「さて、拝診させていただきましたところ、所見としては若干の発熱と脈拍の亢進がみられます。 
後者は前者に起因すると考えられますので、主たるご症状は発熱ということになります。しかして 
その原因ですが、視診、聴診、打診、触診を行いました限りでは、呼吸器、消化器、泌尿器、 
運動器、感覚器、内分泌系統のいずれにも、さしたる異常は見受けられません。いずこかに 
外傷でもありますれば、そこより侵入した微生物の悪影響と考える余地が生じますが、現実、 
皮膚にもご支障はないご様子。もっと詳しく申し述べますならば──」 
 診察を受けたのち、ベッドに横たわっていたゼルダは、簡単には尽きそうもない侍医の長広舌を、 
途中から聞き流すことにした。 
 こちらの体状について、こうも熱心に説明してくれているのだから、真面目に耳を傾けるべき 
ではある。とはいえ、異常のなさを詳細に語られても、正直、関心は持てない。かまうものか、 
聞かずとも。万一、捨て置けない情報があったら、ベッドの脇に立っているインパが、しっかり 
記憶してくれるはず。 
 勝手に聞き役を任せておき、自らはぼんやりと思いにふける。 
 腕は確かな「侍医」なのだが、年齢的に「爺」でもあるだけ──という洒落を思いつき、 
ゼルダは胸の内で笑いを漏らした──全般に話がくどすぎる。だいたい、医師の診察が要るほどの 
病気ではない。目覚めてみると、身体が妙にだるかった。少し熱っぽくもあった。その程度のこと 
なのだ。なのに侍女が大騒ぎをして──わたしの身を案ずるあまりの行動ゆえ、責めるつもりは 
全然ないけれども──インパを呼び、さらには朝っぱらから侍医があたふたと寝室に押しかけて 
くるという騒ぎを引き起こしてしまった。どうせ見立ては「大したことはない」で終わりだろうに…… 
 案の定だった。 
「──と、仔細は以上でございまして、ご症状が何らかの疾病によって引き起こされているとの 
可能性はきわめて低いと結論せざるを得ず、当面、そうですな、一日程度、ごゆるりとお休みに 
なられれば、ご体調も自然に好転なさるかと、かように判ずる次第で」 
『やっぱり』 
 と、予感の的中を特に嬉しさもなく確認したゼルダだったが、続く侍医の言には大いに 
うろたえさせられた。 
「ただ一つ、ご婦人特有の器官については、なお調べが及んでおりません。その点の解明を 
お望みとありますれば、まことに恐縮ながら、内診という手段もございますが」 
『え?』  
 
 内診。 
 医師が膣に指を挿入して行う触診の一種。内性器を精査する際には必須の方法。 
 その重要性をゼルダは理解できた。が、受け入れてはならなかった。単に羞恥や生理的嫌悪感が 
理由ではない。指を挿入されれば「経験者」であることがばれてしまう。十八歳ともなれば 
「経験」していて順当なのだが、それはあくまでも世間一般の話で、未婚の王女が男を知っている 
となると大問題である。たとえ侍医にではあっても隠し通さねばならない。 
 固辞しようとした。ところが、なぜか言葉が出てこない。 
「その必要はありますまい」 
 インパが代弁してくれた。 
「姫様がそちらの方面に関してなんら差し支えをお持ちでないことは、いつもおそばにいる私が、 
よく存じ上げておりますので」 
「いかにも、いかにも」 
 侍医が大仰に点頭する。本気で内診を行おうと考えていたわけではないらしい。 
 ゼルダは安堵した。 
 そんな心理の忖度は職務の外とあってか、侍医はゼルダにそれ以上の注意を払わず、慇懃に 
お辞儀をして、部屋を出て行った。 
 代わってインパが話しかけてきた。 
「大事ないようで、よろしゅうございました。しかしながら、お身体が本調子でないことに違いは 
ありません。その点はご自覚ください」 
 頷く。 
 確かに不調。ふだんなら、いくら侍医の説明がくどくどしくとも億劫がらずに謹聴できた 
だろうし、内診をうまく拒否する言葉もすらすらと口にできていただろう。それがかなわなかった 
のは、熱のせいで頭の働きが鈍っているからだ。 
「私の見るところ、姫は近頃、少々、お仕事に精を出しすぎて、疲れがたまっておられるやに 
思われます。今回の発熱も、それが原因かと推察いたしますが」 
 再度、頷く。 
 最近に限った話ではない。二年前、本格的に政務を執り始めた直後にゲルド戦役が勃発し、 
そののちは連日、対策に追われた。終戦後は社会の立て直しに没頭し、さらに近年、西方の 
『新世界』──ホロドラムとラブレンヌ──が発見されてからは、先方との親善関係の確立に 
粉骨砕身せねばならなかった。父王の指導もあって、幸い、大過なくここまでやってこられた 
けれども、私事にはなかなか気がまわらなかった。インパの言うとおり、知らず知らず、身体に 
無理がかかっていたのかもしれない。 
「侍医が申し上げましたとおり、今日は、一日、ごゆっくりお休みなさいませ」 
 素直に答える。 
「ええ、そうするわ」  
 
 以後の時間を、ゼルダはベッドで過ごした。昼食くらいは起きてとろうと考え、しかし食堂へ 
赴くことはインパに止められたので、料理を部屋に運ばせ、室内のテーブルを食卓とし、椅子に 
腰をおろしてみたものの、食欲はなく、舌は味をろくに感じず、ともすれば視界がぼやけたりもする。 
これはまずい、やはりいつもの自分ではない、と察し、食事は途中やめにして、早々にベッドへと 
戻った。侍女が心配そうに容態を問うてくる。心遣いはありがたいのだが、会話をするのが 
大儀でもある。そこで、眠りたいからひとりにしてくれ、との意を、できるだけ丁寧な表現で 
伝えた。侍女は快く承諾し、去り際に、他にも訪室する者がないよう取り計らう、と約してもくれた。 
 かくして得られた静謐な午後を、ゼルダは、侍女への言のとおり、眠りに費やそうとした。 
 ところが…… 
 皮肉にも、静かであればあるほど、あべこべに目が冴えてくる。 
 かといって、再び起き出す気にはなれない。 
 やむなく、徒然なるままに思いをさまよわせることとした。 
 ……何を思おうか。 
 政治? いやいや、こんな時くらい政治からは意識を遠ざけていよう。 
 となると…… 
 一つだけだ。 
『リンク……』 
 もう、ふた月も、会っていない。 
 もともと旅から旅が日常で、ハイラル城へは年に数えるほどしか帰ってこないリンクだが、最近、 
その頻度がさらに減った。はるか遠くの『新世界』へも足を伸ばすようになったからだ。 
 いまも、そう。 
 悪いことではない。リンクに『新世界』を旅してもらえば、彼の地についての知識を、わたしは 
数多く得られる。親善関係を深めるのにたいそう役立つ。 
『でも……』 
 かつてルトに言ったことがある。 
(待つ日々が長ければ長いほど、会えた時の喜びも大きくなります) 
 それは真理だ。が、あまりにも長く会えずにいると、どうしても…… 
『欲しい』 
 いや、肉体の交わりのみを欲しているのではない。リンクがそばにいてくれるだけで、わたしの 
心は浮き立ち、そして安らぐ。生きているという張り合いを持てる。しかし、性の愉楽をすでに 
よく知る女であれば、恋人に抱かれたくてしかたがない時も、稀ならずあるのが自然ではないか。 
 にしても、こんなふうにわたしが寂しがっている一方で…… 
 西へ向かったリンクは、途中、ゲルドの砦に立ち寄ったはず。当然、ナボールとは「旧交を 
温めた」だろう。 
 それをとやかく言うつもりはない。去年、ナボールと「深い仲」になって以来、彼女がリンクと 
親しむことを、わたしは容認している。勇者は勇者を望む誰にとっても勇者であらねばならない。 
『……のだけれど……』 
 自ずと抱いてしまう感想。 
 ああ、ナボールが羨ましい。  
 
 ──と考えるのは、実のところ、当を得てはいまい。ナボールとてリンクに会うのは久方ぶり 
なのだ。リンクの旅に同行するわけでもないから、逢瀬は一時のものにとどまる。リンクに会える 
回数の点では、わたしの方がよほど恵まれている。彼女を羨むのは身勝手というもの…… 
 だろうか? ほんとうに? 
 ナボールは複数の男性とのセックスを厭わない。『副官』をはじめとする女性たちとも交われる。 
リンクがいなくとも性欲を満たせるのだ。その点ではわたしよりも恵まれている。わたしの場合、 
リンク以外の男性と交わりたいとは天地がひっくり返っても思わないし、女性とはたまに交わり 
こそすれ、それもリンクが同座する時に限っている。ただ、そうした習わしを破ってまで性欲を 
満たす気はない、というのが、他ならぬわたし自身の意思なのだから、ナボールを羨むのは、 
やはり妥当ではないのだが…… 
「あ……」 
 いま、感じた。 
 身体の奥が収縮する感覚。じわりと何かが流れ出す感覚。 
 欲求を抑えられなくなってきた。 
 こういう際の手立ては…… 
『あれ……だわね』 
 以前から時には行ってきた発散法。 
 自分で自分を慰める、「あれ」。 
 でも、熱が出て寝んでいるのに「あれ」をするのはいかにも不謹慎。体調の回復のみを考えるべき。 
 我慢しなければ。 
 こんな時、他の女性たちはどうしている? 
 耐える? 発散する? 
 状況によりけりだろう。しかしわたしの知る限り、どうあっても「あれ」をしないという一徹な 
女性はいない。 
 ルトやマロンは「する」と言っていた。子供のサリアも──彼女にそうしろと勧めたのは 
このわたしなのだが──また然り。ナボールだって手近に相手がいなければそうするに違いない。 
あの謹厳なインパでさえ、だ。一度、そのさまを、わたしは目撃したことがある。 
『だけど……』 
 このところインパは性欲が減退してきているのではないだろうか。わたしとリンクの共寝に 
加わることが、前には時々あったものだけれど、最近はめっきりご無沙汰だ。実は他に男がいて、 
性欲はそちらで充たしている、との可能性もなくはない──なにせ隠密行動はお手のものなのだ 
──が、そういう雰囲気は感じられない。 
 歳を取ったせい? 
 思えば、何となく全体的に人間が丸くなった気もする。リンクとのつき合いを他者に知られるな、 
というがみがみ台詞を、この頃はほとんど聞かない。以前は禁止していた城内での交合も── 
禁じられながらこっそり行うわたしたちもわたしたちだが──黙認してくれているようだ。 
もちろん、わたしもリンクも秘密厳守には気を配っていて、彼女も安全だと確かめた上での 
黙認なのだろうし、こちらがもう成人だから子供扱いはせず、との意図かもしれない。 
 歳といえば、インパよりは上のダルニアも、性欲を超越している感がある。ゴロン族の 
一員として──つまり「男」として──長年を暮らし、さらに現在は族長の地位にあり、 
女としてのセックスを封印している。唯一の例外はリンクだが、その交わりも二回のみにとどめ 
──二回目はわたしも参加した──それで打ち止めとしてから、すでに三年。彼女は、族長という 
自らの境遇、そして年齢差を考慮し、リンクとの交際に恋愛的要素を介入させないと決めたのだ。 
立場からすれば筋の通った判断といえるにせよ、そこまで自分を制御できるのは、単に歳のせい 
だけではあるまい。よほど精神が強くなければ。 
 それに比べ、こうして悶々とするわたしの、いかに脆弱な精神であることか。  
 
 しかし──弁解になるが──ダルニアの場合は社会が特別なのだ。体格や腕力が並みの男以上の 
ダルニアとはいえ、生物学的には女。普通に考えれば、男大勢の中に女がひとりでいるのは、 
はなはだ危険。周囲の男たちが妙な気を起こし、数を恃んでダルニアに襲いかかる、という種類の 
不祥事が、容易に生じそうにも思われる。ところがゴロンシティでは生じない。ダルニアが 
族長だからではなく、ゴロン族のみながみな、きわめて理性的なのだ。 
 似たようなことはゾーラ族についてもいえる。常に全裸で暮らす彼らであれば、見る側も 
見られる側も性的な刺激を受けまくって、不届きなできごとが頻発しそうなのに、決してそうは 
ならない。理性が云々以前の問題で、彼らにとってはそれが「常識」なのだ。ゾーラ族以外の 
者にはぴんとこない感覚だが。 
 たとえば──水のそばを離れられないゾーラ族には起こり得ないことではあるけれど──ルトが 
この城下町を訪れたとしよう。彼女は周囲の目を全く気にせず平然と全裸で往来を闊歩するだろう。 
かえって見る側の人々が視線のやり場に困ってしまう…… 
 でも、それだけですむだろうか。ゾーラ族の「常識」を持たず、ゴロン族ほど理性的でもない 
男たちが全裸のルトを目の当たりにしたら、どうにも我慢がならなくなって集団で襲いかかると 
いう顛末になるかも── 
『わたしったら』 
 何を考えているのか。起こり得ないとの前提ではあっても、ダルニアやルトが襲われるさまを 
想像するなど、二人に対して失礼きわまりない。 
 熱のせいか、どうも思考が不安定だ。 
 他のことを考えよう。 
『コキリ族なら……』 
 そういう危うさとは無縁。 
 過去、わたしは、三度、コキリの森を訪れた。国内視察旅行の一環だ。初訪問は十歳の時。以後、 
八年間で三度とはいかにも少ないが、辺鄙な土地ゆえ、致し方ない。ハイラル王国と縁の深い 
デクの樹サマが『二代目』として復活したからには、王族たる者、たまさかにではあれ、挨拶を 
しておく必要がある。その役割はわたしにしか果たせない。先代のデクの樹サマが亡くなって、 
コキリ族の居住域を外界から隔ててきた見えない障壁──結界──は失われたけれども、『二代目』が 
それを復元した。『外の世界』の人間は再び侵入が不可能となった。旅行に同伴するインパや 
兵士たちもだ。しかしリンクと、そしてわたしだけは例外。リンクはもともとコキリの森が 
故郷のようなものだし、わたしには王族という他にも『時の賢者』としての立場があって、 
『二代目』が立ち入りを許可してくれているのだ。 
 もっとも、多少の懸念はあった。初訪問の際はわたしもまだ年少で、子供ばかりのコキリ族に 
会っても特に問題はなかった。が、時の経つうちにこちらの肉体は成長し、徐々に大人へと 
近づいてゆく。そんなわたしを見て、彼らが驚き、恐れるのではないか、と気遣われた。ところが、 
サリアもミドも他の面々も、珍しそう、興味深そうな態度をとりこそすれ、怯えたりすることは 
全くなかった。考えてみれば当たり前。より頻繁にコキリの森を訪れるリンクが、やはり大人へと 
成長してゆくさまを、彼らは目にしている。『外の世界』の人間はそうしたものだと了解ずみ 
なのだろう。だからわたしを見たところで動じはしないのだ。 
 純真ではある。子供らしい。 
 そう、子供。 
 性欲に駆られて誰かを襲うなど、コキリの森では絶対にあり得ない。そもそも、性欲なるものの 
かけらさえ持っていないのがコキリ族なのだ。 
 ただ一人、サリアを除いて。  
 
『森の賢者』としての役柄上、彼女は第二次性徴を迎えねばならず、必然的に性欲をも有する 
こととなった。 
 わたしがリンクとコキリの森にある時は、必ず、初回時と同様、サリアをまじえた三人での 
交歓を、『森の聖域』で行うことにしているが、その際のサリアは、わたしを含めた『外の世界』の 
女性と変わるところのない淫らさを発揮する。 
 とても子供とは思えない。 
 いや、わたしだって子供の頃から性交時には淫らなありさまを呈してきたから、それだけなら 
驚きはしないのだけれど…… 
 直近の訪問は二年あまり前。成人する少し前のこと。 
 当時、わたしと同じく、リンクの身体つきはいまの域に達していた。 
 つまり…… 
 大人のリンクと子供のサリアのセックス。 
 幼い頃は勃起してもかわいいと思えるくらいで、余裕をもって口に含むことができたリンクの 
ペニスが、いまはうっかりすると息が詰まってしまうほどの太さとなっている。そんなものを 
挿入されたら、子供のそこだと裂けてしまうのでは、と危ぶまれた。ところがサリアは楽々と 
受け入れていた。リンクと長年まぐわううち、だんだん太くなるペニスに、身体が順応してきて 
いるのだ。その倒錯的ともいえるアンバランス。二人は自分たちの交わりを不自然とも何とも 
思っていないのだろうが、見ているこちらは興奮した。大いに性感を刺激されてしまった。 
 かなり身長が異なる二人だから、体位は制限される。もっぱら騎乗位か坐位。しかし身長差が 
あるからこそとれる体位が他にもある。 
 挿入したままリンクが立つ。サリアは四肢をリンクに巻きつける。地面から離れた状態の 
サリアを、リンクは力まかせに揺さぶりながら、激しく腰を打ちつける。 
 相当の快感らしく、サリアは我を忘れたように絶叫していた。 
 わたしだと、ああはいかない。類似の体位でリンクと交わったことはあるが、あんなに 
やすやすとは抱きかかえてもらえないし、あんなに激しく突いてももらえない。身長に大差が 
ないし、サリアほど体重が軽くもないからだ。その分、より豊富な体位が可能とはなるのだけれど、 
あの格好で存分に楽しめないのは、なんとも残念。 
 もしも、わたしが、サリアのような快感を、味わえるとしたら…… 
 わたしが、子供、だとしたら…… 
『あ、ああ……』 
 大人のリンクに抱かれる子供の自分。 
 いまだかつてしたことのない想像。 
 異様な高ぶりが心と身体に呼び起こされる。実現不可能な様態とわかってはいても、想像の 
広がりをとどめることができない。 
 リンクと初めて出会った頃の小さなわたしが、いまのリンクの逞しい腕に抱かれて、優しく 
愛撫されて、いや、リンクのことだから優しいつもりでも無骨なところはどうしてもあるのだけれど、 
むしろそこがリンクらしくて、大人だったらそれが自然なような気もして、キスされる時も強引に 
口を割られて、舌を突っこまれて、無遠慮にべろべろと舐めまわされて、そんなふうにされても 
他に何をされても、たとえばふくらみの少しもない胸やつるつるのあそこをしつこくいじられたり 
吸われたりしても圧倒的な力の差があるからわたしはまるで抵抗できず、でもそういう方が 
かえって嬉しかったりして── 
『わたしったら』 
 ほんとうにどうしたのだろう。淫猥な方向にばかり考えが流れてしまう。頭の箍が緩んでいる。 
理性が薄らいでいる。やはり熱のせいか。  
 
 身体がじんじんとうずいている。妄想に煽動されてしまった。たまらない。どうにかしたい。 
自分で自分を慰めたい。だけどわたしは熱を出して寝んでいるのだからそんなことをするのは 
不謹慎だとさっき自戒したではないか。かといってこのままだとどうにも我慢が…… 
『そうだわ』 
 姿勢を変えてみよう。欲情を紛らわせるかもしれない。 
 仰向けの身体を、横向けに── 
「んッ!」 
 快感! 思わぬ強さの! 
 動いた拍子に寝衣が乳首をこすった。それだけ。ただそれだけ。なのに…… 
 胸に下着を着けていないとはいえ、さほど強い接触でもないのに。ふだんはこすれたくらいで 
特に感じはしないのに。 
 熱のせいで触覚が鋭敏になっているのか。それとも偶然か。 
 ためしに触ってみよう。 
 これはあくまでも自分の皮膚感覚を確かめるためであって、快感を得ようとしているのではない。 
だったらかまうまい。寝衣の上からなら、布越しなら、そんなに刺激にもならないだろうし…… 
「あッ! あ、あッ!」 
 感じる! とても! 信じられないくらい! 
 なぜこんなに? 永らくリンクに触ってもらっていないから? 淫らなことばかり考えているから? 
あるいはほんとうに身体がおかしくなってしまった? 侍医にも探れなかった病気の一症状? 
だったら放っておくとよくないかもしれない。どうしたらいいだろう。できるだけ動かずにいて 
刺激を避ける? いや、じっとしていても身体がうずうずしてしまうのだからそれではだめだ。 
むしろもっと触って身体を刺激に慣れさせた方がいいのではないか。そうだ。そうしよう。刺激を 
強めるのだ。布越しではなくじかに触る。こうして、右手を下ろして、寝衣の裾をくぐらせて、 
胸まで持ってきて、でもいきなり敏感な部分に触ったらどんなになるかわからない、まずは 
そのまわりの軟らかい裾野を、そっと、そっと…… 
「くぅッ……ぅッ……」 
 それでも感じる、感じる、感じるけれど、これなら耐えられそう、この感じに慣れて、慣れて、 
撫でて、撫でて、大丈夫、このくらいだと大丈夫、だったらもう少し強めに、もう少し大胆に、 
揉んで、揉んで、神経の感度が和らぐようにほぐして、ほぐして、ああ、いい、ちょうどいい 
具合の快さ、慣れてきた? ええ、そう、そうみたい、そうしたら、いよいよいちばん感じる所に 
触ってみるわ…… 
「は! あッ! あ、ぁぁ……」 
 衝撃! 的! 
 こんなに乳首で感じたことがあったかしら。 
 こんなに乳首が勃ったことがあったかしら。 
 やっぱりわたしの身体はどこかおかしい。ほぐさないと。慣らさないと。撫でて、撫でて、 
揉んで、揉んで、だんだん刺激を強くして、つまんで、こねて、弾いて、引っ掻いて、ああ、 
あああ、いい、いいわ、気持ちがいい、気持ちがいい、いい、の、だけれ、ど、これでいいの? 
これでほぐれているの? これで慣れているの? なんだか逆のような、触れば触るほど感じる 
ような…… 
 当たり前だ。わたしは自分を煽っているだけだ。触るのをやめれば感じずにすむ。にもかかわらず 
触り続けているのは気持ちよくなりたいというだけ。重篤な病気かもしれないから身体を 
慣れさせるとか馬鹿げた言い訳をしながらその実わたしは性的な快感に浸りたいだけ。それは 
いけないこと? してはいけないこと? いけなくはないでしょう? そうよ、いいのよ、しても 
いいのよ、するわ、触るわ、でも、胸だけ、触るのは胸だけ、なぜならわたしは重病ではないに 
しても体調不良でそれで寝ている身なのだから胸を触るにとどめておくべき、その程度の自制心は 
わたしにもある、胸だけで、充分、気持ちが、いいと、言い切る、ことが、わたし、には、でき、 
る──  
 
『わけがない!』 
 胸だけで我慢なんかできっこない、だってさっきからじんじんうずいているのは胸じゃなくて 
脚の間にある女の部分、そこに触らない限りは気持ちのよさを極められない、だけど極めたい、 
極めたい、極めようか、極めよう、熱があっても体調不良でも、いいえ、体調不良ならなおさら 
気持ちをよくした方が身体にもいいはず、侍女の計らいでこの部屋には誰も来ない、好きなだけ 
好きなことをできる環境、だから心おきなく、胸は左手に任せておいて、右手を改めて下に 
伸ばして、下穿きの内に忍びこませて、そこに、そこに、指を、届かせ── 
「ああぁあぁッ!!」 
 す! ご! い! 
 すごいすごいすごいすごいすごい! 
 とてつもない快感! オナニーでこれほど感じたことはなかった! 
 リンクに触られるより気持ちいいかもしれない。といってもリンクがわたしのつぼをはずして 
いるわけじゃなくて、わたしの身体を知りつくしているといってもいいリンクだからリンクに 
触られたらそれはそれはもう気持ちがいいのだけれど、でも、たまには、そこじゃなくてこっちを 
触ってくれたら、そんなに優しくしないでもっと荒々しくいじってくれたらずっとずっと意持ちが 
いいのに、と思う時もある。わたしの身体のことはわたし自身がいちばんよく知っているのだから 
わたしが自分で触るのがいいのは理の当然。ただ、自分で触っているという現実よりはリンクに 
触られていると想像する方が楽しい。そう、この手この指はリンクのものであって、わたしを 
極上の気分にしてくれる理想のリンクだと考えて、そのリンクは、リンクは、いまの設定だと 
リンクは大人で、わたしは子供で、大人のリンクが子供のわたしをいいように好きなように扱って、 
実際、わたしはいつもリンクにそんなふうにされて悦んでいて、実生活ではちょっとだけ年上で 
「お姉さん」のわたしだけれどセックスの時にはリンクに支配されるのが大好きで、ましてや 
子供のわたしなら何をどうしたってリンクに屈服するしかない。多量の粘液。腿の内側やお尻にまで 
流れ出している。いつの間にこうも濡れていたのか。こうもたくさんの淫液がわたしの内に 
溜まっていたのか。これをすべて溢れさせない限りはいつまでたっても欲求は満たされない。 
だから触る。触りまくる。左手は硬く尖った乳首をなぶって張り詰めた乳房を揉みしだいて、 
右手はべっとりと濡れ固まった恥毛をかき分けてやわらかな秘唇の間に指を一本挟みこませて 
ぬるぬるの部分をこすってこすって、その上にあるこりこりした粒状の部分も一緒にこすって── 
「ひッ! い、ぃッ!」 
 ぐん! 
 ──と背中が弓なりになってお尻がベッドからがくがく跳ね上がる跳ね上がるどうしたのこれは 
まるでわたしじゃないみたい身体が重い鎖から解き放たれて空をひゅんひゅんと飛びまわっている 
みたいそれくらい気持ちいい気持ちいい気持ちいい! 
 外が、これだけ、気持ち、いいなら、中も、ぜひぜひ、気持ちよく、したい! 
 どうやって? 
 知れたこと! 
 送りこむのよ。指を。 
 どろどろに熔けて熱したわたしの肉洞。その奥まで指を進ませては引き、進ませては引き、 
それがリンクの猛り立つ分身だと想像しながら、子供のわたしは大人のリンクに刺し貫かれて膣を 
限界まで押し広げられてあまつさえ突かれて突かれて突きまくられて、なのに全然痛くもない 
苦しくもないとてもとてもとてもとても気持ちがいいだけ──  
 
『ちょっと……』 
 待って。 
 いまひとつ、その想像には、乗れない。 
 なぜならわたしをいっぱいにするはずのあれがほんとうは指だとなると細すぎて話の筋に合わない。 
指を二本三本にする方法もあるけれど、その方が複雑な手捌きを味わえもするのだけれど、 
太く硬い一本の肉柱がまっすぐに突撃してくる力強さをそれでは堪能することができない。 
ナボールに貰った張形なら──あれは棒の部分を取りはずしても使えるから──充分に代用できる 
だろうが、そうしようという気にわたしはなれない。自分自身の指とリンク以外のものを── 
ただの器具であれ──そこへ挿れるのにはどうしても抵抗を覚える。とか言いながらナボールには 
平気で張形を使ったわたしだけれど、あれはナボールが張形に慣れていて、そうされるに 
やぶさかではないとわかっていたからで、他の女性だったらああはしなかった。インパは 
ひょっとしたら──隠密をなりわいとしていたシーカー族なら閨房術の一種として──張形の 
経験があって、それを使うのにこだわらないかもしれないが、そんなことを持ちかけようものなら 
大目玉を食らいそうな気もして、とうてい言い出すことはできない。サリアやルトやマロンだと、 
わたし同様、リンク以外のものを身の内に迎え入れようとは決して思わないだろうから、わたしも 
彼女らに張形を使うのは避けたい…… 
 あ、だけどマロンだけは違うかも。前にこんなことを言っていた。ゲルド族にはあたしたちみたいに 
女同士で楽しむ人がけっこうあって、男の人のあれに似せた道具を使ったりもするんですって、 
とかなんとか、いかにも関心ありげに。その時のわたしはまだ張形使いではなかったから、以降、 
話は特に発展もせず、それきりになってしまったけれど、もしかするとマロンは、もともと性的な 
事柄には何であれ興味を抱くたちだけに、ゲルド流のセックスを体験してみたいと思っていたのでは 
──そしていまでも思っているのでは──ないだろうか。ならばわたしが「男」の格好で迫ったら 
意外と素直に身体を開いてくれる…… 
 かどうかはともかくとして、マロンがどんなふうに考えようと、わたしはやっぱり張形を 
使ってまで飢えを充たそうとは思い切れない。 
 それに、ふくらんだ乳房や毛の生えた股間に手を触れていると、自分が幼いとは想像しにくくも 
ある。 
 だから、子供のわたしが大人のリンクに、という設定は、この際、修正しよう。 
 どう修正する?  
 わたしは大人のままだとすると? 
 いっそ、設定を、裏返して、リンクの方が、子供だとしたら── 
「はッ! あ、あ、ああぁあッ!」 
 なに? いまのは? 
 背筋がぞくりとして。全身に震えが走って。 
 悪寒ではない。 
 大人のわたしと子供のリンクが──という想像に、わたしは…… 
 そそられてしまった! 
 どうして? そんな突拍子もない願望がわたしにあった?  
 
 ……あった。 
『この世界』のリンクは、九年前、わたしと初めて出会った時、肉体的には無垢でありながら、 
すでに性技を駆使できた。『あの世界』での経験を記憶していたからだ。おかげでわたしは 
セックスの実際を知るにあたって何もかもをリンクに依存していればよかった。それはそれで 
楽しく充実した日々ではあったけれど、記憶までも無垢なリンクと触れ合う機会を逸したことに、 
いま、未練を感じていないではない。『あの世界』では子供の時点でそういうリンクと結ばれは 
したが、あの時のリンクは眠っていた。身体は触れ合わせられても心を触れ合わせるには 
至らなかった。リンクに性の何たるかを教授したのは『あの世界』のマロンでありアンジュであり、 
その立場で彼女らが得た悦びをわたしは決して得られないという──もっとも、ガノンドロフを 
打倒するためには、あの夜、眠っていてくれなければならないリンクだったし、仮に起きて 
いられたにせよ、幼いわたしにマロンやアンジュなみのことができたはずもないから、いくら 
思っても詮なしと納得はしている、が、してはいるのに感情的にはどうしても消し去りがたい── 
そんな未練が、心の底でひそかに願望を育んだのだ。 
 わたしがリンクに手ほどきしてやれたら…… 
 これまた実現不可能な願い。 
 しかし想像するのは自由。 
 してみよう。ひとまず落ち着いて。 
 どんな筋立てになるだろうか。 
 ……わたしはリンクを部屋に招き入れる。 
 ──今日はあなたに大事なことを教えてあげるわ。 
 無邪気に応じるリンク。 
(大事なことって?) 
 ──わたしたち二人がとても幸せになれる方法よ。 
(どうするの?) 
 ──まず着ているものを全部脱いで。 
(うん、わかった) 
 だめよ、こんなの。いくらリンクが無邪気でも、いきなり脱げと言われて諾々と従うはずがない。 
それにこれじゃまるでわたしが痴女みたいだわ。リンクの方にも少しはその気になってもらわないと。 
 じゃあ、こういうのは?  
 
 ……最近、リンクの態度がおかしい。二人でいる時、妙に押し黙って、わたしをじっと見つめて 
いたりする。なのに、こちらが視線を返すと、恥ずかしそうに顔をそむけるのだ。それでいて 
立ち去ろうとはしないから、わたしとともにいるのをいやがっているわけではなさそう。むしろ、 
ともにいたいのだけれど何をどうしたらいいのかわからずにいる、といった風情。気をつけて 
観察すると、そんな時、リンクの眼差しはどことなく悩ましげで、頬がほんのりと赤く染まっても 
いる。 
 なるほど、そういうことね、子供のリンクにも春が訪れているということなのね、と心の内で 
にんまり──だと言葉があまりよろしくないから「にっこり」にしておこう──笑みながら、 
そしらぬ顔でわたしは問いかける。 
 ──どうしたの? やけにそわそわして。何か気にかかることでもあるの? 
 ぎくりとしたようにリンクは表情をこわばらせ──なにせ考えがすぐ面に出るたちだから── 
ますます頬を赤らめ、うつむき、ぼそりぼそりと話し始める。 
(あ……うん……あるといえば……あるかなって……) 
 ──なあに? 聞かせてちょうだい。 
(その……ここんとこ……身体の……具合が……) 
 ──悪いの? 
(いや……悪いっていうか……ちょっと……おかしいんだ……) 
 ──おかしい? どんなふうに? 
(つまり……知らないうちに……ええと……硬くなったり……) 
 ──どこが? 
(あ、あの……) 
 言いにくいみたい。それはそうよね。その名をたやすく口には出せない場所、そしてその名を 
たやすく口には出せないほどに目覚め始めているリンク──と知りつつ、わたしは重ねて答を 
強要する。 
 ──どこ? 
 返事がない。困りきっている。 
 面白い──と評したら意地悪かしら。いいわよね、少しくらい意地悪しても。本気でいじめる 
つもりじゃないんだし。 
 駄目を押す。 
 ──言って。 
 蚊の鳴くような声が返ってくる。 
(……ここ) 
 服越しに下腹部を手で押さえて。 
 ──どういう時にそうなるの? 
(……いまみたいに……ゼルダと……一緒にいる時とか……) 
 ──他には? 
(……ひとりで……ゼルダのことを……考えてる時とか……) 
 ──いまも、そうなの? 
(……うん) 
 ──わたしのせいなのね? 
(いや、ゼルダが悪いってわけじゃなくて……どうしてなのか……ぼくにも……よくわからないん 
だよ……) 
 リンクは顔を上げる。焦りを帯びた面持ち。すがるような目つき。 
(これ、何かの病気なの?)  
 
 韜晦してみる。 
 ──さあ、どうかしら。 
 いよいよ不安そうになるリンクに、促す。 
 ──見せてくれる? 
(え?) 
 戸惑っている。さもあろう。だが、ここは押す。 
 ──見せてくれたら、なぜあなたがそうなるのか、わかるかもしれないわ。 
 リンクの面貌に希望の色が差す。けれどもまだ決心はつかないようだ。 
 ──見せて。 
 と、やや声を強くする。それが戸惑いを押しやったらしく、リンクは、羞じらいを動作の遅さに 
反映させつつも、下着を脱ぎおろし、緑衣の裾を捲って、当該部分をあらわにする。 
 無毛の股間にぴょこりと立つ、かわいらしい突起。 
(どう?) 
 リンクが訊く。心配そうに。 
 わたしはどきどきしながら──想像している現実のわたしもどきどきしながら──余裕ある 
さまを装って答える。 
 ──大丈夫。病気じゃないわ。 
(ほんと?) 
 ──ええ、男の子はそうなるのが普通なの。少しもおかしなことじゃないのよ。 
(よかった) 
 ほっとしたようにリンクは笑い、しかしすぐまた心配げな口調に戻る。 
(……でも、どうしてこんなふうになるのかな) 
 ──それはね…… 
 身を寄せる。反射的に腰を引こうとするリンクの肩に左手をかけ、逃げられないようにしてから、 
右手をそこに伸ばす。 
 触れる。 
(あッ!) 
 面食らっている。だが抵抗はない。何をする気かと怪しむ様子ではあるも、こちらの行為を 
おとなしく許容している。上々の反応。にんまり──じゃなくて「にっこり」よ「にっこり」── 
笑んで、やわやわと指を動かしてやる。 
(あ……ん……あぁ……あぁぁ……) 
 ぎゅっと目を閉じて、いまにも泣き出しそうな表情で、せつなげに喘ぎを漏らし出すリンク。 
それでもなお抵抗しようとしはしない。なぜなら…… 
 ──こうすると、いい気持ちでしょう? 
 やっとのことで、といったふうにリンクは頷く。 
 ──そういう気持ちになれるように、ここは硬くなるの。 
 穏やかに語りかけつつ、手の動きを徐々に速くしてゆく。 
 大人のリンクのそれなら片手ではとうてい握りつくせない長さだが、子供のリンクのそれだと 
手の内にすっかりくるみこむことができる。けれども小さいなりにそれは精いっぱい「男」を 
主張していて、硬度の点ではなるほどこれなら病気と誤解するのも無理はないと思えるくらいの 
立派さで、わたしの手がする摩擦に応じて時おりぴくんぴくんと躍り跳ねたりもして、そういう 
時はリンクの身の全部が一緒にぴくんぴくんと痙攣したりして、でも依然いっさい抵抗をしない 
リンクは性器をこすり立てられる快感がよほど気に入ったらしく、無意識なのだろうがわたしの 
手技に合わせて腰を細かく規則的に揺らし始めていて、顔には明らかに陶酔の色が浮かび始めて 
いて、無防備に開いた口は声の断片を散らすに加えてせわしなく呼吸を繰り返しもしていて、 
そんなリンクのかんばせに見入りながら魅入られながらわたしは少しずつそこに自分の顔を 
近づけていって……  
 
 口で口を塞ぐ。 
 リンクの身体がひときわ震える。 
 しかし抗わない。 
 舌を挿し入れる。 
 やはり抗わない。 
 生まれて初めてキスを経験するリンクだから──ごめんなさい、サリア、リンクがほんとうに 
初めてのキスをした相手があなただということをないがしろにするつもりは全然ないの、だけど 
いまだけはわたしに想像を許してちょうだい──驚愕と、そして感激が著しすぎて、何をなす 
すべもなくなっているのだ。 
 乗じてわたしは攻めかかる。リンクの口を貪る一方で、右手の活動をますます盛んにする。 
それはすでにぬるぬるした先走りの液を次から次へと分泌していて、その潤滑さのおかげで 
わたしの手は相当の速さ強さで摩擦を施すことができるようになっていて、比例的にリンクも 
相当の被刺激感を得ているとみえて、塞がれた口の奥から、 
(んんッ!……んーッ!……んッ!……んーんッ!……) 
 と切迫気味に呻きを連続させる。息苦しそうでもある。キスに慣れていないせいでもあろう。 
余裕を作ってやるべきか。 
 唇を離す。途端にリンクは言葉を乱れ散らし出す。 
(あッ、ゼルダ……ぼく……あぁッ!……ぼくッ!……) 
 ──どう? 気持ちいい? 
(いいよ……とってもいい……でも、あッ……あぁぁッ!……) 
 ──でも? 
(変なんだ……なにか、ぼ、ぼく……だんだん、変になってる……) 
 ──変って? 
(ゼルダの、触ってる……そ、そこが、あ、あぁッ!……) 
 ──ここが? 
(う、うん、そこが……あと、ちょっとで……弾けちゃいそうで……) 
 登りつめようとしているのだ。 
 耳に口を近寄せ、ささやく。 
 ──いいわ。弾けちゃいなさい。 
 しごきをいっそう激しくする。 
(あああぁッ! ゼルダ! ぼく! ぼくッ!) 
 ──さあ、いくのよ。 
(い、いく、いく、そうだよ、あッ! いくよッ!) 
 ──いって。 
(いくッ! も、もうッ! あぁッ! ゼルダ! いかせてッ!) 
 ──いかせてあげるわ。さあ! 
(あッ! ぼくッ! もうぼくッ! あッ! あッ! ああッ!) 
 ──さあッ! リンク! 
(ゼルダッ! うぁッ! あッ! ああッ! あああーーーーーッッ!!) 
 ついにリンクは到達する。そこを一段と勢いよくびくつかせ、いつしかひそかに蓄えていた 
精液を──だとおかしい? 子供のリンクがそうなるのはおかしい? かまわないわ、想像は 
自由にすればいいんだわ、だから──生まれて初めて体外に噴射する!  
 
 ……精根尽き果てたように全身をぐったりとさせながらも、自分が何を放出したのかと 
当惑しているらしいリンクに、かくかくしかじかとわたしは説明し──時間がかかりそうな場面は 
省略できるのが想像のいいところだ──心の急くまま、次段へと進む。 
 リンクの股間を眼前にし、萎えた一物を口に含む。 
(あッ!) 
 喫驚の声と、 
(だ、だめだよ、ゼルダ、そんなこと、汚いよ) 
 狼狽の言葉をいっさい無視し、わたしはひたすらそれを吸い、舐め、味わう。台詞は諫めるかの 
ごときリンクであっても、ほんとうはその行為を続けて欲しいと思っている。身体が無抵抗なのが 
何よりの証拠。そこに口を使われての快感を満喫しているのだ。ためにそれはたちまち硬さを 
取り戻し──だと元気すぎるかもしれないけれど、いいわ、想像なのだから──再びリンクは 
喘ぎ始め、再び惑乱と懇願の語を連ね、そしてほどなく再び精液を、今度はわたしの口中に 
射出する…… 
 展開が速すぎるかしら。 
 でも、もう、待ちきれない。 
 こちらの方も気持ちよくなれる場面がこのあとにくるのだ。そろそろわたしも行き着きたい。 
 ……というわけで。 
 すべての衣服を捨てる。 
 茫然となるリンク。 
 大人の女のあでやかな全裸姿を見るのが、やはり生まれて初めて──という、これは一時の 
設定なの、ごめんなさいマロン、ごめんなさいアンジュ──なものだから、すっかり度肝を 
抜かれているのだ。ことに、大きく盛り上がった乳房と、密な恥叢に覆われた下腹は、 
衝撃なくしては眺められないだろう。 
 ──あなたも、脱いで。 
 茫然としたまま、それでもリンクは覚束なげにせよ手足を動かす。何のためにそうするのか全く 
わかっていないはずなのに。わたしの言には無条件で従うよう、思考回路が定まってしまっても 
いるのか。そこまでわたしの裸体に魅せられてもいるのか。 
 脱衣を終えたリンクをベッドに誘う。密着状態で横たわる。愛撫を求める。とりわけ局部に 
ついては構造と要領を詳説する。 
 リンクは実践する。従順に。自分が先にされたことであるからか、戸惑いはないようだ。 
出だしこそおっかなびっくりの手つきだったが、次第に大胆な指技を憚らなくなる。 
 わたしの賞賛に勇気づけられてもいるのだろう。 
 ──そう……そうよ、リンク……いいわ、とても上手よ…… 
 実際、うまい。 
 どこをどうすればわたしがいちばん感じるかを知りつくしているかのような──のは現実に 
愛撫しているのがわたし本人だからだが──初心者離れした巧妙さ。 
 否応なく興奮がかき立てられる。 
 秘所への接吻を請えば、もはやためらいのかけらもなくリンクは応じ、それがまた、まことに 
まことにまことに巧みで、わたしは悦びの声を抑えることができない。 
「うぅッ!……あッ!……あぅあッ!……んんん、んあッ、ああッ!……」 
 リンクを導くという役割を、もう演じてはいられない。行こう、行こう、最後まで。わたしの 
痴態にリンクも興奮させられたのだろう、三たび、股間の武器を、小さいながらも堂々と 
いきり立たせている!  
 
 仰臥して、いざなう。 
 ──いらっしゃい。 
(ど、どうするの?) 
 ──わたしたち、ひとつになるの。 
(ひとつにって?) 
 ──あなたとわたしの気持ちいい所を、結び合わせるの。 
(これを?) 
 ──ええ。 
(ここに?) 
 ──ええ。 
(こう?) 
 ──そう、そこに、きて…… 
(こ……んッ……あッ……こ、こう?) 
 ──そうよ、そうよ、もっと、もっとよ! 
(うぁッ! あッ!……ぼく……ぼくッ!……) 
 ──もっとよ! きてッ! 奥まできてッ! 
(入っ……ちゃった……ぼく、ゼルダの、中に、入っちゃったよ!) 
 ──突いて! 突き刺して! 動いて! かきまわしてッ! 
(こうだね? こうするんだね!?) 
 ──そうよ! それでいいの! あぁッ! いいッ! リンク!  
(ゼルダ! ぼくも! ぼくもッ! ぼくもぉッ!) 
 ──そうよッ! 速くッ! もっと速くッ!! 
(いいよッ! こうするの、とっても気持ちいいよッ!!) 
 ──わたしもよッ! ああぁあッ! いいわッ! いいわぁッ!!) 
(ゼルダッ!!) 
「リンクッ!!」 
 そうよ! そうよ! そうよそうよ突いて突いて突きまくって突きまくってわたしをよくして 
もっともっとよくしてよくしていかせていかせていかせていッ──! 
「くッ!」 
 いくッ! 
 いくッッ! 
 いくぅッッ!! 
 
「は! あ、あぁッッ──!!」 
 
 いった、わたし、いった、いったわ、すごい、とても、なんて、すてき…… 
『でも!』 
 まだいきたい。まだ足りない。 
 幸い、リンクは──つまりわたしの指は──硬いままだから、いますぐにでも、もう一度、 
わたしは至高の境地に達せる……とは……いえ……  
 
 今度は別の場所で達したい。 
 ほんとうのリンクならそうしてくれる。「前」でわたしを昇天させたら、次には…… 
「後ろ」で。 
 しかしながら、残念ながら、現実、リンクは、ここにいない。 
 なら、自分でする? いましがたのように? 
『それは……ちょっと……』 
 その場所を自分でいじったことはない。いくらなんでもそこまでするのは、と思い、控えてきた。 
『でも……』 
 ルトは、している。 
 初対面の際には、なんと高慢な人物か、と思われたルトではあるも、それは彼女が自己を 
飾らない性格だからで、事実、胸襟を開き合ってからは、かなりあけすけに話をしてくれるように 
なった。 
 そんな話の一つ。 
 世界中でもわらわひとりであろうが──と、さすがに含羞の趣を呈しながらも、時にはそうして 
おのれに慰めを施すこともある由、彼女はこっそり語ってくれた。 
 ルトがしているのなら、わたしだって…… 
 実際、対象が自分でなければ──関係のある女性たち、のみならずリンクさえも──そこに指を 
使って喘がせた経験のあるわたしなのだ。 
 そして、リンクをしばしばそこに受け入れてもいる。 
 挿すも挿されるも馴染みとあらば、その二つを兼行しようといささかの不都合もない。 
『やろう』 
 膣にとどまらせていた右手の指を抜き、後方へとすべらせる。おびただしい量の粘液に 
浸っていたそれは、新たな部位へも容易に進入可能。受ける側での力の抜き方もわきまえている。 
なので── 
「ん……」 
 慎重に事を運べば── 
「ん、んッ……」 
 困難もなく── 
「ん……んんッ……んーーんん、んッ……」 
 苦痛もなく── 
「ん……あ……は、あッ……あッ……あああ……あぁ……」 
 それをできる限り奥まで分け入らせることができるし── 
「あ……う、うぅッ……ん……」 
 くいくいと回転させてみたり── 
「う、くッ……う……んぁ……ッ!……」 
 ずいずいと往復させてみたりしても── 
「う、ぉッ!……あぅッ!……く、ぁ……ぁ、ぁ、ぁぁあああッ!……」 
 障害のひとつだになく、生まれるのは快感── 
「あッ!……」 
 快感── 
「あッ!……あッ!……」 
 快感、快感── 
「あッ!……あッ!……あッ!……」 
 快感、快感、快感── 
「あッ!……あッ!……あッ!……あッ!……」 
 快感、快感、快感、快感ばかりなのよそうよそうよいいのよわたしこうしてるとわたしじきに 
じきにいけるいけるだからもっとだからもっと速く速く指を、じゃなくてこれはリンクこれは 
リンクこれは子供のリンクの小さなペニスああわたしったらあろうことか後ろまで子供のリンクに 
許すなんてついさっき前で初体験させたリンクを続けて後ろでも体験させるなんてさせられる 
なんてすてきなんてすてきすてきすてきす、て、き、な、の、だ、け、れ、ど……  
 
 前にも欲しい、こうなったら前と後ろの両方に欲しい、ほんとうのリンクがいつもしてくれる 
こと、前をペニスで突かれながら後ろに指を、あるいは後ろをペニスで掘られながら前に指を 
挿しこまれると、わたしは我を忘れて気が狂ったようによがり続けてしまう、ただ両方ともが 
ペニスだったらと思う時もないではなくて、『あの世界』で『この世界』でナボールや『副官』が 
二本挿しされて随喜するさまを──一方は張形ということもあったが──見ているものだから 
自分がそうされたらどんなだろうとついつい思ってしまう時もあって、だけどわたしに挿れて 
いいのはリンクだけだからリンクが一人しかいない以上は断じてあり得ないそれは夢のまた夢の 
そのまた夢…… 
『そうかしら』 
 そうでもない。 
 想像すればいいだけだ。リンクが二人いるのだと。 
 そうよ、そうするわ、そういうことにするわ、二本の指を二本の小さなペニスに見立てて、 
子供のリンクが二人でわたしを前後から貫くさまを頭に描いて、後ろに右手の指、足して左手の 
指を前に這わせて奥へ── 
「あ、あッ!」 
 奥へ── 
「あ、あ、あぁあッ!」 
 奥へ── 
「ああッあッ、あ、あぁぁあッ!」 
 奥へともぐりこませればそれでわたし流の二本挿しが完成、さあ、リンク、リンク、リンクと 
リンク、二人とも動いて精いっぱい動いてがんばってがんばってわたしを攻めて攻めて悦ばせて 
高まらせて悶えさせて酔いしれさせて最高の地点へ連れて行って連れて行って早く速く早く速く 
わたしを、ああわたしを、二人でわたしを、女が男を収められる二つの場所を── 
『違う!』 
 二つじゃない、もう一つ、もう一つある、女が男を収められる場所をもう一つわたしは持っている、 
口、そこに三人目のリンクが、三本目のペニスが唇を割って入りこんでくるんだわ、硬い硬い 
肉の棒がわたしの口をいっぱいにして喉まで突き進んでまさに息が詰まるほど太い……太い? 
太いの? そうよ太いのよそれは大人のリンクのそれ、子供のリンクと大人のリンクが束になって 
三人がかりでわたしを犯しているんだわ、ああ、して、あああ、どうにでもして、ああああ、 
好きなだけして、して、して、リンク、リンク、リンク、三人で、三人で、いいえ、もっと、 
もっといてくれてかまわないわ、右手と左手であと二人のリンクのそれを握ってこすってしごく 
ことがわたしにはできる、これで五人、五人、五人のリンク、だけじゃない? まだいるの? 
まだくるの? この上どこに? 胸? 髪? 腋? 足? いいわいくらでもいらっしゃい、 
何人だろうとかまわないわ、リンクリンクリンクリンクリンクリンクリンクリンクそんなに 
たくさんどうやってわたし一人の身体に群がれるのかわからないけれどどうにかなるわね 
どうにでもなるわね何を想像したっていいんだからいいんだからだからだからいいだからいい、 
いい、だからいい、いい、いい、いくわ、いくわ、もうすぐ、もうだめ、だから、いって、リンク、 
リンク、みんなで、一緒に、わたしの中で外で一緒にいっていってわたしの中に外にぶちまけて 
わたしをあなたまみれにしてちょうだいちょうだいお願いリンクリンク早く速く早く速くわたしで 
わたしをわたしとわたしにリンクああリンクあああリンクああああああリンクリンクリンクリンク 
リンク──!!  
 
「もうお起きになられてよろしいのですか?」 
 気がかりで様子を見に来たのだろう、そっと寝室のドアを開いたインパが、次いで驚きの声音で 
発した言葉に、ベッドの横で身を立たせていたゼルダは、平静に答を返した。 
「ひと眠りしたら具合がよくなったわ。熱も下がったみたいだし」 
 インパは疑わしげに眉根を寄せ、つかつかと近づけた歩みをゼルダの面前で止めると、 
「失礼します」 
 掌を額に触れさせてきた。 
「……おっしゃるとおりのようで」 
 手を引き、しかしなお心配顔のインパに、 
「夕食は食堂でとろうと思うの。かまわないでしょう?」 
 と告げる。 
「それは……まあ……そうお望みでしたら……」 
 一応は是認しつつも、 
「ですが、くれぐれもご無理はなさらないでください。熱は下がっても、体調が万全に復したとは 
限りません」 
 懸念を消しきれないふうのインパだったが、 
「ええ、無理はしないことよ。食事が終わったら、また早くに寝むわ」 
 控えめに述べると、ようやく愁眉を開いた。 
 ほんとうは早くに寝む必要などないほどの完調だった。インパを安心させるため、敢えて 
逆らわなかっただけである。事実、夕食の品々には旺盛な食欲を誘われ、味覚はいたって適正に 
機能した。無論、視界がぼやけたりすることもない。 
 侍医が進言した一日よりも短い時間のうちにここまで回復できたのは──と、食後の酒を 
賞味しながら、ゼルダは自己を分析した。 
 一つには、充分に睡眠をとれたからだろう。 
 あのあと──絶頂に達したあと──満ち足りた気分に疲労感が加わり、後先も考えず、わたしは 
眠りに落ちてしまった。目が覚めて、びっくりした。ベッドは乱れきっていた。敷布は皺だらけ。 
毛布は床に落ちてしまっている。おのれの姿も然り。下穿きは──行為の最中、無意識に脱いで 
いたらしく──ベッドの隅に放擲され、寝衣はさすがに身を離れてはいなかったものの、裾が 
大きく捲れ上がった状態。目覚めぬうち誰かに訪室されたら、下半身丸出しの醜態をさらしていた。 
実際、きわどいところだった。インパが部屋に入ってきたのは、あわてて着衣とベッドを整えた 
直後のことだったのだ。 
 そういう危うさが気にならないほどの深い眠りが、疲労のみならず体調不良をも癒したのだと 
思われる。  
 
 いま一つの理由は、汗。 
 目覚めた時、寝衣も敷布もじっとりと湿っていた。熱狂に促された発汗が、転じて解熱を 
促したのだ。湿りは多量の愛液にも起因していたのだろうが、それを覆い隠し、インパに行為を 
悟られずにすんだという利点もあった。 
 しかし最大の要因は…… 
 欲求不満を解消できたこと。 
 精神面での解放が、肉体にも好都合に作用したのだ。 
『それにしても……』 
 結局、わたしは「痴女」だった。「内診」のみならず「直腸診」さえ自ら行うほどに。そこまでなら 
──ルトの言を採れば──世界で二人目にとどまるけれども、あれだけ奔放な想像はルトですら 
営むまい。『あの世界』のわたしは「世界でいちばん淫らな女」だと自分を評した。その評価は 
『この世界』でも──『新世界』を加えた範囲においても──至当であるに相違なかろう。 
 ただ、それを否定的に捉えるつもりはない。淫らであればこそ健康でいられる、とまで言うと 
言いすぎかもしれないが、鬱屈を内に飼い続けるよりは、はるかに健全なあり方だと思う。 
 そしてわたしは、今日、あれほど快感を貪りながら、まだ満足しきってはいない。 
 ほんとうのリンクに抱かれたい。常軌を逸した妄想に溺れてまで自分を慰めようとも、それは 
とうてい解消できないわたしの熱望なのだ。今度、リンクと相まみえた時、わたしは、性器に 
刺激をいっさい受けないうちから──そうされるのを欲さないわけでは毛頭ないが──肌を接した 
だけで、今日にも増して乳首を突き立たせ、今日にも増して股間を濡らすだろう。すでに実行し得る 
あらゆる形の交わりを結んだ間柄であっても、リンクとの触れ合いは、常に新鮮、常に最上── 
 そこで、ふと、疑念が兆した。 
『すでに実行し得るあらゆる形の交わりを結んだ?』 
 記憶を浚う。 
 確かだ。間違いない。複数のリンクを相手にするなどといった、想像でしか体験できない形を 
除けば。 
 けれども、『あの世界』でなら体験できたが『この世界』では不可能という形はある。詳言すれば、 
『あの世界』でも体験できたのはわたしならぬわたしだけで、『この世界』のわたしはそれこそ 
想像するのみの形…… 
『でもないのでは?』 
 実行は可能かもしれない。『この世界』のわたしであっても。やりようによっては。 
『たとえば……』 
 ──と、尽きせぬ性欲を恥じる気もなく、鋭意、策を練り始めるゼルダだった。 
 
 
To be continued.  
 

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