【絶対可憐チルドレン 6th Sence. あたしンち Other Side】
明石薫。ザ・チルドレンのリーダー格で、元気者。彼女には――有名人である、家族がいる。
…のだが。
優しい母に、優しい姉。物分りの良い遊び人を気取っていても――。
結局は、超度(レベル)7の念動能力者(サイコキノ)である薫の能力を恐れて叱れないだけ。
10歳の娘を一番信用していないのは――母と、姉だと。
薫は悲痛な表情で叫び放った。
激情のあまり口が過ぎた薫を平手で諌める皆本。
家を飛び出した薫のことを母・明石秋江は皆本に託し、姉・明石好美が心配ないという風に笑った。
それは半分事実であり、――家族であっても本気でケンカなどできないという悲しい証。
――けれど、残りの半分は。
「もう、ほんの少し……、大人になればそれですむことじゃないか」
という皆本の台詞は、意図したようには伝わらなかったが。
薫は明るさを取り戻し、皆本の手を引いて歩き出す。
「考えてみりゃー、あたしもすぐにピチピチなんだよなっ!
さすが皆本、いいこと言うぜ! あー、なんか急に元気出たっ!!」
残りの半分は、ただのヤキモチで。
皆本を取られたくないという、嫉妬だから――、と。
『──え、何? 母ちゃんそんなこと言ってたのかっ!?』
電話の向こうで、薫が喜色満面に喋っていることだろう。
──それくらいは、サイコメトラーでない葵にでも容易に判ることだった。
薫の母・大女優でもある明石秋江が言った言葉を、葵は電話で薫に伝えた。
曰く「今夜はそちらで泊めてやってください」と。
「そちら」は当然、チルドレン指揮官・皆本光一のマンションである。
…「気になる男と邪魔者なしに今夜は二人きり」──。
これで、いい感じにオヤジっぽさの入った薫が奮い立たないわけがない。
電話の向こうから『ビキキッ! ごっごっごっ……、ぷはーっ!!』という、何処かの栄養ドリンクのCMじみた音がする。
『よっしゃあ、いい機会だ! ここで皆本をバチーンと堕としてやるっ!』
「…あー、皆本はんが性犯罪で捕まるような真似は避けてなー、…もしもし、もしもしー?」
──ぷーっ、ぷーっ、ぷーっ……。
受話器を片手に、憮然とした顔で立ち尽くす葵。
その顔色を覗き込むように、背後からひょい、と紫穂が顔を出した。
「薫ちゃん、なんて?」
「──アカンな…薫のヤツ、ホントに皆本はん押し倒してしまいそうや」
引きつった笑みで答える。頬には一筋の冷や汗が流れていた。
「…止めにいかんとっ…!」
テレポートしようと身を乗り出す葵。──その袖を、紫穂が掴んで止める。
「なっ、なんで止めるんや、紫穂!?」
「────だって、ねぇ?」
「…………あ」
含みのある言葉。その微妙な表情に、葵は紫穂が何を言いたいかを悟った。
「ねー、私たちだけじゃ……」(←前々回フェラした)
「…………」(←前回大股開きでお尻の穴まで見せた)
二人の間に沈黙が訪れる。
しばらくして、乾いた笑いを浮かべる葵。
「ま、まぁ、少しくらいええかー……」
「ねー」
──と、仲間たちが最後のお膳立てをしてくれているころ。
薫は鼻息も荒く、2本目の栄養ドリンクを飲み干している最中であった。
ごっごっごっご…………。
「──っぷは──! よおっし元気百倍!
おらぁ皆本ーっ!! ちゃーんと身体を綺麗に洗えよー!? 隅々までなぁー?」
「だからどーしてお前はそうオヤジなんだっ!?」
場所は皆本の自宅マンション。
明石家母姉の意向で、今日は薫が一人でここに泊まることになった。
──そして、『げへへへへっ』という下卑た笑いをあげながらバスルームの扉を蹴りつける薫。
サイコキネシスでバスルームに放り込まれた皆本は、半ば強制的にシャワーを浴びさせられていた。
「ったく……。なんだってまた……」
愚痴りながらも、薫に元気にが戻ったことは嬉しいのか苦笑する皆本。
手早くシャワーを浴び終えると、バスローブを羽織って外に出る。
そこには、ベッドの上で胡座をかいて座り、腕組みをした薫がいた。
「さ、来い皆本! ニャンニャンするぞ!」
「…ニャンニャン言うなバカ…」
微妙に古臭い表現にこめかみを押さえてうめく。
「……大体、泊めるとは約束したがまたなんで……」
――『こんなコト』に。
「いや風呂の中だと、じゅうよんさんのリメイクと被るから」
「作者の裏事情の話じゃないっ!!」
額に青筋を立てて怒る皆本に、薫はうるさいとでも言いたげに手を振りかざした。
ふっ――ぼふんっ――!!
床からサイコキネシスで持ち上げられたと思うや否や、ベッドに叩き付けられる。
「ぐはっ――――!?」
大の字に横たわる皆本の上にのしかかる薫。
にやりと口の端を歪めて笑みを浮かべた。
「こ、こらっ…」
「細かいことは言いっこなし。――さーて、皆本にはナニをしてもらおっかなぁ」
ちょうど股間の上に馬乗りになった状態で、薫は思案する。
その格好は昼間と同じ、ノースリーブの上着にミニスカートというものであった。
馬乗りになっているということは当然脚を開いているわけであって。
暗がりになっていて詳しく確認は出来ないが、皆本が顔を起こすとショーツが見えそうであった。
「お、おい……!」
遠慮がちなその視線に気付いたのか、薫は意地の悪い表情になる。
「お、どうした皆本ー? あたしのパンツ見てコーフンしたかー?」
「なっ、何をっ…!」
否定する皆本に向けて、ばっ――、とスカートを上に捲り上げてみせる。
「っ――!」
皆本の目に映ったのは、およそ10歳の少女が穿くとは思えないほどにきわどい黒の下着だった。
下着の成すべき役目をほとんど果たしていないほどに面積は少なく、ほとんどがヒモのようで。
「ほらほらっ♪」
スカートを持ち上げたままで腰を浮かせると、前に突き出して見せ付けるようにする。
割れ目だけをかろうじて隠す下着のヒモが、股の下を回りこんでいる様が見せ付けられた。
ヒモは尻肉の間に挟まれて、すぐに見えなくなっている。
背後から見なくても、それはTバック状になっているとすぐに理解できた。
ごくっ……。
少女の穿く卑猥な下着に、皆本は思わず唾を飲み込んだ。
「おっ、お前なんでこんな――!?」
顔を赤くした皆本の反応に気をよくしたのか、スカートのホックを外して下半身を露わにする薫。
ぴしゃ、と自分の尻たぶを軽く叩いてみせる。
「いやー、勝負下着ってヤツ? こないだ買い物に行ったときに買っておいたんだけどさ。
こんなに早く見せられるとは思ってなかったなー」
子供用のエロ下着なんて何処に売ってるんだー、という皆本の至極当然な抗議が口から迸る前に。
それを遮るように、薫はノースリーブの上着のすそに手をかける。
――そして、一気にがばっと脱ぎ去った。
その下には簡素なスポーツブラ。
まだ胸の二次成長が起きていない薫にはちょうどいい下着であった。
「そのうち、ブラもエロいの着けたいんだけどさー。
さすがにこっちは姉ちゃんとか母ちゃんみたいに胸が『どぷりんっ』てしてないと無理じゃん?」
そう言いながら、薫はスポーツブラも脱いでいく。ふくらみの薄い、少女の胸が晒された。
下半身にセクシーな下着一枚で、成人男性の腰の上にまたがる少女。
その姿は、確実に法に触れそうな卑猥さを放っていた。
「……っ、しまっ…」
むく……っ。
期せずしてその一部始終を眺めていた皆本は、自らの身に起きた異変に気付いて収めようとするが既に遅く。
バスローブの中でペニスはむくむくと大きくなり始めていた。
「ほほう、さすがは皆本。イイモノをお持ちで」
少し頬を赤くした薫がにやにやと皆本をねめつける。
普段から読んでいるオヤジ向けの週刊誌で随分な耳年増になっている薫は、少し余裕を持っていた。
馬乗りになった状態から皆本を解放すると、一旦立ち上がってくるりと身を翻す。
Tバック状に下着の食い込んだお尻を皆本に見せ付けてから、皆本の隣へ倒れこんだ。
「皆本にシてもらいこと、思いついた――」
添い寝の状態から身を起こし、薫は皆本の胸板に手をついて喋った。
自分の胸に手を置くと、くりっ…と乳首を自分で弄り、熱い息を吐きながら続ける。
「ウチの遺伝子って母ちゃんも姉ちゃんもアレだから、あたしも巨乳になるとは思うんだけどさ。
――あたしは一刻も早くエロい格好の似合う胸になりたいわけ。
だから――――皆本、揉め」
「……は!?」
面食らった顔をする皆本に、更に言い募る。
「揉めば大きくなるって言うしさ。つっても自分でヤってても空しいし。
じゃー皆本が適任じゃんってことで」
「お、おいっ!?」
「返答はイエス以外認めないっ! 他の二人にシといて、あたしだけなんもしないつもりかっ!?」
「――――!?」
薫も、――皆本が紫穂や葵をシていたことを知っている。
それを知って、皆本は顔を真っ青にした。
「――ったく、あたしが寝てるスキに紫穂にフェラさせたり、葵と露出プレイしたりって随分らしいじゃん?」
薫は冷や汗を流す皆本の顔を拗ねたようににらみつけた。
じーっと皆本の目を凝視すると、急にふいっと顔を逸らす。
そして、ちっと舌打ちをした。
「…あたしは最後かよ」
「……え……?」
「あたしはそんなに二人と比べてミリョクないのかって!!」
逸らした顔を再び突きつけて怒鳴りつける。――その目には、少しだけ涙が滲んでいた。
自分の状態に気付いたのか、ごしごしと腕で涙を拭う薫。
その様子を見ていて、皆本は一つの事実に思い至った。
――確かに、紫穂や葵としてしまったことは偶発的な(?)トラブルだったが。
――それはまるで薫一人を仲間はずれにしているような構図になってしまっていたことを。
頭を掻いて溜息をつく皆本。不意に、薫を抱き寄せる。
「なっ、なんだよ皆本っ…! 放せよっ…!」
突然の出来事にパニックに陥ってじたばたと暴れる薫。
サイコキネシスを使えばすぐにでも放れることが出来るだろうにそれをしないのは――、
パニックゆえか、それとも意中の男に抱きしめられているからか。
優しげに頭をなでてやると、間近から薫の顔を見据える皆本。
「――――済まなかった。君のことを忘れていたわけじゃないんだ」
本当に済まなそうな顔をして――素直に、謝罪する。
そんな皆本の顔を、呆けたような顔で見る薫。
――と、途端に輝くような笑顔になった。
すっ、と前に身体を倒し、目の前の皆本に口唇を重ねる。
「んっ…」
一瞬、触れるだけのキス。身体を逸らして皆本の手からも逃れると、悪戯っぽく笑った。
「今の、嬉しかったからさ。あたしのファーストキス、やるよ。…売ったら高いぜ?」
そう告げると、やはり恥ずかしかったのか頬を赤らめる。
無意識に口唇の触れた箇所を指で触れる皆本。
(……そういえば)
不可抗力(?)とはいえ、ザ・チルドレンの少女たち三人のうち二人とこれまで性交渉をしてしまった皆本であったが、
(キスは…初めてだな)
彼女たちとのソレは初めてであると思い至り、少し恥ずかしくなった。
胸が『どくん…っ』と鳴るのを感じる。
改めて薫を見やると、上目遣いではにかむ姿があった。
さっきまでのかしましさはどこへやら。まるで可愛い歳相応の笑みを浮かべて胸を逸らしてみせる。
ふくらみの薄い胸は、しかし期待に肌を桜色に染めていた。
「そ、そんじゃ…さ。して…くれよ」
そう言って俯く薫に吸い寄せられるように、皆本は手を伸ばしていた。
薫はベッドに横たわり、皆本がその上に覆い被さるような形になる。
――先ほどと、ちょうど真逆の体勢だった。
「は…っ、んぅ…」
優しく、優しく。壊れ物を扱うように撫でていく。まるで、砂場で砂をかき集めるように。
薫が「胸が大きくなりたい」と言うのであればと、左右均等に揉みあげるようにしていく。
――確かに、「揉んで貰えば大きくなる」というのは聞いたことがあったから。
それで本当に大きくなるのかは皆本もわからなかったが。
「はぁ、はぁ……あぅっ!!」
胸をさするように揉みしだいていると、たまに頂点に立つピンク色の突起に触れてしまう。
そのたびに、びくんびくんと跳ねる薫の身体。
それが面白くなって――可愛くて。
皆本はつい、そこを重点的に責めてしまうのであった。
「っ、くぁっ……! み、皆本…っ…! そ、そんなにぃっ…、乳首ばっかり触るなよ…ぉ」
はぁはぁと息を荒げながら、薫が抗議の声をあげる。
「…あたし、そこっ、弱いんだって…ばっ…」
その言い方に、ふと皆本は聞いてみたくなったことがあった。
「薫。――自分で、触ってるの…か?」
「!!」
皆本の発した質問に、どぎくっ、という擬音で言葉を詰まらせる薫。
当然であった。それは、『オナニーしてるのか』と同義語であったのだから。
一瞬皆本の顔を見ると、顔を真っ赤にして視線から逃れようと強く目を閉じる。
「…どっ、どうだっていいだろ!? そ、それより、もっと大きくなるように揉めよ…っ!」
はぐらかしたようであって、その返答の仕方は何よりも雄弁に答えを語っていた。
曰く――『皆本をオカズにオナニーしてます』と言っているようなものだった。
ごくんっ…。
口腔にたまった唾を飲み込む。
そんな、ある意味告白に近い行動をされて黙っていられるほど朴念仁な皆本ではなかった。
――とはいえ、相手は10歳である。
ひとまず、もっともっと念入りに――胸を揉んでやろうと思い立つ。
出来る限りの手の動きを駆使して、まるで陶芸家のように少女の胸に触れていった。
中でも乳首を重点的に。上をかすめ、ときに弾くようにして執拗に刺激を与えていく。
薫の目は悦楽に潤み、口からは熱い吐息ばかりが溢れていった。
「あ…っぁ……っ! やめろ…よぉ…っ。
そんなに…されたら…っ、あたし、乳首だけおっきくなっちゃうだろ…っ」
乳首を重点的に責め出してから結構な時間が過ぎた。
その間、成すがままに歓び続けてきたのに。
今更そんな心配をする薫に、皆本はもっと悪戯をしてみたくなった。
掌でこねくりまわすのを止めて、指先で。
――小指先ほどの大きさの、薄いピンク色をした両方の乳首を、つまんで引っ張り上げる。
なるべく強く、突然に、――けれど優しく。
きゅっ――!!
「っひぃ…っ!?」
がくんがくん、と、まるで電流でも流されたかのように痙攣する身体。
乳首から糸で引っ張られるように背筋が弓なりに反り、びくんっ、と震えた。
「あっ、ぅあぁぁっ――――!!」
目いっぱいに口を開き、目を見開いてあられもない喘ぎを上げる。
そして、ぷっつりと糸が切れたかのように倒れこんだ。
「あ………ぁあ…………」
ぷしゅっ……、ちょろちょろちょろ……。
脱力してベッドに横たわる薫。
その股間から黄色い液体が迸った。
絶頂を迎えて、尿道への緊張が緩んでしまったのか。
黒いセクシーランジェリーのショーツに塞き止められながらも、ちょぼちょぼとお尻を伝って流れ落ちていく。
おしっこは、そのままベッドのシーツを黄色く染めていった。
無言で、薫の放尿を眺める皆本。
力が抜け切ってしまったのか、薫はおもらしを止めようとするそぶりも見せなかった。
小さな水音だけが、部屋に響いていた。
おもらしの後、朝まで薫は目を覚まさず。
目を覚まして早々皆本はサイコキネシスで壁にめり込まされたのだが、…多分それは照れ隠しで。
翌日、薫と共に出勤した皆本を待ち構えていたのは――
明石家姉・グラビアアイドル明石好美と、
明石家母・大女優明石秋江であった。
それぞれに昨日とは違う、けれどもっと過激な「巨乳を強調する」衣装を着ていた。
二人は両側から皆本を挟み込むと、それぞれが巨乳を皆本の腕に押し付けあう。
「昨日はどうもありがとうございました、皆本さん!」
「妹がご迷惑をおかけしまして!」
昨日薫と性的な遊びをしたとはいえ、「出して」はいない皆本は、すぐに前かがみにさせられた。
「あっ、いや…し、指揮官として当然のことですからっ…!」
額に青筋を立てて睨みつける薫を尻目に、二人は更にぎゅうぎゅうと身体を密着させていく。
――そして、前かがみになった皆本の耳に口を近づけた。
皆本だけに聞こえるようにして小声で囁く。
「――――娘がおもらししちゃうまで可愛がってくださってどうも♪」
「――――次は私も食べてくださいね?」
「――――――――!?」
がばっ! と皆本が顔面蒼白になりながら身を起こすと、二人は既に離れた後だった。
口々に「それじゃあまたー」「お仕事終わったら迎えに来ますね?」と言い残して去っていく。
その手にはそれぞれ、小型の機械が握られていた。
「……お、おい皆本、顔色悪いぞ?」
くいくいと袖を引く薫の、身を案じる声もも耳に届かない。
皆本は昨日、母の秋江が何と言っていたか思い出した。
『抑制装置(リミッター)には発信機機能もあるんでしたわね?』
――彼女たちが持っていたのは、受信機。
発信機とは、何も居場所を突き止めるためだけのものではなく。
普段はプライバシーの保護のために使われないが、有事の際には装着者の周囲の音を発信、受信できる。
――そして、BABAL局長・桐壺帝三は明石秋江の大ファンである。
彼女が頼めば、きっと――――
そのとき、皆本の視界の隅を通り過ぎたものは。
頬にキスマークと、サイン入りの舞台パンフレットを片手に意気揚揚と歩く桐壷帝三の姿だった。
(……全部、聞かれてたのか…………!!)
がっくり、と崩れ落ちる皆本。遠からず、二人からの呼び出しがかかるに違いない。
スラックスの中のペニスは未だ勃起したままで、その期待に打ち震えていたが。
皆本はこれからの心労(と身労)を思い、溜息をつくのであった。
おわり