「オレは確かにあんたを憎いと思ったんだ・・・」
なのに・・・・・。
そして俺は黙って間尾の目を見つめていた。右目と、髪の間から僅かに覗く左目・・・。
間尾は・・・・悲しんでいるような、哀れんでいるような複雑な顔をしている。
俺も同じ顔をしてるのかもしれない。
同じ顔?
彼女を憎いと思ったのに?
違う、俺には間尾と同じ顔は出来ない。
俺の顔には傷が無い。
間尾の、絶望と、裏切りと、怒りと、悲しみの刻まれた傷が。
俺は、ゆっくりと間尾の髪を掻き揚げた。
「・・・釘町くん・・・?」
ほんの少しだけ、間尾が驚き、不安そうな顔をする。
確かに醜い傷だ。顔の左側、その半分を覆っている。
俺はそのまま間尾に顔を近づけ、ゆっくりと傷に舌を当てた。
「・・・・!」
間尾が一瞬身を震わせる。さすがに意外だっただろう。
だが俺は、構うことなく、ゆっくり舐めつづけた。
目の下からゆっくり円を描くように眉間を通って額へ。
そこから一旦舌を離して頬に。
傷全体を舐めまわした。
間尾は特に抵抗しなかった。
やがて目を閉じ、俺に身を任せた。
心なしか息が荒い。
鼓動が伝わってくる。
舌を離し、一瞬見詰め合う。
そしてゆっくり、お互いの唇を重ねる。
静かな鼻息と、柔らかい唇の感触が
彼女を愛しいものに感じさせた。
舌を入れ、お互いの舌と唾液を絡ませる。
深いキスをしたまま、間尾の背中から腰に、腰から尻に左手を動かす。
そしてそっとスカートをたくし上げる。下着の上から愛撫をすると間尾の鼻息が更に粗くなった。
口を離し少し体勢を変え、手を前に持ってくる。
ゆっくりと下着のなかに手を通す。
「ふ・・ん・・・」
間尾が声を漏らす。
割れ目に沿って指を動かすと、少しして粘液が絡み付いてきた。
動きを早くする。
中指を少し入れる。
「・・・・!」
一瞬強張る間尾の頭を右手で優しく撫でながら、指を出し入れする。
その内人差し指と合わせ根元まで動かしていた。
間尾がゆっくりと頭を上げる。
無言の合図。
俺はゆっくり間尾の下着を脱がせ、
間尾はゆっくり俺のファスナーを下ろした。
そして間尾は少し屈むと、俺のモノをゆっくり手で愛撫し始めた。
ぎこちない動きだが、ほどなく先走った液が出てくる。
間尾は一瞬迷った顔をして、そっと舌を伸ばしてきた。
よっぽど恥ずかしいのか顔が真っ赤だ。
裏から先端へ、そして横へ丁寧に舐めていく。
俺がさっき間尾の傷にしたように。
俺は、自分の中の興奮という火薬が点火寸前なのを悟った。
「間尾・・・・俺、もう・・・・」
間尾が愛撫をやめ、俺を見上げる。
不安な表情が僅かな罪悪感を生むが、もう止められるわけが無い。
間尾自身だってその筈だ。
俺はもう一度間尾を抱きしめた。
そしてゆっくり持ち上げる。
背は高い方だがやはり女の子だ。軽い。
机に腰掛けさせて、もう一度見詰め合う。
間尾も覚悟を決めたようだ。
先端を軽く押し付け、スジに沿って入り口を探す。
そして俺はゆっくり挿入を始めた。
先が少し入り、急に狭まった所に当る。
間尾が唾を飲みこむ音が聞こえた。
「間尾、力、抜いて・・・・・」
無言で頷くが、中々力の抜ける気はしない。そうだよな。
俺はゆっくり、先を出し入れし始めた。
間尾を優しく撫でながら。
安心したのか少しだけ間尾の力が抜けてくる。今の内か。
「間尾、いくよ」
「え!?」
俺は間尾を待たずに一気に貫いた。
「・・・!!いっ・・・・っ!」
間尾が声にならない悲鳴を上げる。
多少罪悪感はあったが、強引にいかないといつまでも出来ない気がした。
目に涙を溜めて耐えている間尾を抱きしめた。
今は黙っていた方が良さそうだ。
やがて間尾も落ちついてきたようだ。
「・・・ごめんな。こうでもしなきゃ・・・」
「・・・うん・・大丈夫・・・・・・」
間尾は涙目で精一杯笑いながら俺を見る。
「・・そろそろ・・・・動いていいよ・・・」
間尾の言葉で俺はゆっくりピストンを始めた。
絡み付く間尾のヒダ、粘液。
強く吹きつけられる間尾の吐息。
やがて間尾も自分から腰を動かしてきた。
「・・・ふっ・・んっ・・んっ」
間尾の必死に押し殺した声が頭に響く。
俺はまた傷を舐め始めた。
間尾はまるでそこが性感帯であるかのように大きく震えた。
20分位そうしていただろうか。
間尾の声がどんどん大きくなる。
「間尾・・・・おれ・・・そろそろ・・」
「わ・・・たしも・・・」
大きく息を吸って、お互い腰を振る力を強める。
次の瞬間、間尾が背中を大きく反り、膣内が急速に狭まった。
そしてそれに絞られるように俺も勢いよく彼女の中に射精した。
頭の中が白くなり意識が薄れていく・・・・。
目が覚めると、間尾は窓辺に立っていた。
下着は既にはいてるようだった。
どうやら俺のファスナーも閉めてくれたようだ。
少し情けなさを感じながら間尾に近づく。
「・・・・これから・・・どうするんだ・・・」
「どうもしないよ・・・。ここにいて、爆発するのを待つか、警察がくるのを待つかだけ。
後者は間に合わないだろうけどね。
君も早く逃げた方がいいよ。」
「・・・・一緒に・・・」
「馬鹿言わないで。私は君の友達も、関係ない人も沢山・・・」
「わかってるよ!でもお前が死ぬのも嫌なんだ!
離れるのも・・・・・。大切なものはもうお前だけしか残ってないんだ。」
「・・・・・わかった・・・・一緒に逃げよう。
これもって。あの掃除ロボまた襲ってくるかもしれないから。」
間尾はあの模造刀をおれに放り投げた。
「ねえ、釘町くん。私、もう一人じゃないのかな。」
期待と不安を混ぜたような声で聞いてくる。
「ああ。いつまでも一緒だ。」
俺ははっきり答えた。
「・・・・・ありがと。」
間尾は今までに見た事ない嬉しそうな可愛い顔で礼をいい、
俺の模造刀をもった手を掴んだ。
完