「ウチ、子供二人がええなっ♪」  
「だからそーゆーことは大人になってから考えろって言っただろ」  
 以前に言った事を呆れたように言う。前回と違うのは今は屋内で葵しかおらず、  
薫も紫穂もいないことであった。  
「だいたい……子供の作り方知らないだろ」  
「へっ……あの…それはその…………知ってるゆーねん」  
 後半はなにやらふて腐れるように言い捨てた。 薫と違って奥手でそういった知識が  
少ないと思っていたので意外であった。そして知ってると言うことはセクハラ的発言に  
なってしまう気づく。皆本は語尾からその事について怒ってるのだと認識した。  
「あ……あの、ごめん。その、そう言う意味で言ったわけじゃないんだ」  
 自分の軽率さにちょっと自己嫌悪に陥りつつ、葵へのフォローの言葉を探す。  
「…………」  
「…………」  
 なんとも気まずい空気。いっそ薫が居てくれれば今頃壁にめり込ませるようなツッコミ  
でもしてくれてたんじゃないだろうかと思う。  
「……あんな、薫がそういうエロい本持ってくるやん?」  
「あぁ。やめろって言ってるんだけどな」  
「こないだたまたま一人やった時にこっそり見てん」  
「そ、そうなんだ……」  
 いつもと違う葵のテンションに戸惑っていた。  
「なんやすごいドキドキしてな…」  
「………」  
「薫、こんなんおおっぴらに見てて凄い思うわ」  
「それは葵の方が正しい反応じゃないか……」  
「ほんまに?」  
「あ、あぁ……」  
「それで体熱うなって……」  
「く……」  
 突然のカミングアウトになんと言えばいいのかわからなかった。  
「そんでな、みんな帰ってくるかもしれんゆーのに抑えきかんなってもーて…」  
「分かった! 分かったから! そう言うことは簡単に人に話すもんじゃ……」  
「簡単ちゃうもん! 皆本はんやから……」  
「お。おい……」  
 ぎゅっと抱きついてくる。その鼓動の早さが伝わってきた。  
「今もな……あん時みたいにドキドキしてんねん…何でかしらんけど……」  
 そう言って皆本を見上げる。眼鏡越しの潤んだ瞳が少女を女性にしていた。  
「葵……」  
 腕を握っていた葵の手がゆっくりと皆本の首にマワされ顔が近づいてくる。  
 やめさせねばと脳が警鐘をならしているのに声が出ないでいた。  
「ん……」  
 二人の唇が重なる引き離さねばならぬはずの皆本の腕が葵の背中へと回され  
ぎゅっと強く抱きしめるのであった。  
 

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