるので?」  
失礼だけど、俺は正直思った。この人大丈夫かと。  
「ミルク」  
マロンは、たぷんたぷんと自分の乳房を持ち上げて言った。  
……答えになってない。  
「マロン、それはどういう……」  
「ミルク」  
だからそれは答えとしては不十分だと思う。  
「マロン……」  
「ミルク」  
もしやこっちの意思は、はなから無視か……?  
 
「目を閉じて、口を開けて」  
ああ、これも既視感が。ということは待ち受ける展開は大体予想できる。  
予想できるけど……逆らえない! 今回はマロンが普通に大人だから期待してしまう!  
俺は真性の馬鹿か!? でもこれだけは主張させてもらいたい。  
俺が馬鹿なのは剣士だからじゃない。男だからさ……  
そんな脳内一人問答を繰り広げつつ、期待に胸を膨らませ待つこと数分。  
「!?」  
口の中に生暖かい感触。  
甘いような懐かしいような優しいような味がする。  
瞼を開くと、目の前のマロンの大きな乳房から、母乳らしき液体が。  
とりあえず飲み干す。美味しい……けど。  
「……ん!?」  
ぼ、ぼにぅ!? 口を満たすくらいの量が出るって事は身篭った事が!?  
一体誰の子!? 近親相姦!? いや、インゴーさんか!?  
それとも辛い過去が……? いつの間にそんな事に……  
「じゃあ、精液の処理するよー」  
……あ。  
 
気付いた時には後の祭り。  
俺のモノは、外気に触れて元気に自己主張をしていた。  
期待していたとは言え、何とも呆気なく……  
マロンが俺の陰茎に、いつの間にか瓶にも溜めていたらしい先ほどの母乳を塗る。  
そして、やわらかすぎる乳房が俺の陰茎の全てを包み込んだ。  
さらにマロンは手で乳房ごと陰茎を挟み、上下に擦り始めた。  
結果、陰茎がやわらかい乳房とぬるぬるな母乳で擦られて危ない感じに。  
それはとても気持ち良く、陰茎が痛いくらいに勃起しているのがわかる。  
むしろ、痛い。きっと許容量オーバーで炸裂する。  
あたたかさと安心感と優しさをくれて、なおかつ性欲を催させる乳房が蠢く。  
やわやわと、形を変えつつも陰茎を離さないやわらかさ。  
ぬめぬめと、いやらしく乳房をアシストする母乳。  
ぎりぎりと、圧迫感を与えつつも苦しくは無いその微妙な力加減。  
加えて、七年前の七年後の七年前の記憶がフラッシュバック。  
さらにちろちろと亀頭を責める舌が加わり、とうとう射精に至った。  
やはりというかなんというか、顔には大量の精がかかっていた。  
再び記憶がフラッシュバック。俺は一瞬にして硬さを取り戻した。  
……なんて単純なんだ、俺。  
 
「まぁ、こうなるんだろうな……」  
正に案の定、マロンは俺に跨り、陰茎に女性のそれをあてがった。  
さすがに記憶とは違い、幼さのあったそれは大人の様相を呈し……いけないいけない。  
そしてマロンは一気に、腰を下ろした。  
中は記憶よりも恐ろしく……閑話休題。  
激しい締め付けと、くすぐるような襞の激しい責め。  
締め付けるというよりも吸い込んでいる、誘い込んでいるといった表現が正しい。  
そう思わせるほどに、そこは俺の陰茎を根元からきつく閉めていた。  
襞にしても、それそのものが意思を持っているかのように陰茎にまとわりつく。  
精を搾り出すべくして成ったような、そんな錯覚さえ覚えさせる。  
とうとう、腰の動きが加わった。  
大きな弧を描く運動。  
陰茎が中でざらざらと擦れて、かなり強い刺激がある。  
腰を上下させる。  
強い締め付けが上へ下へと移動し、搾り出される、といった感覚が強くなる。  
そろそろ……我慢できなくなってきた。  
 
マロンと俺の荒い息が同調する。  
大人だし、別に良いよな。たぶん。  
「く……ああ……!」  
俺の精液がマロンに注がれる。  
ごめん、マロンの旦那さん。もし孕んだら赦してくれ。  
「ああ……んっ……あっ……!」  
少し遅れて、マロンも果てたようだった。  
……正直を言うと、外すのが惜しいくらいに気持ち良い。  
余韻に浸り、そのまま頭の片隅で、来た時の考え事を薄ぼんやりと再開した。  
マスターソードで時を越えたあのハイラルと、今のハイラルは、別のものなのだろうか。  
今のハイラルは、もはやガノンドロフはいない事になっているように思う。  
けれど、俺が旅立った時のハイラルには間違いなくガノンドロフはいた。  
しかし、ガノンドロフがいないにも関わらず、今のハイラルのデクの樹様は……  
……考えるのはやめよう。今の俺にはきっと確かめようがないし、やはり平和が一番だ。  
「お母さん!」  
突如、部屋の扉が開く。小さな女の子。  
マロンに似てはいるが、どこか微妙に違う雰囲気。絶対に娘さんだな。  
見せちゃいけない光景だよなぁ、これ……トラウマものだ。  
「入ってきちゃいけないって言ったでしょ? もう……この人がお父さんよ」  
「わぁ、お父さん!? 初めまして!」  
……どうやら、意外とすぐに確かめる事が出来たようだ。  
実にたくましい母子だと、思った。  
 

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