「ルト姫、どこ行っちゃったのかなぁ?」
「変なタコ倒したけど何もなかったし、
うまく逃げたとは思うけど・・・
とりあえず先に進もうよ」
ぐちゃぐちゃと嫌な音にも耳が慣れ、
ぶよぶよとした肉を踏みしめながら進む。
今まで森で過ごしてきたリンクは、
否、おそらくどんなところで育っても、
まさか巨大な生物の中をうろうろ歩き回ることは極めて稀な事だろう。
そんな珍しい体験を気にも留めずに急ぎ足で進む。
本人にとっては旅行気分ではないのだ。
少なくとも、今はいなくなったルト姫を探すことに夢中なのである。
ずいぶん歩いた。
もう服やブーツはいろんな液体でぐちゃぐちゃになっている。
袖やスカートの丈は短いので動くには問題ないのだが、
まとわり付く衣服は思いのほか不快で、
足を無意識に急がせていた。
ルト姫を救出して、最後の精霊石を持ち帰って。
それで世界が救われる。
そんな安直な考えを信じてここまできた。
後一歩の所なのだ。
少々舞い上がっていたのかもしれない。
そうでなければ、ひときわ大きな部屋(器官?)に入った時に、
もっと警戒できたはずだ。
「あれ、暗いねここ」
「ホントだ。・・・・・でも、何か変な音がするよ」
バチバチという音は聞き覚えがある。
そこらに浮いていたクラゲのような敵がそんな音を発していた。
それは電気だという知識は彼にはない。
ナビィから聞かされていたものの、いまいちピンとこなかった。
だが、今はブーメランもある。
たとえ何匹襲ってきたって、対処できる。
そう考えていた。
暗闇をきょろきょろと見回しながら歩みを進めた。
十歩ほど進んだところで、
奥のほうから何かが飛んできて、
リンクは弾き飛ばされた。
「うぁっ!?」
入り口の方に戻される形で横たわるリンクの元に近づこうとしたナビィに、
また別の何かが襲い掛かった。
「キャア!」
小さな妖精は光を保ちつつも、肉壁に叩きつけられ動かなくなった。
その相棒に駆け寄ろうとするリンクだったが、
途中で歩みを止めて剣と盾を構え、
暗闇にいる「何か」と向き合った。
目を凝らして初めてその正体を知った。
何とも言い難い、複数の触手を持った魔物、
電核寄生虫バリネード。
触手には見覚えがあったが、
前に見たそれとは違って斬るべきくびれがない。
胴体と思しき部分には
やや大きいクラゲがくっついていた。
「ナ、ナビィ、大丈夫・・・?」
盾と剣はそのまま、じりじりと横歩きしてナビィに近寄り、声をかける。
しかし、返事がない。
妖精についての知識が少ないリンクは、
ナビィの安否を確認する術を知らなかった。
不安がっていると、バリネードが触手を勢い良く伸ばしてきた。
とっさに横っ飛びで避け、剣をブーメランに持ち代える。
とにかく、あの胴体を守っているクラゲには効きそうだった。
隙を見てブーメランを投げ、触手は盾ではじき返す。
異常な弧を描きながら、ブーメランはクラゲを一匹仕留めて手に戻ってきた。
「よし!」
いける、そう感じた時、リンクは目を疑った。
胴体からそれが分離し、更に回転しながらバリネードが迫ってきたではないか。
クラゲ状のモンスター、バリを振り回しながら近づいてくるその迫力に驚き、
後退りながらブーメランを投げた。
しかし、毎回同じものが通用するわけではない。
触手がブーメランを叩き落としたのだ。
回転が止まったブーメランは、持ち主の手に戻ることなく床を滑った。
そして、バリが横から迫る。
慌ててしまったためか、盾を構えたはいいが大きく仰け反り、
尻餅をついてしまう。
それを見逃さずに、触手がリンクの片足を捕らえた。
「うわわわっ!」
みるみる遠ざかる床、反転する視界。
更にもう反転しながら、床がすごい勢いで迫ってくる。
強い力で叩きつけられたリンクは、
咳き込みながら蹲る。
背と尻を相手に向けた、完全に無防備な体。
狙われないわけはなかった。
今度は両足と両手に触手が伸びた。
すんでのところで気付いたが、もう間に合わない。
「うわっ!くそぉ、離してよ!」
人間の講義など、魔物が理解するはずもない。
まして相手はデクナッツなどとは違う。
喋るどころか、知恵があるかも疑わしい存在だ。
しかし、無知ではなかった。
触手は器用な動きで剣と盾を奪いとると、
ゴミでも捨てるように、そこらに投げてしまった。
残されたリンクは、両手足の自由が利かないまま持ち上げられる。
勇者を気取り、魔物と戦っていたとはいえ、
剣も盾も道具も持たない彼は、
外見以上の力など持ち合わせているはずもなく、
拘束を解くのは不可能。
更に触手は道具がたくさん入った道具袋もひったくる。
なんとか手を自由にすれば、バクダンくらいは使えたかもしれないが、
それも叶わなくなった。
ここまで絶体絶命、と呼べる状況は初めてだった。
リンクは喰らうであろう一撃を硬く目をつぶって覚悟していた。
全身に力が入り、強張る。
そんなリンクが喰らった衝撃は、予想とは全く異なるものだった。
ぺろり。
「ひゃんっ!?」
全身を強張らせ、目を瞑っていたためにおかしな声を出してしまった。
無理もない、まるでナメクジか何かのような、ぬめぬめした細い触手が、
リンクの耳を舐めるように刺激したのだ。
「な、なにすっ・・・んっ」
今度は似たようなものがもう一方の耳にも。
思わず変な声が出るのを必死で我慢しつつ、
両耳を弄くられるのに耐えた。
粘液が満遍なく塗られた耳は、
ぬちゃぬちゃという不快な音を奏で、
リンクの不安感をあおった。
くすぐったさ、不快さ、そしていきなりこんな事をすることの不思議さ。
それが一種の恐怖となって、リンクを穢していた。
良く見ると、似たような触手が無数にリンクを取り囲んでいた。
バリネードの触手はいくつもあるようだったが、
この細い方は隠し持っていたのだろう。
どう考えても力は弱そうである。
しかし、リンクの手足は太く、力強い触手に捕らえられている。
体をよじり、首をいやいやをするように振るくらいの抵抗しか、させてもらえなかった。
そんな中、細い触手のうち一本が、リンクの下半身に近づいた。
「も、やめ・・・ふあ!?」
スカートの中にもぐりこみ、スパッツの中に侵入し、
触手は陰茎を捕らえた。
ぬるぬるした細いものが巻きついたそれは、すでに硬直してしまっていた。
それは生理現象。しかし、過程はどうあれ勃起した陰茎は格好の餌食である。
スパッツの中で扱くように動き始めた。
こちらは直接的な官能だ。嫌でも体は反応する。
強張った体を縮め、必死に抵抗しようと手に足に力を込めるが、
大の字からほとんど動くことは出来ない。
「ふぁっんぁっ」
息が切れる。体が熱い。勝手に声が出る。
体の異常に動揺したリンクは、なされるがままになっていた。
襟から背中に触手が入っても、ぞわぞわするくすぐったさに悶えるしかなく。
その触手が力任せに外側へ出ようと動き、
服を破ってしまっても、リンクの口から出るのは無意味な講義と喘ぎと荒い息だけ。
背を、耳を、舐めるように撫でるように這うぬめぬめした触手。
でも、本当にリンクがつらいと感じるのは、陰茎に絡まる触手だった。
スパッツの中で必要以上に引っ付くため、余計に激しく感じてしまう。
自分でいじったことすらないリンクは、自分がどういうことをされているのかわからず、
ただ体を震わせ、よじり、抵抗にならない抵抗を繰り返していた。
「うぁ!?や、やめて!何か・・・」
自分の体の更なる異変に気付いて暴れるように抵抗する。
それでも少し手足が動くのみで、
触手を払うのは一切かなわず、
リンクは生まれて初めての絶頂を味わった。
「はぁーっ、はぁーっ・・・・」
荒い息と粘液のぬちゃぬちゃとする音、電気の鋭い音が交じり合う部屋で、
リンクは相変わらず大の字で空中に磔にされたまま、
下を向いて息を吐き出していた。
頭がまるで働かず、目の前がちかちかした。
体には電流のようなものが走り、
スパッツのなかの粘液はさっきより倍近く増えた気がした。
触手はスカートだけとなった服の残骸を引っぺがし、
スパッツも剥ぎ取り、
リンクは丸裸となった。
しかし、絶頂の余韻で上の空になっているリンクは気付かない。
陰茎は精を吐き出して尚、びくびくと脈打ち、硬さを保っている。
地味に耳や背中、いつの間にかいじられていた乳首や臍などがそうさせているのだろう。
だが、それらがいっせいにリンクから手を引いた。
リンクは少しずつ我を取り戻し、
真っ赤にした顔を向けた。
弱々しい表情を浮かべ、バリネードにいった。
「もう・・・・許してよぉ・・・・」
魔物に対しての懇願。
しかし、それが通じるはずもない。
触手はまたもまとわり付く。
だが、今度は違うものがあった。
「ひっ・・・なにするの・・・?」
すっかり弱気になってしまったリンクは、
目の前のバリにされるであろう何かを恐れ、
腰を引かし、顔を青ざめさせていた。
ゆっくりバリが触手を伸ばし、
リンクの体に触れる。
「あ゙あ゙あ゙あ゙ああああああぁぁっぁ!!!!」
電撃が体を駆け巡る。
さっきの甘い、ねばっこい電撃ではない。
鋭く駆け巡る、本物だ。
次に、少し太めの触手が顔に近づく。
顔を撫で、唇を這い、そして口に侵入する。
「んん゙っ!?」
それは一気にのどの置くまで届き、
粘液を口全体にぶちまけながら奥に行ったり手前に来たりを繰り返した。
「ん゙っ!?ん゙ぅ!??」
これもリンクには知識のない体験だった。
頭の奥までぐちゃぐちゃになっているような感覚に、
リンクの陰茎はまた硬さをましていく。
自分の体が熱を帯びているのを感じる余裕もない。
生理的な涙がつぶらな瞳からこぼれ、
触手を口いっぱいに頬張っている。
「!!!」
唐突に、触手がすこし膨らんだかと思うと
熱い粘液をのどの奥に流し込んだ。
自分の陰茎と似た、脈打つ触手が口から抜け出ると、
リンクは口の中のものを吐き出してしまった。
生臭い味が口いっぱいに広がり、
不快感が頂点に達する。
のどに絡み付いて、何度も咳き込んだ。
しかし、まだまだ終わらない。
足をつかんだ触手が両足を勝手に開け始めた。
「こ、今度は何だよ・・・けほっ」
先ほど自分が口にいれた触手が、
なんと尻穴に粘液を刷り込み始めた。
「え!?なにしてるの!?」
とはいえ、これが意味するのはおぼろげに直感していた。
でも、その理由が分からない。
しかし、それもおかまいなし。
粘液を刷り込み、徐々に慣らした菊門を、
ぬぶぬぶと奥に進んでいく触手。
「う・・・・ぅぁっ」
その感覚に鳥肌すら立たせ、首を振りながら必死で抵抗する。
いつまでも触手は疲れ知らずだった。
一方リンクは、心身ともに疲れきっている。
触手がかなり奥まで進んだところで、
先ほどよりも大量の粘液をぶちまけた。
「〜〜〜っ!?」
声にならない悲鳴を上げて、がくがくと震える体。
すこし腹が膨らむほど流し込まれた後、かき混ぜるように暴れ、
勢い良く飛び出る。
と同時に、触手がリンクの下っ腹を強く押した。
まるで手押しポンプのように、
リンクは腸にたまったものを粘液ごと強制的にひり出してしまった。
触手に腸内をかき混ぜられ、浣腸までされて、
リンクは肩をがくがくさせ、ぜえぜえと息を切らせ、
それでも体の奥から湧き上がる熱をしっかりと感じていた。
不自然なほどのその熱が、バリネードの粘液が原因の半分であることも、
もう半分の原因が、自分の隠れた一面であることも、
感じてはいなかったが。
「やだ・・・もう帰してよ・・・」
涙を浮かべて、声も今にも泣きそうになって、
それでも感情のない魔物はかまいもせず、
口を開き始めた菊門を貫いた。
「くぅんっ!」
さっきとは明らかに感覚が違った。
排便感、圧迫感、不快感、そして官能。
それらが入り混じり、熱い刺激となってリンクを揺さぶっていた。
更にそれだけでは終わらない。
バリがリンクの亀頭に微弱な電流を流した。
妙な感覚とともに湧き上がる快感を声にして漏らす。
乳首も、耳も、背中も、どこもかしこも、
粘液にまみれた触手に虐められていた。
そして、それで搾り出された喘ぎ声は、
明らかに艶を帯びていた。
「あんっ!ふぁっ!ぅあっ!」
前立腺をグリグリと刺激され、一気に奥まで突かれ、ゆっくりと抜かれ、
陰茎を扱かれ、裏筋を刺激され、玉袋を揉まれ、亀頭を嘗め回され。
頭のてっぺんからつま先まで、官能を叩きつけられ、一分もせずにリンクは果てた。
ぬめぬめ、ぐちゃぐちゃ。
まだバリネードの責めは終わらない。
両手を後ろ手に縛られ、
足は膝を曲げた形で広げられている状態で、
乳首と肛門と性器に責めは集中していた。
「んはぁっ、はぁっ、はぁっ!」
いっそう細い触手が尿道を肛門にしたかのように出し入れしている。
精液が出ている感覚がずっと続いているようで、体の奥から声を絞り出していた。
ぬぷり、と飛び出るとカウパーが一気にあふれ出る。
しかし絶頂は出来ない。
「だ、出したいのに・・・・・
出したいのに、出せないぃ・・・・・っ!
もう、離して・・・・・、
離してよぉ!」
快感の虜になったリンクが叫んでいるのは、
陰茎の根元をぎちぎちと触手に締められているからである。
責めも、絶頂直前で止めてしまう。
さっきまでは苦だった絶頂が、恋しい。
味わいたくてたまらない。
この状態が、かれこれ1時間近く続いている。
性行為を知らず、それが恥ずかしい事だということも当然知らず、
ただ燃える様な快楽だけを体に叩き込まれたリンクは、
理性を持って内からわきあがる欲望を止める術を手放した。
「お願い、もう・・・・許してよぉ!」
1分足らずで果てたリンクにとっては十分すぎる拷問だった。
しかし、根元の触手が緩んだ。
そして前立腺を押し上げられ、
一時間の寸止めの末にリンクはあっけなく絶頂した。
しかしそこからが地獄の、ある意味の天国の始まりだった。
「うぁぁあぁあぁっ!??」
果てた瞬間に亀頭と前立腺の攻めがいっそう強くなった。
自身が出した精液を塗りたくられた亀頭はさっきの数倍感度が良く、
前立腺も自分で分かるほどパンパンに膨らんでいた。
「止めてぇっ!これ、変っ!変なの来るっ!」
それでも尚愛撫を続ける。
乾ききった絶頂が、凄まじい勢いで体を駆け抜けた。
「っ!!??」
声を出したつもりだったが、出なかった。
陰茎からは尿に近い透明な液体が吐き出された。
射精と潮吹きの違いは彼には分かるはずもなく、
いつもと全く違う絶頂に酔いしれていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
触手から解かれた。
しかし起き上がる気力はない。
体全体が麻痺してる。
そんな中、耳に届いた声があった。
それ以降は、覚えていないが、
気が付けば自分はハートの器で元気を取り戻していた。
服は破けてはいたが、まだ着ていた。
体全体がヌルヌルするのも、さっきの責め以前に濡れていた。
部屋の端に放られた武器はすべて手元にあった。
「ヘイ、すごかったヨ、リンク!」
「へ?」
「んもう、せっかく褒めたんだから喜んでよ!」
「う、うん・・・ありがと・・・?」
不思議な夢?それとも・・・
いろんな考えを持ったまま、外に出たリンクは、
「ゾーラのサファイア」を手に入れ、ハイラル城に急いだ。
「リンク、なんでそんなに水浴びしてるの?」
「いや、何となく。」