【絶対可憐チルドレン 32nd Sense.ガール・フレンズ(1) Other Side】
──饗宴の開催場所は、某カラオケボックス内パーティルーム。
その密閉空間で、コメリカ特務エスパー隊によるBABELへの「セッタイ」が行われていた。
グリシャム大佐の無許可脱退は──過去を懐かしんだ兵部によって──揉み消され、
すべてが事もなく元の鞘におさまったことを祝う親睦会。
そんな中で、やはりというかお約束というかなんというか。
コメリカ特務エスパーの褐色巨乳カウガール・メアリーを含めての、
皆本とのデュエット権を巡る『皆本争奪戦』が勃発するのは、当然の流れと言えた。
自慢の巨乳を皆本に押しつけて「セッタイ」しようとするメアリーに、
薫が待ったをかける。睨み合う二人の念動能力者(サイコキノ)。
──と、その隙に葵と紫穂が歌本を持って皆本にすり寄っていく。
背後で行われている争いなど知らないかのように、
歌いたい歌をピックアップしながら皆本に密着する。
リメンバー・パールハーバー。
予告なしの不意討ちに、メアリーの怒りは瞬時に沸点に達した。
掴み上げたビール瓶から、中身が螺旋を描くようにして噴き出してくる。
空中でぎゅるぎゅると渦を巻きながらホバリングを続けるビール。
そうしてから、高々とチルドレンの三人に向けて宣告した。
「こーなったら実力行使デース!! 自由競争で弱肉強食デース!!」
中空を舞っていたビールが一直線にメアリーの口腔へと吸い込まれていく。
自らを鼓舞する景気づけか。
異様にさえ見える一気飲みが終わると、ビール瓶をドンとテーブルに投げ出すメアリー。
眼は酔い気味に蕩け、その褐色の肌には赤みがさして火照り始める。
そのぞくりとするような色気に、皆本は知らずに唾を飲み込んだ。
「……って! 君は確かまだ未成年だったはずだろーがっ!?」
「アハハハハ! そーんなコト気にする必要ないデース!!」
【注・お酒は二十歳から】
「そ、そんなワケにはいかな──…ッッ!?」
メアリーの艶めいた姿に目を奪われながらも、正しい大人として振る舞おうとする皆本。
しかし、叱ってやらねばと張り上げた声が引き攣って止まる。目が驚愕に見開かれる。
ぐちゅっ、ちゅくっ……ちゅぷっ……!!
「ン……ァァッ、ミナモトー、見えてますカー……っンっ!」
酩酊状態になって気分がハイになったのか、
少しだけ檀が高くなったステージの上でがに股に脚を開くメアリー。
勢い良くミニスカートをまくり上げると、きわどいの黒のTバックが見えた。
その股布の部分を邪魔そうに脇へ退ける。
既に内部からの分泌液で湿っていた下着は癒着を剥がすように重々しくずらされ、
褐色の肌の中心にあって赤々と爛れたように濡れそぼる女淫が露わになる。
その周囲にはメアリーの頭髪と同じアッシュブロンドの、縮れた恥毛が密生していた。
陰唇を乱暴に掻き分け、ぐじゅぐじゅと派手な粘水音をたてて指先を膣内に突き込む。
「アゥッ、ンッ、クゥゥッ! オゥ、ッ!」
獣のように嬌声をあげながら、つい最近知り合ったばかりの男に見せつけるように自慰に走る。
膣をかきまわしていた指先はすぐに本数を増やしていき、
数十秒もしないうちに三本の指が出入りするようになった。
駄々漏れするように溢れていく愛液が指をつたい、手の平を濡らして床に落ちていく。
「フフ、ミナモト、ワタシに釘付けネー……。 でも、コレで終わりではないデースよ……?」
皆本だけではなく、周囲のチルドレンにも挑戦的な視線を振りまくメアリー。
下半身を丸出しにしたまま、卑猥に腰を前後左右にくねらせていく。
腰が動かされるたびに、ぴちゃ、ぴちゃっ、と膣からこぼれ落ちる雫。
むっちりとした女性特有の柔らかそうな肉付きの、チョコレート色の尻たぶが震える。
「ッ、アンッ♪ どうデースか、ミナモトォ……、ちゃんと見てマースかァ……」
見られて興奮し出したのか、鼻息も荒く腰をグラインドさせるメアリー。
瑞々しい太腿の付け根では動きに合わせて肉唇もヒクつき、とろとろと涎を垂らす。
「モット、もっとォ、見てくだサーイ……!!」
そして、より強く視線を受けようとするように──シャツをがばっ、とたくしあげた。
ぶるんっ──!!
「おおッ!!」
「……!!」
薫が感嘆の声を漏らし、皆本もまた息を飲む。
胸にぴったりと張り付いてそこを強調していたシャツから解放されて、
褐色の巨乳が外気に晒されて上下に揺れ、胸の谷間にかいた汗を飛ばす。
メアリーはそのまま両手を頭の後ろで組み、自慢の巨乳を弾ませて躍り狂った。
(……こ、こんなっ……!!)
女性であることを前面に押し出しきった、下品なのにどこか優美な腰つきのセックスアピール。
もちろん木石の類ではない皆本は、そのダンスに否応なく反応してしまう。
それを悟ったか、卑猥なダンスはさらに激しさを増していった。
そしてメアリーは、皆本の脳裏に自らを完全に焼き付けてしまおうとトドメに動き出す。
つい先程まで自身が熱唱に使っていたマイクを掴み取ると──、
そのまま一気に、どろどろに潤みきった膣内へ挿入していった。
「見てくだサイ、ミナモト……ンォォッ、こ、これヲ、私の……ォォッ!!」
ずぶぶぶぶぶぶぅぅぅっ!!
じゅぶっ、ぐぢゃっ、じゅぶぶっ!! ずっ、ずぶぅ、ずぶっ!!
「オゥッ、ンッ、オァァァッ、アオォォッ!!」
獣さながらといった風情の、甲高くあられもない叫び声が室内に響いた。
立ったままで大きく足を割り開き、そこに無機物の剛直を挿し込んで自慰に耽るメアリー。
歌を歌っていたときとは反対の逆手にマイクを持ち、激しく出し入れを繰り返す。
ズッ、ズブッ、ズッ、ズッ、ズズッ、ズブブゥッ!!
衆人環視の中、気が触れたかとさえ思えるほどの激しい自慰が続く。
立ったまま脚を大きく開いて腰をぐいぐいと動かし、発情期の牡犬のように舌を出して仰け反った。
いつしかメアリーは片手でペニスに見立てたマイクで膣内をこね回しつつ、
もう片方の手で自身の尻孔に指を二本強引に突き入れて抽送していく。
未開発のはずのその場所までも、今のメアリーには深い快楽を与えていた。
――そして、声も出さず凝視してくる皆本と視線を合わせて――、
ビクンッ!! と、一際大きく身体を震わせ、絶頂に達する。
「ァゥッ、アアァァァッ、イ、イくデスッッ、オゥッ、オオオオゥォッ――――!!」
ビクッ、ビクゥッ!! ぶしゅっ、ぶしゃああぁぁぁっっ……!!
唇の端から白い泡を吹きながら、背筋を限界まで反らせて余韻に浸る。
股間を皆本に向けて精一杯突き出しながら、噴き出す潮を皆本に届かせようと身体を振るわせた。
やがてその微動も収まり、メアリーは呆けた顔で天井を見つめる。
最後まで腰を床に着かずに――……。
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しばらくして、ようやく余韻も去り正気に戻ったメアリーは、チルドレンに対して勝ち誇る。
腰に手を当てて胸を反らすと、タンクトップに包まれた巨乳がつられてぶるん、と揺れた。
「あなた達みたいな小娘にハ、オマンコにマイクなんか入らないでショー!!
さァ、負けを認めてミナモトをワタシに寄越しなサーイ!!」
傲岸不遜な物言いに歯噛みする薫と葵。
いくら皆本を誘惑しても責任感の強さが災い(幸い)して一歩手前で止まってしまう為、
悔しいことに彼女たちは未だ年齢に相応しく処女であった。
「く……ッ、ちくしょービッチが……ッ!!」
薫の雑言にも力がない。
つい敵(皆本に関しては)であるメアリーの巨乳に見入ってしまった事が、薫を責め苛んでいた。
このままデュエット権はメアリーに行くか――、
と、思われたのであったが。
ずい、と進み出るふわふわとした髪の毛の少女――紫穂が居た。
その顔には、勝ちを確信した表情。
確実に相手へのカウンターパンチを隠していると言わんばかりの笑顔があった。
「? 何デースか? もう勝負はついたはずデース! 引っ込んでなサーイ!!」
メアリーの言葉に、紫穂はゆっくりと首を横に振って否定の意を返す。
そして、真犯人を当てる名探偵の如く指先を空へ向けて「タメ」を作った。
「あんなマイク一本で勝ったと思っちゃダメ。チルドレンには貴女を完全に凌駕する逸材がいるわ」
「!? そ、ソレはッ、誰だと言うのデスかァッ!!」
驚愕するメアリー。それは、その場の他の全員も一緒であった。
チルドレンの三人が全員処女であるということは本人たち同士が最もよく知っている。
――まさか抜け駆け? いや、そんな……、そうした思いが駆け巡った。
局長は既に皆本の襟元を締め上げて、国の宝を傷物にしたと憤っている。
朧とグリシャムはどこか興味深げに様子を見守り、ケンは新たなジョッキを飲み干していた。
全員の視線が集まる中、紫穂はゆっくりと天に向けた指先を下ろし――――、
葵に、突きつける。
「葵ちゃんの『お尻の穴』なら容易く飲み込んでみせる……、マイクなんか目じゃないわ――!!」
そうして、劇画調のちょっと怖い顔でそう言ってのけた。
途端に紛糾し、酷い喧騒に包まれていく密室。
「え゙、ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ、マジかよ――ッッ!?」
「ちょ、し、紫穂っ、あんたソレっっ……!!」
「――ゆっ、許さんッ、許さんぞッ皆本クンッ!! 国の宝に、な、なんと破廉恥なッ!!」
「ち、ちがっ、それはおごっ、ごほっっ――!!」
「……最近の子供たちは、進んでいるんだね……」
「あの子たちと皆本さんが特別なだけです」
「オー、ミナモトウタマロねー? ケッ」
「マ、負けたネ……、さすがのワタシも、アナルセックスはマダね……!!」
ぎゃいぎゃいと思い思いに騒ぎ立て、いつの間にか勝負も何もかもがお流れとなり。
葵はもちろん、皆本も疑惑について口にする事はなく。
真偽のほどさえも有耶無耶となり、紫穂だけが意味深に笑みを浮かべていた。
――デジカメに念写したと思われる、一枚の写真を大事そうに懐に隠して。
おわり