―――バベルメインコンピュータ室―――  
あらゆる情報が集められたバベルのメインコンピュータが設置されている部屋である  
そのため外部には3つもセキュリティドアーが、内部には強力なECMが設置されている  
当然入れる人物は限られてくる。正規の方法では入れるのはおそらく3通りしか無いだろう  
1つはバベル関係者。その中でも特に高い地位にいる者。例えば局長のような人物  
2つ目はその人物に許可を貰った人物。  
そしてもう1つは・・・特別有能な科学者。そう、例えば皆本光一のような・・・  
 
 
カタカタ・・・モニターだけが明かりの部屋でキーボードを打つ音が聞こえる  
カタカタカタ   [これより先のデータはLV3の機密情報(個人情報)のため閲覧は不可となっております・・・]  
「う・・・止めとくか?いや、LV3くらいなら痕跡を残さずに・・・」  
カタカタ・・・――閲覧禁止――  
カタカタカタ・・・――閲覧禁止――  
カタカタカタカタ・・・――閲覧許可――  
「ふぅ、バベルといえどもLV3の情報はこの程度のセキュリティか。よし、これならいけるか?」  
[検索モードIN・・・検索したい人物をどうぞ]  
ゴクリ、と思わず生唾を飲む。これを入力してしまえばもう後には戻れない  
 
 
・・・・・しばらくして彼は静かに入力を開始した。  
カタカタカタ、カタ、カタカタ  
入力された名前は・・・  
「柏木朧」  
 
 
[該当データを発見]  
柏木朧  
・超能力支援研究局局長秘書官  
・階級、二尉  
「この辺のデータはどうでもいいんだ。重要なのは・・・あった」  
[年齢]―――――  
「こ、これは!?」   
「知ってしまったようね?皆本君・・・」  
「柏木さん!?じゃぁこのデータは・・・本当なんですね?」  
「ええ。知られてしまったからには・・・分かるわよね?」  
冷や汗がとめどなく流れている  
「ぼ、僕をどうする気です?」  
朧は謎めいた笑みを浮かべ  
「ウフフ・・・どうして欲しい?犯罪者として突き出して欲しいかしら?」  
「なっ!?・・・クッ」  
皆本の動揺が手に取るように分かり朧はいっそう笑みを大きくする  
「安心して、貴方はバベルにとっても有能な人物。みすみす手放す気は無いわよ。それに好奇心は科学者には必要だものね」  
「ただ・・・ちょっと二度とこんな事する気にならなくしてあげるだけ・・・もちろん口外にもね」  
「さぁ・・・付いてきて?バラされたくなかったらね・・・ウフフ、楽しみだわ」  
止まっていた空間が動き出す・・・ゆっくりと、だが確実に悪夢へと・・・  
 
 

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