「さて」 
 ケポラ・ゲボラが軽妙な口調に戻った。 
「役目は果たしたとはいえ、わしがおぬしらのためにしてやれることは、まだ残っておるようじゃ。 
が……」 
 神殿の方にちらりと目をやったあと、 
「おぬしらにも、いろいろと事情があろうゆえ……」 
 こちらに向き直り、にやりと笑うような顔つきになったケポラ・ゲボラは、 
「折を見て、また来る。ゆっくり過ごすがよい」 
 と言うやいなや、砂の上から身を飛び立たせた。その姿は見る間に暮れかかる空へと吸いこまれ、 
羽ばたきの音もじきに聞こえなくなった。 
 ケポラ・ゲボラが自分たちのためにしてくれることというのが何なのか、リンクには想像がついた。 
「事情」についても把握できていた。しかし、それよりも先に直面しなければならない別の事情が、 
その時にはあった。 
 三者のうちの一者に去られてしまうと、意識は必然的に、自分を除く一者へと向く。それまで 
交わしていた自然な会話を続けられなくなった。 
 一つの懸念があったからである。 
 言おうかどうしようか、言うとしたらどんなふうに言おうか──と、しばらく心を惑わせたのち、 
リンクは思い切って、 
「シーク」 
 懸念を晴らす方向へと自らを動かした。 
「あの時の……ことだけれど……」 
 言いにくい。 
「……地下室での……あれだよ」 
 表情をうかがう。 
 黙ってこちらを見ているシーク。冷静な目だ。ますます言いづらくなるが、いったん始めた話を 
途中でやめるわけにもいかない。 
「あれは……あの時限りのことと思っていいかい?」 
 シークとの交わりはラウルを覚醒に──現時点では半覚醒だが──至らしめるためのものだった。 
それが実現した以上、今後はもう必要のないものであるはず。あの時以来、さっきの話の中で 
触れるまで、シークがこの件に全く言及しなかったのも、同じような潜在観念があったからだろう。 
 ──と推し量ることはできても、確信が得られなかった。訊かずにはいられなかったのである。 
 後悔しているわけではないし、嫌悪しているわけでもない。それどころか、あの交わりは、 
ぼくにとって──そしてシークにとっても──感激的な真実のほとばしりだった、と、いまでも 
ためらいなく言い切れる。 
 が…… 
 その行為は、ぼくとシークとの関係に、どうもうまく整合しない──と思えてならない。 
「何かが違う」と感じられるのだ。何が違うのかというと……たとえば…… 
 地下室でシークが示した熱情を、かつてゲルドの谷で交わしたキスに重ね合わそうとして、 
ぼくは一瞬、違和感を覚えた。同じようでいて、どこか微妙に「違って」いるようにも思われる──と。 
 あのキスのあとシークは、賢者の全滅という絶望的状況を一気にひっくり返す、起死回生の策を 
呈示した。マスターソードを用いて過去へ戻り、賢者の運命を書き換えろ、と言い出した。 
いまとなってみれば、シークがその妙案を思いついたのも、マスターソードの作用を知るラウルが 
心の内にひそんでいたからこそ、と頷けるのだが、そこに働いていたのがラウルの意思だけとも 
いえない気がする。あのキスが何らかの影響を及ぼしていたのであれば── 
「そう思ってくれていい」 
 リンクは我に返った。さっきの問いに対するシークの答だと気づくのに、若干の間が必要だった。 
こちらから訊ねておきながら、思いにふけってしまっていたのである。 
「……わかった」 
 意にかなう返答に、ほっとしながらも、リンクは疑問を持った。 
 答をよこすまで、しばらく時間がかかった。シークは迷っていたのだろうか。ひょっとすると、 
ぼくが感じているのと同様のことをシークも── 
 再び深まり始めた思いは、すぐに中断をやむなくされた。シークが唐突に立ち上がったのである。 
「火を起こしておこう」 
 太陽は砂漠の果てに落ちかかり、空はさらに暗みを増しつつあった。 
『これもいずれはわかるだろう』 
 リンクは思いを横にやり、シークとともに作業を開始した。  
 
 ほどなく時は夜となった。オアシス脇の木立から集められた枝々は、気候のせいでからからに 
乾ききっており、その一本に火を点ずるや、たちまち全体が炎と化して、闇を周囲に追い払った。 
日中の酷暑が去り、なおも空気が冷えてゆくにつれ、焚き火は唯一の熱源ともなった。人の生活とは 
隔絶された環境の中で、それは美しくも頼もしい存在だった。水に映る影さえもが暖を放っている 
ように感じられた。 
 リンクは火の前にすわり、敢えて難しいことを考えず、心と身体をくつろがせた。横に坐す 
シークとの間に会話らしい会話は生じなかったが、気詰まりにはならなかった。 
 空腹を覚え始めた頃、神殿の方角に小さな光が見えた。光は徐々に近づき、やがてナボールと 
『副官』が火の明るみの中に入ってきた。ナボールの手にしたカンテラが光の正体だった。 
 夕食が始まった。旅先とあって豪華な献立は望むべくもなかったが、四人ともが食料を所持して 
いたので、量に不足は生じなかった。 
 態度も口調も快活なナボールに対し、『副官』の物腰は神妙で、口数も少なかった。何かを 
心の中に溜めているようだった。 
 二人の──主にはナボールの──言により、事情は推測できた。ナボールが『魂の賢者』であり、 
これから覚醒を得てガノンドロフ打倒という役割の一端を担うこと、それに伴い、ナボールは 
現実世界から切り離され、二度と再び会えない存在となることを、『副官』は知らされていたのだった。 
 ナボールもまた、『副官』からその境遇を聞かされていた。いまやゲルド族全体の指導者と 
なった『副官』が、世論を反ガノンドロフに統一し、社会の変革を押し進めている件である。 
それは自分の意志と合致するところであるから、あとは『副官』に任せる、『副官』なら立派に 
やっていける──と、ナボールは強調した。リンクとシークに話しながら、同時に『副官』にも 
言い聞かせているふうだった。 
『副官』は黙って火を見つめていた。すでにナボールから同じ励ましを受けていたに違いなく、 
そこで口をきく必要を感じなかったのだろう。ただ、その励ましによって、ナボールとの永遠の 
別離という厳しい運命を甘受する覚悟が、『副官』の胸中で強められているのは確かだと思われた。 
神殿に現れた時のような感情の発露はなかったものの、それがかえって『副官』の心情の深さを 
うかがわせた。  
 
「ところで──」 
 硬い雰囲気を振り払うように、ナボールが明るい声を出した。 
「この娘がここまでやってこられたのは、もちろん本人の頑張りがあってのことだけど、 
あんたたちがいたからっていう面もあったみたいだね」 
 ぼくたちとの関係を『副官』が話したのだ──とリンクは察した。 
「礼を言わなきゃ。特に、シーク、あんたには」 
 視線がそちらに向けられる。 
「あんたのことはケポラ・ゲボラの爺さんから聞いてたけど、まさかこの娘といい仲だとは 
思わなかったよ。こう見えてもいっぱしの荒くれ女だったこの娘を、いったいどうやって 
落としたんだい?」 
 訊かれたシークは平静な態度を崩さず、まともに応じようとはしない。 
「じゃあ、リンク、あんたは?」 
 矛先を転じられ、どぎまぎしてしまう。言葉を濁しながら目を移すと、いつもは強気の 
『副官』が、顔を真っ赤にしてうつむいている。 
 ベッドの上でならともかく、人前でそんな風情を示す『副官』を見るのは初めてだ。 
ナボールという姉貴分がそばにいるからなのだろうが、それにしても案外な印象。 
 案外といえば『副官』は、この露骨な話題を恥ずかしがってはいても、いやがっている 
様子ではない。深い仲である二人が、一方の男関係をあけすけに語り語られ、しかもそうした 
状況を異常とも思っていないのだ。こちらとしては戸惑ってしまうが、これもゲルド流の 
大らかさなのか。多少のことでは揺るがない二人の繋がりの強さを物語っているようでもある。 
 おおよその内容は『副官』から聞き出していたのだろう、答えられないこちらを追いつめもせず、 
ナボールはからからと笑って話にけりをつけた。 
 その笑いが治まったところで、ナボールの腰が砂から持ち上がった。 
「行こうか」 
 自分にかけられた言葉とわかり、リンクもあわてて身を立たせた。何が起ころうとしているかは 
察知できた。 
「またあとでな」 
 と『副官』に言い置いたのち、カンテラを手にしたナボールは、神殿に向かってさっさと 
歩き始めた。 
 リンクはすわったままのシークと『副官』に目をやった。 
 二人ともこちらを見ている。シークは無表情。『副官』はかすかに微笑んでいる。いぶかる 
様子は全くない。二人もまた、これから起こることを理解しているのだ。 
 何か言うべきかと迷ったが、言うべきことを思いつけない。結局、片手を曖昧に上げてみせた 
だけで、リンクはその場を離れ、ナボールのあとを追った。  
 
 神殿に入ったナボールは、大広間では足を止めなかった。階段を登り、すたすたと右側の通路を 
進んでゆく。リンクは遅れまいと歩調を速めた。神殿内は真っ暗で、ナボールが持つカンテラの 
光がないと、すぐ目の前の状況すらわからなくなりそうだった。 
 女神像の部屋に向かうのが本来の道筋である。ところがナボールは途中で、細い枝道へと 
進路を変えた。すぐに行き止まりとなった。道はそこで幅を広げ、小さな空間を形づくっていた。 
扉があるわけではないが、こぢんまりとした部屋のような雰囲気である。壁も床も天井も、 
みな同質の石造りで、装飾は皆無。殺風景といっていい内観でありながら、しかし冷たい印象は 
受けない。石の色調や肌触りが、不思議な暖かみを感じさせた。 
 床は平坦で、大きな布が敷かれていた。自分とシークが携えてきた砂除けの布だと気づく。 
神殿に到着した時、大広間に脱ぎ落とし、それきりになっていたのだった。 
「勝手に使って悪かったね」 
 こちらの視線に気づいたらしく、ナボールが謝罪めいた台詞を口にした。言葉とは裏腹に、 
悪いと思っているふうには見えない。けろりとしている。リンクも責める気にはならなかった。 
もともと砦で借りた品であり、ナボールが使っても何ら問題はない。ただ、この場での布の用途が 
リンクの意識を捉えていた。 
 布には点々と染みがついている。原因は明白だ。見ていると、二人の女の体臭があたりに漂って 
いるようにも感じられてくる。 
 そればかりではなかった。床の隅にベルトつきの張形が放り出されていた。 
 潜伏を続けていたナボールがこんなものを持っていたとは考えにくいから、これは『副官』が 
持参したのだろう。ナボールに使われることを切望して。その望みはおそらく……いや、 
間違いなくかなえられたはず── 
「ぼけっとしてないで、すわったらどうだい?」 
 意識が引き戻される。布の上にあぐらをかいたナボールが、にやにやしながらこちらを 
見上げている。リンクは装備を解き、ナボールから少し離れた所に腰を下ろした。すかさず 
声がかかる。 
「もっと近くに来なよ」 
 尻を横にずらせる。けれども身体が触れる位置にまでは持ってゆけない。 
 どうすべきなのかはわかっているし、場のなまめかしい雰囲気に煽られもするのだが、 
ナボールがさばさばしているので、きっかけをつかみにくい。 
 相変わらずにやにや笑いのナボール。こちらがためらうさまを楽しんでいるかのようだ。 
 そんなナボールのいでたちに、いまさらながら注意を引かれてしまう。ゲルド風の衣装。 
下半身は足首まであるゆったりとしたパンツに包まれているが、上半身は褐色の肌が広く 
露出している。胸に細い布を巻いているだけだ。その胸の盛り上がりから目を離せなくなる。 
 戦っている間は意識する余裕がなかった。前に会った時も緊迫した場面ばかりで、気にかけて 
いる暇などなかった。 
 あ、それでも、一度だけ──  
 
「ほんと、いい男になったね、あんた」 
 いかにも感慨深げに言いながら、ナボールがにじり寄ってくる。 
「あの時の約束、守ってやらなきゃ」 
 約束? そうだ、七年前のあの時、ナボールが言ったのは── 
「いいことしてやるよ」 
 ナボールの左腕が肩にまわされる。右手が股間に伸びてくる。 
「ん……!」 
 下着越しにつかまれる。揉まれる。すでに硬くなっていた陰茎が、ますます硬さを増してゆく。 
 相手の意思にかかわらずセックスを要求するのがゲルド流。ゆえに男を物理的にいきり立たせる 
手技は堂に入っている。七年前のぼくも、あっという間に勃起させられてしまった。いまだって 
あの時と同じように……いや、これは── 
 右手が下着の中に入ってくる。じかに握られる。しごかれる。先端を撫でられる。滲み出る 
粘液が摩擦を奪い、指先が優しくそこをすべる。 
 そう、優しく! 
 七年前と同じじゃない。荒っぽい中にも温和な操作。思いがけないやり口。ぼくにとっての 
「いいこと」だから手控えているのか? 
 それどころではなかった。 
 ひとしきりの玩弄ののち、右手が離れる。左腕も肩からはずされる。両手がこちらの下着にかかる。 
一気に引きずり下ろされる。ぴんと屹立した部分を再び右手がつかむ。同時にナボールが上体を倒す。 
口の中に含まれる! 
 驚き! 驚きという言葉では表現できないほどの驚き! 
 ナボールが自分から男の物をくわえるなんて! シークに教えられた『副官』ならともかく、 
男を歯牙にもかけないゲルド女の、その中でもひときわ精悍なナボールが! 
 経験があるのか? まさか! 慣れているふうではない。とはいえ初めてとも思えない。 
男を刺激する壷は押さえている。口の動きは雑駁だけれど、洗練されない舌使いだけれど、 
いや、だからこそ、野性味あふれるやり方だからこそ、ぼくは一段とそそられてしまう。それに 
ナボールが、あのナボールがぼくを啜ってくれているという望外の事態がますますぼくを── 
「びっくりしたかい?」 
 不意に口を離したナボールが、悪戯っぽい笑いを浮かべてぼくを見上げる。 
「そんじょそこらの男だったら、絶対こんなことはしないよ。あんただからやってるんだ。 
そのへん、わかっとくれ」 
 ぼくだから? 何とも嬉しい言い草。でもぼくのどこがそんなに── 
 再びナボールがぼくを舐めずり始める。快感と思考が一体となって頭の中を駆けめぐる。 
徐々に快感が立ちまさり、思考を駆逐しそうになった時、硬直が解放される。はあっと息を吐く 
ナボール。呼吸を止めてしゃぶっていたのだ。やはり慣れていないせいなのか。 
「ぼくだからっていうのは──」 
 その機をつかんで思考を戻す。 
「ぼくが君を賢者として目覚めさせる存在だから?」 
「そんなことよりも──」 
 とナボール。 
「あんたが強い男だからさ。あたしにとっちゃ、そこがいちばん大事なところなんだ」 
 強い? 戦うたびにへまをやるぼくだが、なるほど、結果的にはそう言われてもおかしく 
ないだろう。つまりナボールは自分に見合うだけの強さを相手に求めていて、ぼくはその求めに 
かなうだけの──  
 
「なあ」 
 低い声で呼びかけてきたナボールが、 
「あたしがここまでやってるんだ。あんたもさ……」 
 恥じる様子もなく自分の股間を指す。 
「……してくれよ」 
 いいとも、君の求めにかなうぼくだということを示してやる! 
 下半身の衣装に両手をかける。下着ごと足首まで引き下げる。一挙にさらされる素肌は、 
日焼けした上半身に比べると色調が淡いが、それでも野趣に富む浅黒さ。とりわけ目立つのが 
下腹部に密生した赤褐色の恥毛だ。ちりちりと縮れて絡み合って、まるで野生植物のような 
生々しさを感じさせる。そしてさらに下の、ちょっと顔を近づけただけで汗に混じった女の匂いが 
むっと押し寄せてくるそこは、黒ずんだ皮膚がぱっくりと開いて真っ赤に充血した粘膜を 
露呈しているその場所は、男を噛みちぎらんばかりのセックスを何度も経験したに違いない獰猛な 
女の部分は、いまぼくの目の前にあって、だらだらと淫らな液を漏らしてびしょびしょに 
濡れそぼっていて、それは『副官』との交わりの名残でもあるんだろうけれど、今度はぼくが 
濡らしてやる、もっともっと濡らしてやる、だから噛みちぎられるのを覚悟で、いや、逆に 
こっちが噛みちぎってやるくらいの勢いでぼくは顔をぶつけてゆく! 
「ああッ!」 
 ナボールが叫ぶ。ぐいと背がのけぞる。腰が震える。その腰を両手でがっちりと固めておいて、 
ぼくは熱した谷間に唇を、舌を、口全体を、鼻や顎までを、ぐいぐいと押しつけ、こすりつけ、 
ふるふると勃起した女の中心を、そこだけは優しく舐めて、 
「くぅぅッ……!」 
 時には歯の間にはさんでみて、 
「あッ!」 
 次々に移ろう声を実感する。 
 急襲に怯みを見せたナボールは、しかしすぐに立ち直ってぼくを口中に捕らえる。舌が踊り出す。 
唇が蠢動する。またも煮えたつ快感がぼくを凝固させる。けれども次の瞬間、それ以上の快感を 
与えてやるんだとぼくの口はいっそう激しくナボールの雌肉を抉る。 
 横向きとなって互いの秘部を貪る二人の行為は、 
「ちょっと……待って……」 
 ナボールの呟きによって終結をみた。 
 股間から顔を離し、上体を起こす。同様に起き上がったナボールがこちらを見ている。 
目がぎらついている。荒ぶる息に合わせて肩が揺れている。凝視が続く。長くはなかった。 
やにわにナボールの手が動く。両足の靴が、続けて踵に絡んだ下の衣装が脱ぎ捨てられる。 
 待って何をするのかはもう明らかだ。ぼくも自分の衣服に手をやる。何もかもを身から剥ぎ取る。 
ぼくの身体だけのぼくになる。 
 ナボールもほとんど裸だ。ただ胸の布だけが残っている。なぜ取らない? 時間は充分あった 
はずなのに。 
 寄りかかってくるナボール。無言。ぎらつきを増した目だけが何かを言い立てている。 
 どうしろと?  
 胸が突き出される。挑むように。誘うように。 
 理解した。 
 男としての行動をナボールはぼくに求めているんだ!  
 
 抱き寄せる。伝わってくる温かみ。滑らかな肌。細めの胴。戦士として優れた運動能力を 
有してはいても、筋肉はさして目立たない。若さと成熟が均衡した、紛う方ない女の身体だ。 
 背に手をまわす。無抵抗のナボール。胸を躍らせながら結び目を解く。はらりと落ちる布。 
隠されていた最後の部分が現れる。心持ち外を向いた二つの小山。とりわけ豊かとはいえない 
けれど、緊満した曲面が内部の密度を想像させる。広めの乳暈の中心に濃褐色の乳頭が 
そそり立っている。 
 そっと手に包むと──やはりナボールは何も言わない──想像したとおりの弾力と、硬い先端の 
隆起部が、異なった、しかし不思議に釣り合った触感をぼくにもたらす。 
 揉む。つかむ。撫でまわす。右を。左を。両方を。 
 目を閉じて切ない喘ぎを漏らすナボール。 
 わくわくする。 
 勇猛果敢なナボールが、いまは仕草まで女であろうとしているのか。男としての行動を 
求められたぼくは、続けて男を期待されているのか。だったらぼくは── 
 勇んで身をのしかからせようとした瞬間、 
「おっと」 
 腰をすくわれ、仰向けに倒される。あべこべにのしかかられる。 
「そう簡単にはいかないよ。まずは──」 
 上に跨ったナボールが膨張しきったペニスをつかみ、 
「あたしの流儀でやらせてもらおうか。それとも──」 
 自らの入口に押しつけたところで行動をとどめる。 
「こういう格好は気に食わないかい?」 
「え? いや……」 
 何度も経験した体位だ。どうということはない。 
「ツインローバにもこんな具合に犯られたんだろ? あいつは乱暴だから、さぞ大変だったろうと 
思ってさ」 
 ああ、そのことか。確かに思い出したくもない一件ではあるが、そんなことなど── 
「かまわないよ」 
 初めてナボールと結ばれる。その感動が胸を熱くする。ただナボールの流儀というところに 
多少の危惧はあって、それがゲルド族の流儀を意味するのなら── 
「じゃあ──」 
 ナボールがどさりと腰を落としてきた。 
 ずい!──と灼熱の隘路を貫くが早いか、それは緊密な肉襞にみっしりと挟まれる。強い圧迫が 
もたらす喜悦に浸りながらも、襲い来るであろう体動を待ちかまえる。  
 
 ところがナボールは動かない。ぎゅっと目をつぶり、口を引き絞り、首を後ろに傾け、両手を 
ぼくの胸に当てて、凍ったように静止している。呼吸さえしていない。 
 達したのか?──と思ったが、そうではなかった。止まっていた時が再び流れ出したかのごとく、 
ナボールの反応が復活する。肩から力が抜け、目が開き、喉から深い息が吐き出され、 
「いいね……男の味ってのは……」 
 しみじみと言葉が紡がれる。 
 続けて腰が活動を始める。初めはゆっくり、次第に速く、ついには激しい上下動となって、 
中の肉柱をしごきたてる。 
 危惧したとおりの荒々しさ──と観念して打ちつけられる腰の重みに耐えるうち、はたと 
趣向が変わる。いきなりしごきが止まったかと思うと、再びゆるゆると運動が始まり、速まった 
ところでまた止まる。周期を少しずつ長短させつつそれは反復される。時にはきゅっきゅっと、 
あるいはじんわりと膣壁が収縮し、捕らえた獲物を弄ぶ。 
「ん!……うッ……」 
 強まる快感。漏れ出る呻き。 
 とろけそうになる頭の中を、ぼくの思考は漂ってゆく。 
 単純といえば単純なのだが、それでも意外な多様さ。上に乗って活発に躍動する点、 
ゲルド流ではあるけれど、決して一方的ではない。自分の快楽を追うだけでなく、こちらを慮る 
意図が感じられる。砦で出会った時の女たちとも、ましてやツインローバとも、全く異なった 
振る舞いだ。 
 だけじゃない。砦の女たちに犯された時は、誰もかれもあっという間に行き着いてしまった。 
その程度の時間はとっくに過ぎているのに、まだナボールは達しない。自分を制御しているのだ。 
それもこちらへの配慮なのか。 
 ナボールだってゲルド族。『副官』とは違って男と対等に交わるやり方など知らないだろうと 
思っていたが、どうもそうではないようだ。やはり何らかの経験があるのだろうか。 
 ──などと考えているうち、ナボールが制御を失い始める。多様だった動きが単調となる。 
絶え間なく腰を上下するだけになる。同時に── 
「……どうして……こんなに……男って……」 
 ──意思によるとは思えない朦朧とした呟きが── 
「……いいんだろう……ほんとに……とっても……」 
 ──途切れ途切れに口から流れ出し── 
「……けど……やっぱり……誰でも……」 
 ──両目はとろんと陶酔の色を湛え── 
「……いいって……わけじゃ……なくて……」 
 ──小刻みだった腰の動きが── 
「……リンク……あんた……だから……」 
 ──少しずつ、少しずつ、大きくなって── 
「リンク!」 
 唐突な叫び。見開かれる目。 
「あんただから!」 
 俄然、体動が激甚となる。両の乳房が乱舞する。濡れた恥毛が離合する。がちがちの男根を 
軸としてどろどろの女陰が必死の往復運動を繰り返す。 
「ああッ! リンクッ! 突いてッ!」 
 すぐさま両手で腰をつかみ、動きに合わせて突き上げる。 
「おぉッ! いいッ! いいよッ!」 
 摩擦の度合いが倍加する。それがぼくをも夢中にさせる。けれどいち早く── 
「もっとッ! あうぅッ! もっとぉッ!」 
 いこうとしている、ナボールがいこうとしている、ぼくをぎしぎしと絞りあげて── 
「うあッ! そうッ! もうッ!」 
 ぼくを貪欲に噛みしめて食い散らかしてその果てに── 
「いくッ! ああぁッッ!! いくうぅぅぅーーーーーッッ!!!」  
 
 結合部から全身のすみずみへと爆発的に拡散してゆく快感を、閃光に満たされた脳髄の中で、 
からくもナボールは認識した。感じられるのはそれだけで、他には何も考えられなかった。 
考えないでいられること自体がこの上なく嬉しかった。 
 絶頂感が引いてゆくにつれ、おのれの姿勢が把握されてきた。 
 上体が前に倒れている。顔はリンクのそれを押しのけ、首筋に接している。下にある胸板に 
乳房が密着し、両手はリンクの肩をしっかりとつかんでいた。 
 膣内に埋まった陰茎は硬度を保っており、いまだリンクが達していないとわかった。にもかかわらず、 
リンクの腰は突き上げを行っていなかった。欲求を抑えているのだ。こちらが充分に悦楽の余韻を 
味わえるよう、果てた身体を静かに受け止めてくれているのである。リンクの両手が背に柔らかく 
触れているのを、ナボールはようやく自覚した。 
『結局……ひとりでいっちまったか……』 
 強圧的に男を蹂躙するという、ゲルドの女としては当然のやり方を、敢えて放棄するつもり 
だったのに…… 
 男と交わったのはずいぶん久しぶりだ。そのせいでうまく加減ができず、最後は自分の 
快楽だけを追う形になってしまった。思いやりあるリンクの態度に引き比べると、面目ないという 
気持ちになる。 
 かつてのあたしは、こうじゃなかった。男なんて奪って犯すものだと思っていた。いまだって 
男に尻尾を振る気はさらさらないが、それでもずいぶん変わったものだ。何があたしを変えたのかと 
いうと── 
「あの……」 
 耳元でリンクがささやいた。 
「訊いていいかな?」 
「……何だい?」 
 そのままの格好で訊き返す。耳に触れるリンクの息が快かった。 
「ちょっと驚いたんだけれど……君って……その……ゲルド族にしては──」 
「おとなしい──って?」 
 台詞を先取りしてやる。思わず苦笑いが漏れる。 
「うん、まあ……それで不思議な気がして……前に何かあったのかな──って……」 
 ゲルドの女にあるまじき振る舞い。いぶかしむのは当然だ。 
「いろいろあったのさ、あたしにも……」 
 ぼかしておいて、中断された回想を続ける。 
 七年の間、もっぱら自慰で性欲を紛らわせてきたナボールだが、男との接触が皆無だった 
わけではない。結界外の地域を経めぐった時、害のなさそうな男を選んで一時の交情に及んだ 
経験が、ごくごく稀にはあったのである。交わるにあたって主導権は手放さなかったものの、 
以前の男狩りのような強姦ではなかった。潜伏中の身とあって、他者とのいざこざは絶対に 
避けねばならなかったし、また反ガノンドロフの立場にあることで、ゲルド族としての自らの 
所業が省みられたためでもある。さらにそうした経験が、部族外の人々との関係を再考させた。 
「よその人たちとも仲よくやっていくべきだ」という『副官』の主張と同じ結論に、図らずも 
ナボールは達していたのである。『副官』ならあとを任せられると信じた理由は、そこにあった。  
 
 ただ──と、ナボールは身の下にある男に関心を戻す。 
 あたしがその結論に至ったのも、七年前のリンクとの出会いがあってのことだ。 
 世界を荒廃に導くガノンドロフの邪悪さ。ゲルド族の将来への懸念。それらをリンクは率直に 
指摘し、ガノンドロフを倒さなければならないとまで言い切った。 
 ほんの子供に過ぎなかった当時のリンクが。 
 自分でも漠然と憂えていた点ではあった。といってもリンクの言を聞かなければ、いまの 
あたしはなかっただろう。 
 あの時、リンクはすでに「男」だった。勇気をもって世界を救おうと奔走する、立派な 
男だったのだ。 
 七年を経て、リンクの男ぶりにはいっそう磨きがかかった。こちらの顔にも届いていなかった 
身長は、もはやあたしのそれを追い越している。風采だけではない。ツインローバを倒した時の 
リンクは、行動においても気迫においても、ほれぼれするほど雄々しかった。 
 いまこうしてあたしたちが繋がっているのは、それが賢者の覚醒に必要な過程であるからだが、 
実はそんなことは二の次なのだ。さっき本人に告げ、なおかつ行為中にも口走ってしまったように、 
リンクだからこそ──強い男であるリンクだからこそ──あたしはその気になったのだ。 
 そう認めた相手と交わるのだから、一方的であってはならない。強姦だけが男とのセックスでは 
ないと知ったあたしには、それができるはず。 
 ──と心がけて行動してきたのに…… 
 ひとりで先に行き着いてしまった。リンクを置いてきぼりにして。 
 こんな状態でとどまってはいられない。とどまってはいたくない。 
「リンク」 
 伏せていた顔を起こす。 
「あんた、まだいってないだろ」 
 目を見下ろす。 
「今度は、あんたの流儀でさ……」 
 微笑みかける。 
「……いいことしてくれよ」 
 リンクの顔がきょとんとし、次いで、釣りこまれそうな笑みに彩られる。 
 おもむろに上半身を起こすリンク。膝の上に抱きかかえられる。どうするのか、と思った矢先──  
 
「あ……」 
 乳首を口に含まれる。右。そして左。舌と唇でやわやわと、時には歯でもってこりこりと。 
同時に両手がふくらみを撫でさする。数種の感触が混和して、得も言われぬ快美を作り出す。 
繋がったままの下半身が、呼応して再びうずき始める。 
 男に胸を吸わせたことなど、ほとんどない。おとなしそうな相手の時、一、二度、気まぐれに 
やらせてみただけだ。大していいとは思わなかった。女の身体の扱いは、同じ女の方がずっとよく 
心得ている。男がそれ以上にできるはずがない。 
 なのに、なのに、いまのこの快さはどうしたことだろう。 
 リンクだって、そんなに上手なわけではない。技巧なら『副官』の方がよほど上だ。けれど 
リンクの行いには、技巧を超えた何かがあって、それがこちらにひしひしと伝わってきて…… 
 口が胸から離れる。もう?──と物足りない思いで顔を見る。 
 どきっとした。 
 リンクがあたしを見つめている。ひたすらに。まっすぐに。いささかの混じりけもない 
澄みきった目で。そこに凝縮された圧倒的な何かがあたしをぞくぞくと震わせる。 
 リンクの顔が寄せられる。あたしの震えは大きくなる。そうするのかと危ぶんで。そうするのかと 
期待して。避けられない。避けたくない。目の前に迫ったそれをあたしは── 
「んッ!」 
 唇が押し当てられる。唇に押しつけられる。強くも熱い密着感が、あたしの脳を沸きたたせる。 
 初めてだ。男に唇を許したのは初めてだ。身体の他の場所はさんざん使っておきながら、 
情を交わすための最も素朴なこの接触を、あたしは決して男とは行わなかった。理由は単純。 
男相手に情など必要なかったからだ。 
 でもいまは違う。心をおののかせつつも、真っ向から突きつけられた男の求めを、あたしもまた、 
生まれて初めて、真正面で受け止める。 
 唇を割られる。舌を突っこまれる。口の中でやみくもに踊りまわるその動きを、あたしは 
逞しいと感じてしまう。 
 リンクがあたしの胴を抱く。あたしもリンクを抱きしめる。同時に股間が刺激を受ける。 
リンクがせわしなく腰を揺らし、埋めこんだ怒張を間断なく前後させ始めたのだ。合わせて 
こちらも腰を振り、刺激を強めようと努める……のに…… 
 うまくいかない。互いの前と前とをぴったりとくっつけ、さらに口でも結び合ったこの状態は 
とても気持ちがいいのだけれど、肝腎な所を思い切り動かすことができない。 
 もどかしい。じれったい。あたしのして欲しいことをして欲しい。 
 初めからそのつもりではあった。 
 そうする時が、いま、来たのだ。 
 口をもぎ離す。背にまわしていた手を頭の後ろにやる。装具をはずす。束ねていた髪が背に 
ばさりと広がり落ちる。 
 この行動の意味を、リンクは了解できるだろうか。あたしが何をして欲しいか、リンクには 
わかっただろうか。 
 案じるまでもなかった。リンクの上半身が傾いてきた。押し倒された。背が、そして後頭部が 
床についた。 
 真上を向いて横たわる。心おきなくその姿勢をとれる。これですべてを受け入れられる。 
 だからリンク、もう何にも囚われないで、思い切り、思い切りあたしを──  
 
「はッ! ああ……」 
 奥の奥まで届けとばかり腰を突き出した瞬間、ナボールが喘ぎを噴出させた。欣快の思いで 
それを耳に染みこませ、しばし動きをとどめて攻勢を図る。 
 やっと思いのままにおのれを振るえる格好となった。とはいえ、ひと息に事を運ぶのはもったいない。 
 じりじりと、戻る。逃すまいとでもいうように絡みついてくる肉襞の、その誘惑を敢えて拒絶し、 
膣口まで撤退する。そこでも間をおく。ナボールが我慢しきれなくなった頃を見計らって、 
勢いよく突き挿れる。 
 静止を合間に挟みつつ、速度を揺らして繰り返す。 
 退くに緩。攻めるに急。 
 突くたびに発せられるあだっぽい声。歓喜と悩乱の混じり合った表情。緊張を秘めて打ち震える 
肢体。複雑に波立つ秘部の粘膜。 
 そんなナボールのありさまを、自らの愉悦に重複させながら、リンクはこの上ない感激を 
覚えていた。 
 ──ナボールを── 
「んんッ!」 
 ──ぼくよりずっと年上のナボールを── 
「ぅあぁッ!」 
 ──並みの男では太刀打ちできない勇健な戦士であるナボールを── 
「うぅんぁッ!」 
 ──いま、ぼくは身の下に敷いて── 
「はぁぁああッ!」 
 ──いいように好きなように攻めて攻めて攻め続けて── 
「ぁああぃいッ!」 
 ──七年前に弄ばれた分を何倍にもして返してやって── 
「やあぁぁあッ!」 
 ──しかもナボールの方からそれを求められるだけの自分であるという満足感、勇躍感、 
圧倒感がぼくを限りなく高ぶらせていて、同時に、いまや完全に女となったナボールのかわいさ、 
たおやかさ、あどけなさをぼくはぼくのすべてで感じ取りたくて、もう攻めの調子に注意を 
払うことなどできなくなりそうで、できなくなりつつあって、できなくなってしまって…… 
 それでもかまわないじゃないかと意を決しかけたまさにその時── 
「……お願い……どうか……もっと……」 
『お願い』? 『どうか』? 
 予想もしなかったナボールの言葉が、リンクにあらゆる抑制を投げ捨てさせた。  
 
 突如、奔騰し始めたリンクの攻めを、ナボールは随喜して迎え入れた。 
 ──わかってくれる。あたしがどうして欲しいのか、リンクはわかってくれている! 
 腕をリンクの背にまわし、力いっぱい抱きしめる。 
 さっき絶頂した時の快感を、はるかに上まわる心地よさだった。 
 ──どうして……こんなに…… 
 いいならいいと正直に奔放に叫びまくるのがいつもの自分。ところがいまは獣じみた喘ぎを 
垂れ流すだけ。意味のある言葉を口にすることなどとてもできない。 
 ──そうだ……あたしは……ほんとうは…… 
 仲間の女に手ほどきを受けた時を除いて、セックスでは常に攻めの立場だった。男相手に受けに 
回ったことは皆無だった。 
 ──ほんとうは……いつか……男に攻められたいと……男に屈服したいと……思っていた…… 
 七年前は軽く手にくるむことのできたペニスが、こんなに立派に成長して大きくなって、否、 
単に大きさだけでは説明できない威力をもって、膣壁を猛然と抉りたてている。 
 ──あたしが……屈服する相手……やっぱり……それは…… 
 薄目をあけ、その対象を、ナボールは見る。顔は間近に寄せられている。いまだ少年の面影を 
残しながらも、幾多の試練を経た男の証である凛々しさを宿した表情が、ゆがみ、猛り、 
燃え上がり、おのれの頂点を求めるだけでなくこちらにも法悦を与えようという懸命の意思を 
剥き出しにしている。 
『リンク!』 
 心は幸福感でいっぱいだった。何もかも忘れて快楽に浸りきることができた。 
 もっと強く! もっと激しく! 
 ──との熱望はやはり言葉にならない。ならなくてもかまわない。なぜならリンクはわかって 
くれているから、すべてをわかってあたしのして欲しいことを、そう、こうやってもの凄い速さで 
あたしを突いて、もの凄い力であたしを抱いて、あたしを、リンクがあたしを、ああ、あたしを── 
「ああッ! あぁぁああッ! あぁぁぁぁあああああッッ!!」 
 ナボールは一気に頂上へと押し上げられた。痙攣という言葉では収まらず、身体はがくがくと 
振動した。 
 感応したかのごとくリンクが爆発した。陰茎の力強い脈動と、最深部に精液をぶちまけられる 
感覚がますます刺激となって、ナボールの身中では次々に誘爆が起こった。 
 そこへさらに爆薬が投下された。 
 リンクが叩きつけるように唇を合わせてきたのである。 
 瞬間、ナボールの脳は真っ白になった。 
 ──天界── 
 ──それに違いない── 
 その思いを最後に、意識はほろほろと溶け去っていった。 
 
 
To be continued.  
 

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