【絶対可憐チルドレン 37th Sence. パンドラの使者(2) Other Side】  
 
兵部京介を盲目的に信奉するチルドレンと同年代の少女、澪。  
彼女はその兵部の関心を引き続ける薫――不確定未来の『破壊の女王(クイーン・オブ・カタストロフィ)』――  
に対する嫉妬から皆本を誘拐し、山奥の廃校へと薫を誘う。  
 
人質である皆本の前に置かれた食事の選択肢は、カップラーメンの味・二択。  
兵部によってP.A.N.D.R.Aに拾われるまで笑顔すら無かった少女には、  
三食すべてがソレであることへの戸惑いも躊躇いもなく、自身の身体の変調さえも知らず。  
むしろ、何故それがいけないのかということさえ理解していなかった。  
 
――そうして、健康的に元気に育たなくてはいけない年頃の少女がそうしていることに、  
生粋の主夫である皆本が黙っておれようはずもなく。  
後ろ手に縛られていたはずの人質が、あれよあれよという間に。  
 
 
健全な食生活への引き戻し、及び風呂と歯磨き、着替えをさせられる羽目になってしまっていた。  
 
 
「なんか………、調子くるうな………!!」  
廃校裏手の庭に据え付けられたドラム缶風呂に浸かった澪が、不可解そうに眉根を寄せて歯を磨く。  
下手な反抗をするようなら、薫が来る前に腕の一本でも折っておくつもりでいたのだが――、  
皆本の言う事がいちいち正しく、また兵部の好みの話で釣られてしまったことも事実で。  
つい、言うとおりにしてしまっていた。  
 
その、人質であるはずの唾棄すべき普通人(ノーマル)の男の言うなりになっている現状が、  
彼女の知らない『家族』そのものであるということを知らずに。  
 
「……なんなんだ、あいつは!? 本当に男か!? じつはおばはんじゃ……――」  
 
――曰く、女の子のクセに5日も着替えてないなんて。  
――曰く、耳の後ろもよく洗え、と。  
 
正しいからこそ反抗したくなるような小言を並べる皆本に、澪は困惑しきりであった。  
こんなことをするために、あの男を誘拐して来たのではないのにと思いつつ。  
しかし、その小言をどこか心地よく思っている自分に苛立ちながら。  
 
「〜〜っ、ええい、もうやめっ!!」  
ざばぁっ!!  
相反する考えに煮詰まりそうになってしまった自分を振り払うように、  
澪はドラム缶風呂から勢いよく飛び出した。  
背の低い澪が安全に風呂に出入りするために置かれた教室の木製の椅子に足をつく。  
 
――すると。  
「……っっ――!」  
まだ温まりきっていないままで風呂から上がってしまったためか、  
急に外気に晒された素肌は寒気を訴えた。  
桜も既に散ってしまったような季節とはいえ例年より雨の多い天気のせいで気温は全体的に低く、  
露天で風呂に入るには――本来は、もっとしっかりと温まるべきであった。  
入る前に、皆本にもしっかりそのあたりは念を押されていたのだが……、  
つい、出てしまったのである。  
 
ぶるっ……、と、背筋に悪寒が走った。  
慌てて身震いする澪。今感じた感覚は、紛れもない尿意であると実感する。  
 
そして同時に皆本が作った食事と、言った言葉が思い出された。  
食事生活の現状を知るや否や突如義憤に駆られたように怒り出した態度と、  
澪には化学調味料の摂りすぎで舌の粘膜が変質していてその味を知ることは出来なかったが、  
味覚障がいに成りかけだった身体を食事治療するために食べさせられた長ネギ入りの汁物を。  
 
『とにかくまず野菜だ! これ食って、摂りすぎた塩分や添加物を排出!!』  
 
塩分や添加物を排出。  
――排出。その一語が頭の中をリフレインする。  
「……っ、こ、こういうコトかっ……!」  
 
ひゅう、と風が吹き、それをまともに受けた未成熟の裸身が尿意を更に煽られて震える。  
まだ産毛すらも生えていないつるりとした澪の股間の内側を満たす、じわりと滲むような感覚。  
慌てて太腿を擦り合わせるが、それで根本的な解決になる訳でもない。  
澪は次第に大きくなっていく尿意を抱えたまま、バスタオルを羽織ることも忘れて周囲を見渡した。  
きょろきょろ。  
「今から服を着てたら……ま、間に合わない……!」  
高まり続ける尿意は、逡巡しているうちにみるみる限界点へと上り詰めていく。  
廃校であるこの場所には大男・コレミツと皆本しか今はいないことは判っているが、  
だからと言って野外でしゃがんだままおしっこをするということは――いくらなんでも憚られた。  
 
「っ、ぅぅ……ど、どうしよっ……!!」  
ドラム缶風呂の端をぎゅうっ、と強く握り締めながら、澪は膝をガチガチと振るわせる。  
薄く膨らんだ乳房の先では、豆粒ほどの大きさの乳首が肌寒さのせいで勃ち上がり自己主張していた。  
「――っ、うううっ……!」  
もじもじと太腿を擦り合わせ、小ぶりなお尻を小刻みに震わせる仕草がじょじょに大きくなっていく。  
 
挙動不審気味に動かされる視線。  
やがてそれは、今まで自分が入っていたドラム缶風呂に向けられた。  
「っ、こ、この際……外でスるよりは――……」  
 
意を決し、澪は風呂へ再度身を沈めようとがばっと大股に脚を広げてドラム缶のふちに足をかける。  
大股開きになったせいでぱっくりと開いた脚の付け根では、割れ目の奥の陰核さえもが覗いた。  
直接外気に触れたことで肉芽はひくんッ、と震える。加速する尿意。  
「っぅ……ッ!」  
急いで風呂の中へ、と身体を持ち上げる澪。  
 
しかし。  
「コラ――――ッ!! 風呂の中でトイレを済ませようとするな――ッ!! 女の子だろうっ!!」  
「〜〜っっ!?」  
がしゃっ、ぐら……っ!  
突如背後から掛けられた怒声。  
あまりの不意打ちに、片脚を大きく上げたままだった澪はバランスを崩してしまう。  
振り向けば、慌てて駆け寄ってくる皆本の姿。  
 
しかし、エスパーではない皆本に間に合おうはずもなく。  
ドラム缶から手を離した澪の身体は椅子を巻き込んで、まばらに草の生えた地面へと落下する。  
――――どさぁッッ!!  
 
「くぅっっ――!! ひぁっ……!!」  
尻餅をつくような形で投げ出された澪は、ちょうど皆本に対してM字に足を開くような形になった。  
倒れた椅子の足の間に片脚が挟まってしまったようで、泡を食って動こうとしたが徒労に終わる。  
「――す、すまん、まさか倒れるとは思わなくて――……」  
そうしているうちに、駆け寄ってきた皆本が澪の元にしゃがんで目線を合わせる。  
全裸で開脚する少女の間近で、覗き込むように。  
「ち、近づくなッ! 待てっ、ちょ、っ――!!」  
泣き顔さながらに歪む澪の表情。頬に一気に赤みが差した。  
しかし当の皆本は、悲痛なその声に頓着することなく澪の顔を見据える。  
 
「けれど! 風呂の中で用を足そうとするのは駄目だ。……まったく、君も女の子なんだから……」  
あまつさえそのまま、説教モードに入ろうとさえするのであった。  
 
「っ、っっっっ〜〜!!」  
いよいよガマンの限界が近くなってきた澪であったが、  
片脚を椅子に取られてしまっているために太腿を閉じて耐えるという術も奪われてしまっていた。  
目の前の皆本を超能力で排除しようかとも考えはしたが、  
進退と羞恥の窮まった現状のせいかまるで能力が働かなかった。  
「ぅっ、っ、っあああっ、あ、あっち行けぇっ……!!」  
 
最後の力で、必死に手だけで皆本を押し返そうとする澪であったが、  
超能力が無ければ一介の小学生女子と同じ――否、むしろ不摂生の分だけ澪の方が不利である。  
健康的な成人男性である皆本を退けられようはずが無かった。  
 
「……駄目だ。僕がいなくなったら、どうせすぐに風呂の中でしようとするだろう?」  
「そ、それは……っぅっ……!!」  
どちらにせよ最早動く余力さえ残ってはいなかったのだが、図星を突かれて澪は狼狽する。  
それ見たことか、という表情になった皆本は、呆れ顔のままで澪の――、  
 
開かれた無毛の秘所に手を伸ばした。  
 
「ひぃっ、ちょ、あ、ぅっ! さ、触んないでよっ、そんなとこ……ぉぉっ!」  
くにゅ、くにゅっ……。  
未開の花園と形容するに相応しい陰部の入り口で、くすぐるように動かされる皆本の指先。  
未知の感覚に、澪は眼を白黒させた。  
 
「このままトイレまで運んであげようかとも思っていたけど……、無理そうだな。  
 判った。ここでしてしまうといい。僕が見ているから」  
 
至って普通の表情でそう告げる皆本。  
逆に澪の目尻からは涙さえこぼれて、顔の赤みは耳元から首筋まで伝播してしまっていた。  
「ぁ――っぅ、こ、こんなカッコ、少佐にもまだ、み、見せたことないのに……ぅっ……!」  
 
恥辱の炎に炙られて、身体全体が風呂に入っているときよりも熱を持ってしまう。  
両手で顔を覆い、自身の視界をふさいだ。  
何ら事態の解決にはなっていないが、少しでも恥ずかしさを和らげようと。  
しかしそのせいで、あくまでも冷静な――気遣うような皆本の声色がより鮮明に聞こえる事になり。  
 
「――我慢し過ぎると身体に良くない。ほら、ゆっくり力を抜いて。  
 しー、って。……出してごらん」  
 
くちゅ、くちゅっ……。  
尿意をもよおさせるために動かされていた皆本の指先には、  
いつの間にか熱く粘ついた液が絡み付いていた。  
動かすたびに指先と秘所を繋いで銀色の糸を引き、澪の性感を高めてしまう。  
 
そして遂に皆本のしっかりと切られた爪の先が澪の尿道口を引っかくように捉えた、その瞬間。  
澪の緊張は、頂点を越してしまった。  
「ぁ、だ、ダメぇ、っぁ、ふぁぁっ――…………!!」  
 
ぷしゅっ……。  
ちょろ、ちょろちょろ……ぷしゃあぁぁぁぁぁぁぁ……。ぷしゅわぁぁぁぁぁあぁぁぁ……!  
 
盛大に、堤が堰を切ったように溢れ出す小水。  
我慢に我慢を重ねた澪のソレは、鮮やかな黄色に染まっていた。  
「や、ぁぁ、見るなっ、ぅぁぁああぁ!!」  
ティーンエイジャーになるような年齢にもなって、野外で人に見られながらおもらし――。  
年頃の女の子にとって、これ以上に恥ずかしいことはない。  
流れるおしっこを止めようと躍起になる澪だったが、一旦出てしまったものはそう簡単に止まらない。  
正に、覆水盆に返らず――といった具合であった。  
 
びしゃびしゃと流れ出る尿水は地面に吸い込まれていたが、それも始めだけのことで。  
すぐに飽和状態になってしまい、水溜まりを作ることになった。  
 
おしっこの池が、みるみるうちに尻餅をついた澪のお尻をも汚していく。  
「ぅっ、ぁぁ、ぅぁ…………」  
放出したばかりの尿水のほのかな温もりが、澪をさらに惨めな気持ちにさせていくのであった。  
 
 
やがて、どれほど溜め込んでいたのかと邪推したくなるほど長いおもらしがようやく終わり。  
恥辱に疲れてぐったりと脱力した澪と、あくまで(表面上は)冷静な皆本が後には残った。  
 
「ほら、洗ってやるから――……」  
「だ、だめっ、っ、触るな……ぁ……」  
その後、抵抗の出来ない脚を取られて汚れた秘所と尻たぶをお湯で丹念に洗い流され。  
椅子に挟んだ足を簡単に抜かれ、そこを慈しむように撫でられ。  
その上にお姫さま抱っこまでされて、少しお湯の減ったドラム缶風呂へと再び澪は戻された。  
「今度はちゃんと温まるように。……いいかい、判ったね?」  
あくまで穏やかに、大人が子供を気遣うスタンスを崩さない皆本。  
その爽やかな表情を見るに、感じてしまった自分が一層恥ずかしく感じて。  
 
「あ、アレはノーカンだからね! 私はお、おしっこをしただけでっ、  
 あんたとそ、そういうつもりなんかまったく無かったんだから! 判ってる!?」  
 
――と。どこかテンプレ的なツンデレ反応を返す澪であった。  
踵を返した皆本は、こめかみを掻きながら苦笑していた。  
 
 
おわり  
 
 
 

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