【絶対可憐チルドレン 19th Sence. ハート・ブレイカー(1) Other Side】  
 
デートの約束は半年待ち、の美人エスパー受付嬢チーム「ダブルフェイス」。  
それが、皆本の今夜の合コンの相手であった。  
チルドレンの動向は気になるものの──皆本だって健康的な成人男子である。  
多少ロリのケはあろうが、成人女性に興味がないということは勿論ない。  
 
「向こうの二人ともお前に気がある可能性が高い」  
「自分の名前出をしたら一発オーケーだった」  
 
──とまで言われては、否が応にも期待が高まるというものであった。  
 
 
外はねのロングヘア、猫を思わせる活発な風貌の美女は、  
超度(レベル)5の透視能力者(クレアボヤンス)、常磐奈津子(20)。  
 
内はねのショートカットの大人しそうな感じの美女は、  
同じく超度(レベル)5の精神感応能力者(テレパス)、野分ほたる(20)。  
 
それぞれ、胸のサイズは88のGに86のE(薫鑑定済み)の結構な大きさ。  
出る所は出て引っ込む所は引っ込んだ大人の肢体であることが服の上からでも容易に判る、  
その彼女たちが、いい感じに酔いの回った皆本を押さえつけていた。  
 
「──な、何を、するんですか──っっ……!」  
抵抗しようとするが、酩酊状態のうえに二人がかりでは分が悪い。  
助けを求めようと賢木を探し──、背後で落ち着いてグラスを傾ける悪友の姿を捉えた。  
 
「さ、賢木っ、助けてくれっ──」  
「ああ、スマンな皆本。さっき彼女たちに相談を受けたんだが、最初からこうしたかったらしい。  
 交換条件付きで俺はそれのセッティングを引き受けたのさ。つまり──」  
 
──助ける気はないと。  
──大人しくヤラれちまえ、と。  
 
至極冷静に言い放ち、皆本を襲う美女二人の姿を肴に酒を飲み出す賢木。  
「は、はくじょーもの────!!」  
「フハハ、何とでも言えー。というか皆本、かなりいい目見てるじゃないか。俺は羨ましいぞー?」  
 
絶望に顔色を青くしながら、皆本はケラケラと笑う賢木を睨む。  
──そうしていたところに、しゅるり……と衣擦れの音が耳に届いた。  
意識的にダブルフェイスの二人を見ないようにしていた皆本が、恐る恐る音のした方に顔を向ける。  
 
「もう、皆本さんったら。賢木さんばっかり相手にしてないでこっち向いて下さいよ?」  
「──ちょっと恥ずかしいですけど、皆本さんになら……」  
 
そこに居たのは、服を脱ぎ捨てて卑猥な下着姿になった奈津子とほたるだった。  
 
奈津子はその活発そうな印象に違わず、黒く股間の切れ込みの激しい下着。  
ハーフカップのブラジャーに、肉づきのいいお尻に食い込むTバック。  
すらりとした脚線美が何より印象的であった。  
 
ほたるの下着もまた、本人の第一印象とほぼ同じ。  
清楚な白の下着――しかし、奈津子より幾分かぽっちゃりとしたカラダはむちむちとしており、  
ともすればスレンダーな奈津子よりも淫猥な感じがした。  
 
その二人が、肌も露わな格好で皆本を押さえつけているのであった。  
女性のカラダ特有の、言いようのない柔らかい肌の感触が皆本を襲う。  
 
奈津子のハリのあるピチピチとした感触と、ほたるのふにゅふにゅとした吸い付くような感触。  
どちらも甲乙つけがたい、オンナのカラダであった。  
「〜〜っっ!?」  
目にした事も十分な衝撃ではあったが、実際に触れた瞬間の緊張はその比ではなかった。  
皆本の視線が落ち着かなさげに二人のカラダを交互に泳ぐ。  
 
「あは、皆本さん赤くなっちゃって。カワイー♪」  
「奈津子、じゃあ……やりましょう?」  
きゃん、と喜ぶ奈津子に、ほたるが何かを促した。  
「き、君たち、何を――――っ」  
皆本が不穏な空気に警戒を強めた瞬間。  
奈津子は目を見開き「何か」を見て、ほたるは逆に目を閉じ「何か」を感じた。  
 
キュゥゥウゥゥン!!  
 
――ほんの数秒ののち。  
焦点の戻った奈津子がにんまりといやらしげな笑みを浮かべ。  
まぶたをゆっくりと開けたほたるが、頬を赤らめながら皆本を当然と見つめた。  
「い、今っ、もしかして――……」  
覚えのあるタイムラグに、皆本の背筋が凍る。  
 
「あら、皆本さん……まだ仮性包茎みたい。……ふふ、ちゃんと剥ききってあげますから」  
「……女性上位で責められるのがお好きなんですね。マゾヒストなのかしら」  
 
「――――っっ!?」  
事ここに至って、ようやく皆本は二人がエスパーであるという事実を思い出した。  
すべてを見透かすクレアボヤンスと、対象の精神を触れずに読み取るテレパス。  
綺麗さだけで受付を任されている訳ではないのだ――と  
「そっ、僕にそんなシュミは――――」  
無い、と言おうとしたところに、ぴたりと人差し指が当てられて言葉を封じられる。  
 
「いいんですよー、そういう皆本さんもステキですし!」  
「今日は、楽しみましょう――……?」  
そして、二人は絶妙なコンビネーションで皆本に触れ始めた。  
 
「はーい、脱ぎ脱ぎしましょうね〜?」  
奈津子が躊躇なく皆本のジャケットを剥ぎ取り、ネクタイを緩めつつワイシャツに手をかける。  
脱がせながらも、その視線は皆本の股間に据えられていた。  
ズボンを脱がすのはほたるの担当であるが、クレアボヤンスである奈津子の目には既にその下の情景が見えているのだ。  
「――皆本さん。もうすっかりおちんちん硬くしちゃって……。結構むっつりさんなんだ」  
「っ……いや、そ、そんな…ことはっ」  
 
キュウン……!  
 
「奈津子、皆本さん……そういう言葉責めも嬉しいみたいよ」  
ご丁寧に皆本の心情をテレパシーで読み取りながら、二人の会話に、ほたるが割り込んでくる。  
「!?」  
「へぇ〜、やっぱりぃ」  
判りやすくにんまりと笑う奈津子。ほたるもまた、皆本の表情の変化を楽しんでいるように見えた。  
ズボンを脱がせると几帳面に畳み、トランクスを下げてペニスを前に熱い息を吐く。  
「わ…。お、大きいですね……」  
 
「でしょ? だから言ったじゃん、皆本さん大きいって!   
 皆本さんが受付の前を通るたびに透視してたんですけどねー。  
 この可愛い顔でこのおちんちん、ずっとシたいなーって思ってたんですよー」  
 
んふふふ、と自分の眼を誇りながら、奈津子は解いたネクタイで皆本を後ろ手にキツく縛り上げた。  
「よっし、これで逃げられないから……ほたる、全部ぬいじゃお!」  
「うん、……皆本さん、見ててくださいね……?」  
 
イヤとは言えない。口にはしないが「見たい」とは確かに思っているのだから。  
肯定も否定もせずに、ただ黙って見守る皆本。  
ほたるはテレパスなので、そんな皆本の心情もきっと判っているに違いなかった。  
 
ブラジャーを勢いよく外して、故意に胸をぷるんっ、と揺らす奈津子。  
乳房は斜め上を剥きそうなほどに形が良く、寝転んでも崩れなさそうに見える。  
お尻を皆本に向けてTバックの食い込んだ引き締まった尻たぶを見せ付けてから、くねくねと腰を振ってショーツも脱ぎ去った。  
 
ほたるは腕で乳房を抑えながらブラジャーのホックをゆっくりとはずす。  
ふるんっ、と、奈津子のそれよりも柔らかそうな、そして重みがあるのか下向きの乳房が露わになった。  
乳輪が少しだけ大きめで、奈津子のスポーティな色気と好対照な卑猥さを醸し出している。  
丸めながら脱いだショーツの下もやはり女性らしい柔らかさに満ちており、肌の白さに恥毛の黒さが際だっていた。  
 
「さ、皆本さんっ、たぁっぷり…シてあ・げ・る!」  
「――ひょっとしたら入るんじゃないかと思って、バイブも持ってきたから……」  
加虐心に満ちた視線を送りながら、タイプの違う裸の美女二人が皆本ににじり寄る。  
四つんばいになって胸を揺らしながら、女豹のように。  
「は、入るってどこにっ!? バイブって何――ッ!!」  
「わかってるくせに……♪」  
 
突如として訪れた貞操の危機に、若干恐慌状態に陥る皆本。  
そんな皆本を楽しむように、二人は仲良く並んで皆本のペニスに舌を伸ばした。  
まずはほたるが宣言どおりに、まだ少しだけ亀頭にかぶっていた包皮を舌で丁寧に向きながら舐め清めていく。  
綺麗に剥き終わると、隣のほたると軽くキスをして――、そして一斉にしゃぶりついた。  
分け合うように、二人がかりのフェラチオが始まる。  
「ん……んっ!」  
「ん、ちゅば、はぁ……!」  
裸のお尻をふりふりと揺らしながら、仲睦まじく一本のペニスを舐めあう姿は皆本に強い快感を与えた。  
ちゅぱっ、びちゃ、ちゅぷぅっ……!!  
「うぁ、あっ、っ――……?」  
 
――と。皆本の目に、何か異様なモノが映った。  
 
裸でひざまずく奈津子とほたるの背後で、何か黒いモノが腰に手を当てて――――。  
 
「よーっし、お二人さん、それじゃあここからは俺も参加していーわけだな!!」  
――それは、賢木であった。  
いつのまにか全裸になった色黒の賢木が、その鍛え上げた肉体を誇示するように仁王立ちしている。  
股間では不自然に黒光りしているペニスが隆々と勃ち上がっていた。  
 
「…いいですよー? しっかりご奉仕してねー?」  
「私たちはしばらく皆本さんにかかりきりですから。シたかったらしっかり感じさせてくださいね?」  
「応! 任せておけっ!!」  
 
「…………」  
呆然とする皆本を尻目に、三人の間で交わされる会話。  
この四人の中での(性的な)ヒエラルキーは、自分が最底辺だと皆本は悟った。  
 
奈津子とほたるの舌が、手が、皆本の全身を這いまわり快楽中枢を絶えなく刺激していく。  
――同時に、裸の二人の背後で嬉々としながら片方にクンニをし、もう片方に手マンをする賢木。  
皆本の身体の上で、同い年の女性二人は快楽に蕩けた笑顔を見せた。  
 
そんな中で、皆本はまるで今の出来事が人事のような感覚を覚えて。  
(……ああ、でも……賢木とウホッなことにならなかったことだけは……良かった……)  
何一つ事態は好転していないが、取り敢えず意味の無い事を考えて自分を慰めるのであった。  
 
 
 
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「──ってことになるワケだ! そのあと俺は二人に代わる代わるチンポをぶっ挿すわけだ!  
 いーね、萌えるね!! 考えるだけで勃起するね!!」  
 
──と、皆本に親しげに語る白衣の男。  
 
彼こそが、その合コンの予定を取り付けてきた男。ESPドクター賢木修二(22)。  
皆本光一と同期入局の超度(レベル)6の精神感応能力者(サイコメトラー)であり、  
医者としての天才的な辣腕と共に──女たらしで有名な、色黒の肌が健康的な色男であった。  
 
その彼が、二枚目台無しなスケベ根性丸出しの顔で熱弁を振るっていた。  
──それは、夜に予定されている合コンを控えての──逞し過ぎる妄想。  
 
「……な、何で僕が二人にヤラれなきゃいけないんだ……っ!?」  
ハァハァと息を荒らげる賢木に、額に青筋を浮かべた皆本が怒りを押し殺して呼びかける。  
その顔に、キョトンとした顔をする賢木。  
まるで「なんて心外な」とでも言いたそうな表情をしてから、口を開く。  
 
「何言ってんだ、皆本そういうの好きだろ?」  
 
「そっ、そんなワケあるか────っ!!」  
顔を赤くして否定の絶叫を迸らせる皆本だが、賢木はまったく動じない。  
逆に、皆本の手を掴むと──ニヤリ、と笑ってみせた。  
賢木の能力が紫穂のソレと同じサイコメトリーだと皆本が気付いたときには既に遅く。  
 
「なーるほど。それ「だけ」じゃないワケだ。  
 チルドレンの子供(ガキ)と一緒に居て、随分と属性増やしたみたいだなー?」  
 
「──っっ!! さ、賢木っ──!!」  
「フハハハ、今日の合コン、たーのしみだなぁ──!?」  
 
顔を真っ赤にして、まるで子供のように賢木を追いかけ回す皆本と、  
馬鹿笑いをしながら逃げ回る賢木。  
──内容はともあれ、それは実に仲の良さそうな友人たちの姿であった。  
仲よきことは美しきかな、……かな?  
 
 
おわり  
 
 
 
 

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