【絶対可憐チルドレン 9th Sence. 誘惑者(1) Other Side】  
 
バン、バンッッ――。  
乾いた発砲音が室内に響く。BABELの射撃訓練場内で、皆本は無言で銃を撃ち続け。  
 
チルドレンが悪魔になることを防げるのだろうか――。  
 
そんな、答えの出ない考え事に没頭していた。  
『ビルや家でやったらもっと気持ちいいかもな』  
――という薫の言葉が、澱のように心にどろどろと積もり、離れなくなっていたのだ。  
 
そんな皆本の前に現れた、学生服の青年。  
チルドレンを皆本の手で殺せば未来は変えられる――と示唆し、  
「まさか皆本に撃たれるとは思っていない彼女たちは、今ならESPで抵抗もしない」とまで言い放った。  
その物言いに激昂した皆本を小馬鹿にするように笑いながらテレポートで消えたその青年こそ、  
地下500mに造られた特殊監房に収容されている「はず」の、エスパー犯罪史上最悪の人物。  
 
その名を兵部京介。  
 
あらゆる超能力を兼ね備えた、しかし超度も種類も不明の複合能力者。  
老化遺伝子(テロメア)をコントロールして老化を免れた男。  
――新型ECMすらも何の役にも立たず。  
記録にすら残さず、彼は何度も厳重な警戒の中を軽々と外出してさえ見せたのであった。  
 
 
BABEL局長桐壷泰三は、皆本を伴って兵部の収容施設を訪れる。  
目を細めて笑う兵部を睨みつけながら、言い放った。  
「ここ10年ほど大人しかったあんたが…、「チルドレン」になんの用だ!?」  
その問いに、兵部はにんまりと笑みを深くする。  
片目をつぶってウィンクをし、同時にとんでもないことを言い出した。  
 
 
「興味があるのさ。可愛い子たちだからね。  
 将来僕の花嫁にしたい―――……って言ったらどうする?」  
 
 
(――花嫁て!! 局長!!)  
(――言うに事欠いてこのジジイ―――!!)       
 
皆本と桐壺に衝撃が走った。  
光源氏計画もかくやという行為を行おうとしているのか。  
というかそりゃ名前からして皆本の役目じゃないのかという話はさておいて。  
 
伺うようにじろじろとねめつけるが、兵部の表情は笑顔のまま。  
こちらに真意を見せようとはまるでしない。伺い得ないものだった。  
 
「…花嫁、だと…? 何のつもりだっ……!!」  
ようやく皆本が、それだけを訪ねる。  
くっくっく、と含み笑いをして、兵部は口を開く。心底楽しそうに表情を歪めて。  
 
「何。そう、ナニと聞くかい皆本くん?  
 ――ならば教えてあげよう。僕が彼女たちとナニをするか!!」  
 
「そんなこと、聞いてない――!!」  
皆本のツッコミも空しく、兵部は道化師じみた動きで朗々と語りだしたのであった。  
 
「まずは明石薫くん。彼女の肢体は前途有望だから…そうだね…」  
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16歳になった薫は、母も姉も凌駕するほどのナイスバディに成長していた。  
兵部の前にひざまずいた薫は、制服の胸の部分だけをはだけてその大きく膨らんだ胸を両手でむにぃっ、と掴みあげて見せる。  
 
「ん…んふぅっ……」  
柔らかく吸い付くような肌触りの胸でペニスを挟み、ずりゅずりゅと動かし始めた。  
自分の指先で乳首をしごくようにしながら、胸からはみ出た亀頭をぴちゃぴちゃと美味しそうに舐めていく。  
 
「へへ…こうするのが…好きなんだよな……?」  
幼さを残した顔でそう言って笑う。たわわに実った身体とのアンバランスさが、卑猥さを際だたせていた。  
摩擦熱で焼けどしてしまうのではないかと心配になるくらいにごしゅごしゅとパイズリを続ける薫。  
 
ずりゅ、ずちゅ、じゅぷっ…!  
 
薫の唾液と、兵部の先走りが混じって胸とペニスの間に落ち、淫らな粘着音に変わる。  
どんどんと昂ぶっていく薫を見下ろして、兵部はくいっ――と指先を動かした。  
ごとり――と音を立てて動く、部屋の隅に置かれていたバイブレーター。  
すぐにスイッチが入り、ヴィィィィ……と低い音で振動を始める。  
パイズリをしながらフェラチオをするのに一生懸命な薫は、自らの股に近づくバイブレーターに気付くよしもなかった。  
 
ぐちゅりっ!  
ペニスを舐めていただけでぐちゃぐちゃになっている秘所にバイブレーターが宛がわれ、驚いて顔を上げる薫。  
だが兵部に頭を押さえつけられ、イラマチオのごとくペニスを強制的に咥えさせられた。  
「やっ、待てよっ! そんな、いきなりっ――んむぅっ!!」  
 
ずぶちゅううっ……!!  
「ひぃいいいっ――!!」  
――そして、薫の抗弁も空しく。擬似男根は容赦なく濡れそぼった下着の上から強引に突き込まれた――。  
 
 
「次に野上葵くん。…彼女は、少しMっ気があるみたいだから…」  
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はぁ…はぁ…。  
路地裏に、熱い吐息の音が聞こえた。少し進み出れば、人通りの多い駅前の雑踏。  
葵は、10歳のときに着ていたコートだけを着ていた。その下は一糸まとわぬ全裸であった。  
10歳のころは丁度いい大きさだったコートも、大人になってしまった今ではあまりに短い。  
必死に合わせ目を閉じようとするが、実った胸は隠し切れずに肌色がのぞく。  
――また、すそからは黒々とした陰毛がはみ出てしまっていた。  
 
「はぁ……、や、やっぱり、こんなんアカン…。恥ずかしゅうて…死にそうや……」  
顔を真っ赤にしてもじもじと腰をくねらせる葵に、兵部は耳元に息を吹きかけながら甘言を囁く。  
「大丈夫。…見つかったら、すぐにテレポートして逃げればいいんだから。証拠だって残らないしね」  
コートの下からぷりんと突き出たお尻をこねくり回しながら、耳朶をねぶっていく。  
「あんっ、んんっ!! そ、そうやな……んぁっ……!!」  
 
兵部にぺちん、と尻たぶを叩かれて、葵は路地裏から一歩を踏み出す。  
 
路地裏からふらりと歩み出てきた一人の眼鏡をかけた美女に、会社帰りの男性たちの目が向けられた。  
明らかに丈の短いコートから伸びたすらりとした長い脚だけでも人目を引くのに、合わせ目から覗く肌色が更に男たちの下卑た視線を煽った。  
 
ざわめきを一身に受けながら、葵は一気にコートを脱ぎ捨てた。  
 
形の言い乳房も、股間に生い茂った陰毛も。  
何もかもが見知らぬ男たちの視線に晒されて、瞬く間に分泌された愛液でどろどろになる葵の股間。  
緊張に歯をがちがちと鳴らしながら、葵は雑踏へ向かって歩き出した。  
歩くたびに股間から滴るねばついた愛液が、アスファルトに点々と染みをつくっていく。  
 
やがて野外露出の快楽に笑みすら浮かべるようになった葵は、全裸のままで走りだした。  
すれ違う人が驚き、侮蔑、劣情の視線を向けてくるのがあまりにも心地よく。  
大事になって警察が駆けつけてくる寸前まで、葵はテレポートで逃げようとはしなかったのであった…。  
 
 
「最後に三宮紫穂くん。一番三人の中でオトナな彼女は…皆本くんと一緒というのもいいかもね」  
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ずぢゅっ、ずぢゅっ――――!!  
「っ、んっ、ああっ! イイっ……」  
兵部の腰の上に乗った紫穂が、あられもない喘ぎ声をあげる。  
紫穂の成長は、チルドレンの三人の中では最も「エロい」と言える成長であった。  
胸も尻も、身体のパーツのどれもが扇情的で。  
騎乗位で腰を動かす紫穂の姿は、背後に控える皆本のペニスを滾らせるのに十分な刺激を持っていた。  
 
「あっ、うぁっ!! はぁ、もっと…もっとして……?」  
紫穂が振り返り、皆本を見つめて妖しげに笑う。  
それを見た兵部もまた、切れ長の目を細めて皆本に促した。  
「ほら、皆本くん。女王(クイーン)のご指名だ。彼女の空いた穴を埋めてさし上げたまえ」  
 
そう言うと対面座位のまま、兵部は紫穂のお尻に手をかける。  
むにゅっ、と広げられるお尻の中央には、慎ましげにひくひくと蠢く蕾があった。  
 
「はぁ……ぁぁ、皆本さん…。いいのよ。私の……お尻、使って……?」  
 
ぺろりと赤い舌を出して、紫穂がそう告げた。  
ふらふらと引き寄せられるように紫穂の背後に辿りついた皆本は、勃起しきったペニスの亀頭を窄まりにうずめようとする。  
ぐにゅっ……!  
「んっ…、皆本さんの…熱い……! お尻…焼けちゃいそ……」  
 
「ぅ…あぁっ……!!」  
「…くくく。皆本くん。お尻でスるのは初めてかい?」  
辛抱たまらず、皆本は激しく腰を使い出した。それにシンクロするように、兵部も突き上げを再開する。  
「ひっ…ああっ……! 中でっ…擦れてる……っ!!」  
前後から剛直に突き上げられて、がくがくと揺さぶられる紫穂。顔は快楽に蕩けつつも、冷静な光を失っておらず。  
――ある意味、彼女は兵部すらも手玉に取っているのかもしれなかった。  
 
 
「――――という具合だ。どうだい?」  
 
どうだ凄いだろうと言わんばかりに両手を広げる兵部。  
桐壷は鼻血を出しながらワナワナと震えていた。  
「そっ、そんな羨まし、いや、彼女たちの人権を無視するようなマネをさせるわけにはいかんっ!」  
「……局長、鼻血鼻血」  
「うぉっ」  
慌てて鼻血を拭う桐壺を横目に、皆本だけが頭痛いという表情で呆れていた。  
「――何を考えているんだ、この妄想狂は……」  
 
「くくく、皆本くん。君には言われたくないなぁ。ガチでロリのくせに」  
「なっ!?」  
「射撃訓練場でサイコメトリーさせてもらったけど、君は3人全員と何らかの性交渉を持っているそうじゃないか」  
「ぐはっ!!」  
「――真性ロリコン」  
 
兵部の精神攻撃(?)に大ダメージを受け、膝をつく皆本。  
そしてその話を聞いて、チルドレンを溺愛している桐壷が黙っているはずもなく。  
鼻血を振りまきながら皆本に食って掛かった。  
 
「みみみ皆本くん! 国の宝になんてことを――ッ!?」  
「だぁぁっ!? まっ、まだヤってませんって――!!」  
「まだ!? じゃあいつかはヤるつもりなのかネ君はー!!」  
「〜くっ、おい兵部! お前が三人を花嫁にするというのなら…僕が先にお手つきにしてやるっ!」  
「そ、それは困るな…」  
 
――そして、収拾のつかなくなる地下500m。  
80歳、53歳、20歳。三世代の男たちの醜い争いは、果てることなく続いたという――。  
 
おわり  
 

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