【絶対可憐チルドレン 23rd.Sence「サイコ・ダイバーズ(1)」OtherSide】  
 
その結末は抗えないと言われた予知であり、過程は結末に導かれた未来の可能性である。  
差出人不明の封筒から出てきた謎の写真で昏倒した皆本が見た情景は果たして確定事項なのか。  
 
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初めて会ったとき、彼女はまだ10歳の少女であった。  
超度(レベル)7という希有な念動力を有した彼女は──わがままで、手がかかって、暴力的で。  
それでも時折見せる年相応の表情に。強がりの下に隠れた弱さに。  
保護者であり、指揮官であった皆本光一は、徐々に惹かれていった。  
 
少女のころの面影を濃く残したままで、薫は見目麗しい成長を遂げた。  
母や姉に勝るとも劣らないほど大きく膨らんだ乳房に、引き締まったウエスト。  
若さも手伝って、それこそ「ピチピチ」という表現が最も相応しかった。  
 
──まるで普通の恋人のように、皆本の腕を抱え込む薫。  
ぎゅうっ、と力を込めて、嬉しそうに、ちょっとだけ頬を染めて寄り添う。  
「こ、こらっ。薫、こんな街中で……!」  
もう幾年になるだろうか、少女のころから続けられてきたスキンシップ。  
胸が大きくなり始めてからは、こうしてそれを押しつけてくることが多くなった。  
──何度されても、慣れるということは無かった。  
あの頃と同じ子供っぽい表情を見せたかと思えば、自分よりも大人っぽい愁い顔を見せたり。  
悪戯っぽく微笑む薫の顔に、胸が高鳴るのを皆本は感じた。  
「早く帰ってあったまろ?」  
厚着の上からでも柔らかさの伝わる胸を押しつけながら、そう言って薫ははにかんだ。  
 
愛の巣…、というとかなり恥ずかしい表現であるが、皆本のマンションは二人にとって正にそうであった。  
かつて薫が少女時代の大半を過ごした場所で、今は夫婦のように過ごしている。  
日に日に成長していく少女の薫と、その薫に邪な考えを抱くことを良しとしなかった皆本。  
──二人が結ばれたのは──いつだったか。どうだったのか。  
他に誰か居なかったか。誰か。誰か──……。  
「何やってるのさ皆本? 早く家の中に入りなよー」  
「──あ、ああ。すぐ入る」  
懊悩は一瞬。薫の声で思索は霧散して消える。  
どうやら買い物袋を抱えて玄関に立ったままであったらしく、室内から呼び声が聞こえた。  
後ろ手に扉を閉めると、靴を脱いで家に入る皆本。  
薫が食べたいと言ったカレーの具材が買い物袋の中で揺れる。  
「おーい、それじゃあすぐに料理──……っ……!?」  
と、言いかけながらリビングへ入った瞬間。皆本の身体を浮遊感が襲った。  
 
ぐんっ──! と持ち上げられる身体。買い物袋を取り落とす。  
ニンジンやタマネギがごろごろと床の上を転がった。  
皆本はこの感覚に嫌というほど覚えがあった。──薫のサイコキネシス。  
少女の頃に薫が使った、自分の意のままにしようとする強大な、力。  
「──っっ!?」  
身構える皆本。下手をすると骨にヒビが入る程の衝撃が──。  
 
 
──ぼふっ……!!  
 
 
「っ……!?」  
てっきり強く叩きつけられるとばかり思って身を固くしていた皆本は、  
ベッドの上に絶妙な力加減で放り出されたことに驚いた。  
スプリングがキシキシと軋み、ベッドの柔らかさが心地良い。  
──仰向けの皆本に、薫がゆっくりとのしかかって来る。  
 
コートを脱ぎ捨てて、ベッドの上に四つんばいになった状態でゆっくりと近づいていく。  
シャツ越しに大きな胸がたぷん、と揺れるのが判った。  
重量感のあるその様に、皆本の目が無意識に釘付けになる。  
 
「……へへ。皆本、あたし…力の使い方、うまくなっただろ?」  
 
超度(レベル)7の念動力を持ちながら、10歳のころはまだ精密動作に身体がついて来なかった薫。  
今ではその破壊的な実力を完全に制御するに至っていた。  
皆本を痛みを与えずにベッドに運ぶことが出来たことに、誇らしげに笑顔を見せる薫。  
笑顔を眩しく思いながら、皆本は苦笑する。  
「……ああ、そうだな。けど、ベッドに運ぶのは男の役目だぞ?」  
その言葉に一瞬キョトンと目を丸くしてから、薫は弾かれたように笑い出した。  
「ぷっ、アハハハ! まあ、たまにはいーじゃん? 皆本だし!」  
「僕だし、ってのは納得いかないんだが……っ……」  
 
尚も言い募ろうとした皆本の口に薫の口唇が重ねられた。  
驚きかけた皆本であったが、すぐに順応して薫とのキスに没頭する。  
くちゅくちゅと唾液が音をたてて口内で交換されあう。  
「んっ、ふぁ、あぁんっ……!」  
薫の目元はすぐに目に見えて赤く染まっていった。  
皆本の舌は口腔と舌を凌辱し尽くすと、薫の顎に、首筋に、キスを繰り返す。  
「あっ、っう……」  
シャツの上から、すくい上げるようにしてたっぷりとした乳房を両手で包み込む。  
張りのあるままに柔らかに形を変えた胸の中央で、ぷっくりと尖るモノがあった。  
その突端に指を添えると、皆本は乳房に触れた瞬間から疑問に思っていたことを問い掛ける。  
「……薫、ノーブラ、だったのか……?」  
「ふぁ、ンっ、違う……。帰って来てすぐ、取ったの……っ」  
くにくにと指先でシャツを盛り上げる乳首をこねまわされて、嬌声をあげる薫。  
最初からこうするつもりだったんだ、と言外に受け止められる言葉であった。  
 
自分ばかりしてもらうわけにはいかないと、薫の手が皆本のズボンに伸びる。  
手の平で陰嚢からペニスまでをゆっくり撫でさすっていくと、ズボンを突き上げてすぐに大きくなっていった。  
「──……っ」  
「皆本ったら、いっつも元気だよな……」  
薫に愛撫を続けながらも、ペニスから走る快楽に息をつまらせたような声をあげる皆本。  
ひとしきり互いの手で、口で衣服の上から愛撫し合うと、二人はどちらともなく身体を離した。  
 
「……っ、ぁ……」  
「……ぁ…はぁ……」  
はぁ、はぁ……とお互いの荒い息だけが聞こえる。  
潤む瞳で皆本を見つめながら、薫が裾に手をかけてシャツを一気にまくり上げた。  
ふるん……っ!  
上着包まれていたノーブラの乳房が、解放されると同時に激しく縦に揺れる。  
服の上からでも十分に大きいことは判る胸であったが、直に見るとその迫力は段違いであった。  
重力に逆らうように形とハリを保ち、なのに見ているだけで柔らかさが感じられるようで。  
その中央では、皆本に執拗につままれてしごかれた桃色の乳首が痛々しい程に勃ち上がり硬さを誇示していた。  
 
「ひうっ!? っ、あんっ……!!」  
悦びをこらえきれないといった風情の表情で、飛びつくようにして皆本に覆い被さる薫。  
ミニスカートをもどかしげにまくりあげ、大人の丸みに溢れた下半身を剥き出しにした。  
慣れた様子で器用に片手で皆本のズボンを下ろし、ペニスを露出させる。  
脱ぐ手間も惜しむように、ショーツの股布の部分を横へずらすと、くちゅりと卑猥な糸を引いた。  
膣口を亀頭にあてて、そのままわずかに腰をグラインドさせる。  
 
ちゅ、ぐちゅっ、ちゅぷっ……!  
「っ、か、薫……っ…」  
「ン……判ってる、皆本……すぐ、ンっ……!」  
言葉にしなくても伝わる要望がある。皆本の求めるコトに従うように、薫が一気に腰を下ろした。  
 
ず……ずぢゅうううっ……!!  
 
結合部から愛液をはじけさせてずぶずぶと薫の膣内で沈み込んでいくペニス。  
幾度となく交合を重ねてきた相手であるが、一向に慣れるということはなかった。  
一度目よりも二度目、二度目よりも三度目――と、  
回数を重ねるごとに新しい快楽を掘り返されて忘我に達してしまう。  
それは今回も例外ではなく。  
 
「は、あぁぁっ、っ――……!!」  
 
ビクンっ、ビクン……!  
自らの内側を容赦なく抉る愛しい人の一物の感触に、背筋を仰け反らせてがくがくと震える薫。  
腰を落としきっただけで軽く絶頂を迎えてしまったのか息は荒く、剥き出しの胸を一筋の汗が伝った。  
「っ、んんッ……」  
それでも懸命に騎乗位で動こうと腰に力を入れる――が、一端弛緩してしまったカラダはなかなか動いてくれない。  
「っ、っ……!! み、皆本、すぐッ、動くから……っ……!」  
 
念動力も、絶頂で体力を消耗してしまったこの状況では使えない。  
――たとえ使えたとしても、皆本との睦言の最中に超能力を介在させることはしなかっただろうが。  
必死に腰を上げようとする薫。しかし、腰が抜けてしまったのだろうかぷるぷると太腿が震えるだけであった。  
 
その身体を、腹筋の要領で身を起こした皆本が抱きしめるようにして受け止める。  
「っ!? ――皆本……んっ!?」  
座位の態勢で唇を貪ると片手は背を押さえ、もう片方の手で薫の陰核をこねくり回す。  
乳房は皆本の胸板に挟まれて、柔らかくひしゃげていた。  
ゆっくりと薫の身体をそれまでとは反対側へと横たえて、背に回していた腕をゆっくりと引き抜く。  
自らの膝を立てると、正常位に持っていった。  
 
「み、なもと……ぉ……」  
横たえられたままで見上げる薫を、慈愛の表情で迎える皆本。  
「――ありがとう、薫。……今度は、僕が君を楽しませる番だ……!!」  
 
そう言うと同時に、薫の腰に両手を添えて――激しくピストン運動を始めた。  
叩きつけるように腰を使い、強く膣の内壁を擦りつけながら子宮へ届けとばかりに奥を突くペニス。  
一突きごとに飛び散る二人の恥液の混合液の量は増していく。  
互いの身体はいつの間にか、汗や、何故か溢れる涙にぐしょ濡れになっていた。  
 
「ヒッ!? あっ、んんっ!! み、皆本、皆本ぉっ……!!」  
 
壊れた機械のように、絶えず自分を求めて鳴く薫の声に、顔に。  
皆本はたまらない愛しさを覚えた。  
確かに彼女はここに居るはずなのに、何故か現実感がとても希薄に感じられて。  
より深く腰を打ち込む。離したくないと。すぐ先の結末には行きたくないと。  
 
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──この蜜月は、いつまで続くものなのか。  
予知通りにすべてが進むならば、  
その果てに最愛の女性を自らの手にかけなくてはいけないことを心のどこかで知りながら。  
皆本光一は、罠の中で束の間の愛情に耽溺する。  
 
 
 
おわり  
 

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