【絶対可憐チルドレン 39th Sence. パンドラの使者(4) Other Side】  
 
たった一人、分身と部分テレポートを駆使してチルドレンに単身戦いを挑む澪。  
それは、未だ発展途上の能力を抱えた三人の能力よりも錬度の高い、  
充分に互角以上に戦えるものであった。  
 
一方、凄まじい膂力に任せて皆本・賢木を相手にするコレミツもまた、  
普通人(ノーマル)である皆本と、訓練をサボりがちな賢木を相手にするには充分で。  
B.A.B.E.L.側は、未曾有のピンチに瀕していた――――。  
 
 
バキィッ――!!  
「ぐわッ……!!」  
大男に似合わぬ柔軟さ、俊敏さで振り上げられた蹴撃が皆本の顎を蹴り上げる。  
成すすべなく跳ね飛ばされ、草むらに倒れこむ皆本。  
「皆本!!」  
友を気遣う賢木の声――それさえも遮るように、  
コレミツは賢木の胸倉を掴みあげてネックハンギングツリーに仕立て上げる。  
「賢木―――!!」  
地べたに這いつくばり、絶体絶命の危機に陥った友に悲痛な叫びをあげる皆本――、  
 
……の、視線の上に――、  
 
 
お尻があった。  
 
 
スカートに包まれたせいで、内部は影になって少しだけ見づらい。  
少女らしい、しかし少々洒落っ気に欠けたコットン地の白いショーツに包まれた、  
栄養が足りていないと人目で解る細身の下半身「だけ」が、そこにあったのである。  
腰の部分から上はなく、微かな燐光を放ちつつ微振動音をさせた――少女と判る下半身が。  
 
「う……、うっわ、なんだコレ――――!!?」  
 
あまりにも奇異な状況に、寝転んだままで器用に地面を滑って「引いて」しまう皆本。  
が、天才科学者でもある皆本の洞察力はすぐにそれが澪のモノであることを悟った。  
――下半身が穿いているパンツは、つい先ほど自分が洗濯をして乾かしたものであったからである。  
 
腰から上の空間が捻じ曲げられていることから、澪は部分テレポートを駆使した分身での  
戦闘を行っているのだということが容易に導き出せた。  
また、それをすることでの澪自身への危険性の高さも察知する。  
 
一刻も早く事態解決をしなくてはならない。  
そう判断した皆本は賢木のオートバイを借り、澪の下半身を抱きかかえて走り出した。  
 
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…ちょうどその頃。  
上半身だけを分身で切り離した澪は、薫の首を絞めようとしながら空中への上昇を続けていた。  
 
「お前なんかが女王(クイーン)になって――――、これ以上何が欲しいっていうのよ!?」  
 
自分の欲しいものを悉く持つ、  
そしてこれから持つのだと兵部の言う薫に対し、憎悪を露わにする澪。  
ギリギリと渾身の力を込めて、薫を亡き者にしようとその首に手をかける。  
穏やかにしていれば可愛いはずの相貌を憎し気に歪ませて、澪は殺意を露わにした。  
「……ッ!?」  
――と。呼吸を奪われていく苦しさに眉根を寄せていた薫が、緩んだ手の力に訝しげに澪を見やる。  
 
――――びくんっ!!  
「…………!!」  
すると、澪の身体が痙攣するように跳ねた。  
首を絞めていた手を完全に離してしまう。視線は下方を向いている。  
今この場には無い場所――ちょうど下半身の、しかも股間に向けられていた。  
 
「ちょ、や……何!? やめ――――」  
 
額に汗が浮く。頬に赤みが差す。  
「ふぁっ、あっ!? いやっ、んんっ!!」  
傍から見ている薫が恥ずかしくなるほどに、身をよじる澪。  
「っ、〜〜っ、ぅ、ううっ!? あっ、っ……!」  
見えぬ場所からの性的刺激は、まるで予測のつかない愛撫であった。  
次に下半身のどこを触られるか判らない今の状況は、小さな快楽も拡大させて伝える。  
それは澪が胸を張る格好になったときに、  
まだ膨らみの薄い胸の頂点がふたつ服の上にぽっちりと浮き出てしまっていたことからも理解できた。  
 
――ビク、ビクンッ。  
「ひぃっ、うあっ、ダメ、ダメッ、そこはっ!!」  
不意に、全身――と言ってもこの場にあるのは上半身だが――を硬直させ、慌てた顔をする澪。  
「そ、ちょっと、あぅっ、イ、イッちゃっ、っ――――!!」  
それまでと毛色の違う感触に悶え、どうしていいか判らないといった風情で目を剥き、  
口を限界まで開いて酸素を求めるように開閉する。口の端からは涎さえも垂れ落ちていた。  
 
両手は下に向けられて重ね合わされ、何も無い場所を必死に握り締めたり宙を掻いたりする。  
ここにある身体の部位ならば、そこを押さえて留まることも出来ただろうか。  
澪の身体は、磁石同士が引き寄せられるように当人の意思を介せずに地上へと移動していき、  
 
――やがて、テレポートを起こしてその場から掻き消えたのであった。  
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再び時間は前後して、皆本。  
澪の下半身をバイクの座席の前に抱えて、チルドレンと澪の移動した先へと疾走を続ける。  
(この軽さ……、上半身がないせいだけじゃない……! この子は多分……!)  
 
普通に触れてさえその存在の密度の薄さが理解できることに、皆本は焦燥感を覚えた。  
「くそっ、ドコまで行ったんだ……!」  
バイクに乗ったままで周囲を見渡すが、どこに誰がいるのか見当もつかない。  
――このままでは、大きすぎる負担に澪自身が耐え切れなくなってしまう。  
そう考えた皆本の頬を、一筋の汗がつたった。  
早く見つけ出さなくてはならないのに、その手立てがないことに。  
 
心配げに、腕の中の下半身を見下ろす。  
ずり落ちないように太腿から尻たぶにかけてを強く抱え込むと、柔らかな肌の感触が伝わってきた。  
皆本の手の動きに合わせてふにふにと柔肉は形を変え、同時にしっとりと汗ばみ始める。  
ぴくぴくと敏感に反応を返す少女の肌触りに、皆本は知らずに没頭してしまう。  
「――……こ、こんなときに僕は何をっ」  
ひとしきり揉みしだいてから、ハッと我に返る皆本。  
尻たぶに当てた手は離さないままであったが、自分のしていたことを悔いた。  
手を動かすのを止めた後もぴくぴくと動き、ふるふると震える下半身が弱弱しく目に映る。  
心なしか、部分テレポートで切り離された空間のゆがみがぶれた気がした。  
 
「……っ、そうか!」  
傍目には身体が切り離されているが、実際は下半身と上半身は神経単位でもしっかりと  
繋がっているのだということに皆本は思い至った。  
ならば、下半身に刺激を与えてやれば上半身はそれに引かれて戻ってくるであろうという推測と共に。  
「よ、よし……、スマン、これは――……君のためなんだ……!」  
 
唾を飲み込み、バイクの運転に細心の注意を払いながらも――皆本の左手は、澪の太腿を割り広げた。  
洗いたての下着を邪魔者と扱うように、その脇から無思慮に指先を潜り込ませていく。  
 
本来ならばもっとゆっくりと優しく触れてやるべきだとは思ったが、  
このままにしておいては逆に澪に危険が及びそうだと判断し、やむを得ないと自身を納得させる。  
 
未だ無毛の割れ目を指先だけで確かめ、陰唇をくつろげて内部を指の腹で引っかき回す。  
陰核に親指を当て、包皮を剥くでもなくすりつぶすように押し付けた。  
 
びぐっ! びくびくっ!!  
一挙手一投足に、下半身は初々しい反応を返してくる。  
汗を滲ませていた肌には既に玉の汗が浮くほどに火照りきっていたし、  
爪先は吊りそうなほどに突っ張り、快楽を堪えきれずにばたつく。  
皆本は走行するバイクから取り落とすまいと、必死に胸と腕でそれを押さえた。  
 
「……反応、してるな……。戻って来るんだ…、早く……!」  
 
攻めどきと悟った皆本の人差し指と中指が、膣口の浅い箇所を乱暴にばたつきかき回す。  
少女の秘所はスカートの中でにちゅにちゅと音をたて、湯気さえもたてて蕩けていた。  
白い下着が濡れて、その色を僅かに濃く染める。  
「――まだか、くそっ……それなら……!」  
 
親指から順番に、上から秘所を責め立てていた指の四本目。  
戻ってこない上半身に業を煮やしたように、薬指が――つぷり、と澪のもうひとつの穴に触れる。  
秘所を包み込むように掌を広げていたせいで、澪の愛液が手の平を垂れ落ちていた。  
そのおかげで薬指は濡れ光っており、指先は存外にたやすく尻穴の襞に埋まり込む。  
 
びぐぅぅっ!! びぐっ! がくがくっっ!!  
 
大風に晒される柳のように激しく揺れる下半身。  
腰がバイクから浮き、かえって指先を膣と尻穴に深く埋めることになってしまう。  
――そして。  
 
 
――――ヴュバッ……!!  
 
胴体の空間のゆがみが散ると同時に、上半身が皆本の腕の中に現出する。  
その姿は完全に性的快楽に翻弄されきって、目の焦点さえ定まっていなかった。  
「……!!」  
「っ、っちゃ――……っ、お、お前――!!」  
戻ってきた澪の視線が上を向き、自らを抱きかかえている皆本のそれと合わせられる。  
強張る表情。息を飲み、身体中がゾクゾクと震えた。  
イキかけていた身体への最後の一押しは、間近で視姦されていることへの強烈な羞恥であった。  
 
「み、見るなァ、っ、ア――――く、ゥゥッ、ッ!! っうううっ!!」  
 
絶頂の痙攣。下着の内側に潜り込んだ皆本の四指を秘所がきゅうっと絞め付けた。  
太腿は皆本の手首を挟みこんで、汗ばんだ肌を擦り付ける。  
少しでも見られまいと皆本にしがみつき、跳ねる肢体を隠そうとする澪であったが、  
それによって自身の発情した体臭と汗の臭いをより強く嗅がせることになってしまうことになった。  
 
「っ゙、っっ……ゥ、ぅぅ……」  
走るバイクの上で絶頂させられ、皆本の胸に身を預けたままではあはあと息をつく澪。  
ぬぷ、っ……。  
「ひっ!」  
ゆっくりと二穴から引き抜かれる指を横目に捉えて、そのぬらつき加減に更に羞恥を煽られた。  
見上げる皆本の顔が、澪自身を純粋に心配している感じでしかなかったことに怒りのやり場を失い、  
 
「……うっ……っ……こ、こんなコト、して、っ……! お前、セキニン取れっ……!!」  
どうしようもなくなって、俯いてそう呟くしか術はなかった。  
 
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……と、そこに。  
 
「逃がすか、この――――……っ!!?」  
 
――澪を追って飛んできた薫が、皆本の腕の中で情事後のように(正に情事後ではあるのだが)  
ぐったりと抱きついて幸せそうに(薫主観)しているのを見るに、  
 
「よーし、二人一緒に風になれッ!!」  
「な……なぜ僕ごと殺る!?」  
 
両手を突き出して最高出力の念動波をぶちかまそうとしたのは、  
無理のない行動であったと言えた。  
 
 
 
おわり  
 
 

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