「きゃー!」  
「どうせ僕はお尋ね者さ、だったら悪の限りを尽くしても問題無いだろ!」  
主人公リンクは国の姫の為に一生懸命戦っていたが、それでも村人達は真実を知る筈も無くリンクの存在を手配書通りに犯罪者扱いしていた。  
確かに例外も居た、長老や酒場の大人や子供は看板に踊らされてはいなかった。  
しかし、年頃の娘達はリンクを毛嫌いした。  
いくら国の為に戦う戦士でも思春期の青年であるリンクはそれがとても悲しかった。  
だからとうとう理性が消えた、彼は村の娘をさらい自分でしか行けない場所に囲ってしまった。  
「君が悪いんだ、僕は何も君に害なんて無かった筈なのに、先入観で怖がられる人の気持ちが君に分かるのか!?」  
さらわれた娘は恐怖のあまりに黙ってしまう。  
「ここはヘブラ山の絶壁にある洞窟さ、どうせ助けなんて来やしない、逃げるのも不可能だ。諦めな」  
リンクはそう言うと娘の服を引き千切り押し倒した。  
だが胸を露にした娘はその衝撃で洞窟の床に背中を強く打ち付けてしまった。  
「あっ、うっ痛い……」  
「あっごめん!えーと・・・そうだ妖精が居た!」  
事故とは言え、元来は温厚であったリンクは慌てて妖精入り瓶を取り出した。  
背中の傷が完全に治った娘は、それでも警戒の眼差しをリンクに向ける。  
「そんな怖い顔するなよ。酷くはしないからさ。さっきのは本当に悪かったよ」  
リンクはそう言いながら娘の肌に舌を這わせ始めた。  
 
薄暗い洞窟の中、二つの影が重なっている。  
「へえ、君って首筋が弱いんだ?」  
娘を背後から抱き抱えるような恰好でリンクは娘の肌の味を楽しんでいた。  
「そんなの、知らないわ!」  
「それに色白で綺麗だし、凄く可愛いな」  
リンクは娘の柔らかな胸を揉み続けながら、赤く染まる頬にも舌を伸ばす。  
「んんっ嫌だぁ!」  
「そこまで嫌う事も無いだろ。君だってこんなに感じているじゃないか」  
そして、娘の胸の膨らみにある突起を指で擦りつつ、足を開かせスカートの中にもう片方の手を入れた。  
「やっぱり体は素直だな、ちゃんと濡れているよ?」  
足の付け根と下着の間から指を差し込んだリンクは意地悪そうに笑うと、割れ目の中で動かした。  
初めて男性との行為に至った娘は今まで経験の無かった快楽に戸惑い、もはや何も言えなくなってしまった。  
目を瞑り顔を背けて黙る娘に、リンクは不満そうな顔をする。  
「我慢なんかされてもつまらないよ、もっと良い声を聞かせてくれないとね」  
そう言うとリンクは、今度は娘の上に覆い被さった。  
自身の服を脱ぎ捨て娘の服を完全に破り切ると、己の竿を相手の蜜壺に突き刺す。  
「ひゃあぁん痛いよぉ!」  
「くっ、これは、確かにきついけど……大丈夫、直ぐに慣れるよ!」  
処女であった娘は男を体内に入れた感覚を苦痛にしか取れなかった。  
リンクも女性経験が皆無だった故に、流石に驚きを隠せなかったが、それでも今更止める事など出来なかった。  
しかし、腰を動かし続けるリンクの下で、娘は痛みと同時に奥を突かれる痛みとは違う感覚に体中を支配された。  
無我夢中で快楽を求めていたリンクは娘の泣き声が喘ぎ声に変った事を満足に思い相手の顔を覗き込んだ。  
「……えっ?」  
そしてリンクの目に映ったのは涙を溢れさせながら自分を見つめる娘であった。  
「お願い許して……こんなの、訳が分からないよ……」  
「……!」  
哀願をする娘の泣き顔を見たリンクは多少の罪悪感が頭に過ったが、今は彼女の全てが欲しい気持ちで一杯だった。  
「ごめん出来ないよ」  
目を背けるリンクに娘は一層悲しい顔をした。  
娘の表情に、やり場の無い気持ちを感じたリンクは少しでも彼女の気持ちを和らげようと一つの提案をする。  
「ねえっ、君の腕を僕の背中に回して。それなら少しは楽かも知れないから!」  
娘は自然とその言葉に応じた。  
激しく腰を振るリンクの首元に娘は顔を埋め続けている。  
 
カンテラの火に照らされる男女の姿は怪しく揺れ続けていた。  
 
 
夜明けになり洞窟の中にも朝日が差し込んできた。  
「ねえ起きてよ。ねえってば!」  
寝惚け眼のリンクは自分に声をかける全裸の女性に気付き慌てて目を覚ました。  
「わあ!」  
「ちょっと、何よその驚き方は!自分でこんな所に連れて来て置いて失礼じゃないの!」  
娘は怒りながらリンクを睨み付ける。  
「いや、まさか君の方が先に起きてるとは思わなかったからさ……」  
「起きちゃったものは仕方ないでしょ!入れっ放しだったのを抜くのは大変だったんだから」  
「あ、そう言えば君を抱いたまま眠っちゃったんだっけ」  
リンクはうつ伏せの状態から起き上がると頭を掻きながら自分の横に座っている娘の方を見た。  
「流石にその恰好じゃ寒いよなぁ、そうだ良い物がある」  
そう言うと手荷物の入った袋を調べ始め、真紅のマントを取り出した。  
「これ実は姿が消える魔法のマントなんだけど、本人の魔力が切れれば普通のマントと変わらないから良ければ使いなよ」  
マジックマントを娘に手渡すと自分は早々と身支度を整える。  
「ちょっと食べ物でも探しに行って来る。君も腹減ってるだろ?」  
「えっ?待って、私あなたに聞きたい事が……」  
しかし娘の声はリンクには届かず、置いて行かれてしまった。  
娘は洞窟の出入り口から外に出てみると成程、旅慣れた冒険者なら兎も角、極普通の村娘では身動きが取れない場所に居る事が確認出来た。  
 
暫くの時間が経過し、リンクは洞窟に戻って来たが娘の姿は何処にも見当たらなかった。  
貸したマントは洞窟の床に無造作に置いてあり、使い物にならなくなった服もそのままになっていたが娘の姿だけが消えていた。  
「そんな、まさか裸のまま逃げ出したのか!?」  
マジックマントの前に座り込み荷物を傍に下したリンクは驚き、そして悲しんだ。  
「あんまりだ、僕はそれ程までに嫌われていたなんて」  
そして涙を流し顔を抑えるリンクの胸に、突如白い生き物が飛び込んで来た。  
「ええっ、何でこんな所にニワトリがいるんだ!?」  
リンクの胸に何度も頭を擦り付けるニワトリの後ろには、内側に白い羽が幾つも付いたマジックマントがあった。  
「そうか、あの中に潜っていたんだな。でも何処から入り込んで来たんだろう?」  
ニワトリは小さな声で鳴き続けるが、リンクに言葉は通じない。  
「なんだ、随分懐っこいニワトリだな」  
涙を手の甲で拭ったリンクはニワトリの背中をそっと撫でた。  
優しく背中を撫でるその手に身を任せるニワトリは気持ち良さそうに目を瞑る。  
「そうだ、折角だから美味しい物をあげようか」  
リンクは先程置いた荷物の中からリンゴを取り出そうとした、だがその時、戦闘用に使う粉の袋が零れ落ちて中身がニワトリに降り掛かってしまった。  
「あらら、私また人間の姿になったのかしら?」  
魔法の粉の効果で人の姿になった娘は裸体のまま不思議そうに話す。  
全裸の娘に跨られる格好で相手と対面しているリンクは訳も分からず固まってしまっていた。  
 
「ニワトリが人間になった?え?何で?」  
「そんなの私だって知らないわよ。昨日だって森に生えてた茸を食べたら急に姿が変わっちゃって、取り合えず村まで帰ろうとした所をあなたにさらわれたのよ」  
「それじゃあ君は風見鶏の西の家の娘じゃないのか?」  
何とか冷静さを取り戻したリンクは驚いて尋ねる。  
「住んでる家は一緒よ、でもそれは私の飼い主の人ね。ねえ、あなたってリンクって人?ご主人様がよく物騒だって話してたわ」  
「確かにリンクは僕だけど、違うんだ誤解だよ!あの時はゼルダ姫に頼まれて……」  
慌てて弁解しようとするリンクだがコッコ娘は間髪入れずに次の質問を投げ掛ける。  
「じゃあ私は?」  
尚も顔を近づけるコッコ娘に、リンクは答えに詰まってしまった。  
自棄を起こし実際に犯罪行為に走ってしまった後ではどんな言い訳も意味が無い。  
「まるで双子じゃないか、間違えるなって言う方が無理だよ」  
リンクは深い溜息を付いた。  
「ご主人様じゃなくて残念だったわね」  
コッコ娘はクスクスと笑っているがリンクはそれ所では無かった。  
「と、取り合えず僕の上から降りてくれないかな、これじゃまた我慢が出来なく……じゃなくて動けないからさ」  
湧き上がる性衝動を何とか堪えてコッコ娘に退く様に促すリンクは再びマジックマントとリンゴも一緒に相手に手渡した。  
マジックマントを着たコッコ娘はリンクの隣に座りその顔を覗き込む。  
「どうしたの?」  
「ごめん、まさか人違いで乱暴してしまうだなんて、本当に申し訳無かった」  
怒りに任せて非人道的な行為をした上に、それが人違いであったとすれば、いくら自棄になっていたとは言えど罪の意識に襲われるのが人情であろう。  
「最初は確かに怖かったわ。でもそれって、さっき初めて分かったけれど、ご主人様の態度に問題があったんでしょう?そりゃあ、やって良い事と悪い事があるけれど……」  
「だけど君だって傷付いたんだろう?身に覚えの無い理由であれだけの酷い事をされれば大体の人は心が折れる筈だ」  
自分の主人に多かれ少なかれ原因が有ったと判断したコッコ娘は少し位はリンクの意見を汲もうとフォローをしようとするが、実際はリンクの言う通りだった。  
返事を返せないコッコ娘は黙ってしまい、そのまま沈黙の時間が過ぎた。  
 
重い空気に耐え切れなかったリンクは急に立ち上がり洞窟の外へ向かった。  
「悪いけど外の空気でも吸って来るよ。ああ、心配しなくても君の事は後でカカリコ村に送り届けてあげるから安心して休んでいれば良いよ」  
「待ってよ!お願いだから!」  
コッコ娘は慌てて走り出し外へ向かうリンクを後ろから抱き締めた。  
突然の事に驚いたリンクは戸惑うばかりであるが、コッコ娘はそのまま話を続けた。  
「ねえ人間じゃないとやっぱり駄目なの?鳥の女には興味無いかな」  
「え、それってどういう意味だよ!?」  
リンクは急いで後ろに向き直りコッコ娘を見下ろした。  
目線をリンクから軽く逸らしながら赤い顔で話を続けるコッコ娘に、リンクも顔を赤くする。  
「あの、でもね、私、さっきリンクが寂しそうに泣いていた時に凄く悔しい気がしたの。ちゃんと直ぐ傍いるのに気づいて貰えなくて、あなたの寂しそうな顔を見るのが辛くて」  
「でも僕は君に酷い事をした……」  
「確かにそれは否定しないわ。けれどさっきのリンクは凄く優しかった、私はもっとあなたの傍に居たい。それじゃ駄目かしら?」  
「後悔しないかな?そんな態度をされたら、もう僕は一生君を手離せなくなる」  
「後悔なんてする筈無いわ、ずっと傍にいさせて!」  
 
切っ掛けは、只誰かに愛されたいと思う青年の一つの思いだった。  
体から始まった付き合いは永遠の愛の絆へと変わった。  
 
 
カカリコ村では今日もお尋ね者の話題が広がっている。  
ニワトリ泥棒と悪名を付けられたリンクは、コッコ娘の飼い主に慰謝料として999ルピーを支払う為に国中の草を刈っていた。  
 
終わり  
 
 

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