「だめだな」  
 打ち上げたばかりの剣を吟味していたダルニアは、吐き捨てるように独り言を漏らした。  
 刀鍛冶の道を究めようと、これまで一心不乱に努力してきたが、まだ及びもつかない。あの  
伝説の剣には。  
『俺には、迷いがある』  
 ダルニアは自覚していた。最近、ゴロン族にふりかかった災厄。それがダルニアから、刀を打つ  
ことに専念する集中力を奪っているのだ。  
 実際、刀鍛冶どころではない、とダルニアはため息をついた。ドドンゴの洞窟に入れないという  
ことは、ゴロン族にとって死を待つにも等しい。  
 ドドンゴの洞窟からは、良質の鉱石が無尽蔵に産出される。それは、ハイラル中で珍重され、  
ゴロン族の重要な収入源となっているゴロン刀を生産するのに、絶対に必要な原料だった。それに、  
洞窟に住みついている動物、ドドンゴは、ゴロン族にとって貴重な蛋白源だ。財と食。その二つの  
供給場所に入れなくなってしまったいま、自分たちはどうやって生き延びていけばいいのか。  
『ガノンドロフめ!』  
 ダルニアは思い出す。『炎の精霊石』を渡せと言ってきた、あのゲルド野郎。  
 ハイラル王家の依頼に応じて、代々の族長が守ってきた『炎の精霊石』……『ゴロンのルビー』を、  
ゲルド族なんかに渡せるわけがない。そう突っぱねてやったら、こんな形で報復がやってきた。  
どんな細工をしたのか知らないが、突然、洞窟のドドンゴたちが凶暴化した。捕まえて食料にする  
どころか、近づくことすら難しくなった。他にも得体の知れない魔物が洞窟に住みつき、とどめは  
……あいつだ。身体の大きさも凶暴さも、通常の奴の何倍もある、化け物のようなドドンゴ。  
去り際に、キングドドンゴという名を、ガノンドロフは仄めかしていたが……  
『族長の俺が、何とかしなければならない』  
 ダルニアはひしひしと責任を感じていた。仲間たちもそれを期待しているはずだ。勇敢なはずの  
ゴロン族の間に、いまでは諦めと恐怖の色がじわじわと広がってきている。だが……いったい  
どうすればいいのか。  
 ガノンドロフに『ゴロンのルビー』を渡してしまうか……いや、それは絶対にできない。  
ゴロン族は信義を重んずる。王家との約束を破るわけにはいかない。  
 ではキングドドンゴを倒して、自分たち自身の手で道を開くか……しかしそれが簡単にできるなら、  
何も悩んだりはしない。これまで状況打開のために洞窟に入っていった仲間は十人を下らないが、  
戻ってきた者はいない。キングドドンゴは自分も一度だけ見たことがあるが、まともに戦える  
ような相手ではないのだ。  
 それに……  
 ダルニアの脳裏に、ガノンドロフの姿が浮かぶ。  
 俺を見る、あいつの目。そこには……あの感情があった。俺が絶対に受け入れられない、あの感情が。  
「兄貴」  
 部屋の入口から声をかける者があった。ダルニアはそれを無視した。いまは誰にも邪魔されたくない。  
「兄貴」  
「うるせえ」  
 去ろうとしない闖入者に、ダルニアは短く、しかし自分の心情が正確に伝わるように返答した。  
だが闖入者は、あくまでダルニアとの会話にこだわった。  
「すんません、取り込み中なのは承知なんですが……兄貴に客人ですぜ」  
 しかたなく、ダルニアは入口の方に目を向けた。シティの門番の男が立っていた。  
「客人?」  
「ええ……なんでも、王家の使いだとか」  
 ダルニアは大きく目を剥いた。それで萎縮したのか、門番の男は一歩退いた。  
「……通せ」  
 しばしの沈黙のあと、ダルニアは視線をそらし、やはり短い言葉で命じた。門番の男は、ほっと  
したように息をつくと、早足で去っていった。自分が剣を手に持ったままでいることに、  
ダルニアは気づいた。が、その吟味を続ける気には、もはやなれなかった。  
 この時期にハイラル王家の使者が来るとは……災厄はゴロン族だけのものではないのだろうか……  
 
 ゴロンシティへのリンクの旅は、楽なものではなかった。カカリコ村の登山口にいた兵士は、  
リンクが見せたゼルダの手紙を、奇妙そうな顔つきで眺めはしたが、特に何も言わずに道をあけて  
くれた。だが順調なのはそこまでで、子供が一人で行く所ではない、というアンジュの言葉を、  
リンクは早々に実感することとなった。  
 道は細く、曲がりくねり、足もとの凹凸は激しかった。崖沿いの所には手を添えるものすらなく、  
ちょっと間違えれば谷底に真っ逆さまだった。ひっきりなしに落石があり、時には巨大な岩石が  
リンクの前後を転がり落ちていった。デスマウンテンの小噴火によって、火山弾が降ってくる  
ことも稀ではなかった。日が暮れると周囲が全く見えなくなり、リンクはやっと見つけた横穴に  
こもって夜を明かした。  
 陽が昇って先に進んで行くと、しかしそれでも少しずつ人の住む気配が感じられるようになった。  
カカリコ村を出てから、まる一日ほどで、リンクはゴロンシティに到達した。  
 
 デスマウンテンの横っ腹に大きな洞穴が口を開けており、その入口に一人の若い男が立っていた。  
初めて目にするゴロン族の男を、リンクはしげしげと眺めた。背が高く、上半身は裸で、逞しい  
筋肉が張りつめている。毛深く、髪は肩まで伸び、見るからに勇壮なその表情を際だたせていた。  
むき出しの下腿は、やはり隆起した筋肉でおおわれ、足には何も履いていない。見た目は他の  
ハイリア人と同様だが、これほどまでに精悍な人間を、リンクはこれまで、城下町でもカカリコ村でも、  
他のどの場所でも見たことがなかった。  
 リンクが近づくと、男は鋭い視線を送ってきた。それに怖じることなく、リンクは男に向かい、  
ハイラル王家の使いとしてゴロン族の代表者に会いに来た、と告げた。『炎の精霊石』がゴロン族に  
託されたというのなら、まずはその代表者に会うのが筋だ、と思っていたからだった。門番であろう、  
その男は、なおもリンクをうさんくさそうに眺めていたが、  
「待ってろ」  
 と、ぶっきらぼうに言うと、洞穴の中に消えた。男はしばらくすると戻ってきて、同じ口調で、  
「ついて来い」  
 と言い、リンクの先に立った。リンクは男に従って、洞穴へと歩を進めた。  
 洞穴の中は思った以上に広かった。縦に四階層となった巨大な空間で、中央は吹き抜けとなっていた。  
二人がまず入っていった所は、その最上階にあたっていた。意外に明るいその空間のあちこちに、  
鉱石を積んだ大きな箱が積み上げられている。別の所からは鋭い金属音が規則的に響いていた。  
そこが刀鍛冶の仕事場なのか、とリンクは推測した。  
 案内の男と同じような風貌の男たちが、あちこちにたむろしていた。妙だな、とリンクは思った。  
男たちの見かけは実に勇ましげなのだが、どうも態度に活気が感じられないのだ。  
 案内の男は空間の最深部まで降り、ある一室の入口まで来て、リンクをふり返った。  
「族長のダルニアが会うそうだ」  
 男は顎でしゃくって入口の奥を示した。リンクは黙って奥に進んだ。  
 その部屋は、先の空間に比べると格段に狭いものだったが、人が数人落ち着くには充分なほどの  
広さがあった。その中央に、悠々とひとりすわっている人物がいた。  
 
 部屋に入ってきた「使者」を見て、ダルニアは驚いた。  
 こいつはガキじゃねえか!  
 そのガキは、こっちを見つめたまま、口をぽかんと開けて、凝固したように立ちつくしている。  
ダルニアは無性にいらいらした。  
「てめえが王家の使者だと?」  
 ダルニアの声に、はっとした様子が窺われたが、すぐに続けて、その口からは、  
「ぼくの名はリンク。ハイラル王国の王女、ゼルダの頼みでここへ来たんだ」  
 と、ガキらしくもない、堂々とした口上が述べられた。  
 いくら自分側の主人とはいえ、王女を呼び捨てにするとは、どういう奴だ?  
 ダルニアは疑問を持ったが、問題はそこではない、と思い直した。  
「てめえのようなガキが、王女の使者とは思えねえ。そうだというなら証拠を見せな」  
 リンクは少し考えているようだったが、すぐにオカリナを取り出すと、一つのメロディを奏した。  
 間違いない。『ゼルダの子守歌』だ。王家にかかわる者の身の証。  
「……わかった。一応、認めてやる。用件は?」  
「『炎の精霊石』を探しているんだ。ダルニア、それがどこにあるか、もし知っていたら、教えて  
欲しい」  
 俺までも呼び捨てか、とダルニアは苦々しく思ったが、それにこだわっている暇はなかった。  
やはり、ハイラルに切迫した状況が訪れていることは確かなようだ。  
「……最近、『炎の精霊石』は、引っ張りだこだな……」  
 独り言のように、ダルニアは言った。リンクはその言葉に不審そうな表情を見せたが、突然、  
目を見開くと、大きな声を出した。  
「ひょっとして……他にも精霊石を探している奴が……ガノンドロフがここへ来たの?」  
「ガノンドロフを知ってるのか?」  
 再びダルニアは驚き、問い返した。それを無視して、  
「来たんだね? 精霊石は? あいつはそれを手に入れたの?」  
 リンクがさらに問いを放つ。その切迫した調子に、ダルニアは押された。  
「心配すんな。渡しちゃいねえよ」  
 リンクは大きく息をついた。見るからに安堵したふうだった。が、たちまちその表情には緊張の  
色が走った。  
「ということは、『炎の精霊石』はダルニアが持っているんだね? どうかそれをぼくに渡して  
欲しい。ゼルダが待っているんだ!」  
「落ち着け」  
 ダルニアは冷ややかに言った。周囲を顧みず一人で焦っているリンクが鬱陶しかった。しかし  
一方では、そのまっすぐな態度が興味深くもあった。  
「理由を訊こうじゃねえか。ゼルダ姫が精霊石を欲しがっているのはなぜだ?」  
 ダルニアの言葉で我に返ったのか、リンクは恥ずかしげにうつむいていたが、すぐに真剣な顔に  
戻ると、熱心な声で話し始めた。  
 世界を支配するという野望に燃えたガノンドロフが、トライフォースを手に入れようと、三つの  
精霊石を探していること。自分はその野望を打ち砕き、さらにガノンドロフを倒すために、  
ゼルダの依頼で精霊石を探していること。  
『こんなガキが、たいそうなこった』  
 そう心の中で毒づきながらも、災厄の影が、ここデスマウンテンのみならず、ハイラル全体を  
覆いつつある状況を実感し、ダルニアは緊張で身がこわばる思いがした。  
 
「話はだいたいわかった。だが精霊石は渡せねえな」  
 ダルニアの返事に、リンクは露骨にがっかりした表情を見せた。それがあまりにも正直な感情の  
吐露であったので、ダルニアは、言葉を足してやらねば、という気になった。  
「ゴロン族の族長は、昔から代々『炎の精霊石』を預かってきた。誰にも渡しはしねえ。それが  
王家との約束だ。ただ、その王家の方がそれを必要とするっていうんなら、返してやるのが筋って  
もんだ。本来ならな。だがいまは、そう簡単にくれてやるわけにはいかねえんだよ」  
「どうしてだめなの?」  
 リンクの問いは率直だ。ダルニアは、さっきまで自分を思い悩ませていたジレンマを、ざっと  
話して聞かせた。  
「……そういうわけでな。精霊石をてめえに渡しても、俺たちの暮らしがよくなるわけじゃねえし、  
むしろそうやってガノンドロフに逆らったりしたら、事態はもっと悪くなるだろうってことなのさ」  
「でも世界を救うためなら……」  
 リンクは食い下がってきたが、ダルニアは動かされなかった。  
「その世界云々以前に、俺はゴロン族を救わなきゃならねえんだ。それとも……」  
 嘲るように言葉を続ける。  
「てめえがドドンゴの洞窟へ行って、キングドドンゴを始末してくれる、とでも言うのか?   
それなら話は別だがな」  
 リンクは黙ってしまった。当然だ。  
「だからとっととお姫様の所へ戻って、もっとましな使いをよこすように言え。てめえのような  
ガキには用なしなんだよ!」  
 そう吐き出すように言い、ダルニアはそっぽを向いた。  
 場に沈黙がわだかまった。  
「わかったよ」  
 しばらくして、リンクがぽつりと言った。妙に力の入ったその口ぶりをダルニアは不審に感じ、  
リンクの方に視線を戻した。リンクはすでに背を向けて、部屋から出て行こうとしていた。が、  
そこでリンクの足が止まり、顔がこちらをふり返った。  
「全然、関係ないことだけど……」  
 さも不可解そうな表情だった。  
「どうしてダルニアは、男のような話し方をするの?」  
 瞬間、頭に血が上った。  
「やかましい!」  
 いきなり突きつけられた事実。忘れていなければならなかった、その事実。  
「出て行け! 二度とそのツラ見せるな!」  
 ダルニアは叫び、急いで後ろを向いた。そうするしかなかった。リンクの視線から逃れるためには。  
 
 部屋の入口で、案内の男が待っていた。  
「早くそのガキを追い出せ!」  
 後ろからダルニアの大声が聞こえてきた。男はリンクと部屋の中とを交互に見ながら、  
「兄貴を怒らせたのかよ」  
 と、馬鹿にしたように言い、再び先に立って、リンクを誘導した。  
 リンクはそのあとに従いながら、いままで眼前にあったダルニアの姿を思い出していた。  
 部屋にすわっているダルニアを最初に見た時、リンクは驚きのあまり、言葉が出なかった。  
仲間のゴロン族よりもひとまわり大きく、筋肉の発達も著明な、頑健きわまりない肉体ではあったが、  
そこここに宿る丸みは見逃しようがなかった。頭髪を除く体毛は薄く、そのあとに聞いた声は  
不自然に高かった。そして、あの胸……  
 他の者たちと同様に露出された胸は、筋肉のためだけではない、やわらかい隆起を形作っていた。  
それはアンジュの胸のように、みごとな質感を持った優美な姿ではなく、有るか無きかの、  
かすかなものだったが、男としては明らかに異質な隆起だった。  
「ちょっと訊くけど……」  
 リンクは先を行く男に、おずおずと声をかけた。  
「ダルニアって……女……だよね」  
 突然、男がふり返った。感情で破裂しそうな顔だった。  
「おい」  
 男は低く、しかし凄みのある声で言い、リンクの胸ぐらをつかんだ。そのまま片手で身体を  
持ち上げる。リンクの足は地面から離れ、男の手による圧迫で息がつまった。  
「二度と兄貴のことを女だなんて言ってみろ」  
 目が憤怒に燃えていた。  
「カカリコ村までぶっ飛ばしてやるからな!」  
 男はそう言うと、リンクの身体を乱暴に地面へと戻した。  
「わ……わかった」  
 リンクはやっとそれだけ言った。男はなおもリンクを睨みつけていたが、ぷいと背を向け、  
また前を歩き始めた。  
『どういうことなんだ』  
 リンクの疑問は増すばかりだった。ゴロン族は男ばかりだとアンジュは言った。なのに実際には  
女がいる。しかも族長という地位に。ところがこの男は、ダルニアが女だとは認めない。のみならず  
ダルニア本人も、自分が女であることを否定するかのような態度だった。ダルニアが女でありながら  
男として行動することが、ここでは暗黙の了解事項となっているようだ。  
 何か事情があるに違いない、とリンクは思ったが、どんな事情なのかは想像もつかなかった。  
『それはともかくとして……』  
 リンクは頭を切り換える。  
 当面の目的である『炎の精霊石』をどうするか。  
 このままハイラル城へ戻る気など、さらさらなかった。なすべきことはただ一つなのだ。  
 リンクは再び、案内の男に声をかけた。  
「ドドンゴの洞窟の場所を教えてよ」  
 
『どうしてダルニアは、男のような話し方をするの?』  
 リンクの言葉が耳から離れなかった。  
 女でありながら男として行動すること。  
 ふだんは考えもしない、いや、考えてはならないと無意識に抑えてきた、自分の生き方の奇妙さを、  
リンクに真っ向から指摘されたような気がして、ダルニアは動揺した。  
 心が自然に、これまでの数奇な人生をたどってゆく。  
 ハイラルの片隅の村で、ダルニアは生まれた。生まれた時から身体の大きさは並みはずれていた。  
女の子はもちろん、男の子の中にも、ダルニアほど逞しい肉体を持つ者はいなかった。そのため  
同年代の子供たちからは煙たがられ、馬鹿にされて、友達はただの一人もできなかった。子供たち  
ばかりではない。大人たちもダルニアを白い目で見た。家族ですらダルニアの存在を持てあまして  
いることを、ダルニア本人はよくわかっていた。  
「あれは女じゃないよ」  
 その一言が、ダルニアへの評価のすべてだった。  
 腕力に訴えて周囲を黙らせることは簡単だっただろう。しかしダルニアはそうしなかった。  
そうしたところで自分への評価が好転することはなく、むしろよけいに悪くなるだろうということが、  
容易に想像できたからだった。  
 ダルニアは常にひとりだった。  
 思春期を迎えると、女でありながら女と見られない苦しみはさらに強まった。ただ、家業の  
刀鍛冶の手伝いを続けるうち、その方面の才能が自分にあることを知ったのが救いだった。  
ダルニアは刀を打つ作業に専念し、年を経るごとに孤独にも慣れ、女を捨てて生きることへの  
覚悟が自然に養われていったのだった。  
 刀鍛冶を生業とする以上、デスマウンテンに住むゴロン族のことはよく知っていた。ゴロン族は、  
鉱山労働と刀鍛冶の後継者を、ハイラル全土に求めていた。ダルニアはそれに応じる決心をした。  
女人禁制の世界であることは承知だったが、自分は男であるという意識が、その頃にはもう  
固まっていたからだ。家族も内心では、厄介払いできると喜んでいるふしがあった。  
 当然ながらゴロン族は、ダルニアを相手にしなかった。いくら刀鍛冶の才能があろうと、本人が  
男だと主張しようと、実際には女であるという事実は変えようがなかったからだ。  
 ダルニアは機会を待った。そしてその機会は、ほどなくしてやってきた。  
 ゴロンシティ近くの鉱山で大規模な落盤事故が起こり、当時の族長を含む数人が生き埋めに  
なった。いつ落盤が続発するかもしれない状況で、誰もが救助に向かうのを躊躇していた時、  
ダルニアは単身で危地に乗りこみ、みごとに全員を救出したのだった。  
 この行為が、行動力を重視する種族であるゴロン族の、ダルニアへの評価を一変させた。  
生物学的には女であっても、生き様は男そのものである、と認められたのだ。族長は、自らが  
救われたこともあって、積極的にダルニアを受け入れる態度を示した。こうしてダルニアは  
ゴロン族の一員となった。  
 いったんそうなると、刀鍛冶の腕前によって、また仲間たちを上回る体格と体力によって、  
ダルニアの評価はさらに高まることとなった。他にも仲間うちの種々の問題を解決するのに功績が  
あり、部族内でのダルニアの存在感と発言力は、しだいに大きくなっていった。ついには族長に  
推され、すでに数年間にわたって、ダルニアはゴロン族のトップの地位を保っているのであった。  
 
 ゴロン族の性生活にも、ダルニアはうまく順応していた。  
『兄弟の契り』と称されるゴロン族の性的習慣は、男同士という点で、他のハイラル世界のそれと  
大きく異なるものであった。しかし相違点はそれだけではない。『兄弟の契り』は、あくまでも  
部族内の上下関係を明らかにし、確認するための儀式であり、単なる欲望や愛情が介在することは  
なかった。その点、ゴロン族はきわめて理性的な種族だった。  
 族長の養子という形でゴロン族に迎えられたダルニアは、しきたりによって、まず族長と、  
そしてさらに他の有力者と契りを結んだ。その契りとは、彼らの陰茎を肛門に受け入れることで  
あった。ダルニアが女性器や──貧弱とはいえ──乳房を有していることは問題にされなかった。  
ゴロン族は女には興味のない種族であったから、男と認められて仲間となった以上、それらの  
器官の存在が部族内に混乱を招くことはなかったのだ。  
 ダルニアの地位が向上し、逆に目下の仲間に契りを施す立場になっても、混乱は起きなかった。  
女にしては異常に肥大した陰核を用いることもあれば、男根を象った器具を装着して行為に及ぶ  
こともあったが、仲間たちはみな、ダルニアとはそういう「男」なのだと認識し、迷うことなく  
ダルニアを「兄貴」と呼んだ。  
 
 だが……  
 ダルニアの思いは、最近の災厄の記憶に重なってゆく。  
 男として生きてきた俺に、自分が女であることを思い出させる事態が起きた。  
 ガノンドロフだ。  
『炎の精霊石』を奪うのがあいつの主目的であることは間違いない。が、会見の際、あいつが俺を  
見ていた目には……それとは異なる色調があった。男が女に抱く、欲望の色調が。  
 女と見られるのは、いまのダルニアにとって、絶対に受け入れられないことであった。しかも  
そこに欲望という、ゴロン族には無縁の邪な要素が介在していることもあって、ダルニアは  
ガノンドロフに対し、吐き気を催すような嫌悪感を覚えた。  
 しかし、実はそればかりではないことを、ダルニアは内心では気づいていた。これまで女と  
見られたことのなかった自分が、初めて女として見られたという、ひそかな喜び。理性では  
とうてい容認できないことだったが、感情では……ダルニアはそれを容認しないではいられなかった。  
 そして今日、リンクが現れた。  
『どうしてダルニアは、男のような話し方をするの?』  
 ゴロン族の内情を知らぬ、無責任な発言に過ぎない。しかしそこには、物事をあるがままに見る  
素直さがこめられていた。ガノンドロフの欲望とは全く異なる心情だった。ゆえにダルニアは  
リンクに対して、一時的に怒りを爆発させてはみたものの、嫌悪感は抱かなかった。むしろ、女で  
あれと暗に勧められたようで、女と見られる喜びが、より大きく刺激されるような気がした。  
 この感情は、この先の俺に、どういう影響を及ぼすだろうか。  
 ゴロン族の族長として、ダルニアの心は大きく揺らいでいた。  
   
 シティ内の大食堂で供される夕食には、手の空いている者、全員が集合することになっていた。  
ダルニアは料理を平らげながらも、  
『やはりドドンゴの肉がないと、もの足りないな』  
 と、心の中で正直な感想を漏らさずにはいられなかった。いつもは賑やかな仲間たちも黙りがちで、  
意気が上がらないこと甚だしい。  
 居並ぶ面々の中に、昼間リンクを案内してきた門番の男を見つけて、ダルニアは声をかけた。  
「あのガキはどうした?」  
 男はダルニアに向き直った。  
「あいつですかい? そのまま出て行っちまいましたよ」  
「そうか……」  
 ダルニアは視線を落とした。リンクに『二度とそのツラ見せるな!』とは言ったものの、災厄の  
ことを考えると、あのまま別れてしまってよかったのか、という後悔にも似た思いが湧いてくる。  
 男は調子づいたように言葉を続けた。  
「あのガキ、兄貴に何を言ったんです? ずいぶん兄貴を怒らせたみたいですが。ドドンゴの  
洞窟のことで、何か無礼でも?」  
「何だと」  
 ダルニアは男の言葉を聞きとがめた。  
「ドドンゴの洞窟がどうした。あいつ、お前に何か言ったのか?」  
 問い返す声が思わず大きくなる。圧倒されたように、返答する男の声は先細りとなった。  
「いえ……ただ……ドドンゴの洞窟の場所を教えろって言うもんで……」  
「教えたのか?」  
「ええ……まずかった……ですか?」  
 それには答えず、ダルニアはリンクとの会話を記憶から引き出した。  
 リンクは最後に『わかったよ』と言った。俺はそれを、『だからとっととお姫様の所へ戻って、  
もっとましな使いをよこすように言え』という発言に対する答だと思っていた。ところが実際には  
そうではなく……その前の、『てめえがドドンゴの洞窟へ行って、キングドドンゴを始末してくれる、  
とでも言うのか?』との問い──というよりも揶揄──への答だったとしたら……そういえば  
リンクの声には、妙に力が入っていた……  
 あの馬鹿! 真に受けやがって!  
 ダルニアはいきなり立ち上がり、驚く仲間たちを尻目に、ひとり走り出した。シティの門を出、  
ドドンゴの洞窟へと急いだ。  
 あんなガキ一人に何ができる。死にに行くのと同じだ。  
 放っておきゃいい、俺が行っても何も変わらない……そんな意識も心の片隅に湧いたが、  
ダルニアの心は断固としてそれを拒否した。  
 仮にも王家の使者を見殺しにできるか! ゴロン族の名折れだ!  
 だが、理由はそれだけだろうか?  
 その答が見つかる前に、ダルニアはドドンゴの洞窟の入口に到着していた。  
 
 入口に焚かれた火を移した松明を持って、ダルニアは洞窟の中を奥へと進んだ。  
 物音はしない。リンクはどこにいるのか。それともすでに、物音をたてられない状態になって  
しまっているのか。自身の危険も警戒しながら、ダルニアはリンクのいた痕跡を探した。それは  
ほどなく明らかになった。  
 暗い洞窟の途上に、蝙蝠のキースが多数、死体となって残されていた。その先には、自爆が  
やっかいなドドンゴの幼生──ベビードドンゴの残骸が散乱していた。さらにその奥には、成獣の  
ドドンゴの死体が三つ横たわっていた。  
『あいつが……一人でこいつらを……?』  
 ダルニアはドドンゴの死体を観察し、その弱点である尻尾に、はっきりと剣の跡が刻まれている  
ことに驚いた。凶暴になったドドンゴは、ゴロン族ですら近寄りがたい。接近する者には容赦なく  
口から炎を吐きつけてくる。しかしリンクはその炎を避け、尻尾が弱点と察知して、そこを正確に  
攻撃しているのだ。  
 ダルニアは先へ進んだ。煮えたぎる熔岩の中に足場が点在する場所では、ダルニアが知らない  
魔物の死体が見つかった。武装した大きな蜥蜴のような魔物で、これには正面と横に剣で切り  
裂いた跡が残っていた。  
『子供のくせに、何てやつだ……』  
 ダルニアはリンクの奮闘ぶりに驚嘆した。だがリンクも苦戦したようだ。地面には、明らかに  
人間のものとわかる血痕が点々と散らばり、先へと続くリンクの足跡は大きく乱れていた。  
 ダルニアは歩調を速めて奥を目指した。そろそろ最深部が近づこうかと思われた頃、突然、耳を  
つんざくような吠え声が聞こえた。  
 キングドドンゴだ!  
 もはや警戒心も忘れて、ダルニアは奥へと走った。最深部は意外に大きな空間で、地面の中央は  
熔岩の溜まった不可侵地帯となっていた。その周囲の狭い領域で、リンクとキングドドンゴが  
向かい合っていた。  
 身体の大きさには何十倍という差があった。空間の高さの半分は占めようかというキングドドンゴの  
巨体に対し、リンクの身体は吹けば飛ぶような矮小な存在だった。にもかかわらずリンクは、  
左手に剣を、右手に盾を持ち、真っ向からキングドドンゴを睨みつけていた。  
 キングドドンゴが口から炎を吐く。リンクはバック転でそれを避ける。続けてキングドドンゴが  
リンクに突進する。リンクは横っ飛びでまたもこれをかわす。なかなか素早い。が、攻撃方法は  
見つからないようだ。リンクはすでにダメージを負っている。このままでは体力を消耗し尽くして  
しまうだろう。  
 見守るダルニアの目に、キングドドンゴの突進を避ける際、リンクが平衡を失って倒れる姿が  
見えた。行き過ぎたキングドドンゴが向きを変え、リンクに狙いをつけた。  
『まずい!』  
 ダルニアは手近にあった石塊をキングドドンゴに投げつけ、リンクとは離れた場所に飛び降りた。  
「こっちだ!」  
 ダルニアはキングドドンゴに向かって叫び、心の中でリンクにも叫びを送った。  
 囮になってやる! その間に体勢を整えろ!  
 キングドドンゴはダルニアの方に向きを変え、間もおかず突進してきた。  
 まだ……まだだ……  
 壁際に立ち、ぎりぎりまで引きつけて、突進をかわす。そうすれば奴は壁に激突して、隙が  
できるだろう。  
 狙いは当たった。ダルニアは髪ひと筋の差で横に飛びすさり、キングドドンゴは轟音をたてて  
壁にめりこんだ。  
 
 だがダルニアの予想しなかったことが起こった。  
 激突の衝撃で、上から無数の石が降り注ぎ、その一つがダルニアの頭を直撃したのだ。  
 薄れてゆく意識を懸命に鞭打ちながら、ダルニアはその場から離れた。しかし足がもつれ、  
遠くまでは逃げられない。  
 キングドドンゴがこちらを向いた。突進の構えだ。  
 大きく吠えるキングドドンゴ。来た。来た。だが俺は……動けない……もう動けない……  
 その時、ダルニアの前に一つの影が立ちはだかった。  
『リンク!』  
 剣と盾は持ったままだ。が、その両腕は大きく左右に広げられている。攻撃の態勢ではない。  
ただダルニアを守ろうとする意思だけだ。  
「馬鹿野郎!」  
 眼前にキングドドンゴが迫った瞬間、最後の力をふりしぼって、ダルニアはリンクの身体を抱え、  
横方向へと回転した。飛び過ぎるキングドドンゴの甲皮が、ダルニアの右脚の皮膚を切り裂いた。  
 ダルニアはそのまま熔岩の縁まで転がった。リンクはダルニアの腕から離れ、キングドドンゴの  
前に投げ出された。リンクが立ち上がる。だが動きが鈍い。もうリンクも限界が近い。  
 リンクが目の前にいるので、キングドドンゴは攻撃方法を変えたようだ。突進をやめ、ゆっくりと  
リンクに近づいてくる。炎を吐くつもりだ。  
 どうする? どうする?  
 熔岩の縁に咲くバクダン花が、ダルニアの目を捕らえた。ドドンゴの洞窟に自生する珍種の植物。  
引き抜くと爆発する奇妙な花。  
 これしかない!  
「リンク……」  
 初めて口にするこいつの名前。リンクがふり向く。  
「こいつは……引き抜いて数秒後に爆発する……あいつに……食わしてやれ……」  
 頷くリンク。しかしタイミングが重要だ。早すぎても遅すぎても、近すぎても遠すぎてもいけない。  
 キングドドンゴがリンクに迫る。まだ遠い。だがもう口を開けた。炎が来る!  
「受け取れ!」  
 ダルニアはバクダン花を引き抜き、リンクに向かって投げた。実の中に仕込まれた火花が弾ける音。  
リンクが受け止める。キングドドンゴに向き直る。その口の奥に溜まってゆく炎の渦。  
『もっと近づけ!』  
 叫ぼうとした。が、声が出ない。もう……意識が……  
 しかしリンクはそのとおりにした。いまにも火焔が自らを焼き尽くそうかという、その瀬戸際で、  
リンクは自身の観察と意思をもって、臆することなく敵に近づき、手の中のものを、燃え盛る  
口中へと投げこんだ。  
 いきなりキングドドンゴが口を閉じる。リンクはバック転でいったん下がる。腹の中の鈍い  
爆発音とともに、がっくりとキングドドンゴの前脚が崩れ、地面に顔が投げ出される。  
『やれ……』  
「やぁッ!!」  
 気合いをこめて、リンクがジャンプ斬りを繰り出す。キングドドンゴの顔面に赤い裂隙が走り、  
血液が噴出する。  
『そうじゃねえ……』  
 いや……お前には……もう……わかっていたな……  
 リンクがキングドドンゴの背後に回り、その尻尾に最後の一太刀を浴びせるのを、遠ざかる  
意識の片隅で、ダルニアは見た。  
 
 ぼやけた視界に、リンクの顔が映った。  
 傷だらけだ。火傷も負っている。しかしその目は優しく、口元には笑みが浮かんでいた。  
「大丈夫?」  
 リンクが言う。それには答えず、横たわっていた身を起こし、ダルニアは周囲を見回した。頭の  
傷が痛んだが、意識は急速に明瞭となっていく。  
 さっきの場所だ。洞窟の最深部。中央の熔岩はいつの間にか冷えて固まり、そこには巨大な  
骨格の残骸が黒くうずくまっていた。  
「俺は……どれくらい眠っていた?」  
 ゴロン族の族長ともあろう俺が、こんな子供の前で意識をなくして、「大丈夫?」などと  
気遣われるとは……  
「十分くらいかな」  
 ダルニアの忸怩たる心をよそに、リンクは明るく答えた。  
 その程度なら……まあいいか……  
「やるじゃねえか」  
 ダルニアはリンクに向かって言った。ぶっきらぼうだが、ダルニアにすれば最大級の賛辞だった。  
対してリンクは、  
「ぼくは……勇気だけは忘れないんだ」  
 臆面もなく、そんな台詞を吐く。ダルニアは自分の方が照れ臭くなった。  
「けっ!」  
 顔をしかめて見せ、わざと乱暴な口調で、ダルニアは言った。  
「あれは勇気なんてもんじゃねえ。無茶っていうもんだぜ」  
 その「あれ」が何を指すのか、ダルニアは敢えて言及しなかった。が、リンクは理解している  
ようで、何の説明も求めなかった。  
「お前、なぜ俺を庇った?」  
 耐えきれず、ダルニアは自分の方から訊いた。いつの間にか「てめえ」が「お前」になっていた。  
リンクはダルニアから視線をはずし、ゆっくりと、しかし明確に、こう言った。  
「だって……女の人は……守らないと……」  
 まだ言うか!  
 だが口には出さなかった。不思議に腹は立たなかった。  
「その女に助けられてちゃ、世話ぁねえや」  
 冗談めかして混ぜ返し、ダルニアは立ち上がった。少しふらつくが、歩くことはできる。  
「戻ろうぜ。仲間が待ってる」  
 ダルニアはリンクの頭に手を置いた。  
 お前となら……と、ダルニアは心の中でリンクに語りかけた。  
 喜んで『兄弟の契り』を結んでやるところだが……お前のその歳じゃあな……  
 リンクが下からダルニアの顔を見上げ、にっこりと笑った。ダルニアの胸はどきりとした。  
 ほんの子供に過ぎないリンクが、身を挺して俺を守ろうとしてくれた。実効性はともかくとして、  
その心根はまさに、かつての落盤事故の際の俺と同じく、「男」のそれだった。そして……  
俺……は……  
 さっきの自分の言葉が脳内によみがえる。  
 ──その女に助けられてちゃ、世話ぁねえや。  
『自分で女と認めちまったか……』  
 やはり腹は立たない。それどころか……そう、こうやって……リンクと顔を見合わせて微笑みを  
交わす、この状況が……どうしてこんなに快いのか……  
『リンクの前なら、それでもいいや』  
 絶対に口には出せないことを承知の上で、ダルニアはその思いを自分に許した。  
 
 ゴロンシティは歓喜に包まれた。リンクとダルニアを英雄として称揚するため、大がかりな  
祝宴の計画が立てられた。しかしリンクは先を急ぐと言って、その栄誉を辞退した。ダルニアは  
何も言わずにそれを認めた。ただ『炎の精霊石』を渡すことは忘れなかった。  
 鮮紅色の美しい光を放つその石をリンクに手渡しながら、ダルニアは言った。  
「この精霊石は、世界を救うという言葉を信じて、王家の使者としてのお前に渡すものだ。だが、  
それだけじゃあ、俺の気がすまねえ」  
 不思議そうな顔をするリンクに、ダルニアは問いかけた。  
「マスターソードを知ってるか?」  
 リンクは知らないと言った。  
「ハイラルのどこかに眠っているという伝説の剣だ。魔を退けるという意味で、退魔の剣とも  
言われている。心悪しき者は触れることのできない聖剣ともな。なんでも、床の台座に刺されて  
いて、勇者としての資格ある者だけが、台座から抜き放つことができる、そんな代物らしいや。  
もちろん俺は見たことはないし、どこにあるのかも知らねえが……」  
 ダルニアは力をこめて続けた。  
「俺の夢は、そんなマスターソードに劣らぬ優れた剣を打ち上げることだ。まだできちゃあいねえが、  
それができたら、お前にやるよ。それが俺から、個人としてのお前に渡すものだ」  
 しばしの間をはさんで、リンクが気遣わしげに口を開いた。  
「ダルニア……いいの?……ダルニアにとっては、とても大事な……」  
「いいんだよ! それが男と……」  
 男の──と言いそうになり、ダルニアはあわてて言葉を切った。  
「……いや……とにかく……信義の問題だからな」  
「……ありがとう」  
「まだできてもいねえんだぞ」  
「それでも……」  
 リンクがダルニアの手を握る。厚く硬くこわばったダルニアの手の皮膚に、確かな暖かみが  
伝わってくる。その暖かみと、いまのリンクの呟きに呼応した記憶が、これまでに抱いたことの  
なかった、ある感情を呼び起こしそうになり、ダルニアの身体は小さく震えた。しかし手を離す  
気にはなれなかった。  
『……それでも……いいや……』  
 
 
To be continued.  
 
 

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