【絶対可憐チルドレン 27th sence.サイコ・ダイバーズ(5) OTHER SIDE】  
 
兵部少佐の主導による、皆本の昏睡事件は幕を閉じた。  
結末は、主犯の元BABELエスパー・黒巻節子の自己催眠による自らへの口封じ。  
人質は確保出来たものの相手の情報は何一つ解らないという、  
半ば敗北に近い幕引きではあったが──、  
皆本と薫が無事であったことだけでも万々歳と言えるところであった。  
 
起死回生の一撃となったのは、  
高超度(レベル)の、しかも同じ精神感応系である紫穂には精神攻撃は効きにくいという事実。  
催眠攻撃の媒体であるデジカメを壊された黒巻は不利を悟り、  
屋敷に仕掛けられた爆薬を起動して自分だけ逃走を図る。  
 
このあと、屋敷の庭に仕掛けられていた地雷を催眠から目覚めた葵によってテレポートされ、  
黒巻は逃走用のバイクを破壊されて──とりあえずの事件の収束へと向かうわけなのだが。  
 
元から精神系超能力に強い耐性のあった紫穂はともかくとして、  
耐性のない葵がすぐに目覚められたのには、理由があった。  
それは、仲間の弱点を熟知した紫穂の働きである。  
 
黒巻が爆薬を起動してからタイムリミットまでの約一分間。  
紫穂が葵を催眠から解き放つためにその短時間で行った所業を、葵は語ろうとしない。  
倒れ伏す黒巻を見下ろす葵は、どこか所在なさげにもじもじとしていた。  
スカートを必死に押さえ、周囲の視線が自分を向いているのではないかと過敏に反応する。  
顔を真っ赤にして、紫穂を上目づかいに睨み付けるので精一杯であった。  
 
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「葵ちゃんは―――……、ここが弱いのよね…♪」  
 
いくら揺さぶっても起きる気配のない葵の業を煮やした紫穂が、葵の耳元に口唇を近づける。  
ESPリミッターのイヤリングがぶら下がる葵の形の良い耳に、熱い吐息を吹きかけた。  
 
ふうっ……♪  
「い…ひぁあああああッ!? み、耳はダメ!!」  
その瞬間、それまでの昏睡具合が嘘のように跳ね起きる葵。  
息を吹きかけられた耳を手で押さえ、真っ赤な顔で紫穂から遠ざかる。  
「なっ、何っ!? 紫穂ぉっ!?」  
突然夢から醒めさせられた葵は、状況をいまいち把握できずに混乱していた。  
その初々しい反応に、紫穂は何かゾクゾクと背筋に走るものを感じた。  
 
──本当はここで葵にテレポートをしてもらえば済む話である。  
──だが、接触感応能力者(サイコメトラー)である紫穂は、  
──爆発までのあと三十秒ほどの猶予を、「正確に」理解していた。  
 
残り少ないタイムリミットが、紫穂を逆に燃え上がらせた。  
後ずさる葵に、舌なめずりをしながら近づいていく。  
「葵ちゃん……、ね、ちょっと……」  
「ちょ、紫穂っ、アイツはどうしたん? あっ、ひ、ちょっ──!!」  
 
にちゅうううっ……!!  
 
「ひぃっ、や、ひぁあぁぁぁっ!?」  
目が覚めたら敵が消えていたことに関する葵の当惑などどこ吹く風、  
紫穂の赤い舌が艶かしく濡れ光りながら、葵の耳孔に差し込まれた。  
にゅぷ、にゅるっ、ちゅぱぁっ……!!  
ペニスを秘所に突き込むピストン運動のような激しさで、葵の耳を犯していく紫穂。  
 
ただでさえ弱い箇所を突然、しかも容赦なく責められた葵は甲高い喘ぎ声をあげるしかなかった。  
「やぁ、ひ、ぅぅぅっ!! やめ、そ、それ以上されたら、ぁぁっ!!」  
ずぶずぶっ、ずぢゅぅっ、ぴちゃっ、ずりゅっ──!!  
耳の中を、外側を、あますところなく紫穂の舌が這いずりまわり、  
凹凸の一つ一つを丹念に舐めしゃぶっていく。  
紫穂に肩を押さえられたまま、葵は淫悦に悶え続けた。  
 
葵にとって耳は「処女膜のない女淫」と言っても良いほどの感度があった。  
──そして、耳たぶは強いて言うならば、陰核と同じとさえ言えた。  
自分でリミッターのイヤリングを着けるなどで触れる分には、まだ大丈夫なのだが。  
だが、それを他人に触られ、あまつさえ舌で愛撫されるなど葵にはまるで許容外であった。  
 
「――――これ、邪魔よね」  
紫穂の手が動き、葵の左耳のESPリミッターを外す。  
次の瞬間、紫穂の唇が開いたかと思うと、葵の左耳をぱくりと口に含んだ。  
上下の歯で耳たぶを甘噛みし、さらに舌先でちろちろとくすぐっていく。  
「ひぁっ、や、アカン、ちょっと、あ、ぅぅっ!」  
 
(……あと、十五秒……)  
可愛らしく悶え、喘ぎ声をあげる葵を目の当たりにしつつも、紫穂はきっちりと時間を測っていた。  
紫穂の片手がすぅっ、と下がっていく。  
折り曲げた中指を親指が押さえ込み、タメをつくり――『デコピン』の形を作りながら、  
葵のスカートの中へもぐりこんでいく。  
そして同時に唇で嬲り続けていた耳を開放し、そのまま耳元で囁いた。  
 
「――惜しいけど、そろそろ終わりね。……イッちゃって、葵ちゃん……!!」  
「ひっ……!!」  
放たれたデコピンは、寸分の狂いもなく葵のクリトリスを捉えた。  
耳への愛撫ですでにどろどろに潤みきったそこは、ぐじゅり、と水を吸った生地特有の感触があった。  
弱点である耳と、陰核への同時攻撃に――、葵はそのまま絶頂に達していく。  
 
「あ、ひっ、くぅぅぅっっ、いやぁぁぁぁっ――――!!」  
 
人並みはずれて感じやすい耳に加え、突然クリトリスにまでも衝撃を受けての絶頂。  
下着の内側では秘所が派手に潮を吹き、ただでさえ濡れていた下着を更に濡らした。  
葵は紫穂にしがみついてビクビクと余韻に身体を震わせ、  
秘所に触れた紫穂の指を根元まで溢れる愛液で濡らして――、ようやく絶頂を終えたのであった。  
 
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そして、30秒ほどに満たないタイムリミットで葵を翻弄して絶頂を迎えさせた紫穂は、  
葵と共にテレポートで屋敷を脱出。黒巻を追い詰め――そこから先は、先述の通りであった。  
──と。気持ち良さそうに昏睡する黒巻を見下ろしていた葵が、  
ふと名案を思いついたように紫穂に耳打ちをする。  
 
「耳たぶ責めたったらどうや?」  
「……あんなに敏感なの、あなたくらいよ」  
 
紫穂の言いぐさに、葵はさっきの立ったままの絶頂を思い出す。  
そして今の自分の──短いスカートの中の下着がぐしょぐしょに汚れ、  
しかも太腿に愛液が垂れてきている状況を再認識し、羞恥で顔を真っ赤に染めた。  
 
「ふふ、可愛いかったわよ葵ちゃん。皆本さんにも見せてあげたらどうかしら。きっと喜ぶわよ?」  
 
「〜〜っっ、しっ、紫穂のアホ――――っ!!」  
紫穂が淫靡に微笑み、葵が恥ずかしさに耐え切れず喚く。叫び声は闇に吸い込まれて消えていった。  
この後、二人は皆本と薫が自力で昏睡状態から脱したことを知る。  
敵のことは何一つ判らなかったが、いつもの仲間が全員戻ってきた。  
 
とりあえずは、それで十分だと――全員が、そう思うのであった。  
 
 
おわり  
 

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